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清書:子供向けテレビアニメの罠 アジサイ の広場
稔央 いつや

 アンパンマンに代表される子供向けアニメを繰り返し見る子供たちは正義の大切さを教えられる反面、悪は直ちに抹殺されるべきものであるという思考回
路を植え付けられる。何が悪を生むのかといったものごとの背景に潜む原因に迫るものの見方や、対話を通して根気よく問題を解決しようとする姿勢はこう したテレビアニメからは身につけられない。アンパンマンはそのようなことを目的として作られていないからである。だが現実はアンパンマンの世界のよう に単純にはできていない。単純な「正義」を盾に仲間を傷つける子供達の数を減らすには、まず子供に大きな影響を与えているテレビアニメのあり方を問う べきだ。  

 確かに複雑さや現実味を求めるあまり人間の闇の部分を強調しすぎることは子供向けのアニメにおいては逆効果だろう。重要なのはアニメをただ表面的に
現実に近づけることではなく、子供達が現実の複雑さに目を向け、仲間の多様性を認めるきっかけを与えるような作品を作ることである。  

 
 

 
                                                   
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