言葉の森新聞2018年4月4週号 通算第1512号
文責 中根克明(森川林)
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■■発表教育という名の新しい教育
オンラインの少人数で行う教育を、「発表教育」という名で呼びたいと思います。
発表教育は、発表自体に意味があるのではありません。
発表ということを契機として、学習面での交流ができ、学習を媒介とした親子の協力が生まれ、創造的な学習ができるというところに意味があります。
なぜ発表が創造的学習につながるかというと、少人数のグループの中では、創造的な発表こそが最も価値あるものになるからです。
その反対に、誰でもできるものを人より上手に行うというのは、それがよほど優れたものでないかぎり、少人数のグループの中ではあまり評価されません。
誰でもできるものとは、要するに既に答えがあるものです。
今の教育の主流は、誰でもできる答えのある問題を子供たちに取り組ませ、薄い輪切りの点数の差を拡大し、そこに競争という要素を加味して学習の意欲を持たせる仕組みになっています。
それは、誤解を恐れずに言えば、勉強だけでなく、スポーツも、音楽も、芸術も、進学も、就職も、ビジネスも、社会全体がそういう答えのある世界で小さな差を競い合うような仕組みになっているからです。
しかし、そういう世界での勉強は、本質的に面白いものではありません。
子供たちにとって、勉強よりも遊びが面白いのは、勉強には答えがあり、その答えの道筋さえ決められていることが多いのに対して、遊びには答えがなく、また答えに近いものがあったとしてもその答えに至る道筋は自由だからです。
この自由が創造性を生む土台になっています。
これからの教育に求められるものは創造性だということはよく言われています。
しかし、その創造性の教育を具体的に実践しているとほとんどないと思います。
2020年度からの入試改革は、そういう新しい学力を目指していますが、問題作成自体に非常に手間がかかり、しかもその評価が多くの人の納得できるものになっていません。
だから、こういう新しい学力を日常的な教育として行うことは更に難しく、現状では、ゆとり教育のやり直しと、その反省から来る詰め込み教育の間を行き来するだけのものになるのではないかと思います。
ところが、言葉の森がこれまで行っていた「思考発表クラブ」という少人数のクラスの勉強では、特に小学4年生以上の生徒のグループで、この1年間、毎回きわめてレベルの高い発表と交流が行なわれていました。
点数も、評価も、競争もない中で、毎週そのグループの中だけで見るのではもったいないぐらいの、高度な発表学習と交流があったのです。
それは、この思考発表クラブに参加していた生徒が、学力的にもレベルが高かったことと、保護者の理解と協力があったことが大きかったと思います。
しかし、学力に関して言えば、創造性には、これまでの学力よりも、これから取り組む姿勢の方に意味があります。
例えば、算数・数学の問題を解くだけの勉強では点数の差が出るだけですが、似た問題を作るという勉強の仕方をすれば、誰でも創造的なものが作れます。
それは作文に関しても同様で、これまでの作文力が表れる、結果としての作文を発表するだけでは、交流はあまり面白いものにはなりません。
その反対に、作文の準備としての構想図作りであれば、取り組み次第で誰でも創造的なものができます。
そういう創造的な学習を日常的に行っていく場として、これまでの思考発表クラブで行っていたスタイルを、作文にも、教科の勉強にも生かしていきたいと思いました。
それが、「寺子屋オンライン」という名称で行う発表教育です。
ただし、その説明の動画を作っていたところ、動画が4本で合計1時間以上になってしまいましたので、それらの動画は時間のあるときに見ていただくことにして、いちばんのエッセンスを「5月から寺子屋オンラインの概要説明」というタイトルで12分にまとめました。
▼5月からの寺子屋オンラインの概要説明
https://www.mori7.com/izumi/gazou/2018/4150732470.jpg
言葉の森は、これまでの教育にはなかった新しい教育を始めます。
新しい教育ですから、わかりにくいところが多いと思います。
学習塾と同じような感覚で勉強しても、あまり身につきません。
そのかわり、新しい教育として取り組めば、大きな成果があります。
自分の子供が小さかったら取り組ませたかったところです(笑)。
いつでもコミュニケーションがとれるというオンラインの利点を生かして運営していきたいと思います。
■■【重要】6月度の学力テストの募集(国内生徒対象)
勉強の進め方で最も大事なのは、自分の今の実力を知ることと、受験の場合は志望校の過去問の傾向を知ることです。
言葉の森では、小中学生の生徒が自分の実力を把握できるようにするために、6月、11月の2回にわたって、家庭でできる全国学力テストを実施します。
小1~3は国算、小4~6は国算理社、中1~3は国数英理社で、小4~6と中2~3は、非受験型と受験型のいずれかを選べます。
受験料は、小1~3が2,000円、小4~6が2,600円、中1~3が3,000円で、希望される方は受講料と一緒に引き落とします。参加は自由で、受験する月も自由に選択できます。
全国学力テストですので、お子様が現在学習塾に通われている場合、その塾と同じテストになる可能性もあります。特徴は、学力テストのあとに実力強化問題集としてPal、Paljr、BPalなどの小冊子(A4サイズ)が配られることです。同じ学力テストだった場合は、通われている塾の方の学力テストを優先してくださって結構です。
◆表はウェブでごらんください。
https://www.mori7.com/mori/mori_web.php?ki=20180404#27414
◆表はウェブでごらんください。
https://www.mori7.com/mori/mori_web.php?ki=20180404#27415
■日程
◆表はウェブでごらんください。
https://www.mori7.com/mori/mori_web.php?ki=20180404#27417
■連休中で教室がお休みの場合、お申し込みは留守電に入れておいてくださって結構です。
■■第4週は清書。幼稚園生は作文
幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
清書をしたあと、時間に余裕のある場合は読解問題をしてください。
■清書の意義と方法
清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
■清書の投稿
清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
■小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません 毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
■■4週目の読解問題(小1以上)
小1以上の生徒には、課題フォルダに、4週目の長文をもとにした読解問題を2問載せています。時間のある人は取り組んでください。
言葉の森ホームページの「読解マラソン」のページには、全8問の問題とそれに対応した長文がありますが、課題フォルダには問題数をしぼり、問7と問8の2問だけ掲載しています。
これは、この2問をじっくり解いて満点にすることが目標だからです。
問1~6も含めた全問を解きたい方は、読解マラソンの「問題のページ」で他の長文と問題をごらんください。
ただし、その場合も、当てずっぽうで全部解くのではなく、必ず全問正解になることを目標に解くようにしてください
■■部活のノリで勉強する子供たち
オンライン学習クラスは、説明会や懇談会を行う関係で、授業時間を15分ほど早めて行うことがあります。
そのため、子供たちの読んでいる本の紹介などができないので、懇談会のあとにブレイクアウトルームに残って生徒どうしで自由に話してもいいということにしました。
すると、いつも一緒に勉強している子供たちが、30分近く何やらいろいろ話し合いをしていたようです。
昔、港南台の通学教室で土曜日の午後のクラスがあったとき、中学生や高校生が毎週来ていましたが、そのときの雰囲気がちょうど部活で集まっているような感じだったことを思い出しました。
オンラインの生徒どうしですから、そのクラスに参加するまではお互いに 会ったことも見たこともない子供たちどうしでした。
住んでいる場所も遠く離れている子どうしでしたが、それがわずか数か月から一年の間に、これほど親しくなるというのは、やはりオンラインの Web 会議室を利用したやり取りの成果だと思います。
これから、このオンラインの少人数クラスの学習というスタイルを、あらゆる面で広げていきたいと思っています。
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