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得意分野と苦手分野 アジサイ の広場
広行 いてわ

 日本社会における得意分野と苦手分野は存在しないものあるいはその存在を認められない物と考えられている。なぜか?得意分野を持つ人間を世に多く輩
出すれば上に立つ者が彼らをコントロールできなくなる。そして得意分野と苦手分野を持たない人間が居る事により、よりコントロールしやすくなり今まで の慣習、思想、文化などを保っていけると考えられている。  

 はたしてこの方法、考え方は正しいのだろうか?私はフランスの社会、特に教育について一つの例として述べたいと思う。
 

 フランスのリセ(高校)の一部の学生は各々好きな大学へ進学する。もうこの時既に彼らはやりたい事、目標、得意分野をある程度持っているのだが、相当
数の学生は日本と同じく目標も持たず大学へ進学する。しかし彼らはそこで自問自答し自分の目標や得意分野を見出し、一方の教育機関はそれを受け入れ編 入や転校またはグランゼコールと呼ばれる専門性の高い学校へ容易に進む事が出来る。そこで彼らは学欲を満たし、知識を深めて行く。社会に出る頃にはそ の分野の立派な専門家だ。  

 確かに苦手分野が無いことはとてもすばらしいことだと思う。しかし、苦手分野の無い人間つまり学力が平均的、個性が無い似たり寄ったりの人間を作る
ことはすばらしい事でもなんでも無い。これから未来有る子供たちに機会をより多く与え寛容し色んな形の日本にしていくそんな社会が訪れるのを期待して いる。  

 
 

 
                                               
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