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言葉の森新聞2010年8月1週号 通算第1137号 枝 0 / 節 1 / ID 印刷設定:左余白12 右余白8 上下余白8
  ■1.「問題集読書と四行詩」の自習登録のページ
  ■2.8月から通信でも問題集読書スタート
  ■3.【重要】8月9日(月)〜14日(土)は休み宿題(再掲)
  ■4.振替授業について(再掲)
  ■5.夏休み中は、作文の返却・講評が遅れることがあります
  ■6.「子の読書量、親に比例」という調査の例外に読書の鍵
  ■7.作文が長く書けないときは構成図を使って
  ■8.暗唱で言葉を身体化することによって読書力がつく
 
言葉の森新聞 2010年8月1週号 通算第1137号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
枝 1 / 節 2 / ID
1.「問題集読書と四行詩」の自習登録のページ
枝 4 / 節 3 / ID 15179
 言葉の森新聞7.3週号でお知らせした「問題集読書と四行詩の自習登録」のページはこちらです。
http://www.mori7.com/mori/mdds.php
 問題集は、各自でご用意ください。
 このページで自習登録をすると、言葉の森から、「問題集読書と四行詩の手引」と「分冊作成用の表紙」が送られてきます。
 自分で分冊を作成し、毎日4−6ページ読み、四行詩を1つ書いて、作文と一緒に先生に送ります。そうすると、先生の方で自習チェックをするようになります。
 問題集読書は、小学5年生から受け付けていますが、5年生にはまだ少し難しいと思います。しかし、5年生でも、いい詩を書いてくる子はかなりいます。
 毎日4−6ページ読み四行詩を1編書くのにかかる時間は、大体15分です。このわずか15分の勉強で、読む力も書く力もつきます。
 問題集なので、問題を解きたくなる人もいると思いますが、問題を解く勉強というのは多くの場合時間の無駄です。国語の勉強は、読む力をつけるという正攻法で取り組んでいくものです。
 四行詩は、作文と一緒に先生に送るので、ルーズリーフのようなものに書いていくといいと思います。返却された四行詩をファイルしておくと、あとでいい思い出になると思います。
枝 6 / 節 4 / ID 15188
作者コード:
2.8月から通信でも問題集読書スタート 枝 4 / 節 5 / ID 15181
 この3月に、小学5年生以上の希望する生徒に問題集読書の見本を送り、問題集読書の体験をしていただきました。
 今回は、問題集を各自で用意していただく形で、本格的に問題集読書をスタートします。現在、約50名の人が問題集読書の自習に登録しています。「手引」と「分冊の表紙」は、8月1週までに登録した人にお送りする予定です。
 問題集は、言葉の森でまとめて注文したためか、アマゾン書店で品切れが続いていますが、楽天ブックスでは在庫があるようです。(2010年7月28日9:48現在)
▽楽天ブックスの「中学入学試験問題集」
http://tinyurl.com/27mg3kc
 問題集読書は、小学生は毎日6ページ、中学生高校生は毎日4ページ、問題集の問題文を読書代わりに読んでいくという勉強です。読みながら、印象に残ったところに傍線を引いていきます。そして、傍線を引いた箇所をもとに四行詩を書いて先生に提出します。
 四行詩は、文章の一部の抜き書きでも、自分の感想のようなものでも、どちらでもかまいません。抜き書きならば簡単にできますが、簡単なわりに、ほとんどの子はいい四行詩を書いてきます。ここで書いた、ちょっと背伸びをした表現が、やがて自分で書く作文にも生かされていくようになると思います。
 言葉の森の生徒が、中学生や高校生になるまで勉強して、大学生や社会人になったときに、言葉の森で勉強していた成果を実感することがあります。
 一つは、文章を書く際に抵抗がなく、レポートなどが楽に書けるということです。
 もう一つは、言葉の森で感想文を書くために読んだ多くの長文を覚えていて、それが何かの折にときどき出てくるということです。テレビや漫画の軽い文化が多い中で、真面目で硬い、しかしセンスのよい文章を読んだことが大きな蓄積になっているのです。
 問題集読書は、この優れた文章を読む機会を更に拡大させるものになると思います。
枝 6 / 節 6 / ID 15189
作者コード:
 
枝 61 / 節 7 / ID 15190
3.【重要】8月9日(月)〜14日(土)は休み宿題(再掲) 枝 4 / 節 8 / ID 15173
 予定表に書いてあるとおり、8月9日(月)〜14日(土)は休み宿題になります。
 先生からの電話はありませんが、自宅でその週の課題を書いて作文を提出してください。
 ほかの日に教室に来るか教室に電話をして、その週の説明を聞いてから書くこともできます。
 休み宿題のときに、電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/index.php
 「ヒントの池」 http://www.mori7.com/mine/ike.php
枝 6 / 節 9 / ID 15174
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4.振替授業について(再掲) 枝 4 / 節 10 / ID 15175
 振替授業の受付時間は下記の通りです。
 (月〜金) 9時〜19時50分 
 (土)   9時〜11時50分
 振替授業の予約はできません。作文が書けるときに直接教室にお電話ください。なお、夏休み中は、混みあうことがあるため、20分くらいお待ちいただく場合があります。
 8月9日(月)〜14日(土)は、教室が夏休みのため、振替授業もありません。
枝 6 / 節 11 / ID 15176
作者コード:
5.夏休み中は、作文の返却・講評が遅れることがあります 枝 4 / 節 12 / ID 15177
 夏休み中は、教室が休みになる週と担当の先生が休みをとる週があるため、作文の返却や講評が一時的に遅れる場合があります。ご了承ください。 枝 6 / 節 13 / ID 15178
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6.「子の読書量、親に比例」という調査の例外に読書の鍵
枝 4 / 節 14 / ID 15182

 △図は日本経済新聞より
 7月20日の日本経済新聞に、「子の読書量、親に比例」という厚生労働省の調査が載っていました。
 こういう傾向があるだろうことは、これまでだれもが漠然と感じていたと思います。それが3万6千件のデータの裏づけで明らかになったということです。
 しかし、これだけでは、この調査の結果を現実に生かすことはできません。「子供に本を読ませるためには、親がまず読め」と言うに等しいからです。
 親が読まないのは、そういう読まない状態で生活がこれまで滞りなく運営されていたからであって、その生活をすぐに変えるわけにはいきません。
 「年収と成績」の調査についても同様です。年収と成績が比例していると言われて納得しても、それで現実が変わるわけではありません。
 ここで大事なのは、調査における例外です。親の年収が低くても成績がいい子がいるように、親の年収が高くても成績の悪い子はいます。同じように、親が本を読むのに、子供が読まないケースと、親が本を読まないのに、子供が本を読むケースという例外があるはずです。この例外の中にこそ、現実を変える鍵があります。
 実際、昔の父親や母親(今の親の親の世代)は、忙しくて本を読む時間などあまりありませんでした。しかし、それらの家庭でも、多くの子供は本を読むようになりました。それは、なぜかというと、夕方の食事の時間のあと、ラジオ、雑談、宿題などの時間が過ぎると、子供にとっては本を読むぐらいしか時間の過ごし方がなかったからです。
 ところが、今では、テレビ、ビデオ、ゲーム、ケータイ、インターネットなど、家庭の中に時間つぶしの娯楽がふんだんにあります。本を読まない親は、その読まないことが問題なのではなく、読まない時間にテレビを茶の間で見ているということが問題なのです。親が惰性でテレビを見ている中で、子供が読書をするというのはほぼ不可能です。
 この対策は、テレビを見ないことです。見るとしても、茶の間ではなく、個人用のテレビをイヤホンなどで親が自分だけで見るようにすることです。又は、テレビよりもインターネットを利用するということになるかもしれません。
 テレビ以外に読書の時間を奪うもう一つのものは、子供のゲームです。ですから、ゲームの制限も重要です。これは、ある時間が来たら強制的に片付けるか、読書を1時間したらゲームを15分などというように、読書とゲームをセットにすることです。いずれにしても大事なことは、親の断固とした決定と実行です。
 問題は、読書をするかしないかということにあるのではなく、テレビやゲームの時間をいかに制限するかということにあるのです。
枝 6 / 節 15 / ID 15183
作者コード:
7.作文が長く書けないときは構成図を使って 枝 4 / 節 16 / ID 15184
 作文でも感想文でも、なかなか書き出せないとか、長く書けないとかいう場合の原因は、材料不足にあります。
 その証拠に、楽しい出来事があったときは、ほとんどの子供は長い作文を書いてきます。
 逆に、楽しい出来事でも、長く書けないのは、「明日の○○が楽しみ」という未来のことを書く作文です。これは、出来事がまだ始まっていないので、書きたい気持ちは十分にあっても、書くための材料がないからです。こういう未来のことを作文に書く場合は、去年の似た話などを思い出して書くというのがコツです。
 さて、作文が長く書けないときは、構成図を使って書くと、長く書けるようになります(言葉の森では、小3から構成図を使って書く練習をしています)。しかし、作文が長く書けない子は、構成図もなかなか書けないという面があります。
 では、構成図をうまく書くためにはどうしたらいいのでしょうか。
 実は、構成図という名前にやや問題があって、子供は、作文と同じようによく考えて書かないといけないという気持ちを持ちがちです。しかし、そうではなく、構成図は脱線してもいいので、思いついたことを次々と書いていくことが大事です。
 短文と短文の間は矢印で結んでいきますが、その矢印は、作文に書く順序ではなく、自分が思いついた順序があとでわかるようにするための矢印です。
 構成図は、ブレイン・ストーミングのような雰囲気で気軽に自由に書いていくものなのです。
 ときどき、構成図がなかなか埋まらない子がいます。「先生、ここまでしか書けない」と、途中で投げ出します。そういう子は、大抵の場合、「作文用紙に直接書いた方が簡単だ」と言います。
 言葉の森の構成図は、作文の設計図のようによく考えて書くものではなく、材料になりそうなものをとりあえず全部自由に並べてみるというものです。
 構成図が埋まらない子は、先生の横に座らせて、子供と話をしながら、先生が枠をどんどん埋めていくようにします。気軽に書くのが大事なので、先生が、「それからどうしたの」と聞いたときに、子供が「えーと、忘れちゃった」と言えば、構成図に、「えーと、忘れた」などと入れます。そこで、子供が「ははは」と笑えば、その「ははは」も書いてしまいます。このような感じでやっていくと、楽しくお喋りをしながら、ものの10分もかからずに構成図を全部埋めることができます。
 構成図の枠が全部埋まってから、「はい、これで作文を書いてごらん」と言うと、ほとんどの子は普段よりも長い作文を、ずっと早い時間で書き上げてきます。つまり、材料があれば、作文は書けるということなのです。
 このように構成図の書き方がわかった子は、次の回からは、自分で構成図を全部埋めてくるようになります。
 構成図がすばやく全部埋められるようになったら、「それから」「それで」と時間の順序で埋めていくのではなく、ある場面だけを詳しく書き出していくとか、「前の話」「似た話」「聞いた話」などに話題を変えて書くなど、構成図を立体的に埋めていく指導をすることができるようになります。
 構成図の書き方を、大人が子供につきっきりで教える時間は一見長くかかるように見えますが、一回教えれば、その次からはほとんどの子が自分の力でできるようになります。
 家庭で勉強していて、作文が長く書けないとか、構成図がなかなか埋まらないとかいう場合は、一度、お父さんやお母さんが一緒に構成図を埋めて、「構成図は気軽に何でも書いていい」という感覚を伝えてあげてくださるといいと思います。
▽構成図の書き方
http://www.mori7.com/mori/mori/kouseizu.html
枝 6 / 節 17 / ID 15185
作者コード:
8.暗唱で言葉を身体化することによって読書力がつく 枝 4 / 節 18 / ID 15186
 長い文章を暗唱をしていると、途中から眠くなります。特に眠くなるのは、だんだん暗唱ができるようになってきたときです。暗唱のし始めや、暗唱がすっかりできるようになったあとは眠くはなりませんが、暗唱がもう少しでできるようになるというころが、いちばん頭脳に負荷がかかるようです。
 脳の研究によると、音読は脳を活性化させるそうです。また、すっかり覚えた文章を音読しているときは、逆に脳はリラックスするそうです。ここから考えると、暗唱ができるようになる直前は、脳が、活性化でもリラックスでもない一種独特な状態になるときのようです。
 その独特な状態とは、文章が身体化する過程という状態です。50字程度の短い文章は、文節でいうと7文節以内であることが多いので、短期記憶で処理できます。しかし、300字から900字の長い文章は、身体の外部にあるもので、それを内部に取り入れるためには、普通は、文章を部分的に理解していくしか方法がありません。暗唱は、この長い文章を部分的に理解して消化する方法ではなく、長い文章のまま丸ごと自分の内部に取り入れようとする方法です。
 言葉は普通、道具として使われているので、言うときは言っておしまい、聞くときは聞いておしまい、という使われ方をします。例えば、犬がいることを相手に伝えようすれば、「犬がいる」といえばそれで済みます。また、相手から、「犬がいる」という言葉を聞いて理解できればそれで言葉の役割は終了します。長い文章の場合も、この小さい単位の部分的な理解を次々と連続させていくだけです。
 しかし、暗唱は、このような道具的な使い方ではなく、言い続ける、聞き続けるという行為を反復することですから、この反復を繰り返す中で言葉が道具以外のものに変化します。言い続けることで言葉が身体化し、聞き続けることで言葉が世界化すると言ってもいいでしょう。
 視覚や聴覚は、生まれつき身体化しています。これに対して、視覚や聴覚を補う眼鏡や補聴器は道具ですから、必要に応じて簡単に取り外すことができます。言葉は、眼鏡や補聴器ほど簡単につけたり取り外したりすることはできませんが、視覚や聴覚ほど身体化していない道具です。
 視覚や聴覚は、身体の一部になっているので情動と直接的に結びついています。しかし、言葉と情動の結びつき方は間接的です。だから、映像や音楽は、だれにとっても同じように感情的な影響を与えますが、言葉は受け取る人の言葉の身体化の度合いによって感情への影響度が異なります。
 この言葉を身体化する過程が、暗唱です。言葉が単なる道具ではなく、身体の一部になるにつれて、言葉の感受性や吸収力が増していきます。これは、あらゆる道具に共通する性質で、道具が反復によって身体の一部になると、その道具による表現力が増すだけでなく、その道具の対象となる世界に対する感受力も増してくるからです。
 絵筆が体の一部になっている人は、世界を見るときも、その絵筆の表現力に応じて世界をより絵画的に見ることができます。音楽でも詩でもスポーツでも同じです。表現力が高まり、道具が身体化する度合いに応じて、表現の対象に対する感受性が増してきます。
 言葉の吸収力が増すと、本を読んだ場合でも、その本の内容がより早く深く自分の内部に消化されるようになります。暗唱は、単独でも効果がありますが、毎日の読書と結びつくことによって更に大きな効果が発揮できるようになるのです。
枝 6 / 節 19 / ID 15187
作者コード:
枝 9 / 節 20 / ID 15187
 
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