言葉の森新聞2018年3月1週号 通算第1505号
文責 中根克明(森川林)

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■■【重要】3月1週は、次学期の進度の参考にする実力試験(再掲)
 3.1週の授業は、今学期の勉強の実力を見て、次の学期からの進度の参考にする実力試験として行います。
 ただし、今学期中に受講を開始された方については、この試験の結果にかかわらず原則として自動進級となります。
【課題】 課題は3.1週の作文または感想文の課題です。
【評価】 課題フォルダの構成・題材・表現・主題の★印と字数が全部できていることが評価の基準になります。(表現の項目などで二つ以上の項目が指定されている場合は、どちらかができていればその項目は◎になります)
 キーワードと字数が採点の基準ですので、指定された字数以上で、必要な項目が全部入るように作文を書いてください。また、項目を入れたところには、項目マークを必ず書いておいてください。
【時間】 時間制限はありませんが、参考のためにかかった時間を作文用紙に記録しておいてください。時間は、課題を見てから書き終えるまでの時間です。
【締切】 作文実力試験の提出締切は、3月8日消印までです。


■■【重要】3.1週の作文はファクスでも受付(再掲)
 3.1週に限り、ファクスによる提出も受け付けます。ファクスでの提出期限も3月8日です。ただし、ファクスで提出をする人は、事前にメールアドレスを登録しておいてください。

1、ファクスが正常に送信できているかどうかは、24時間以内にメールと検索の坂で連絡をします。正しく送信できたかどうかを必ずご確認ください。
2、連絡用のメールアドレスは、検索の坂の「ペンネーム変更」というところで登録できます。既にメールアドレスが入っている場合は、そのアドレスが登録されています。
3、ファクスで送られた作文は、作文の丘にJPGでアップロードされます。作文の返却はありませんが、添削された作文は山のたよりに表示されます。


■■小3の2.4週の長文の誤字訂正「骨角器」
 2.4週の長文「人類の祖先」で、「クロマニヨン人は……骨格器を作り」となってましたが、「骨格器」は誤字で、「骨角器」が正しい字でした。申し訳ありませんでした。ご指摘くださった方ありがとうございました。

■■3月21日(水)は休み宿題
 3月21日の水曜日は、休み宿題です。
 先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時-午後7時50分。電話0120-22-3987)

 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
 オープン教育の掲示板「森の予習室」に学年別の予習のヒントが載っています。


■■作文試験合格のコツは、字数ぴったりに書く力
 言葉の森では、構成を重視した書き方の作文指導をしています。
 小学校高学年から中学生高校生まで、すべて同じ大きな四段落の構成でいろいろな形の書き方を学びます。

 なぜ四段落かというと、四段落は三段落に縮めることもできるし、段落の中を分けて更に多い段落にすることもできるので、短い字数にも長い字数にも対応しやすいからです。

 四段落の内訳は、書き出しの説明又は意見、展開1、展開2、まとめの意見という形です。
 展開の部分には、実例、理由、意見、方法、原因、対策などが入ります。

 この四段落のそれぞれの段落を同じぐらいの字数で書くと、文章全体の印象が安定したものに見えてきます。
 複数の実例を書く場合でも、第一の実例と第二の実例が同じぐらいの長さで書かれていると、全体の構造が理解しやすくなるのです。

 この段落ごとに同じぐらいの字数でまとめるというのは、ある程度の文章力がないとできません。
 文章力の第一の条件は、字数をコントロールする力でもあるとも言えます。
 書く力のある生徒は、800字の作文課題と言うと800字ぴったりに収める書き方をします。
 原稿用紙の最後の行の最後のマス目に、句点がくるような書き方をすることができるのです。

 作文の採点評価には、内容の評価以前に外見の印象評価が大きく影響します。
 字数がぴったりにまとまっていて、それぞれの段落が同じぐらいの長さできちんと書いてある文章を見ると、内容を読む前から印象点が大きく上がります。
 場合によっては、それで合否がほぼ決まってしまうこともあるのです。

 しかし、もちろんこれは、作文試験に対しての作文ということで、作文の勉強全体について字数の力というのは枝葉の話です。
 作文で最も大事なことは、創造性のある文章を書くということだからです。



■■文字の上手下手は無関係――作文試験の印象点を左右する漢字力(1)
 作文試験では、手書きの作文を人間が読んで評価をしていますから、印象点がかなり大きな差になります。

 近い将来、作文試験は手書きOCRまたはキーボード入力でテキスト化される形で行われるようになり、それを人工知能が採点し、その人工知能の採点で上位に入ったものを人間が読んで評価するというやり方になると思います。

 この方法は、既に言葉の森が作文検定試験で何年も前にやっていたことですから、やる気さえあれば明日からでも実施できるぐらいのものです。
 ところが教育の世界は保守的なところがありますから、まだしばらくは手書きの作文を人間が読んで評価するという形が続くと思います。

 さて、そのときに作文小論文の評価の重要な要素となるものが、字数と漢字力なのです。
 それは、読む人の印象点を左右するものだからです。
 この印象点というのが、人間の採点と機械の採点との最も大きな違いです。

 その漢字力とはどういうものかというと、第一は難しい語彙や難しい漢字を書けるという力です。
 第二は、間違った字を書かないこと、つまり誤字がないという漢字力です。

 例えば、中学入試の作文で、その文章の中に普通の小学生ではあまり知らないような語彙が漢字で正しく書けているとそれだけで印象点が上がります。


 また逆に、普通は間違えないと思われる漢字が間違って書かれていると、それだけで印象点は大幅に下がります。
 だから、現在の作文試験では、この漢字力をつけておくことが合格の第一の条件になります。

 では、文字の上手下手は、印象点に影響するかというと、そういうことはほとんどありません。

 漢字の間違いがあると、その生徒はあまり文章を書いたことがないし、学校の勉強をきちんとしていないだろうという予測が成り立ちます。
 しかし、字が下手であるというのは、その生徒の学力の予測にはなりません。

 これまで見てきた生徒の学力と字の上手さの関係について考えると、字の上手下手と学力とは全く相関がないと言えると思います。

 逆に、字の下手な子は、ユニークな考えをする、どちらかというと学力の伸びしろのある子に多いという印象さえあります。
 それはなぜかと言うと、字の下手な子は、幼児のころに知的な関心が高く見よう見まねで文字を書き、その自己流の書き方が定着してしまったとも考えられるからです。

 つまり、簡単に言えば、知的好奇心が高く頭のいい子は、字が下手になりがちだということなのです。
 字の上手な子は、その子が文字に関心を持ち始める時期と同時に、字の練習をする機会があったということになると思います。

 だから、文字の練習は小学1年生になってから一律に行うのではなく、子供それぞれの成長に合わせて文字に関心を持つようになった時期と同時に始めるのが最もよいやり方だと思います。


■■字を上手に書くコツ――作文試験の印象点を左右する漢字力(2)
 その(1)からの続きの話です。

 字が下手なのは直らないというのが基本的な考え方ですが、本当は他の人の目に触れることによって少しずつ読みやすい字になっていきます。

 また、練習方法によっては、ごく短期間に上手な字を書けるようになることもあります。
 その方法は、手本となる字を、超スローモーでいいのでその手本のとおりに書き写すという方法です。
 
このやり方で1時間も練習すると、自分の書く字が見違えるほどを上手になってきます。
 わずか1時間でと思うかもしれませんが、これは本当です。

 コツは、よく見てゆっくり書き写すことです。カタツムリの動くスピードよりもずっと遅いぐらいの速さで書いていきます。
 子供たちで、漫画の好きな子がよくキャラクターをそっくりに描き写すことをしますが、ちょうどそのような感じです。

 私も、学生時代、この方法で字が一時期とても上手になったことがあります。自分でも驚いたぐらいです(笑)。
 しかし、普段の字を書く生活は、それほどゆっくりやることはできないので、日常生活の中で文字を書いているうちに、またすぐもとの自分の字の癖に戻ってしまいます。

 江戸時代の寺子屋における文字の練習は、手本となる文字を半紙が真っ黒になるまで書き写すという方法でした。
 これは、字を覚えるというよりも、上手な字の書き方を手に覚えさせるという方法だったと思います。
 子供時代のまだ字を書く量が少ない時期に、このように繰り返し手に覚えさせる練習をしていたのです。

 漢字の書き方についても、形や意味から覚えるという方法がありますが、私は手に書き方を覚えさせるという方法が、誰にも単純にできるよりよいやり方ではないかと思っています。

■■誤字対策は漢字問題集ではなく作文練習で――作文の印象点を左右する漢字力(3)
 その(2)からの続きです。

 作文の印象点に影響するものは、字数のほかに漢字の正確さというものもあります。
 漢字の書き取りの力は、今のようにパソコンで文章を書くことがほとんどになっている世の中ではあまり必要のないものですが、今のところ作文試験は手書きで書くようになっています。

 この手書きの作文で誤字が何箇所かあると、印象点が大幅に下がります。
 文章の内容がいくらよくても字の間違いが2箇所も出てくると、それで不合格になってしまうということも多いのです。

 字数をコントロールする力は、書き慣れることによってつくようになります。
 誤字をなくすためには、自分が書いた文章を他人に見てもらい、間違えたところだけ取り出して練習する方法が必要です。

 この場合の文章を見てもらう他人とは、身近なお父さんやお母さんです。文章を書くプロの人などに見てもらう必要はありません。
 誤字のほとんどは、勘違いして覚えているということなので、自分では合っているつもりで間違えて書いているからです。

 したがって、漢字の書き取り練習は、漢字だけを取り上げて練習しても、時間がかかるわりにあまり効果がありません。
 漢字を知らないのではなく、間違えて覚えているということが誤字の原因だからです。

 この誤字は、成績の優秀な高校生でもよくあります。それは、多くの子は、小学生のころはそれほど真面目に勉強していたわけではないからです。
 だから、いちばん多いのが、小学4、5、6年生で習う漢字を間違えて書くことです。

 漢字の練習は、漢字の問題集などでやるのではなく、自分が実際に書く文章で間違えた漢字を練習するということでやっていきます。
 間違えた漢字をノートに書き出し、それを何度も繰り返して練習するのです。

 もし自分の書いた文章を見てくれる人が身近にいない場合は、作文の中で使った漢字を自分が知っていると思っているものも含めてすべて辞書で調べ直してみるという方法が役立ちます。

 誤字を完全になくすには、毎週作文を書いてその誤字をチェックするという方法を続けて約1年かかります。
 800字の文章で1箇所誤字がある人は、その誤字を直しても、毎回新たな誤字が800字の文章に1箇所の割合で出てきます。そういう確率があるのです。
 それだけうっかり覚えたつもりで間違えているという漢字は多いということです。

 ただし、海外帰国子女の受験作文の場合は、作文の中の誤字は大目に見られているようです。
 とは言っても、正しい漢字を書けるのに越したことはないので、作文練習プラス誤字チェックというのは早めにやっておくのがいいと思います。
 大人は、漢字の勉強などやればすぐできると考えがちですが、実はその大人でも長い年数をかけて漢字を学んできたから漢字を使えるようになったのです。


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