言葉の森新聞2018年3月2週号 通算第1506号
文責 中根克明(森川林)

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■■言葉の森の勉強は中学1年生から意見文に
 言葉の森での作文の勉強は、中学1年生から意見文の課題になります。
 題名だけの課題のときもありますが、ほとんどは、高校入試問題レベルの説明文を読んで、それについていろいろな構成で自分の意見を書くという練習です。

 小学6年生まで実例中心の作文を上手に書けていた生徒が、中学生の意見文になると意見の語彙力が伴わないために急に作文がうまく書けなくなることがあります。
 しかし、それも毎週難しい長文を読む練習をすることによって、中学3年生になるころにはどの生徒も自分らしい意見文が書けるようになります。

 小学6年生で受験が終わると、もう作文の勉強は必要ないとばかりにやめてしまう人もいますが、本当はこの中学生からの意見文で、本格的に小論文の練習を始めていくといいのです。

 言葉の森には、中学生から作文の勉強を始める人ももちろんいます。
 そういう人たちに共通する動機は、中学受験などの勉強で国語が苦手だったということがわかったので、中学生から本格的に国語の勉強をやり直したいということです。
 勉強を始める目的がはっきりしているので、中学生から新たに勉強を始める生徒は上達するのも早いという傾向があります。

 作文の勉強というのは、やったことのある人ならわかると思いますが、実はかなり大変なのです。
 中学生以上になると、まず気合いが入っていないと書けません。
 次に、まともに書こうと思うと、すぐに1時間半ぐらいたってしまいます。
 そして、その結果が学校のテストなどで生かされることはありません。
 学校に作文の授業というようなものがないからです。

 では、なぜ作文の勉強をするかというと、深く考える力をつけるためなのです。
 だから、今中学生の生徒たちが大きくなって、大学生や社会人になったころに、自分が中学生時代に書いた作文を読み直してみると、その作文のレベルの高さに改めて驚くことが多いのです。

 小学6年生の人は、ちょうど今の時期はこれからの勉強をどのように進めていこうかと考えているところだと思います。
 塾や部活で忙しくなる人もいると思いますが、できるだけ時間の都合をつけて意見文の勉強を続けていきましょう。


■■いよいよスタート、英語暗唱講座
 昨年、英語の暗唱講座の予定を記事に書きましたが、それを春から始める少人数の「寺オン自主学習クラス」の中で行うことにしました。

 暗唱というのは、慣れれば誰でもできる勉強法で、しかも効果の高い勉強法なのですが、マンツーマンの指導ではかえって続けにくい面もあります。

 だから、家庭で、お母さんが子供の自習として暗唱をさせようとすると、途中でやらなくなってしまうことがあるのです。

 しかし、少人数クラスであれば、スランプに陥りそうな場合でも、友達とのゲーム的な感覚で乗り切ることができます。

 この春から、自主学習の少人数クラスを始めるので、この少人数クラスで、国語、算数・数学のほかに、小学1・2・3年生は日本語の暗唱、小学4・5・6年生及び中学生は、日本語又は英語の文章の暗唱を行うことにしました。
 詳細は、今後、言葉の森新聞でお知らせします。


▽関連記事(2017年の記事です)
「小4からの英語暗唱講座を企画中」
https://www.mori7.com/as/2908.html

「森林プロジェクトで、小4からの英語暗唱講座を企画する予定」
https://www.mori7.com/as/2919.html


■■子供の反抗期にどう対処するか――家庭に犬や猫のペットがいると家庭がなごむ
 小学3年生まで素直に言うことを聞いていた子が、小学4年生になるころから、だんだん親の言うことを聞かなくなります。
 すると、親は何とか昔のように素直に言われたことをやるような子に戻ってほしいと思い、無理にがんばってしまうことがあります。

 しかし、子供が親の言うとおりに行動しないというのは、むしろ正常なことで、それまでの親の言うとおりに何でも素直にやっていたというのは、人間が本来の姿になる前の蛹(さなぎ)のような時期だったということなのです。

 小学3年生までの子は、身近な人を模倣の対象として、その人のすべて真似するように行動して、社会性を身につけていきます。
 だから、親の言うことを素直に聞いていたというのは、その子が親を模倣の対象として見ることによって成長していた時期だったからなのです。

 模倣の時期のあとに来るのは自立の時期です。
 もし、ここで、強い親が無理に模倣の時期を続けさせようとすると、その矛盾はあとになって更に大きくなって出てきます。

 だから、子供が素直に言うことを聞かなくなってきたら、親は次のようにしていくといいのです。

 第一は、その自立を成長の証と考えて肯定的に評価することです。
 親の言うことを聞かないぐらいの子でなければ、社会でたくましく生きていくことはできません。
 そういう子が、将来親を支えて助けてくれるたのもしい子に育つのです。

 第二は、親と子が対等な人間として接するように心がけることです。
 親の方が人生経験が長いので、子供にアドバイスすることもたくさんありますが、その場合も同じ立場の人間に話すようにアドバイスすることです。
 野性の動物は、子供の自立の時期になると、子供が親に甘えようとしても、親から子供を追い出すように行動します。

 人間の場合も、親の方から、逆に子供の自立を促進するようにしていくといいのです。

 第三に、子供には、自立の基準となる原則を話しておくことです。
 それは、親の価値観によってさまざまですが、大きくは、世の中に役立ち、社会に貢献できる人間になることを基準として、自分の判断で行動するということになると思います。

 第四に、これは番外編に近くなりますが、子供が中学生以上になると、どの子も多かれ少なかれもっと激しく反抗的な態度をとるようになります。
 そういうときに、家に1匹犬や猫などの動物がいると、家庭の雰囲気が一転してなごみます。

 今は、ペットの飼えない家庭も多いので、そういう場合は手乗り文鳥などを飼うのがおすすめです。
 反抗的な子でも、引きこもりの子でも、いじめられている子でも、ペットにだけはなぜか心を開くことが多いのです。

 しかし、子供がペットと親しくなるためには、子供が小さい時期からそういう動物に接する習慣をつけておく必要があります。
 小さい子は誰でも動物が好きですが、ある年齢を越えると、だんだん動物に興味がなくなり、人によっては動物が嫌いとか怖いとかいうようになることもあります。

 できれば小学校低学年のうちに、家族の一員となるペットを飼っておくといいと思います。
 話がやや脱線したかもしれませんが。

 子供でも、子供なりに辛いことや苦しいことがあります。
 そういうとき、誰にも相談できなくても、ペットが1匹いるとそれだけで救われることがあるのです。
 だから、子供が小さい時期に、できるだけその子の好きな生き物を飼ってあげるといいと思います。


■■親子の対話は読書よりも効果がある
 子供の頭を良くするのは読書と対話です。

 読書は、ある程度難しい本を楽しく読めるようにならないと力がつきませんが、親子の対話は、もっと直接的な効果があります。
 それは、親が子供の反応を見ながら、その子の理解できる範囲で難しい話を面白おかしく話すことができるからです。
 作文の勉強で力がつくのは、作文の予習シートなどで、この親子の対話ができるようになるからです。

 ところが、この親子の対話が難しいと考えるお母さんもいます。
 その理由は三つあります。

 第一は、親が子供の話を聞き出そうとしていることです。
 子供にはまだ予備知識が少ないので、親子の対話の中心になるのはあくまでも親の方です。
 子供は、その親の話を聞きながら、だんだんと自分らしい考えとその考えを表す語彙力を身につけていくのです。

 第二は、親が準備をしていないことです。
 子供が小学校低学年のころは話す内容が身近なことなので、それほど準備をしなくても面白い話はできます。
 しかし、子供が中学年になり感想文の課題を書くようになると、親もある程度その文章を読んで自分なりに子供の興味持ちそうな話を考えておく必要があるのです。

 例えば、パスツールの話で、子供が、「お母さん、発酵と腐敗とどう違うの」などと聞いてきた場合、親が準備なしに辞書的な知識を話すだけでは、多くの場合そこで話は終わってしまいます。

 しかし、事前に準備がしてあれば、子供の興味を持ちそうな面白い話ができますし、場合によってはそこから親子の実験、観察などへと話を発展させていくこともできます。

 子供に面白い話をしてあげるための材料を探すということは、決して時間のかかる面倒なことではなく、大人であれば少し努力すれば実行できるむしろ楽しいことなのです。

 第三は、親の話が知識や意見中心になり、子供が興味を持たなくなる場合があることです。
 知識や意見が話の中心になると、その話は親の個性が感じられる話になりません。
 本を読めばわかるような話をいくらしても、子供は興味を持たないのです。

 大事なことは、親が自分の体験談を話すということと、そこにできるだけ自分の創造的な考えを入れるということです。
 子供と話すときこそ、そういう努力と工夫が必要なのです。

 子供が、作文の予習として、「お母さん、○○のことで、何か似た話ある」と聞いてきたとき、親は、あっさり「ない」とか、「自分で調べなさい」とか言わないことです。
 こういうときこそ、親子の知的な対話を始めるチャンスなのです。


■■作文の本質は書くことではなく考えること――音声入力の方法
 音声入力というのは、言い直しが効かないからうまく行かないでしょう、というようなことをよく言われますが、慣れればそんなことはありません。
 その代わり、考えながらゆっくり喋ることが必要になってきます。

 大事なことは、書く内容があるということですから、作文の場合も、書くことよりも事前の準備をどれだけしたかということが重要になります。

 今、言葉の森では、予習シートなどをもとに事前に作文の構想図を書くことをすすめていますが、この準備をするかどうかで作文の出来栄えがかなり違ってきます。

 今度の夏合宿では、ICレコーダーとクロームブックを使って、音声入力作文発表会というのをやってみたいと思っています。

 また、中学生は、まともに書こうと思うと、1200字の作文を1本仕上げるのに1時間半ぐらいかかります。
 時間のないときは要約と感想だけでいいと言っても、なかなかそれでは納得しない子も多いのです。
 そこで、今度は通学や通信でも、忙しいときは音声入力でやっていいとしようかと思っています。
 音声入力なら、1200字の作文は10分ちょっとです。あとで手直しをする時間入れても合計20分ほどです。
 必要な機材は、ICレコーダーとパソコンだけですから、誰でも用意できると思います。


■■朝日小学生新聞の作品欄の入選は、毎回ほぼ8割が言葉の森の生徒
 言葉の森では、生徒が作文を書く励みになるように、コンクールなどに自主的に応募することを勧めています。
 そのため、毎年、学校の読書感想文コンクールや地域の様々な作文コンクールに入選する子が数多くいます。

 そのコンクールのひとつに、朝日小学生新聞の作品欄があります。これは隔週で2、3名の作文が入選作品として掲載され、ほかに月間の特選者の作品名がやはり1,2名掲載されます。

 毎回、この入選、特選に掲載される生徒のほぼ8割が言葉の森の生徒です。
 これらの作文には、先生は一切手を加えていません。すべて生徒が家庭から自主的に応募しているものです。


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