元の記事:高校入試ハイパー作文5.4週 (843字)
森川林()
2018/05/15 14:07:59 8934 6 高校入試ハイパー作文5.4週
英語の公用化についての是非
都立小金井北高校 2013年 600字 50分
説明
第一段落は、説明。「英語の必要性は、ますます高まっている。2020年にオリンピックが開催されるが、そこで問題になっているのは、英語を話せるタクシー運転手や、英語で用の足りる宿泊施設などが不足していることだ。日本の企業の中でも、世界を相手に仕事をしているところで、ユニクロ(ファーストリテイリング)や楽天に見られるように、社会の公用語を英語にしているところもある。この英語公用化の是非について考えてみたい。……」など。
第二段落は、意見A。「確かに、英語の公用化にはよい面がある。アジアの諸国でも、国内でさまざまな言語が使われているところは、英語を共通の言語とすることで統一が保たれている。例えば、インドがその例だ。英語を公用化することによって、国内の統一が図られるというのは、日本の場合は利点にはならないが、海外で仕事をしたり、海外からの人と協働で仕事をするときには役に立つ。……」など。
第三段落は、意見B。「しかし、同時に英語の公用化には根強い反対意見もある。その理由のうち大きなものは、日本の文化が破壊される可能性についてだ。言語は、文化と高い相関を持っている。英語が日常的に使われているところでは、英語的な発想が行われる。その点、日本は世界でも珍しい自然との調和を保つ文化を持っている。そういう日本の文化のよさが失われるのではないかというのだ。……」など。
第四段落は、総合化の主題。「このように考えると、英語の公用化には、長所も短所もあることがわかる。だから、大事なことは、単に英語の公用化の是非にとどまるのではなく、私たちがこれからどういう文化を目指していくのかを考えることだ。世界はこれかれあますます狭くなる。しかし、それによってますます多様性を許容することも必要になってくる。その文化の選択をするのは、学者や政治家ではなく、私たち自身なのである。」など。