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言葉の森新聞2016年7月2週号 通算第1426号 枝 0 / 節 1 / ID 印刷設定:左余白12 右余白8 上下余白8
  ■1.7月18日(月)は休み宿題
  ■2.子供の読書生活にkindleを活用する時代(つづき))
  ■3.オンエア講座の取り組みの現状
  ■4.小学1~3年生の学力は、問題集を解くことによってではなく、少し難しい読書と対話によって育つ
  ■5.小学4~6年生は、学校の勉強ではものたりない。考える勉強を行う機会を作る
  ■6.中学1~3年生は、第一に自分で計画を立てて勉強するという自覚、第二に国語の難読力
  ■7.勉強力と文化力
 
言葉の森新聞 2016年7月2週号 通算第1426号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
枝 1 / 節 2 / ID
1.7月18日(月)は休み宿題 枝 4 / 節 3 / ID 24465
 7月18日(月)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日9時~19時50分)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
 オープン教育の掲示板「森の予習室」にも、学年別の予習のヒントが載っています。
枝 6 / 節 4 / ID 24466
作者コード:
2.子供の読書生活にkindleを活用する時代(つづき)) 枝 4 / 節 5 / ID 24467
====前号までの記事
 アマゾンで本を買うと、人工知能が、「その本を買った人は、この本も買っています」という関連情報を教えてくれます。
 膨大な出版物の情報の中では、本をよく知っている人がおすすめの本をアドバイスしてくれるよりも、人工知能が多くの人の本選びのデータからおすすめの本を選び出してくれた方が、ずっと妥当な選択になることが多いのです。(つづく)
====つづき
 このような時代では、子供の本選びの方法も変わってきます。
 例えば、これからは、「1か月5,000円の範囲内でアマゾンで自由に本を買ってよい」というルールを親子で決めておくような本の選び方になってくるかもしれません。もし、私が今小学生の子供を育てているとしたら、そういう読書生活をさせると思います。
 子供の本に月5,000円というと、高いように思う人もいるかもしれませんが、習い事を一つすることと同じだと思えば、5,000円の範囲内の自由が本選びは、週1回の習い事よりもずっと価値あるものになることが多いのではないかと思います。
 アマゾンでの本選びは、kindleを使えば子供でも手軽にできます。
 自分の興味のある本を次々にカートに入れ、合計金額を計算し、予算の範囲内で本を選ぶということができるようになれば、金銭感覚も身につきます。
 ネット書店では、1冊1円の中古本で送料が250円というものもよくありますから、予算の枠内で本を選ぶというのは、子供にとっても工夫のしがいがあるところでしょう。
 アマゾンでは、本によってはkindleでサンプルが読めるものもあります。このサンプル読書が、現代の新しいテクノロジーのもとでの立ち読みになります。
 高い本を買ってしまった場合は、気の合った友達とkindleの貸し借りをするようなことも、これからは起きてくるでしょう。
 今のkindleはマーカーを引くこともできるし、メモを書き込むこともできるし、本の中の一部の文章をコピーして保存しておくこともできます。
 子供の読書生活を充実させる方法の一つとして、テクノロジーを活用するということがこれからますます必要になってきているのです。
枝 6 / 節 6 / ID 24468
作者コード:
 
枝 61 / 節 7 / ID 24491
3.オンエア講座の取り組みの現状 枝 4 / 節 8 / ID 24469
 オンエア講座は、小1~小3、小4~小6、中1~中3と学年別に分けた取り組みを行っています。
 現在はまだ曜日が限られていますが、今後曜日と時間の枠を広げていく予定です。
枝 6 / 節 9 / ID 24470
作者コード:
4.小学1~3年生の学力は、問題集を解くことによってではなく、少し難しい読書と対話によって育つ
枝 4 / 節 10 / ID 24471
 小学1~3年生のオンエア講座は、現在、読書と感想と実験を主な内容として行っています。

 読書は、それぞれの生徒による自分の読んだ本の紹介と、先生からの読み聞かせです。
 先生から本の読み聞かせを聞いたあと、その話の内容を構想図(構成図)に書きます。10分程度の短い時間ですが、みんなそれぞれに内容を読み取って書いています。今後は、この構想図をもとに家族との対話をするような企画を考えています。
 読み聞かせの話を参考に、家庭でいろいろな実験に取り組んでもらいます。この取り組みは自由です。実験の結果を写真や動画に記録した場合は、その発表を参加者に紹介します。

 小学1~3年生は、学力の土台ができる大切な時期です。しかし、それは問題集を解いて身につけるような学力ではありません。この学年では、普通の問題集を解いても、ただ勉強の習慣ができるだけで、その問題を解くことによって学力が大きく伸びるということはありません。
 しかし、この時期に難しい問題集をやると、その難問というのはただ読み取りにくいという難問であることがほとんどなので、実力がつかないどころか、勉強が嫌いになってしまうのです。
 小学1~3年生の学力は、勉強的なものによってではなく、日常生活の中で、少し難しい本を読むこと、少し難しい話で親子の対話をすることによって育ちます。
 その少し難しい読書と対話を、参加者の交流の中で行っていくのが、小1~小3のオンエア講座です。
枝 6 / 節 11 / ID 24472
作者コード:
5.小学4~6年生は、学校の勉強ではものたりない。考える勉強を行う機会を作る
枝 4 / 節 12 / ID 24473
 小学4~6年生のオンエア講座は、公立中高一貫校受験の対策として行っています。

 現在の小学校高学年の学校の授業は、学力のある子にとってはかなり退屈なはずです。それは、勉強の内容が易しすぎるからです。
 しかし、かと言って、私立中学の受験のために塾の勉強を始めると、今度はその勉強にかなり問題があるのです。それは、現在の中学受験は、解き方のパターンを数多く身につけないと得点できないようになっているからです。
 しかも、そこで身につける学力は、単なる解き方の知識ですからあとに生きるものではありません。この結果、実力のつかない受験のための勉強に長時間拘束されることによって、読書や経験によって身につく学力が低下し、勉強というものに肯定的な感情を持てない子が増えるという問題が起きているのです。

 公立中高一貫校の受験は、教科書レベルの知識しか必要としないという建前でしたから、当初は考える良問が多数出ていました。しかし、競争が激しくなるにつれて、時間内にはまず解き切れないような大量の問題がところどころに難問を取り混ぜる形で出されるようになりました。
 しかし、これは問題の取捨選択力をつければ対応できると考えられるので、学力のある小学校高学年の生徒にとって公立中高一貫校の受験対策をすることは、やりがいのある勉強になっています。

 ただし、公立中高一貫校の倍率は高いので合格することは、おまけのように考えておくことが大事です。また、せっかく公立を受験するのだから滑り止めに私立も受験しておくというような形にすると、何のための公立受験だかわからなくなります。

 公立でも私立でも、中高一貫校に進学するメリットは、数学の先取り学習ができるということです。高2又は高3から、受験対応の数学ができるということは大学入試においては決定的な差で、それが中高一貫校の有利な点になっています。
 しかし、これは今後、学校に頼らず家庭で数学の先取りをする方法が広がる形で、少しずつ変化してくると思います。

 合否にかかわらず受験後の勉強の展望も考えておけば、精神的に余裕のある受験勉強ができます。
 小学4~6年生のオンエア講座は、受験対策を兼ねていますが、考える問題を楽しむ勉強として取り組んでいきたいと思っています。
枝 6 / 節 13 / ID 24474
作者コード:
6.中学1~3年生は、第一に自分で計画を立てて勉強するという自覚、第二に国語の難読力
枝 4 / 節 14 / ID 24475
 中学1~3年生のオンエア講座では、前半は勉強の計画を話し合います。
 それまで、漠然と塾に通い、塾で言われたことをやるだけだった生徒が、自分で勉強の計画を立てるようになってからすぐに成績が上がるということが起きています。
 中学生時代に、自分で計画を立てて勉強する力を身につけておけば、高校生になっても同じように自分にあった能率のよい勉強ができます。この計画を立てる力は、いろいろな試行錯誤を経て初めてできることなので、中学生のなるべく早くから始めておくといいのです。

 中学生のオンエア講座の後半は、国語力アップです。
 中学生は学校の教科の勉強に追われがちですが、今後本当に大事になるのは、難しい文章を読み取る力や、難しい本を読む力です。この難読力の身についている生徒は、国語以外のどの教科も、勉強を始めると短期間で成績を上げることができます。
 そこで、オンエア講座では、中学生の普段の勉強ではほとんど取り組まれていない国語の難しい文章を読み取る練習を行っていきます。
 国語力と国語の成績は似ていますが同じものではありません。国語力がついていても、国語の成績を上げるコツを知らないと成績は実力以下にとどまります。そこで、国語の成績を上げるための問題の解き方も併せて練習していきます。

 国語は成績を上げにくい勉強だと言われています。しかし、それは読書量が国語力に影響する小学生までの話で、中学生、高校生と学年が上がるにつれて、国語の成績は勉強次第で上げやすくなります。それは、学年が上がると、国語の成績は、読書の量ではなく読書の質に関係してくるからです。

 中学1~3年生のオンエア講座では、勉強の計画力とともに、質の高い国語力を身につける勉強をしていきたいと思っています。
枝 6 / 節 15 / ID 24476
作者コード:
 
枝 61 / 節 16 / ID 24492
7.勉強力と文化力 枝 4 / 節 17 / ID 24477
 小学校1、2年生の頃にとてもよくできる子がいました。国語も算数も音楽もでき、スポーツもでき、ハキハキして目から鼻に抜けるという印象の子でした。
 その子が学年が上がるにつれてだんだん普通の子に近づいていき、小学校高学年になった頃には、必要最小限、最低限のことしかやらないような性格になっていったのです。
 必要最小限とは、次のようなことです。例えば、言葉の森では、作文の字数は学年の100倍から200倍書くとしています。6年生の1学期の頃は600字で、三学期になると1200字になります。
 すると、その子は1学期の頃は600字まで書くと、ほぼぴったりとやめるのです。
 普通、作文の好きな子は、書き始めると熱中して止まらなくなることがあります。ところが、その子は先生に言われた字数まではちゃんと書くのですが、その字数まで書くと義務を果たしたようにピッタリとやめてしまうのです。
 真面目な子ですから、勉強はそこそこできます。しかし、小学校低学年の頃のように、同じ学年の子と比べてダントツにできるということはありません。だから、学年が上がるにつれて、段々とごく普通の実力になっていったのです。
 この原因は何かと言うと、小学校低学年の頃に身につけていた勉強の力は、人に言われてやる勉強力だったということです。だから、言われたことを素直にやる小学校低学年の頃はよくできていたのです。
 しかし、学年が上がってから必要になる勉強の力は、自分から進んでやる勉強力です。この「自分から進んで」という部分が、文化力と呼ばれるものなのです。
 つまり、小学校低学年の頃は、勉強力を育てるよりも「自分から進んでやる」という文化力の方を重点にして育てる必要があったのです。
 しかし、普通のお母さんは、文化力を育てるという余裕をなかなか持てません。子供にできないことがあったらすぐ教えようとします。本当は子供が自分でできるようにする工夫をしなければならないのです。
 また、子供がやるべきことをお母さんが全てコントロールするということもありがちです。本当は回り道や無駄が多かったとしても、子供が自分で自分をコントロールするための工夫をしなければならないのです。
 今のお母さんの多くは、孤独の中で子育てをしています。親と子が向き合って、2人だけで過ごすような時間が多いのです。
 もし、その子に弟や妹がいたり、友達がいつも遊びに来ていたり、親が近所の人とよく交流するような地域の文化があったり、祖父母が同居していたり、お父さんの帰りが早くて子供と接する時間があったりすれば、極端な行き過ぎはありません。
 しかし、母子だけで暮らす時間が長いと、勉強だけが大きな価値観になり、勉強力をつけることだけが突出してしまうことがあるのです。
 勉強力は植物の花の部分で、文化力は根の部分です。花を咲かせるのは子供の成長にとって大事な一つの目的ですが、そのためには、始めのうちは根を育てる必要があります。
 小学校低学年の頃は、特に文化力の根を育てる時期です。この頃は勉強の花はまだ咲いていなくてもよいのです。
 学年が上がり、中学3年生ぐらいになると、子供は自然に自分で花を咲かせようとするようになります。その時期に自分で咲かせるための根の力を育てておくのが小学校低学年の頃です。
 親は、その子の今の状態を見るだけでなく、その子が高校生や大学生になり、自分の力で勉強をするようになる状態を念頭におきながら、低学年の頃の子供の勉強を見ておく必要があるのです。
枝 6 / 節 18 / ID 24478
作者コード:
枝 9 / 節 19 / ID 24478
 
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