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清書:蚕の成長 キジバト の広場
あろつ 小4

「諒、まゆがいいもの持って帰ってきたよ。」
 

 お母さんが五月終わりごろに妹の幼稚園でかいこをたのんでくれました。スーパーのコロッケを入れるような
 

 とうめいなプラスチックの入れ物に、小さい六匹のかいこが入っていました。体長七ミリくらいでした。毎日かんさつすることにしました。
 

 えさはくわの葉っぱでできた太い緑のソーセージみたいな人工飼料を、毎日切ってあげました。ちょっとにおうので気持ち悪かったです。ぼくはよくこん
なくさいたべものをうれしそうに食べられるなあと思いました。どんどん大きくなって早く脱皮してほしいと思いました。  

 かいこはぐんぐん大きくなって、4日目には1回目の脱皮をしました。そのときはもう三センチくらいにのびていました。一番びっくりしたのは、ふんが
すごく多かったことです。小さいころころしたふんで入れものの下が、一日でいっぱいになりました。  

 一回目の脱皮から五日たったら二回目の脱皮しました。そのときにはもう大きくて六センチくらいでした。背中にひらがなの「い」みたいなもようがつい
ていて、もぞもぞと動いています。  

 それからまた何日かして、ついにまゆづくりをはじめました。かいこは一匹ずつ入れ物の上に登って、口から糸を出しはじめました。2日くらいでだい円
形のまゆが出来上がり、かいこは中に入って見えなくなりました。  

 「がになる前に、まゆを冷凍して」
 

 とお母さんにたのみました。糸の長さは千三百メートルにもなると書いてあるので、お母さんは
 

 「うーん、できるかなあ」
 

 と考えていました。 でもけっきょくまゆを冷凍しました。まゆをふくろにいれながらお母さんが 「ちょっとかわいそうね。うらむなら諒をうらんでね
。」  

 とまゆに言いました。 数日後、二つだけ取り出しました。一つはお湯につけ糸繰りをしました。糸がすごく細かったのですぐきれました。でも一回だけ
意外と長く切れないでできました。それでお母さんにほめられました。 「中はどうなっていると思う?切ってみようか。」  

 とお母さんが言いました。 「さなぎになっていると思う」 とぼくは答えました。そしてまゆを切ったら本当にさなぎでした。茶色くてくさったバナナ
を小さくしたような気持ち悪いものでした。残りの四個も早く糸繰りしたいなと思っています。  

 
                               
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