言葉の森新聞2016年1月1週臨時号 通算第1401号
文責 中根克明(森川林)

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■■新年明けましておめでとうございます

 平成28年(2016年)も、大きな変化があるでしょう。
 その変化の波を先取りするように頑張っていきましょう。
 新年の抱負は、改めて言葉の森のホームページに掲載します。 http://www.mori7.com/


■■【重要】1月1日(金)、2日(土)、11日(月)は休み宿題

 1月1日(金)、2日(土)、11日(月)は休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時-午後7時50分。電話0120-22-3987)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」や課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 課題の説明の動画「授業の渚」http://www.mori7.com/nagisa/
 オープン教育の掲示板「森の予習室」にも、学年別の予習のヒントが載っています。


■■【再掲】1月からの新しい課題フォルダについて

封筒用紙が不足する場合はA4サイズの用紙などを同じ折り方で

 教材の中に封筒用紙が12枚入っていますが、印刷の関係で中に白紙のものが入っているかもしれません。
 もし封筒用紙が不足した場合は、その白紙の用紙や作文用紙の裏面などを使って同じ折り方で封筒用紙を作ってくださるようお願いします。次回からは多めの14枚を入れておようにします。


1月からの暗唱長文は、暗唱検定用のものをウェブに表示

 課題フォルダの中に組み込んである1.1週、2.1週、3.1週の長文は、暗唱の自習をする人のための暗唱長文を兼ねています。
 この従来の暗唱長文とは別に、1月から暗唱検定用の暗唱長文をウェブで見られるようにしました。
http://www.mori7.com/mine/as2.php
 暗唱検定は、3ページ分約3000字を5分で暗唱できることを目標にしています。第1回目の暗唱検定は3月以降に行う予定です。
 この暗唱検定用の暗唱長文の1ページ目を、12.4週の言葉の森新聞の4ページ目に掲載しました。
 暗唱の自習をしている方は、課題フォルダの暗唱長文で自習をしても、新しい暗唱検定用の暗唱長文で自習をしてもどちらでも結構です。ただし、暗唱検定は、暗唱検定用の長文で行います。
 なお、暗唱にまだ慣れていない方のために、googleハングアウトを使った暗唱クラブを開く予定です。これは毎日10分、決まった時間にハングアウトに入ってみんなで暗唱の練習を行うものです。それぞれの生徒のペースでやっていきますので、初めての人でもついていけないということはありません。早ければ1ヶ月で最初の1ページめの暗唱長文約1000字が暗唱できるようになります。一度この1000字の暗唱のコツをつかめば、あとは自分でやっていけるようになると思います。


■■これから来る経済危機にどう対処するか 3――必需品の経済から文化の経済へ

(この記事の1と2は、言葉の森のホームページに掲載しています。)
 これからの文化とは、ある意味で教育の文化です。
 文化の中には、観光のような文化もあります。観光は、新しい経験を得られるという魅力を持っています。しかし、観光がどんなに好きでも、それを生かして自分が供給の側に回ることはなかなかできません。
 これに対して、新しい何かを修得するということは、修得自体に魅力があるとともに、それを生かしてやがて自分が供給の側に回ることができるという魅力があります。
 したがって、教育文化の教育とは、机上の知的な教育というよりも、むしろ全人的な修行のような教育になります。
 こういう新しい仕事を作っていく個性がこれから求められてくるのです。
 日本の社会にこういう教育文化の流れを作っていく方法は簡単です。
 最初の呼び水を作るために、金融緩和を直接国民に回せばいいのです。
 例えば、国民1人について年間百万円、自分の教育や修行のために使う費用を渡すようにすれば、各人はそれぞれの個性に応じて教育文化の消費を始めるでしょう。
 すると、その分だけ、その教育文化を供給するための仕事が生まれます。
 最初のうちは、その教育文化はポピュラーなものに限られているでしょう。英会話とか書道とか絵画とか音楽とかいったものです。
 しかし、消費と生産が回り始めると、そこからだんだん個性的なものが生まれてきます。英語よりもアジアやアフリカの少数民族の言語とか、同じ書道でも特異な個性を持った流派の書道とか、あるいは新しい材料を使った絵画、新しい楽器を使った音楽などです。
 これまでは、教育文化に対する消費は、娯楽費や教養費と呼ばれる単なる消費でした。
 しかし、教育文化に対する消費が長期間継続的に大量に続く見込みがあれば、その消費は、その文化を習得して自分もやがて供給する側に回るという投資になります。
 いったんその流れができて文化として成立すれば、もう外からの金融緩和という資金の注入は必要なくなります。
 例えば、ゴルフやサッカーや野球やバレエやピアノやバイオリンや茶道や囲碁や将棋は、既に文化として成立しているので、外部からの資金援助がなくてもそれ自体で需要と供給の回転が成り立っています。
 しかし、何もないところに、一からゴルフやサッカーを作ろうとすれば、その困難さは容易に想像できます。
 文化というものは、そういうものなのです。
 衣食住のような基本的なものは、自然発生的に需要と供給が始まります。そういう自然な需要の延長上に、今までの工業生産がありました。
 しかし、衣食住とその延長にある工業生産物は、既に人類の供給力が人類全体の需要力を上回るようになりつつあります。それは、必需品の消費は、必需品であるがゆえの上限があるからです。
 文化の消費はそうではありません。必需品でないために、需要と供給は文化的に創造しなければならない代わりに、その上限もありません。
 いったん文化として成立すれば、その需要はいくらでも個性化し、いくらでも高度化していくのです。
 今、日本経済を論じる人の多くは、少子化と高齢化が日本の経済発展の限界を作っていると考えています。
 だから、日本に移民の受け入れが必要だという発想をしたり、人口の多い中国やインドがこれからの世界をリードするという発想をしたりしてしまうのです。
 これは、これまでの経済学が主な対象にしていた必需品のレベルで経済を考えているためです。
 教育文化のレベルで経済を考えれば、少子化も高齢化も何の障害にもなりません。文化の消費の上限は、量が決めるのではなく質が決めるからです。
 必需品だけに関心のある人がどれだけ大勢いても、文化の経済は発展しません。逆に、文化の個性に関心を持つ人が増えれば、文化の経済は発展します。
 すると、もはや人間の関心は、経済の問題ではなくなってきます。
 これから起きる経済危機は、このような新しい社会に移行するための一時的な生みの苦しみにすぎないとも言えるのです。


■■子供が小さいうちに勉強の本質を伝える

 以前、「家庭で問題集などをやるときは、子供が自分で答え合わせをして○×をつけた方がよい」という記事を書いたことがあります。それに対して、保護者の方から質問がありました。「そのやり方だと、あまりできていないものまで○にしてしまう」というのです。
 これは、どの子でも多かれ少なかれあることだと思います。
 それは、現在の社会が、「○がつくことがよいことだ」という価値観で運営されているからです。
 学校でも、家庭でも、○がつけば褒められ、×がつけば注意されます。
 しかし、教育の本当の目的は、その子供が成長することですから、本当は×をもらってきた方がよいのです。
 勉強の中で、そういう人間の生き方に関することまで言えるのが家庭です。
 学校や塾では、大勢の生徒を相手にしているので、なかなか勉強の本当の目的のようなところまでは話ができません。
 しかし、家庭では、多少時間がかかって遠回りになっても、勉強以外のことも話す余裕があります。そこで、お父さんやお母さんが折にふれて、「○よりも×になった方が、本当の勉強になる」ということを教えてあげるといいのです。
 もちろん、こういう説明はすぐには子供に定着しません。習慣や価値観というものは、何度も繰り返してやっと身につくものだからです。
 しかし、いったんこのような勉強の真の目的というものが理解できた子は、中学生や高校生になっても、勉強に対する取り組みが違ってきます。
 例えば、曖昧な問題に対して適当に答えて、運が良ければ○がもらえるだろう、というような考え方はしません。それは、ただ点数がよくなるだけであって、自分にとっては何もプラスにならないからです。
 また、テスト前に山を張って、それがたまたま当たってよかった、というようなこともしません。それも、点数がよくなるだけであって、自分にとってはやはり何のプラスにもならないからです。
 高校生ぐらいになると、ほとんどの生徒は、こういう物事の本質のようなところからものを考えるようになります。
 しかし、こういう姿勢は、小中学生のなるべく早い時期から身につけておく方がいいのです。その姿勢を身につけさせるのが家庭の文化力です。
 だから、「×にせずにすぐ○にしてしまう」という子に対して、言葉の上での注意はあまり効果がありません。
 その子がこれまで持っていた価値観を作り変えるぐらいの大仕事なのですから、親の方も忍耐強く何度も同じように繰り返し教えていく必要があります。
 また、親の方も、子供がテストで×をもらってきたら、「間違っていたところがわかってよかったね」と褒めてあげるぐらいに、自分の対応の仕方を作り変えていく必要があるのです。



■■初めて暗唱の自習をする子のために、暗唱クラブの構想
 1月から暗唱検定を行うことにしました。
 これは、3ヶ月分の暗唱文約3000字を5分で暗唱するというのが目標です。
 これまで言葉の森の自習でやっていた暗唱は、1ヶ月で約1000字の文章を2分で暗唱することが目標でしたが、これは暗唱の自習をしているほとんどの子ができていました。
 毎日10分の練習で誰でもできるようになるのですが、そのために大事なことは毎日欠かさずにやることです。
 ところが、家庭ではこの毎日やるということがなかなかできません。
 既に毎日の習慣としてやれるようになった子はいいのですが、これから新しく暗唱の自習に取り組むという子は、軌道に乗せるまでのきっかけが必要です。
 そこで、現在の寺子屋オンエアと同じ仕組みで、暗唱クラブを作ることを考えました。
 これは、時間を決めて、暗唱をする子が集まり、それぞれ自分の暗唱範囲を暗唱したあと、順に発表するというものです。
 しかし、暗唱というものは、直前に別の文を聞くと、せっかくできるようになっていたものができなくなってしまうので、同じ部分を暗唱している子どうしが一緒にやる必要があります。
(つづく)


◆表はウェブでごらんください。
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