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言葉の森新聞2004年5月2週号 通算第838号 枝 0 / 節 1 / ID 印刷設定:左余白12 右余白8 上下余白8
  ■1.五月二週は作文の進級試験(再掲)
  ■2.将来の作文検定試験
  ■3.五感 ミッキー先生(いわ)
  ■4.継続は力 いろは先生(いた)
  ■5.おまじない みかん先生(ななこ)
  ■6.ほめることがアドバイス うさぎ先生(きら)
  ■7.親が努力している姿 めもま先生(けい)
 
言葉の森新聞 2004年5月2週号 通算第838号
文責 中根克明(森川林)

枝 1 / 節 2 / ID
1.五月二週は作文の進級試験(再掲) 枝 4 / 節 3 / ID 5933
 5.2週に、作文進級テストを行います。課題フォルダの字数・構成・題材・表現・主題の●印が全部できていることが合格の条件になります。(表現の項目などで「たとえ」と「ダジャレ」など二つ以上の項目が指定されている場合はどちらかができていればその項目は◎です)。
 手書きで作文を書く人は、項目ができたところに必ずシールをはっておいてください。
 パソコンで作文を書く人は、キーワードを必ず入れておいてください。送信したあとに必ず字数を確認しておいてください。
 小学生の場合は、提出する前に、保護者の方が字数と項目シールをチェックしてあげてください。
 小学2年生までの生徒は、試験は行いますが、全員進級扱いで先の級に進みます。また、4月以降に受講を開始した生徒も、試験は行いますが、全員進級扱いで先の級に進みます。ただし、いずれの場合も、賞状は出ますので、できるだけ字数と項目ができるように書いていってください。
枝 6 / 節 4 / ID 5934
作者コード:
2.将来の作文検定試験
枝 4 / 節 5 / ID 5935
 公立の中高一貫校の入試で作文を課すところが増えました。また、高校の推薦入試でも、今年は作文を課したところがかなりありました。
 朝日わくわくネットに次のような記事が掲載されていました。
http://www.asahi.com/kansai/wakuwaku/info0224-1.html
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 中高一貫教育には「6年間を通じた教育で難関大学にも合格する学力がつく」「英語重視など特色のある教育内容」「高校受験がなく、ゆとりをもって学べる」といった魅力があるといわれます。
 こうした中高一貫校は私立がほとんどでしたが、「ここ数年都市部に公立の中高一貫校ができたことで、これまで受験を考えていなかった家庭や、経済的な理由で私立をあきらめていた家庭が受験するようになった」(安田さん)といいます。
 公立の中高一貫校は、これから各地にぞくぞくと誕生します。2004年度以降も、東京、大阪など全国で62校の設置が予定されています。
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 しかし、これらの学校の作文入試には、やや安易な導入という面も見られます。つまり、教科の成績に表れた学力以外の要素を見るというときに、ほかに適当な手段がないので、とりあえず作文を課したという感じを受けるからです。
 しかも、作文の試験を導入したのはいいのですが、その採点の仕方に客観的な基準がないために、採点結果を外部に公開することはまずできないと思います。また採点の手間がかかることに対する対策も、十分に考えられていないと思われます。更に、作文の課題も、最初のうちはいいのですが、次第に出題する材料がなくなってくると思います。実際、京都大学の小論文入試は、大学側にも受験生側にも評判のよい良問でしたが、問題作成の手間がかかりすぎることが原因で続けることができなくなったようです。
 現在、入試で小論文を課している大学は、すべての小論文について採点するのではなく、英語などの成績によってある一定の点数以上になった生徒についてのみ、小論文も採点するという形を取っているところが多いようです。それは、小論文の採点に時間がかかる現状ではやむをえないことだと思います。
 しかし、今後、この作文入試の事情は変わりそうです。それは、森リン(もりりん)という自動採点ソフトができたからです。ちなみに森リンというのは、言葉の森に棲む伝説の七色のキリンの名前です。(勝手に伝説を作りました(笑))。森リンによって、表現力や思考力の評価がある程度客観的にできるようになったので、これからの作文小論文入試は大きく形を変えていくと思います。
 森リンの弱点は、手書きの作文に対応していないことです。当初、日本語手書きOCRは簡単にできると思っていましたが、現在のOCR技術ではまだ無理なようです。日本語はアルファベットに比べて画数が多いので、字をくずとと途端に読めなくなります。私もときどき自分の書いたメモが読めなくて仕事が中断することがあります(笑)。日本語OCRは今のように一文字の読み取り率を高めるやり方ではなく、文脈から読み取るという方向で読み取り率を高める必要があります。すると、実用に堪える堪える手書きOCRができるのは、同じく実用に堪える翻訳ソフトができるころになりそうです。
 そこで、手書きの作文をテキスト化し、そのテキスト化された文章について森リンの採点を行うという形で作文検定試験を行うことにしました。
 このような作文検定が広がれば、入試への作文小論文の活用も、検定試験を利用するという方向で進むと思います。
 当面、6月ごろに、言葉の森の生徒を対象にしたプレ作文検定を行い、その様子を見て、9月ごろに正式の日本語作文小論文検定を行いたいと思っています。
 テキスト化の手順は、次のような形になります。まず受験者が作文を手書きで書きます。それを郵送又はファクスで集約します。その手書きの作文をインターネットに掲示し、全国の検定委員が画面上でテキスト化します。テキスト化にかかる時間は、1200字で15分ぐらいなので、一人の検定委員が1日5時間で20人、5日間で100人のテキスト化ができるとしても、受験者2万人を1週間程度で採点するためには、200人の検定委員が必要になります。
 将来の作文検定の受験者の目標は年間300万人です。試験日が集中しないように、地域別に時期をずらして試験を行うとしても、毎週6万人が受験することになり、検定委員の登録は600人は必要です。実際には、毎週100人のテキスト化をできる人は限られており、中にはせいぜい毎週5人ぐらいならできるという人もいるでしょうから、検定委員の数はもっと多くなりそうです。人数が多いと宴会などもにぎやかになっていろいろ面白いことができそうです。
 話だけがだんだん大きくなっていきますが、果たしてどこまで行くか。(笑)
枝 6 / 節 6 / ID 5936
作者コード:
3.五感 ミッキー先生(いわ) 枝 4 / 節 7 / ID 5937
 みなさんは「春」と聞くとどんなことを思い浮かべますか? 入学式、春休み、いちご、冬眠からめざめたクマ……。たくさんありますね。でも何よりも、さくら、チューリップ、つくし、たんぽぽ、れんげ……、いろいろな「草花」の名前が思い浮かぶのではないでしょうか。そうです。春はこの寒い冬の間、今か今かとあたたかくなるのを待ちわびていた花たちがいっせいに咲き出す季節でもあるのです。
 みなさんは「花ことば」とか「誕生花」という言葉を聞いたことがありますか?たとえば、さくらは「美しい心」スミレは「誠実」チューリップは「思いやり」という花ことばを持っています。また、一つ一つの花ことばには「伝説」があります。こうやって、人間は花にいろいろな思いをたくしてきました。ずっとずっと昔から、人間は草花に「ことば」をプレゼントしながら、仲良く寄り添って生きてきたのです。
 みなさんの周りはどうでしょう。花は咲き出していますか?数年前、先生の知っている子どもたちが、桜の花びらを追いかけながらこんなことをつぶやいたことがあります。
「花が咲く時って、どんな音がするんだろう???」
みなさんはどう思いますか?風の音や虫の鳴き声と同じように、花が咲く時、音はするのかな。それともしないのかな。
 人間は「五感」と呼ばれるすばらしい感覚器官をもっています。まず、一つ目はいろんなものを見「目」。二つ目はにおいをかぐ「鼻」。三つ目は音や声を聞く「耳」。四つ目は味わう「口」。そして五つ目はあったかいとか冷たいことを感じる「皮膚(ひふ)」です。私たちは毎日、知らず知らずのうちにこの「五感」を働かせてくらしています。この一年間、「五感」をフルに使って、しっかりと物事を見つめていきましょう。そして五感を使って感じたこと・考えたことを、作文の中にぜひ書いてみてください。例えば「さくらはきれいです。」は「目」しか使っていない文章です。でも、ほかの四つの器官を使えばもっともっと詳しく、楽しく「さくら」を表現することができますよね。ここが、作文のおもしろいところなのです。そして、この五感といっしょに「心」をしっかり働かせてください。「心」は人間が持っているタカラモノです。心を働かせたらきっと、「花が咲く時の音」をイメージできるんじゃないかなあと先生は思っています。この一年、楽しく、文章を書いていきましょう。みなさんから届く作文を楽しみにしています。
枝 6 / 節 8 / ID 5938
作者コード:iwa
 
枝 61 / 節 9 / ID 5951
4.継続は力 いろは先生(いた) 枝 4 / 節 10 / ID 5939
 今回は長文音読、短文暗唱についてお話したいと思います。
言葉の森に入って一年になる小学校二年生と幼稚園年長の兄弟のお話です。この二人毎日、長文音読、短文暗唱を続けています。
初め言葉の森に入ったときはお兄ちゃんの方は
先生:そのときどう思った?
お兄ちゃん:何も、思わなかった。
先生:先生だったらこう思うな……。
お兄ちゃん:…。
という会話がくりひろげられていました。弟にいたってはあいうえお表を見ながらの作文です。それが今では内容も立派な作文を書きますし、感想文では先生の出す「似た話」なんか比べものにならないくらい素敵なものを探してきます。お母様のお話だとお母様が起きる前にお父様と自習をすませ、すでにゲームをはじめているそうです(笑)そういえば弟の作文に「もっと早く起きて、言葉の森の音読をすませて、ゲームをしたいです。」と書いていたこともあります。(爆) きっと生活の一部になっているのでしょうね。
            
 「継続は力なり」とはよく言ったもので、たった10分の自習が一年続けると大きなものとなってきます。結果としても大きいのですが、自信という面でも大きな役割をになってくると思います。「無駄だな」と思う前にまず「実行」してみましょう。毎日10分のことです。無駄かどうかを決めるのは1年後でも遅くはないと思います。今回例に出した生徒は一部ですが、他にも自習をしている子はたくさんいます。自習を続けている子の表現はキラリと輝く時が多々あります。それは知らないうちにたまっていた言葉の宝石箱からあふれ出ているのでしょう。そして人間というのは蓄えただけでは満足せず、それを使ってみたいという衝動を常に持つ動物だからだと思います。
            
枝 6 / 節 11 / ID 5940
作者コード:ita
5.おまじない みかん先生(ななこ) 枝 4 / 節 12 / ID 5941
さて、今回は「おまじない」について少し。三月の感想文で、主人公がある言葉によって勇気を持ち幸運を手に入れるというところを読み「私にもいつかおまじないの言葉が見つかるといいな」と書いてくれたお友だちがいました。
実は、先生にもおまじないの言葉が一つあります。「I can do it!」えーっ、英語? 格好をつけているわけではないのですが、シンガポール人のテニスのコーチからたたきこまれた言葉なので、英語のまま頭に入ってしまいました。それにやっぱりちょっと格好いいでしょ。
「I can do it!」(私には出来る!)(私にならやれる!)こんな感じでしょうか。スポーツに限らずとても緊張する場面で、よく私たちは「できなかったらどうしよう」「失敗したらどうしよう」と思います。「できなかったら」「失敗したら」という後ろ向きな気持ちからは、良い結果は生まれない、最後の最後まであきらめず「私にはやれる!」と思うこと、毎日言われ続けました。
たかがおまじない、されどおまじない。自分を信じる言葉は必ず正のパワーを与えてくれます。お父様お母様は、「You can do it!」そうお子さんに言い続けてあげてくださいね。
枝 6 / 節 13 / ID 5942
作者コード:nanako
 
枝 61 / 節 14 / ID 5950
6.ほめることがアドバイス うさぎ先生(きら) 枝 4 / 節 15 / ID 5943

 私の子どもが低学年のころ何かの代表で「健康に関する作文」というのを書くように言われた年がありました。いたって健康な子なので苦労話も特になく、苦心して仕上げて持っていった時のことが忘れられません。放課後の職員室で担任の先生が「よくがんばったね。」と受け取られました。そこに担当の先生(?)がいらっしゃってコピーを取られました。そしてなんと、子どもの作文を一文ずつはさみで切り離したのです。それからあとはジグソーパズルです。文の配置をかえ言葉を補い、瞬く間に原型をとどめない作品が現れました。「添削」とは添えたり削ったりのことですが、切り離すのは初耳です。(笑)「はあ。」と声にならないため息が出て、子どもが居合わせたことを後悔しました。どんな気持ちがしたことでしょう。手がえんぴつで真っ黒になるまでがんばって書いたわが子は、一言も話しませんでした。
 案外ショックは親だけのことで、子どもは幼く素直なので「そんなものだ」と思ったかもしれません。しかし、何も学ばなかったのも確かです。
 作文のお電話をするときに、お母様から「言葉のつかいまわしがおかしいところがあるので・・・。」とか「あんな構成でいいのでしょうか。」とか、つまり「大人の目」で見たときの物足りなさをおっしゃることがあります。そんなときの私の答えは決まって「たいへんがんばって書いています。ほめてあげてください。」です。「大人の目」は作文を切り刻む目なのです。大切なのは、書いた子どもたちの意欲、書ききったことなのです。この熱意に対してはほめることが最高のアドバイスです。

 作文と平行して毎日行う音読や読書の力をもっと信じましょう。読むことから文章力はついてきます。
 子どもさんたちの作文はときどき変身します。それはよく「映画館を出た時に別人の自分になる」といわれるのと同じ現象だと思います。仁侠映画を見たあとはみんな苦みばしった表情になるというやつです。読んでいる本や、お友だちや、ご家族の影響なのだなあと解釈しています。時にかわいい文体、大人びた物言い、科学者みたいな論理性。お子さんたちは吸収力ばつぐんです。刺激は大切です。
 中学・高校の生徒さんも「作文の変身」とはいかないまでも語彙数や実例による裏づけの力に差が出てきます。アウトプットのためにはインプットが必要です。
 学習の習慣は「この日からスタート」という区切りがあると定着します。新しい学年のスタートと、言葉の森の新教材にあわせて、音読・読書の決意を固めましょう。
枝 6 / 節 16 / ID 5944
作者コード:kira
7.親が努力している姿 めもま先生(けい)
枝 4 / 節 17 / ID 5945
 今年の元旦、いくつかのテーマに分けて、その分野の専門家に話を聞くテレビ番組がありました。「子育、教育」はノーベル賞受賞者、利根川博士です。利根川博士の私生活を見ながら話は進んで行きます。お子さんたちが活き活きと生活しています。(テレビですけれどね...)
 利根川博士の「子育の極意」とは?何だと思いますか?
子供がすくすくと成長し、能力を伸ばし生きて行くために最も大切なことは、
「親が充実した生き方をしていること」だそうです。では、どうしたら親は充実した生活を送れるのでしょうか?どういう生活をしていると充実感を得られる、と利根川博士は言うのでしょうか?

『親が目標を持って、それに向かって努力している姿』が子供を育てる、
そう利根川博士は言っていました。それがどんな学校、習い事にも勝るというのです。ドキッ!!!!ですね。

 では、ご本人に掲載の承諾をいただいたので、さくらんぼさんのお母さまからのお手紙をご紹介します。

 12月1週の言葉の森新聞に東北大の川島教授のお話が載っていましたが、私は教授の講演会を1月にききに行きました。前頭前野の動きを活発にするのは、音読だけでなく、簡単な計算、楽器の演奏、お母さんとお話しすることなども良いそうです。実際に高齢で昔のことをほとんど忘れてしまったおばあさんが音読を始めると、昔のことを思い出したり、記憶が良くなったり、ということがあるそうです。大人になってもやっぱり脳は使わなければ、ということがよくわかりました。私は近頃暗算さえもしなくなっていたので、講演会のあと、生協の申込みの計算を電卓なしでするようにしています。さくらんぼの課題フォルダーの長文音読も一緒にやるようにしています。(これがけっこう内容がおもしろいのでちょうどいいのです)これからでも遅くない!!人生勉強ですね。

素敵なお母さんですね!!(めもま)
枝 6 / 節 18 / ID 5946
作者コード:kei
枝 9 / 節 19 / ID 5946
 
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