人の欠点が気になる人がいます。何かを見ればその何かの欠点に目が行きます。だれかに会えばそのだれかの欠点がつい目につきます。レストランに行っても、旅行に行っても、いいところよりも悪いところにすぐ気がついてしまいます。
そういう人が自分の子供を見るとき、やはりその子の欠点が最初に目につきます。
ところが、小さいころに欠点を注意されながら育った子供は、小さいときこそ親の言葉を素直に聞いていますが、成長するにつれて親に反発するようになります。その境となる学年は、小4から小5にかけてです。
また、欠点を指摘されながら育った子は、その子自身も成長するにつれて他人の欠点に先に注意が向くようになっていきます。しかし、世の中は、互いの長所で支え合いながら成り立っています。欠点を批評し合いながら成り立っているわけではありません。
欠点が気になったとき、それに目をつぶるのは難しいものです。そういうときは、欠点を欠点と見ずにほほえましい個性と見れば、気にならないばかりか自分も相手も楽しくなります。更に言えば、欠点の裏側には必ず長所があります。うっかり子供の欠点を厳しく指摘してしまったときは、すぐにカバーしてあげると、子供ものびのびと育ちます。また、そういう工夫を通じて親自身も人間的に成長していきます。例えば、「なんで、また忘れ物したの! ……まあ、そのおおらかなところが君のいいところなんだけどね。(笑)」という具合です。
子供の欠点が気になったとき、直すのはむしろそういうことがすぐ気になる親の方だと考えていくといいようです。
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枝 6 / 節 6 / ID 5110 作者コード:
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