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アンパンチで世界は吹っ飛ぶ
アジサイ の広場
UZI.SMG そお 高1
アンパンチで世界は吹っ飛ぶ
 
 
 児童向けのテレビアニメにはある問題がある。例えばアンパンマンなどは、
常に正義が勝ち悪は滅びる。そしてその二者はつねに決まっている。つまりバ
イキンマンは不動の悪で、アンパンマンはいつでも正しいのだ。それの何が良
くないのかについて考えたい。
 
 
 まず、その良くないわけを考える。一つには、人間関係の歪みがある。「正
義と悪」「正義は必ず勝つ」と言った一方的・直線的な人間関係しか出てこな
いアニメを見ていれば、知らず知らずのうちにそういった非現実的な歪んだ考
えが浸透するだろう。二つ目には、テレビアニメという特性から、特に全国ネ
ットの場合は日本中の子供たちに同様の影響を与えることができる。つまり集
団心理に多大な影響を与える。三つ目には、一つ目にあげた一方的人間関係観
念からくるいじめ問題である。このようなことを引き起こす可能性を秘めてい
るから、良くないのだ。
 
 
 では、一方的観念を植え付けないようにするためにはどうすべきか? テレ
ビアニメ制作者が、もっと人間関係の複雑な、リアルなアニメを作ってくれれ
ばいい。しかしそれは無理だろうから、見る側が工夫しなくてはなるまい。つ
まり、アニメの世界は現実とは違うと割り切らせるのだ。そのためにはいろん
な人と遊んだりして交わってみて、人間の複雑さを体感させるのもいいだろう
。いろんな人を知るうちに人間関係はどうやら一本道・一方通行ではないらし
いと気づくはずだ。それは何もアニメに限らずテレビゲームにも当てはまる問
題だから、両者とも同様な解決策が適用できるだろう。
 
 
 次に、集団心理の問題はどうすべきか? 実はこの集団心理というのは恐ろ
しいやつで、例えばナチスがドイツ国民を煽動するのに用いた手段でもある。
ナチス、つまりはヒトラーは民衆(集団)をあおるのにわずか数年(数ヶ月か
も)しか要しなかった。つまり集団心理を動かすのは容易なのだ。特に「正義
か悪か」「敵か味方か」と言った単純な固定観念ほど浸透しやすいようだ。で
は、どうすれば集団心理としての歪んだ一方的観念を排除できるのか。これは
前項で示したことを地道にやって全国規模に広げるしかないように思う。アニ
メ問題に関しては、それですむだろうが、国家規模の問題になると世界大戦に
まで広がることも忘れないでほしい。そしてその場合には解決策は戦勝するし
かないのだ。今のところは。
 
 
 児童向けテレビアニメ問題はこれで解決のようだが、実は違う。後一つ山が
あり、それは、アニメは大人が作っているということだ。だからその大人がし
っかりしていないと、視聴者である児童らはその影響を受けてしまう。子供は
結局大人を見て育つ。だから子供のため、未来のために大人たちにしっかりし
てもらわなくては困る。これを書いていて思ったのだが、去年起きたユーゴ空
爆はまさに一方的な解決法を見せつける物だったと思う。これをアンパンマン
世代の子が見たら、「当然そうだやっつけちゃえ」と思うことだろう。悪を作
り上げて叩きのめすことで自分の正義を示す。そんなおかしなやり方がますま
す定着してしまう。こうなってはまた「『歴史』は繰り返す」だろう。大人の
みなさんは、子供に見られていると言うことをもっと自覚し、子供のこと=未
来のことを見据えた行動をすべきではないか?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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