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題名 小6 フジ 10.1 1757
名前
時刻 2010-09-22 13:21:07
 私には一つ、自分の好奇心を呼び覚ます発見があった。おちゃしつというものが時代を経る中で、ひろい書院からだんだん小さく縮んでいって、最後はひと坪だけの空間に至るという、その縮小の流れを見つけてハッとしたのだ。このおちゃしつの面積が縮小していく流れが、ある不思議な引力をもって見えたのである。
 前から気になっていたことだが、懐石料理というものは、何故大きな器にホンの少々の食品を載せるのだろうか。
 同様に、いけばなというものもおうおうにして、大きな器にホンのいちりんの花をすっと斜めに生けたりする。そんなことが何故か気にかかっていた。
 懐石料理がほんの一口の分量を大きな器に入れてあること、それを経済要素から見れば貧乏しょうである。大きな花器に花いちりんも同じことだと思う。ヨーロッパでは花はたくさんあるほど美しく、それが豊かさの表現となっている。それに対していちりんの花で満足しようというのだから、これは貧乏しょうの美学というより、むしろ貧しさの美学、といったほうがいいのかもしれない。しかしおちゃしつの縮小していく流れには、ただ経済からの解釈による貧乏しょうとわ違う別の引力があるのではないか、という印象があるのだった。
 懐石料理というものは、利休たちの茶の湯の世界が究められていく過程でうまれたものだ。つまりお茶を飲むために、その事前運動として料理を食べる。
 私たちがいまふつうに飲む煎茶にしても、まず食事をすませたその後に、ゆっくりと飲むものである。まして茶の湯でいうお茶とは抹茶である。お茶の葉を摺って粉にしたものを、そのままお湯に溶かして飲むのだから、ずいぶん濃い。それでも薄茶とこいちゃとあって、おこいちゃというのわほとんどドロドロである。カフェインであるから、すきっぱらには相当こたえる。何か食べたあとの満たされたお腹でなければ受けとめられない。そこでお茶の前には必ずお茶受けのお菓子が出るわけで、そのお茶受けをさらに強化したものとして懐石料理があらわれてくる。
 つまり食欲を満たすための食事ではなく、あくまでお茶に至るための食事であるから、分量的には最低限のものでいいわけである。しかしそうやってうまれた極小の懐石料理が、お茶という最終目標を失ったところでもなお美しい料理としてあがめられていく。そういう美意識がこの国にわあるのだった。
 その極小をめでる美意識が、貧乏しょうと重なってあるのである。そもそもディテールへの愛というものが、基礎的な感性としてあるのだ。
 たとえば大和心のシンボルともいわれるサクラというもの、漢字ではこれを櫻と書く。嬰という字には、まとう、めぐらす、とりまくという意味があるという。中国ではサクラの花がぐるりと木をとりまいて咲く全体像を見て櫻という文字が出来ているのだ。
 それでは漢字が伝わってくる前、サクラというわおんによるよびなにわどのような意味があるのか。日本語のこくんでサクのおんのものは裂、かつ、く、そのた、いずれも「二つに分かれる」という意味を持っているという。
 おそらく桜を見てサクラと発音していた古代の日本人たちは、桜の花びらを見つめていたのであろう。ご存知のように桜の花びらの先端には小さな切れ込みがあり、M字がたとなっている。花びらの先が二つに分かれる。つまり大陸の人々わぼうようとピンクの固まりに包まれた桜の木の総体を見ていた。そして列島日本人は、散った桜の花びらの一つをてのひらに載せて、その先端部分に見入っていたのである。
 そもそも日本人のあがめる神さまたちは、自然の風物の樹や、石や、動物の一つ一つに宿っているわけで、自然のディテールをめでる感性はこの列島の条件として備わっていたものなのだろう。
 おそらくそのような感性は、この国の人々に、自然に、無自覚的にあったのだと思う。
 
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