言葉の森新聞2018年6月4週号 通算第1520号
文責 中根克明(森川林)
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■■【連絡】6月29日(金)・30日(土)は休み
6月29日(金)・30日(土)は、第5週のためお休みです。
先生からの電話はありません。振替授業もお休みです。
■■【重要】夏休み中の授業について
夏休みは帰省したり塾の夏期講習に行ったりするために、通常の時間に授業を受けられない場合も多いと思います。
その場合は次のようにしてください。
(1)通常の電話指導を受けられない分を、他の曜日や時間に振り替えて受講できます。平日午前9時-午後7時50分、土曜午前9時-午前11時30分の間に、直接教室にお電話ください。
希望の週の課題の説明をします。事前の予約などは必要ありません。8月に休む分を7月や9月に振り替えることもできます。
電話0120-22-3987(045-830-1177)
(2)山のたよりの送付先や電話の宛先を、自宅以外にすることができます。帰省先や滞在先などで授業を受けることを希望される場合はご連絡ください。
ただし曜日や時間を変更する場合は、先生から生徒にはお電話しませんので、生徒から直接教室に振替の電話をして説明を聞くようにしてください。
(3)8月のみ休会されるという場合でも受講料の返金はしませんので、できるだけほかの曜日や時間に振り替えて授業を受けてくださるようお願いします。
(4)いったん退会する場合、再開するときは再入会の扱いになります。(※入会金が再度かかるということはありません。)その際、課題の進度は新規の入会と同じようにその学年より下の学年から始まります。
なお、夏季休業の時期は、事務局による振替などの電話受付もお休みとなりますので、何卒ご了承ください。
夏休みは、通常と違い多忙になることが多いので、つい「1ヶ月休んで」と考えてしまいがちです。しかし、振替授業を受けたり、字数を短くして提出したりとできるだけ休まない形で続けていく方が、その後の子供の勉強意欲にとってプラスになります。
■■読書感想文の書き方は、言葉の森のホームページを参考に
夏休みに、読書感想文の宿題が出た場合は、言葉の森のホームページの「読書感想文」のカテゴリーをごらんください。ここを見れば、全学年の感想文の書き方がわかります。読書感想文指導をこのような形で行ったのは、言葉の森が最初です。
http://www.mori7.com/beb_category.php?id=28
また、普段の作文の勉強の中で感想文の練習をしている人は、これまでに書いた感想文の中でよく書けたものをふくらませていってもよいと思います。
なお、言葉の森では夏休みの宿題の個別の指導・対応はしませんので、感想文の宿題は各自で取り組んでいくようにしてください。
感想文コンクールの入賞を目指すなどの理由でどうしても感想文を見てほしいという場合は、申し訳ありませんが有料になります。ご了承ください。(添削料5,400円)
■■新学期の教材を発送します
7~9月分の新学期の教材を6月18日(月)・19日(火)までに発送致します。
国内の生徒さんで、25日になっても届かない場合はご連絡ください。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
清書をしたあと、時間に余裕のある場合は読解問題をしてください。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。
作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
■小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません 毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■4週目の読解問題(小1以上)
小1以上の生徒には、課題フォルダに、4週目の長文をもとにした読解問題を2問載せています。時間のある人は取り組んでください。
言葉の森ホームページの「読解マラソン」のページには、全8問の問題とそれに対応した長文がありますが、課題フォルダには問題数をしぼり、問7と問8の2問だけ掲載しています。
これは、この2問をじっくり解いて満点にすることが目標だからです。
問1~6も含めた全問を解きたい方は、読解マラソンの「問題のページ」で他の長文と問題をごらんください。
ただし、その場合も、当てずっぽうで全部解くのではなく、必ず全問正解になることを目標に解くようにしてください。
■■できなかったことを叱るのではなく、できるようにさせてから褒める
子供が、約束した勉強をしなかったとします。
そこで、お母さんがいくら叱っても、子供はなかなかできるようにはなりません。
叱ってできるようにさせるためには、何度も叱らなければなりません。
そうすると、できるようになる前に、親の言うことを聞かなくなるのです。
どうしたらよいかというと、できなかった時点に問題があるのです。
最初に、できるようにさせることに最も力を入れていくべきなのです。
叱ることに力を入れるのではなく、叱らない状態を作ることに力を入れていくのです。
そして、できるようにさせて、子供ができたら、そこで褒めてあげるのです。
大事なことは、できたかできなかったかということではなく、何よりもできるようにさせることで、それが親や先生の役割なのです。
長年、先生のような仕事をしていると、評価することが仕事だと思ってしまうことがあります。
本当の仕事は、できるようにさせることであって、子供に点数をつけることではありません。
先生の仕事は、全員に百点を取らせるような指導をすることです。
はたから見ると、子供を教えることは簡単に見えます。
点数をつけてバンバン競い合わせれば、みんなできるようになると思いがちです。
ところが、当の相手は、自分と同じ人間ですから、そういう機械的な方法ではうまくいきません。 自然に子供が自分から進んでやろうとするような工夫をする必要があるのです。
■■問う勉強、答える勉強――百点を取るより面白い勉強とは
昔、夏祭りで焼き鳥屋をやらされて、暑い中、煙に咳き込みながら一日焼き鳥を焼いていましたが、そのときふと思いました。
たぶん、焼き鳥を買いに来る人よりも、焼き鳥を売っている人の方が、夏祭りが強く思い出に残るだろうと。
同じことが、勉強にも言えます。
人に教わる勉強の何倍も深く身につくのは、人に勉強を教えてあげるときです。
だから、高学年の生徒が低学年の生徒に勉強を教えていると、その高学年の生徒の成績も上がるのです。
発表学習コースの勉強の基本は、問題を作ることです。
問題に答える勉強ならどこにでもありますが、問題を作る勉強というのはあまりありません。
それは、問題を作っても、それを発表する機会がないからです。
その点、発表学習コースは5、6人の少人数なので、全員に発表の機会があります。
少人数の学習というものには、レベルがあります。
30人学級が、20人になっても、10人になっても、人数が少なくなったというだけで本質的な差はありません。
しかし、5、6人になると、全員に発表の場ができるということで、質的な差が出てくるのです。
今の学校や塾の勉強では、全員が問題を作るようなことはできません。
だから、全員が答える側に回って授業を受け、その答える勉強を面白くするために、点数が用意されています。
子供たちは、百点を取ることが嬉しいことだと思って勉強をしています。
しかし、本当は、答える勉強で百点を取るよりも、問題を作る勉強の方がずっと面白いのです。
まだ、今の教育システムの中では、全員が主体的に問題を作るような授業は行なえません。
だから、言葉の森で一足先に、そういう勉強をしていきたいと思っているのです。
子供たちは、誰でも一人ひとり個性的です。
その個性を生かして、将来みんな活躍していくのです。
ところが、今の教育システムの中では、その子供たちに、同じ一つの尺度で序列をつけて、人より上に行くことがいいことだと教えています。
だから、できる子も、できない子も、皆それぞれに劣等感を持ちながら成長していくのです。
本当は、学力は8割できていれば十分で、98点か99点かで競う必要はないのです。
そういうところにエネルギーを使うのではなく、もっと自分の個性と創造性を伸ばすことに力を入れていき、その分野で第一人者になることを大きな目標としていくといいのです。
高度経済成長時代は、上げ潮の時代でした。
その時代には、メジャーな分野に入っていることが、たとえ二番手でも三番手でも有利なことでした。
しかし、今の先進国は、引き潮の時代に入っています。
そして、引き潮が一段落すると、その海は大きな池のようになり、そこで文化が広がっていくのです。
引き潮の時代には、メジャーな分野は、レッドオーシャンになっていきます。
ブルーオーシャンを見つける力は、個性と創造性の中にあるのです。
■■親子の対話が子供を成長させる
作文を書く準備として、子供がお父さんやお母さんに似た話を聞くことがあります。
特に、感想文の場合は、子供だけの体験実例では材料が不足することが多いので、お父さんやお母さんにも話を聞くことが必要になります。
高学年の感想文になると、元の文章が論説的な文章ですから、似た例を子供の人生経験の中だけで見つけるのは更に難しくなります。
この、作文や感想文の似た例を子供に聞かれたときが、お父さんやお母さんが子供とじっくり話をするチャンスです。
お父さんやお母さんの体験談を聞く中で、子供は、人間の生き方も同時に学んでいきます。
また、お父さんやお母さんと話をすることで、自然にものごとを説明する際の語彙力が育っていきます。
子供に似た例を聞かれとき、面白い話ができるように、お父さんやお母さんは、ときどき子供が勉強している課題フォルダに目を通しておくといいと思います。
ときどき、子供に似た話を聞かれたとき、あっさりと、「そんなのない」と言う人がいます。
「自分の勉強なのだから、自分で考えなさい」と言う人もいます。
また、ネットで検索して関連のありそうなページをプリントして渡すという人もいました。
それでは、せっかくの家庭での勉強の効果が生きてきません。
お父さんやお母さんが、できるだけ自分の体験をもとに話してあげることが大事なのです。
野口悠紀雄さんは、最近の著書「『超』独学法」の中で、これからは大人も生涯勉強する時代になり、その方法として独学が最も効果的だと述べています。
子供の場合も、この独学的な方法が最も効率がよいというのは共通しています。
更に、子供の場合は、この独学に、親子で学ぶ家庭での対話が組み合わさることで効果が何倍にもなるのです。
小学校高学年の難しい課題の感想文のときこそ、お父さんやお母さんの出番です。
子供の人生が十年ちょっとだとしたら、親にはその数倍の人生経験があります。
その人生経験から出てくる話が、子供の経験につけ加わるのです。
そういう話を子供とできるのは、あとからふりかえればほんのわずかな時期です。
「仕事が忙しいから子供と話す時間が取れない」なんて言っていたらダメなのです(笑)。
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