私は、小さい頃とても体が弱く、しかも今の私からは想像もつかないほどおとなしかったので、本がいちばんのお友だちでした。本を読んでいるだけで、とても幸せでした。小学校に通うようになってからも、いつも本を抱えて歩いているような子供だったようです。そのうちに登場人物になりきって、声を出して読んだりするようになりました。登場人物によって声色を変えたり、ナレーションに凝ってみたりと、かなり熱中していたことを覚えています。日ごろの成果が表れたのは、やはり国語の時間です。音読はいつもほめられ、おとなしかった私はいつの間にか積極的な女の子に変身していました。(演じる楽しさを知ってしまった私は、その後演劇に熱中することになります。)
変身した私は、お友だちもたくさんでき、楽しい学校生活を送ることになります。でも、やはり本がいつも傍らにありました。どんな本を読んでいたかというと、いわゆる「乱読」です。「図書室にある本をはじからはじまで読みつくす」ことを目標に、手当たり次第に読んでいたのです。これは高校を卒業するまで続きました。あまりたくさんの本を読んだので、どんな本があったのかすべて覚えているわけではありませんが、そのころの読書体験が今の私に様々な影響を与えているのは事実です。
「どんな本を読んだらいいかわからない。本を読むのはすきじゃない。」という話をよく耳にします。でもそのままにせず、とにかく本を手にしてみましょう。学校の図書室でも、近所の図書館でも、本屋さんでもかまいません。たまたま手に取った本が、おもしろかったら大成功。そうでなくても、何回かチャレンジしていたら好きな本にめぐりあえるかもしれません。
いのこ組のみんなに紹介したい本があったら、封筒の「みんなへのひとこと」に書いてくださいね。このしろくま通信で発表していきます。
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枝 6 / 節 15 / ID 5915 作者コード:inoko
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