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言葉の森新聞2018年8月1週号 通算第1525号 枝 0 / 節 1 / ID 印刷設定:左余白12 右余白8 上下余白8
  ■1.【再掲】8月11日(土)、および8月13日(月)-18日(土)は休み宿題
  ■2.経験と学問と創造を楽しむ――発表学習コースの問題点と今後の対策
  ■3.創造力は教えられて育つものではなく、創造する人の後ろ姿を見て育つ
  ■4.受験作文は、構成の示してある模範解答で練習する
  ■5.オンライン学習の分科会場/動物広場/講師の広場
 
言葉の森新聞
2018年8月1週号 通算第1525号

https://www.mori7.com/mori

森新聞
枝 1 / 節 2 / ID
1.【再掲】8月11日(土)、および8月13日(月)-18日(土)は休み宿題 枝 4 / 節 3 / ID 27761
 8月11日(土)は、祝日のため休み宿題となります。

 また、カレンダーに記載してあるとおり、8月13日(月)-18日(土)は言葉の森の夏休みとなり、同じく休み宿題です。
 先生からの電話はありませんが、自宅でその週の課題を書いて作文を提出してください。他の日に教室に来るか教室に電話をして、その週の説明を聞いてから書くこともできます。
 休み宿題のときに、電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/index.php
「ヒントの池」 http://www.mori7.com/mine/ike.php
枝 6 / 節 4 / ID 27762
作者コード:
2.経験と学問と創造を楽しむ――発表学習コースの問題点と今後の対策 枝 4 / 節 5 / ID 27763
 発表学習コースでの子供たちの発表は、毎回充実しています。
 しかし、同時にいくつかの問題もあるようです。

 第一は、まだ経験した事実の発表で終わっているものが多いことです。
 単に「何かをした」というだけでは、したという経験だけで終わってしまいます。
 その経験を学問的に発展させることが大事で、それは小学校低中学年の場合は、やはり親の協力がなければできません。

 このときの親の協力が、親子の知的な楽しい対話のきっかけになります。
 勉強の中心は、親子の対話であって、その対話の機会を作るために、発表という場があるというふうにえていくといいと思います。

 第二は、親の協力がとてもよくできている場合ですが、その際に、親が子供を引っ張りすぎているのではないかと懸念される場合があることです。
 親の協力と親子の対話は、本来楽しいものですが、それが子供にとって苦しい勉強のように感じられているのであればやはり問題です。

 楽しい勉強に必要なものは、脱線や失敗を許容する文化です。
 いちばん大事なのは、自主性と創意工夫で、この自主性と創意工夫は失敗する可能性も高いものなのです。
 成功を目指せば、無難なものになりがちです。しかし、無難なものは、自主性と創意工夫を必要としないことが多いのです。
 これからの学力として大事なものは、小さくまとまった成功ではなく、大きな挑戦ですから、結果としての成功失敗よりも、過程としての創造性の方が大事なのだと考えておくことです。

 第三は、これも発表が充実している場合ですが、発表学習に力を入れているために、普段の自主的な地道な勉強が後回しになりがちだという声があったことです。
 小学生の勉強は、基本的に学校で間に合うようにできているものですが、今の学校教育の一斉指導のシステムでは、子供たちの学力差が大きい場合、有効な学習ができていない可能性があります。
 また、家庭で毎日一定時間机に向かうという習慣は、短い時間でいいので、小学生のうちに確実につけておく必要があります。
枝 6 / 節 6 / ID 27764
作者コード:
 
枝 61 / 節 7 / ID 27765
 発表学習と自主学習を両立させるためには、自主学習をパターン化して毎日やる時刻を決めておくことです。
 やる内容としては、長文音読、暗唱検定の暗唱、算数数学問題集、更にできる場合は国語の問題集読書です。そして、それ以外に毎日必ず読書を学年の10倍ページ以上です。
 理科や社会などは、やる必要はありません。ただし子供が好きな勉強を自主的にするのであればそれを止める必要はありません。

 やることをそのつど親が指示するのではなく、何をどうやるかが決まっていて、子供が自分でどんどん進めていくという形にするのが理想です。
 そして、発表学習は、子供の自習学習の勉強が一段落したあと、家族の団らんの時間で楽しくお喋りをする感じでやっていくのです。

さて、では、どういう感じで発表学習の準備を進めていくか、一つの例を挙げたいと思います。
私が父親なので、父と子の会話になっていますが、普通は母と子になると思います。

【経験】
父「今日は、何か、おもしろいことあったかい」
子「うん、本を読んでいたら、ポップコーンって自分で作れるらしいよ」
父「へえ、そうかい。じゃあ、作ってみたら」
子「よし、材料買ってくるね」
 ――材料を買って、家でポップコーンを作り始める。――
子「あ、できてきた。ふたを取って、見てみよう」
 パチパチパチ、バーン、バーン、パーン。
子「あ、大変だ。破裂してきた。助けてえ」
父「おいおい、ふた持ってきたらダメじゃないか」
 パーン、パーン、パーン、パーン、ポーン。
父「ふう、やっと火を止めた。しかし、すごい破裂だね」
子「うん、どきどきした」

【学問】
父「じゃあ、なぜこういう破裂をするのか、調べてみたらいいよ」
子「よし、調べて、レポートに書こう。ついでに、このできたポップコーンを写真に撮っておこう」
 ――インターネットで調べて、レポートを書く。――

【創造】
子「こんなふうに、書いたよ」
父「どれどれ、うん、いいね。じゃあ、このポップコーンの科学的背景がわかったところで、これをどう生かしたらいいか考えてみよう」
子「生かすって?」
父「この原理を生かして、ほかのものに応用してみるとか、自分で商売をするとか、そういうことだよ」
子「うーん……、いっぺんに破裂するから危ないんで、一粒ずつ方向を決めて破裂させれば面白いんじゃないかなあ」
父「うん、何の役に立つかわからないけど、その仕組みを考えたらいいかもしれないね」
子「あとは、トウモロコシでないもので作ってみるとか」
父「ポップなんとかという新しい食べ物ができるね」
子「みんなでマスクをして、破裂を楽しみながら食べるとか」
父「そういうお店があったら、はやるね」(はやるか)

 こういう感じで、やっていくのです。
 経験だけでも、それなりに発表して面白いものですが、その経験に学問的な研究を付け加え、更にその学問的な研究を生かして、創造的なことを考えるという流れでやっていけるといいと思います。

 こういう経験の中で、親の実験や研究や創造を楽しむ後ろ姿が、子供の成長につながるのです。
枝 6 / 節 8 / ID 27766
作者コード:
 
枝 61 / 節 9 / ID 27767
3.創造力は教えられて育つものではなく、創造する人の後ろ姿を見て育つ 枝 4 / 節 10 / ID 27768
 発表学習コースは、日常生活で子供が疑問に思ったり関心を持ったりしたことをもとに学問的な研究や実験を行い、それを創造的に発展させて作品として発表するということを目標としています。

 しかし、もちろん小学校低中学年の子供が、そこまでできるとは限りません。
 小学校低中学年の子が子供だけの力でやろうとしたら、身近な疑問や関心や経験をそのまま取り上げて発表するところまでがせいぜいです。

 しかし、家庭で準備することのできる発表学習は、お父さんやお母さんが協力することができます。
 子供の関心を学問的な研究と結びつけ、その研究を創造的に発表するというやり方に、決まった道筋はありません。
 その発表までに至る過程で、いろいろな試行錯誤や小さな失敗や小さな成功があり、その積み重ねの結果が発表する作品となるのです。

 この試行錯誤の過程で子供が学ぶものは、お父さんやお母さんの物事に対する取り組み方の姿勢です。
 学校や塾で教わることは、答えのある結果が中心です。
 その結果に至る途中の過程で、教える先生が試行錯誤をしたり失敗したり脱線したりするようなことでは授業は成り立たないからです。

 ところが、家庭の学習では、失敗も成功も脱線もあらゆることが可能です。
 そして、そのときのお父さんやお母さんの取り組み方が、子供の学問や人生に対する姿勢を育てていくのです。

 創造力は、教えられて身につくものでありません。
 創造に取り組む身近な人の後ろ姿を見て、子供が自然に創造することの魅力を感じ取っていくものです。

 特に、小学生のころは、子供が自分の生き方の模範となるような身近な人を求める時期です。
 その時期に、お父さんやお母さんが物事に取り組む姿勢を見せることが、子供の成長で大切なものになってくるのです。

 言葉の森の発表学習コースは、そういう家庭での親子の対話や協力というものを大切にしています。
 これは、お父さんやお母さんにとっても、新しい形の子供との関わり方になります。
 発表学習コースは、子供の思考力と創造力を育てるための、家庭における親子の関わりの機会にもなっているのです。

 湯川秀樹が、当初志していた数学の道から、物理の道へ転向したのは、数学の先生に、答えが合っているが解き方が教えられたものでないからという理由で×にされたということがあったからだそうです。
 学校の先生としては、そういう指導はやむを得ない面もあります。
 学校の仕組みは、1年生が終わったら2年生に進み、2年生が終わったら3年生に進むという形になっているからです。
 しかし、家庭は違います。
 子供が興味を持つものであれば、小学生でも高校生並みのことができます。
 また、その逆もできます。
 家庭は、学校の宿題をやるところではなく、独自に子育てをしていくところなのです。

 教育は、学校と家庭が協力してやっていくものですが、それは学校が主で家庭が従という関係なのではありません。
学校と家庭はそれぞれ独自の役割があります。
 知識と技能の教育が学校の役割だとすれば、家庭の役割は創造と文化の教育です。
枝 6 / 節 11 / ID 27769
作者コード:
4.受験作文は、構成の示してある模範解答で練習する 枝 4 / 節 12 / ID 27770
 言葉の森の作文の模範解答には特徴があります。
 それは、書き方のパターンをいくつかに絞って書いていることです。
 そのため、子供たちは、書き方の解説を見て、自分でも同じように書けるようになります。
枝 6 / 節 13 / ID 27771
作者コード:
 
枝 61 / 節 14 / ID 27772
 世間にある受験作文小論文の参考書の模範解答には、2種類あるように思います。
 ひとつは、専門家があたりさわりのない模範解答を書くことです。

 この場合は、減点のない解答ということが目的ですから、抽象的な説明が中心になります。
 これは、模範解答とは言っても、不合格にならないための模範解答です。

 中学入試の作文試験でも、最初のころはこういう模範解答のような作文を書く受験生が多かったのだと思います。
 そのため、今の作文試験では、ほとんどが、「あなたの具体的な体験をもとにして」というような条件をつけて書く形になっています。
 この場合、あたりさわりのない模範解答はあまり役に立ちません。

 もうひとつの模範解答は、子供が実際に書いたものでよく書けたものをまとめたものです。
 これは、確かに具体的な実例も入っているので、作文試験で合格するような内容になっています。

 しかし、これを見て、自分でも同じように書けるかというと、そういうことはありません。
 上手に書けた作文を見ても、それで自分でも上手に書けるようになるというわけではないからです。

 上手に書けた作文をいくら見ても、では自分がどういうふうに書いたらいいのかということがわかりません。
 それは、パターンが絞られていないからです。

 では、パターンとは何かというと、それは構成の仕方です。
 構成の方向がわかれば、子供たちはそこに自分らしい実例や表現を感想を盛り込んで書くことができます。
 この、実例や表現や感想が、その生徒の実力となる部分で、その実力を伸ばすために、問題集読書や事前の準備や、事後の推敲があるのです。

 大事なのは、模範解答としてただ上手に書けた作文を見せることではなく、子供たちがどう書いたらいいかを示すことです。
 模範解答は、子供たちが作文を書きやすくするためにあるものだからです。
枝 6 / 節 15 / ID 27773
作者コード:
5.オンライン学習の分科会場/動物広場/講師の広場 枝 4 / 節 16 / ID 27774
 少人数クラスやオンライン学習用の分科会場のページがあります。
 Zoomの会場なので、zooにかけて動物広場としました。
https://www.mori7.com/teraon/zoo.php

 意外と知られていないようなので、改めてご案内します。(笑)

 これは、オンラインで何人かのグループ勉強している生徒が、そのグループからいったん出て個別に話をしたいときなどに使います。
 動物広場の会場に入るときは、名簿に生徒コードを入れてもらいますので、どの会場が利用されているかわかります。
 ですから、まだ使われていない会場を使うことができます。
 
 また、寺オン作文コースにおいては、ページ下部の「講師広場」に入って、担当の先生から電話の代わりにオンラインで授業を受けることもできます。
 もちろん、振り替えや代講にも対応しています。
 携帯電話しかないおうちや海外から受講する生徒さんには、使いやすいと思います。
 将来は、言葉の森の全講師がその分科会場で授業をするようになると思います。

 動物広場のZoomは自由に使って結構ですので、ご興味をお持ちの方は試しに入ってみてください。
 その際、ほかの人とぶつからないように、生徒コードのある人はできるだけ生徒コードを入れておいてください。(ぶつかっても別にかまわないと思いますが)
枝 6 / 節 17 / ID 27775
作者コード:
枝 9 / 節 18 / ID 27775
 
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