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ITの導入に向けてすべきことは何か イチゴ の広場
山口晃弘 あう

 最も基礎的で、広範な消費者の需要と結びついている公共料金を自由化することは、その国の市場全体に決定的な影響をもたらが、自由化するべきではな
いという考えが根強い。IT自体では物が売れるようになるわけではない。市場の占有率も高く、実績も信用もあるオールドエコノミーがIT化して本当のIT時 代が開かれる。従ってより広範な消費者の利益と結びついている公共料金の自由化は重要なターゲットになりうる。  

 近年のIT化の記事を見ると、戦国時代に導入された火縄銃のことを思い出す。火縄銃は確かに戦国時代の戦争様式を決定的に変えた。火縄銃それ自体は有
効な道具であったが、一方で雨の日は使用できない、連続して発射できないなどの欠点もあるため、導入すれば戦争に勝てるという武器でもなかった。使用 方法やそれに合わせた軍隊組織を編成することによって始めて大きな効果をもたらす。長篠の合戦がその典型例といえる。今のITもこの火縄銃と共通する点 が多い。  

 ITもそれ自体で儲かるわけではない。信長が火縄銃を使用する際、足軽中心の軍隊構成にしたことや、三列の鉄砲隊を布陣させたように様々な工夫を施す
必要がある。その点で、筆者の主張する公共事業の自由化は一理ある。現在のITに関連した公共事業の問題点の一つとして電話料金の高さがしばしば指摘さ れる。本来ITの導入によるコストが大幅な削減の実現がメリットの一つであるが、料金が高ければこのメリットは十分に活かせない。  

 公共事業に直接的に関することではないが、IT化の障壁として労働問題も考えられる。今回の参議院選挙においても労働組合代表として公然と郵政事業民
営化に反対していた議員がいた。ITによる効率化により当然彼らは職を失うことになる。大切なことは彼らを切り捨てるかどうかではなく、今後IT化が普及 した結果として発達するであろう分野にいかにして移動してもらうかである。従って彼らを衰退事業から、今後労働力を吸収することが期待できる事業に移 るためのバイパスをいかにして設けるかが大きな課題になるだろう。  

 確かに、市場のメカニズムに任せていれば様々な問題が発生するだろう。しかし、本来その市場の失敗を防ぐための公共事業も様々な限界に来ている。今
回の小泉内閣は「聖域なき構造改革」をスローガンとして掲げているが、公共事業の自由化はITにおいても重要な課題となるだろう。  

 
                                               
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