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「海外の投資家」を読んで イチゴ の広場
○○○○ あう

 アメリカの金融システムは不況の際、好況時のキャピタルゲインにより消費してしまった帳尻を資産の減価によって合わせるという構造から成り立ってい
る。日本の株式市場もこの循環に追随する形をとっているが生産により損失の穴埋めが出来る。巧みな資産運用を展開しているEU諸国と比較すると日本の資 産運用能力は劣っているが、損失を自ら穴埋めできる日本が適度に損をすることによって世界の金融システムのバランスがとれている点で、日本はこのまま でよいのである。  

 今年度の4月において、各大手銀行が相次いで統合しいわゆる「4大金融グループ」を形成したことは記憶に新しい。日本版金融ビックバンがはじまり、IT
の導入や外資系企業の参入などが背景にはあるが、製造業とは異なり日本の金融業界の競争力が海外と比較して経営基盤が必ずしも強固ではないことが伺え る。  

 課題文では、日本の資産運用力の弱さが指摘されている。確かに筆者が主張するように欧米諸国と比較すると日本の資産運用能力は劣るということは否定
できないだろう。いわば、日本が製造業で価値を作り出すことに精を出し、米国に貢ぐ構造が形成されているわけだが、世界経済のバランスがその構造によ って成り立っているのならばそれでいいのかもしれない。  

 むしろ、見方を変えると次のようなことが言えるのではないだろうか。日本は製造業が経済全体の牽引車となってきた。現在、経済構造の変化に直面して
いるが日本経済における製造業のウェイトはさほど変わっているようには思えない。本文で主張するように日本の作り出した価値を米国が消費していると捉 えることもできる。しかし、消費してくれる人がいなければ生産による価値の創造がありえないことを考慮すると、浪費する米国の存在はありがたい存在と 考えることが出来ないだろうか。  

 確かに、資産の運用を担っている金融の強化は重要であろう。しかし、課題文を読む限りでは日米関係は主従関係のように見えるが、見方を変えれば循環
関係にあるといえる。従って、各国がそれぞれの強みに特化することにより分業をはかるシステムを構築してみることが望ましいのではないだろうか。  

 
                                               
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