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吉川のパスは・・・・・・を読んで ウグイス の広場
しっぽ ほし 中1

  吉川のパスは……を読んで
 

 ある時、宗介という中学サッカークラブの選手が受験を理由にサッカークラブをやめてしまう。
 

 ……「退部します。お世話になりました。」
 

 ……トレーニングウェア姿の浅野に向かって宗介は頭を下げた。
 

 「冗談はよせ。」
 

 ……「本気です。辞めさせて下さい。」
 

 チームメイトたちが円陣キックをしながらこちらを注目していたので、宗介は頭を下げなかった。
 

 「ああやって件名に練習している仲間を裏切るのか」
 

 浅野は花壇のひまわりの茎をつかんだが、語尾の震えとともに折りとってしまった。
 

 「自分の生き方を自分で決めただけです。」
 

 青く高い夏空の下で、中学三年の宗介はためらうことなく言い切った。 彼が退部を決めたのはあくまで個人的な問題なのだと自らを納得させていたのに
はこんな状況判断があったからだった。しかし、宗介の退部を知った三年生のレギュラー達は次々とやめていってしまう。 私がもしも宗介の立場だったら きっと辞めていただろう。なにしろ、たった一度の人生だ。高校受験だって一度きりなのだ。仲間達も本当は受験に専念したかった。しかし、それではあん まりにも自分勝手すぎるので、だれかが辞めるのを待っていたのだろう。そして、宗介が辞めたのをいいことに、それに続いてホウセンカの種のようにあっ という間に次々と辞めていってしまったのだ。  

 この話では少し違うが、「**ちゃんがこうしたから私もこうしよう。」というのは、単に流されているだけだと私は思う。あまり自分というものがない
。 私が小学生の時、こんなことがあった。 Mちゃん「ねえねえ、ちょっとこっち来て。」  

 私   「なっ、なあに、Mちゃん。」 Mちゃん「あのさ、私が持っている筆箱あるでしょ。水色の。」 私   「ああ、あれが?どうしたの?」
 

 Mちゃん「あれね、Yちゃんにパクられたの。なんかすっごいむかつくの!!」 私   (そんなことでむかつくのかい。そんなこと言ったら、あんただ
って私のペンパクったじゃないの!そり     ゃ筆箱をつくっている業者が他の会社にデザイン真似されたっていうのなら大問題だけど、そんなことで  

     大騒ぎすることないじゃない。しかもそれはYちゃんが真似したとは限らない!!あんた自分が選んだ筆     箱だから真似されたと思って
んの?!うぬぼれてんじゃないわよ!!) Mちゃん「……どうかした?」  

 私   「ははは……。なんでもないよぉ。ははは……困ったねえ。」 最後に彼女は「みんな流されてるよ。」と言った。それも違うと思う。 流され
ているといのはこういうことだ。  

 ついこの間テレビで見たのだが、内容はこうだ。仲良しOL達が昼食を食べに食堂へ行った。メニューはたくさんあった。A定食、B定食、ハンバーグランチ
、コロッケ定食、etc。全部で十何種類もの食べ物があったと思う。 しかし、そのOLのなかの一人が、 「どれにしよっか、私ハンバーグランチにする。」  

 というと、他の仲間達も次々とハンバーグランチを選らんだのだ。 これは明らかに流されている。 私は流されるのは嫌いだ。そのことによって自分と
いうものが全く無くなってしまう。自分から他人に「自分」を売ったようなものだ。私も一時期そういう時代(私は何歳?)(笑)があった。しかし、それによ って自分がどんどん他の人達よりも弱くなっていき、見下されているというのを知った時、これではいけない、と思った。  

 私は人の良いところを進んで取り入れるのはパクっているのでも、真似するのでも何でもないと思う。ただ、良いところだけでなく、悪いところまで真似
し、良いなりになるのは、それは完全に流されている。私は絶対にそうなりたくはない。自分を大切にしていきたいと思う。                       
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