言葉の森に問い合わせがあったお母さんのコメントの中に、「親子で作文を教えているとバトルになるので」というひとことがありました。
これは、どこの家庭でも似たような状況があると思います。
親子で作文の勉強をすると、子供が小学校低学年のうちは何とかうまくいくように見えます。
しかし、それはただ子供が素直だから、という理由によるものです。
学年が上がったあとも、親が子供の作文を見ると、子供が自立するにつれて教えることが難しくなります。
これが、普通の算数や理科や社会の勉強であれば、まだ親子の争いは少なくなります。
それは、答えのある勉強の場合、答えという共通の目標で親子の考えがまとまるからです。
答えだけでなく、解法も共通の目標になれば、更に勉強はうまく進みます。
だから、算数や理科の勉強を教える場合、解法の詳しい参考書でその参考書の解法に沿って教えることが親子の家庭学習をうまく進めるコツです。
しかし、作文の場合は答えがないので、親は自分の思った良い文章という尺度で子供の作文を評価しようとします。
すると、子供があるところをすごくよく書けたと思っているのにも関わらず、親は違うところの良くないところを指摘するような場面が出てくるのです。
つまり、作文指導がうまくいかなくなる一番の原因は、何を目標として作文を書くのかという事前の共通の了解事項がないまま、書かれた作文という結果だけを見て評価が行われるからです。
これは、家庭だけでなく学校でもほぼ同じで、事前の指導なしに事後の評価だけがあるというのが、ほとんどの作文教育の実態です。
言葉の森の作文指導が、先生と生徒の間でバトルにならないのは、事前の項目指導という共通の了解事項があるからです。
これを家庭での勉強に当てはめれば、家庭で作文を教えることもずっと楽になります。
なお、言葉の森の作文の事前指導の項目は、小学1年生から高校3年生まで系統的に作られているので、小学校の間だけでなく、中学生になっても高校生になっても続けることができるのです。
|
|
枝 6 / 節 17 / ID 26649 作者コード:
|