言葉の森新聞2016年9月3週号 通算第1435号
文責 中根克明(森川林)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇創造性を育てる作文・読解・国語◇◆◇◆◇
                              
    毎週担当の先生から電話の指導がある続けやすい通信講座
    自宅で無料体験学習を受けられます
    お申し込みはこちらからどうぞ
    https://www.mori7.com/

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■■【重要】「言葉の森新聞」「山のたより」のメール便の月1回化を検討中。作文返却はこれまでどおり
 現在、毎週お送りしている「言葉の森新聞」と「山のたより」を月1回の送りにすることを検討中です。
 担当の先生からの作文返却は従来どおりです。
 月1回にするのは、(1)どちらもウェブで見られるようになっていることと、(2)毎週のメール便送りによる紙資源の無駄を少なくするためです。
 また、言葉の森のサイトは、複雑でわかりにくいとのご意見を時どきいただきますので、今後は重要なページだけを前面に出し、見やすいサイト作りをしていきたいと思います。


■■9月19日(月)22日(木)は休み宿題(再掲)
 9月19日(月)、22日(木)は、休み宿題です。
 先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室まで振り替えのお電話をして、説明をお聞きください。(平日9時~19時50分)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
※課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/


■■オンエア講座の小1~小3、中1~中3は若干名空きあり
 言葉の森では、現在下記のオンエア講座を行っています。まだ講座の曜日と時間は限定されていますが、将来は作文の授業のように幅広く選択できるようにしていく予定です。
 今のところ、小1~小3の読書実験クラブはあと1~2名参加できる余裕があります。中1~中3の先行国数講座も、あと1~2名参加できます。小4~小6の思考国算講座は満員です。
 2回の体験受講ができますので、参加を希望される方で詳しいことをお聞きになりたい方は言葉の森事務局までお問い合わせください。


■■頭をよくする作文の勉強法(その2)――作文をきっかけにした親子の対話作り(つづき)

 親子の対話の習慣が小学校低学年のころから作られていないと、子供が例えば小学校高学年で、公立中高一貫校の入試に出てくるような難しい課題の作文を考えるときに、親子が自然に対話をするということがかなり難しくなります。
 作文の勉強というのは、ただ書いたものを添削するようなものではありません。そういう勉強では、すぐに限界が来ます。

 添削を受けるというのは、作文の勉強のごく一部であって、作文の勉強のいちばん大事な部分は、事前の親子の対話と経験と、事後的な対話です。
 その対話には、母親だけではなく父親の参加も必要です。父と母と子が、作文をきっかけにして難しい話を楽しくする習慣が日常的にあるということが、子供の頭をよくしていくのです。


■■言葉の森のFacebookグループの紹介
 言葉の森では、保護者の皆様とのコミュニケーションを活発にするために、Facebookグループを運営しています。
 先週9.2週号の言葉の森新聞で下記のグループを紹介しましたが、その後合計26名の方が新たに参加してくださいました。
 Facebookグループは、参加退会はいつでも自由で、参加したことはこちらで承認するのでわかりますが、退会するときはわかりません。そういうゆるやかなグループです。閲覧も投稿も自由です。もちろん何もしなくてもかまいません。料金などはもちろんかかりません。
 今後、このグループの中で有益な情報を交換していきたいと思いますので、Facebookに登録されている方はぜひご参加ください。
 また、Facebookグループの中で出された情報で特に全体にお知らせしたいものは、ホームページや言葉の森新聞などでお伝えします。
 下記のグループは、現在言葉の森の講師が管理者になっているFacebookグループです(カッコ内は先週からの人数の推移)。
 参加を希望される方は、Facebook内で検索してお申し込みください。
■暗唱検定の小道(4=>6名) ■親子で遊ぼうワンワンワン(96=>99名) ■家庭学習のすすめ(99=>103名) ■帰国子女の原(376=>376名) ■教育の丘相談所(63=>64名) ■行事と季節の家庭学習(55=>58名) ■就職と仕事と人生と独立の坂道(76=>79名) ■受験作文小論文の岸(34=>37名) ■小1からの親子作文(14=>15名) ■小学校最初の3年間でさせたい勉強、読書、遊び(5=>5>名) ■森林プロジェクト(273=>274名) ■中学生の勉強相談室(398=>399名) ■中学生保護者の勉強相談室(58=>59名) ■読書の好きな子になる庭(1002=>1002名) ■日本語for外国人の島(373=>376名)


■■言葉の森のホームページはほぼ毎日更新
 言葉の森のホームページは、ほぼ毎日記事を更新しています。
 言葉の森新聞に掲載していない原稿は、ホームページの方でごらんください。
【9月5日以降の記事/字数/投稿年月日】
●国語力をつけるには――国語力を難しい文章を読み取る思考力/3,158字/9月12日(月)
●科学の面白さを多くの子供に/668字/9月12日(月)
●言葉の森の作文の勉強はなぜ長続きするのか/1,526字/9月11日(日)
●自分は個人であるとともに他人と同じひとつのものと教えることがこれからの教育の出発点/785字/9月11日(日)
●森の学校オンエア構想――地方創生と教育改革を同時に実現する/3,823字/9月11日(日)
●反抗期があるのは先進国だけ/1,247字/9月10日(土)
●記述式問題の家庭での対策/2,342字/9月10日(土)
●作文の苦手な子には、まずやって見せてあげる――すべての勉強には見本が必要/1,991字/9月9日(金)
●勉強はひとりでやるものだが、みんながいるから面白い/1,894字/9月8日(木)
●条件反射的な勉強よりも、創意工夫のある遊びを/483字/9月7日(水)
●子供たちに、本を読み、家族と対話し、経験を発表する交流の場を/788字/9月7日(水)
●人のせいにせず自分のせいにする人が伸びる――毎日の読書は環境があれば自然にできるようになる/487字/9月6日(火)
●テーマ別のFacebookグループの紹介/1,637字/9月6日(火)
●勉強は毎日平凡なことを単純に続けるのが大事――暗唱検定に合格する子の勉強法/1,284字/9月5日(月)


■■記述式問題の家庭での対策
 入試で、記述式の問題を出すところが増えています。
 理由はいろいろありますが、選択式の問題では、ある程度考えて読む力を身につけた生徒は、ほぼ全部正解になってしまうからです。言葉の森のセンター試験満点講座を受ければ、それがすぐわかります(もう募集はしていませんが)。
 だから、選択式の問題で難しい良問を作るのはかなり大変です。センター試験の問題作成者は、よくがんばっていると思います。問題を解くことに比べたら、選択式の問題を作ることは何倍も(かかる時間でいったらたぶん十倍以上)難しいのです。
 それに比べると、記述式は問題作成が簡単です。そのかわり、採点が難しくなります。
 そして、記述式の字数が長くなると、採点はその字数の自乗に比例する形で難しくなってきます。
 小論文の試験になると、採点者は読むだけで大変です。
 高校入試の作文試験というものの中には、かなり短いものもあります。200字ぐらいのものでは、作文というよりも長めの記述試験と言った方がよいと思います。 
 これも、長い文章を書かせる形にすると、採点が難しいからとい事情があるからだと思います。
 しかし、生徒の実力が最もわかるのは、この小論文なのです。
 それも、1本だけでなく、複数の小論文をそれぞれ1200字以上書くような試験であれば、実力はかなりはっきり出てきます。だから、森リンで採点しても、人間の評価と同じような結果になってくると思います。
 昔の東京大学の小論文が、一時そうなったことがあります。かなり長い小論文課題を複数書かせるよな問題でした。
 しかし、やはり採点の負担が大きかったのでしょう。その方式は、長続きしませんでした。
 記述式の問題が増えてきた背景には、以上の、(1)選択式では問題作成が大変なわりに、実力のある生徒はほとんどできてしまう、(2)小論文では生徒の実力はよくわかるが、多数の生徒を短期間で採点するのはほぼ不可能、ということがあると思います。
 さて、この記述試験(大体が50字から150字程度)にどう対処するかです。
 毎年、今ごろの時期になると、言葉の森の受験作文コースに、記述式の対策をしてほしいという要望が寄せられます。又は、ごく短い作文試験(という名前の実際は記述試験)を見てほしいという要望が寄せられます。
 以前は、その対策をしたこともあるのですが、あまりにも簡単で、わざわざ1時間近く時間をかけて教える内容でもないので、記述式の対策は家庭でやってもらうことにしました。
 教室で教える形であれば、週に1回だけになってしまいますが、家庭でやれば毎日でもできます。
 記述式の試験は、やり方がわかっているだけでなく、書くことに慣れていることも大事なので、家庭で毎日できればその方がずっといいのです。
 そのやり方は、こういう形です。
 まず、教材は昨年度の国語入試問題集です。
 その問題集の中の記述の問題を選んでももちろんいいのですが、ランダムにどの問題文でもよいから、その文章を読んで感想又は論旨を書く、というやり方の方が簡単だと思います。
 文章を読むだけなら5分もかかりません。その上で、その文章に対する感想又は論旨を字数を決めて書くのです。その字数は、自分が受けようとする志望校の過去問の傾向に合わせておくとよいと思います。
 この場合、大事なことは、
(1)読んで、考えて、一気に書くということです。書いている途中で考えたり、書いたあと消しゴムで消して直したりということはしません。頭の中で書くことを考えたら、一息で書くように練習するのです。
(2)一文の字数は、50字を平均としておきます。ですから、150字の記述であれば、3文でまとめるということになります。
(3)できるだけ字数ぴったりに書くようにします。50字の記述であれば、50字目の最後のマスに句点が来るぐらいに書きます。マス目がなく全体の枠があるだけならば、その枠に普通の字数でいっぱいまで書くようにします。
(4)説明文の場合は文章の輪郭がはっきりするように、物事を対比させる形で書いていきます。「AではなくBである」という形です。物語文の場合は文章の深みが出るように、物事の二重の面を浮き彫りにさせる形で書いていきます。「AでありながらBであった」という形です。しかし、これは難しければパスしてもかまいません。
 さて、このように書いたあと、お父さんやお母さんはどう評価したらいいかというと、書かれた文章がスムーズに読めるように書いてあればいいということで見ておけばいいのです。
 お父さんやお母さんも問題文を読んで、その記述が問題文に対応したものになっているかどうかを見られればその方がもちろんよいのですが、そういう評価の仕方を決めてしまうと、親の方が億劫になってきます。
 大事なことは、毎日練習して書き慣れるということですから、苦労するのは子供だけでよく、親はその外側だけ見て、きちんと読めるように書いてあればそのことを褒めてあげるだけでいいのです。
 このように毎日練習をしていると、書くスピードも上がり、読む力もつき、字数ぴったりにまとめる力もついてきます。
 ですから、こういう勉強は普段から行えればいちばんいいのですが、実は記述の勉強や作文の勉強は、生徒の心理的な負担が大きいので、受験という目標がなければなかなかできません。
 だから、受験をきっかけにして、家庭で記述式の勉強ができるというのはとてもよいことなのだと思います。


■■科学の面白さを多くの子供に
 農業では、同じ土地に同じものを作り続けていると、連作障害が出てきます。
 しかし、自然の山は、同じ土地に同じ植物が、何年どころか何千年も何万年も育ち続けています。
 川田薫さんは、これを、自然の山には岩があり、岩石から出たミネラルが植物を活性化させるからだと考えました。
 そして、その仮説を検証するために、岩石の溶液を液体窒素で凍らせ電子顕微鏡で観察すると、2ナノメートルの鉱物の超微粒子があることがわかったのです。(「地球農学の構想」より)
 こういう実験の過程を聞いていると、子供だったらわくわくしてくると思います。
 そして、いつか自分も科学者になっていろいろな発見をしたいと思うはずです。
 しかし、子供たちの科学者の夢を砕くものがあります。
 私は、それが、受験数学ではないかと思います。
 数学が苦手だからという理由で、早々と理系をあきらめてしまう子がいるのです。
 数学そのものは、理屈どおりに成り立つものですから、本来面白い勉強です。
 しかし、受験で差をつけるために出される数学は、子供たちに数学に対する苦手意識を作り出しているだけのような気がします。
 数学に限らず、勉強はもっとわかりやすく、本質的なものを教えていくべきです。
 国語も英語も理科も社会もそうです。
 勉強は、子供たちに差をつけるためにあるのではなく、みんなが理解するためにあるのです。
 勉強がわかりやすければ、もっと多くの子供たちが科学の面白さに感動を持てるようになると思います。


----------------------------------------------------

■MagMagからのメールマガジンの登録と削除は下記のページで
(▼ダイジェスト版 マガジンID:0000000226)
https://tinyurl.com/ybkrlw5b
(▼完全版 マガジンID:0000132951)
https://tinyurl.com/yakxr3w3
■これまでの言葉の森新聞は下記のページで
https://www.mori7.com/mori/
■ホームページ
https://www.mori7.com/
■メール
mori@mori7.com
【事務局用】 ユーザー: パス: