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言葉の森新聞2020年5月3週号 通算第1611号 枝 0 / 節 1 / ID 印刷設定:左余白12 右余白8 上下余白8
  ■1.言葉の森が考える新しい教育の可能性
 
言葉の森新聞
2020年5月2週号 通算第1610号

https://www.mori7.com/mori

森新聞
枝 1 / 節 2 / ID
1.言葉の森が考える新しい教育の可能性
枝 4 / 節 3 / ID 29912
 言葉の森は、30年以上前の設立当初から、オンライン教育の可能性ということを提唱してきました。
 コロナウイルスによる自粛規制に対応するために、即席で作られたオンライン教育ではありません。

 では、言葉の森のオンライン教育が、世間一般のオンライン教育とどこが違っているかと言うと、そもそも本来の目的が違うのです。
 今行われているオンライン教育は、空間や時間を超えるオンラインということが目的になっています。
 感染症対策のために学校に行けないから、自宅でオンライン学習をするとか、その時間の授業に合わないからオンラインの授業を動画で見るとかいう形のオンラインです。

 言葉の森の考えるオンライン教育の本来の価値は、共通の興味や関心を持つ人がコミュニケーションが取れることになるということです。
 大事なのは、参加者のコミュニケーションであり、参加者が相互に作るコミュニティ機能なのです。

 学校や塾で行われている20人や30人の集団をオンライン教育で教えたとしても、生徒と生徒のコミュニケーションは密度のの高いものにはなりません。
 先生が面白い授業を工夫して、一方的に子供たちに教えるという形の学習が中心になります。

 そういう授業は、子供にとっては受け身で聞くことが中心ですから、気楽で楽しいものですが、学習の密度は高くありません。
 その学習密度の薄さを埋めるために宿題が出されるようになりますが、その宿題は子供の実力に合ったものというよりも、易しい問題も難しい問題も一律に出される場合がほとんどなので、これも学習時間の割に無駄の多い勉強になっています。

 このような密度の薄い勉強をして成績を上げるために、子供たちの学習時間は、ますます長くなる傾向にあるのです。

 言葉の森のオンライン教育は、子供たちが自分で勉強に取り組むことを中心にしています。
 だから、できない問題は何度も繰り返し、できる問題は特に問題を解く必要はなく、問題と答えを照合して済ませることができます。
 そして、答えを見ても理解できないときに、両親に聞いたり先生に聞いたりする仕組みがあればいいのです。

 言葉の森のオンライン教育の大きな特徴は、子供たちが自分の学習や自分の考えをみんなの前で発表し、互いにコミュニケーションを交わす時間をとっていることです。

 勉強ができるということは、社会生活の一つの基礎ですが、現実の社会生活の中ではその勉強的な事柄を周りの人に伝え、他の考えや意見を吸収し、他の人との協力によって新しいものを作り出していくというコミュニケーション力と創造力が必要になってきます。
 優れた授業を聞いて勉強ができるようになるというだけでは不十分で、他の人と一緒に協力したり対話をしたりする能力が必要になってくるのです。

 言葉の森のオンライン教育は、単に時間や空間を超えた学習を目的としているのではなく、同じ関心を持ち、同じくらいの学力のある子供たちがコミュニケーションを交わしながら勉強を進めていくことを目的にしています。

 今後求められる学力は、知識や技能よりも、自分で個性的、創造的なものを作り出していく面が重視されてきます。

 このため、言葉の森では、学習の基本となる国語、算数・数学、英語などの教科の学習も自主学習クラスで行っていますが、子供たちの創造的な関心を発達させる創造発表クラスや、子供たちの思考力、表現力、感受性を伸ばす作文教育や、そこから派生した読解教育、暗唱教育に力を入れているのです。

 近い将来、AIの普及によって、これまで勉強の中心だと思われてきた知識は、人間が頭の中に詰め込んでおくものではなく、ある肝心のポイントだけを把握し、あとはAIに任せるという形のものになってきます。

 分かりやすく言えば、例えば、入学試験であらゆるものを持ち込み可、辞書でもスマホでもノーパソでもすべて持ってきてよい状態で入試に臨むというような形になるということです。

 今の社会生活は、こういう未来の入試と同じスタイルになっています。

 何でも持ち込み可の入試では、答えの丸写しができてしまうと言う人がいるかもしれませんが、そもそも丸写しできるような知識は、問題として出されるようなものではありません。
 自分の持っている知識と調べた知識を組み合わせて、新しくオリジナルなものを作り出せる学力が問われるような入試になっていくのです。

 こういう未来の学力に対応するのが、創造発表クラスや作文読解クラスの学習です。
 そして、その未来の学力の土台となる基礎的な知識はもちろん必要なので、国語、算数・数学、英語、理科、社会などの教科の学習は、能率のよい自主学習クラスでカバーしていくのです。

 言葉の森のオンライン教育では、子供たちがオンラインで学ぶと同時に、先生や事務局もオンラインで仕事をするようになります。

 この3月から、コロナウイルスによる休校対応のために、「朝のオンラインスクール」を立ち上げました。
 参加している子供たちの7割ほどが、言葉の森の生徒で、3割は生徒の兄弟や昔在籍していた生徒やあるいは初めて言葉の森に参加するという生徒でした。

 そして、教える先生の方も、言葉の森の作文指導を長年してきた先生ももちろんいますが、生徒の保護者の方や、Facebookで言葉の森のことを知っていたという方が、いろいろな形で参加してくれました。

 言葉の森は、この新しいオンライン教育のスタイルを発展させて、作文読解クラス、創造発表クラス、自主学習クラスの教育を広めていきたいと思っています。

 朝のオンラインスクールは、今後の自粛解除に伴って、一部の午前中の時間帯を覗いて縮小します。
 子供たちがここで身につけた学習スタイルは、今後、夕方16時から21時ごろまでの自主学習クラスや創造発表クラスや作文読解クラスで継続していかれるとよいと思います。

 また、朝のオンラインスクールでお手伝いをしてくれた講師の方も、今後、夕方の「森のオンラインスクール」に参加していただけるとよいと思います。

 現在、森のオンラインスクールは、時間割を改定中ですのが、詳細が決まり次第ホームページなどでお知らせします。
(つづく)


<コメントより>

 久しぶりの記事です。
 朝のオンラインスクールが始まったため、パソコン10台ほどの操作だけですが、それらの操作に時間がとられるため、なかなかほかの仕事ができなくなりました。
 いずれ、オンライン教育だけでなく、事務局体制もオンラインでやっていく予定です。

 朝オンは、毎日のべ100名ほどの生徒が参加しています。
 5人以内の少人数で、実習+個別指導+交流という学習スタイルは、生徒も先生も初めてという人が多かったのですが、みんなすぐにこの勉強の仕方に慣れたようです。

 今、全国各地でいろいろなオンライン教育が始められていますが、言葉の森のような5人までの少人数クラスで対話と触れ合いのある教育を行っているところはほかにないと思います。

 10人以上の生徒を相手にしたオンライン授業は、どんなに授業を面白く工夫しても、個々の子供にとっては無駄の多い、退屈な、参加のできない、くたびれるものになると思います。
 これに対して、朝オンは、密度の濃い学習のわりに子供たちはくたびれません。
 それは、自分から参加できる面が多いので、勉強というよりも友達との交流という面が強いからだと思います。

 この新しいオンライン教育を、これからも進めていきたいと思います。
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