言葉の森新聞2020年12月4週号 通算第1640号
文責 中根克明(森川林)

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■■新学期の教材を発送しました

 来年1月からの新学期の教材を、12月16日(水)~18日(金)の期間に発送しました。
 国内の生徒さんで、25日くらいになっても届かない場合はご連絡ください。
 作文、封筒用紙、住所シールも同封しています。


■■12月29日(火)・30日(水)・31日(木)は休み
 12月29日(火)・30日(水)・31日(木)は、第5週でお休みです。先生からの電話はありません。振替授業もお休みです。

■■1月1日(金)~7日(木)・11日(月)は休み宿題
 1月1日(金)から7日(木)までは、休み宿題です。
 先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時-午後7時30分。年末は28日まで。電話0120-22-3987)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
 オープン教育の掲示板「森の予習室」に学年別の予習のヒントが載っています。

 また、1月第2週の11日(月)も、成人の日の祝日となり、お休みです。
 カレンダーの関係で、月曜日はお休み宿題の日が続いてしまいますが、よろしくお願いいたします。


■■第4週は清書。幼稚園生は作文
 幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
 小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
 清書をしたあと、時間に余裕のある場合は読解問題をしてください。


清書の意義と方法
 清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
 内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。

 書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。


清書の投稿
 清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
 手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。

 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
 投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
 同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。

●小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)

※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。


■■読書好きな子供の作文
 読書好きな子供は、作文も上手なことが多いです。そんな読書好きの小学校5年生の男の子が書いた、水泳のクラス分けテストについての作文の一部を紹介します。この生徒は、いつも、本の一部を切り取ったかのようなすばらしい表現で、テンポよく臨場感あふれる作文を書いてくれます。

 4年生まではスイミングスクールに通っていたので、自信満々でテストを受け、いつも一番上のクラスに入っていたのですが、スイミングスクールをやめてしまったため、今回のテストはあまり自信がなかったようです。

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(テストを待っているとき)

「僕は放心状態だった。」

(テストの番が近づいてきたとき)

「僕は上の空だった。」

(さらに近づいてきたとき)

「僕は、他の人に緊張が感染したかのように、心の底から不安と緊張が膨れ上がり、上の空ではいられなくなった。」
「僕は自分に言い聞かせた。緊張があるというのは、自分の心の奥深くでは、いいプレイにしようと炎が燃えているのだと。」
「だが、そんなに緊張しなくてもいいだろっ叫ぶ自分も心の中にいる。二つの心がせめぎあって、つい僕はクスッと笑った。笑ったことで、僕の心の中に炎が宿った。」

(自分の番になったとき)

「落ち着けと自分に言い聞かせ、テストに挑んだ。」

(テスト中)

「やってみると、テストは苦もなく、泳ぐことができた。自分が余裕で泳いでいることに対して、僕は驚き、ホッとした。つい笑い出しそうになった。だが、我慢した。こんなところで終わってはたまらない。」

(泳ぎ切ったとき)

「水中で思いっきり笑った。嬉しい気持ちがあふれ出た。そのあふれ出した気持ちが、僕の名前を一番上のクラスの名前表に書き込んでくれたのだ。」

=====

 案ずるより産むが易し。テストの結果は良かったようですが、その結果を出すまでの気持ちの移り変わりが手に取るようにわかります。短い間に刻々と変化する心情を見事に言葉にしています。「緊張があるというのは、心の奥深くでは、いいプレイにしようと炎が燃えているのだ」とは、自分の心の内をよく見つめていると思います。確かに、いい結果を出そうと思わなければ緊張などしないでしょう。心の中の葛藤も冷静に観察しています。また、テスト結果を擬人法を使って表現したところも工夫されています。

 読書好きで、作文が得意な子供は、ときには、背伸びし過ぎて不自然な表現になることもあります。そんなとき、どんなに得意な生徒であっても、決して注意しないことが大切です。書くことに自信を持っている子供ほど、ちょっとした指摘に傷つき、自信をなくしてしまうことがあるからです。ほめることが大事なのは、どの生徒にも共通することなのです。


■■総合化の考え方
 言葉の森の中学2年生相当の項目に「総合化」というものがあります。これは、AとB、二つの異なる意見を挙げ、最後にその二つの意見のさらに上をいくCという意見でまとめるという書き方です。

 何やら難そうですよね。実際、難しいです(笑)。

 でも、考えるのが好きな生徒にとっては腕の見せ所でもあります。

 たとえば「スポーツの勝ち負け」というテーマの場合、「スポーツには勝ち負けが必要だ」という意見と「勝ち負けにこだわるのはよくない」という意見を総合化します。

 「確かにスポーツの勝ち負けには良い面も悪い面もある。しかし、一番大切なことは、スポーツを通して自分自身が成長していくことである。」

 「確かにスポーツの勝ち負けには良い面も悪い面もある。しかし、一番大切なことは、最後までやり遂げるということである。」

 「確かにスポーツの勝ち負けには良い面も悪い面もある。しかし、一番大切なことは、挑戦しようとする気持ちである。」

 どれもすばらしい総合化です。

 こんなふうにさまざまなテーマの総合化を考えることによって、物事を多面的に見る力、大きく捉える力が養われていくのだと思います。







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