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私たちがやるべきこと
アジサイの広場
風間こと大2
 先進国の後を追いかける発展途上国と世界の先頭を走る先進国の差は『発展
途上国は先進国の物マネができるが、先進国は自分で新しい知識を創造しない
と、それ以上の発展ができない』ことだ。戦後、日本は発展途上国として先進
国であるアメリカを模倣した。そして日本は先進国となり『経済大国』として
アメリカと同等、もしくは、それ以上の世界的地位までのぼりつめた。だが今
日の日本の状態を見れば、およそ世界の中心となりうる国とは思えない有様だ
。教育、政治にしても様々な弊害が生まれている。その弊害の原因は『自分で
新しい知識を創造するのを怠った』ことにある。私たちは、その弊害の穴を埋
め、先進国として世界をリードしていくにはどうすれば良いか。
 
 日本の教育は『暗記』であり欧米の教育は『自分の力で考えること』である
と言われている。事実、私も、小、中、高、そして大学に入っても『暗記』を
強いられている。『暗記』をするには当然マニュアルが必要となる。つまり日
本の教育は教科書というマニュアルを頭の中に入れ込むこと、に他ならない。
これは発展途上国そのものではないか。一方のアメリカの教育は先進国そのも
の、だ。個人の個性を大事にすることが、個人に磨きをかけ、様々な分野の様
々なエキスパートを輩出し、その国を豊かにさせる。
 
 中国の四台奇書に『水滸伝』がある。この本が古典として今日でも多くの人
たちに読まれているのは、その登場人物、百八人、それぞれが単独で小説の主
人公になるほどの個性を持っているからである。百八人がそれぞれの能力(怪
力、知能、妖術など)を駆使し強大な敵に立ち向かう。もし、この本の百八人
が教科書を丸暗記するようなマニュアル人間だったら、あっという間に殲滅さ
れていただろう。
 
 私たち日本人は『暗記』により高い知識を持ち有能な労働者として焼け野原
の日本を、いくつもの高層ビルが立ち並ぶ日本まで成長させてきた。だが、そ
れも限界である。先進国として世界をリードしていくためには、『突出した何
か』が必要なのである。アメリカのマイクロソフトを中心としたコンピュータ
ー産業が良い例だ。これからは個人の長所を見つけ、その長所を伸ばす教育が
必要となってくる。『教育は、その国そのものだ』と言われることがある。日
本が本当の先進国となり発展途上国が模倣してくれるよう、まずは自分の長所
を見つけようではないか。