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吉川のパス
アジサイの広場
さやかあおべ中3
 吉川はサッカー部の天才的な選手であった。三年の都大会の優勝を目指して
チームの団結を強めていたが、突然三年のレギュラー達が退部を申し出るよう
になった。吉川は宗介に愚痴をこぼしたが、宗介はあとちょっとで進学校にと
どく成績だったため、部活をやめた。吉川は都大会のベストイレブンに入り、
私立高校のサッカー部に特待生で入ることが夢であった。
 
 私は吉川の気持ちも宗介の気持ちもわかる。私の学校の文化祭で仮装大会を
することになったが、私達のクラスは結構、一致団結していて、とてもうれし
いし、もし審査であまり良くない結果になってもみんなで一致団結してできた
ことが思い出になると思う。しかし、隣のクラスは全然一致団結していなくて
、クラスも、張り切っている人と全然やる気のない人で分裂しているといって
も良いだろう。チームで団結して行うということはとてもよいことであり、も
しもその中で一人だけ外れてしまったら周りの人にも迷惑がかかるのだ。
 
 しかし、宗介の気持ちもわかる気がする。チームワークの為に自分を犠牲に
するのは、自分の信念」ということで考えると他人に押しつぶされてしまって
いるのではないかと思う。昔話に「浦島太郎」という話しがある。亀は村の子
供達に集団でいじめられていた。しかし、第三者、浦島太郎からみればそれは
よくないことであるということがすぐに分かったのである。このようにその場
の状況はチームワークなしで考えてみるとすぐにわかる。
 
 チームワークを大切にすること、チームワークに惑わされずに自分の信念を
持つこと、それはどのような時にどう判断すればいいのか、むずかしいところ
だと思うが、まず自分はどうしたいのか、それが自分にとってどのような影響
をあたえるのかを考えたうえで選択すればいいと思う。「人間は強くなるほど
素直になれる。」ということばがあるように、もしも、自分が強い人ならば、
チームワークに流されることなく、チームワークと仲良く付き合って行けるの
だ。