言葉の森新聞2015年6月2週号 通算第1373号
文責 中根克明(森川林)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇創造性を育てる作文・読解・国語◇◆◇◆◇
                              
    毎週担当の先生から電話の指導がある続けやすい通信講座
    自宅で無料体験学習を受けられます
    お申し込みはこちらからどうぞ
    https://www.mori7.com/

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■■プレゼン作文発表会は参加者60名で開催
 プレゼン作文発表会は、インターネットを使って参加するという初めての企画で、参加するにはかなり敷居の高い取り組みでしたが、60名という多くの生徒が参加してくれました。(6月7日、7~8人ずつの8グループに分けて開催。)
 それぞれの生徒がアップロードしてくれた発表の動画は、参加者のグループの中でしか見られませんが、もし公開してもよいという方がいれば、あとでそれらの作文発表を紹介させていただきたいと思います。
 いろいろ面白い発表がありましたので、紹介させていただくものがあれば、これから参加される方の参考になると思います。


■■6月28日の作文検定もネット企画
 通信の生徒も参加できる作文検定試験を、6月28日(日)午前10:30から約1時間半の予定で実施します。
 この作文検定も、インターネットを利用した企画です。プレゼン作文発表会と同じように、ウェブカメラとgoogleハングアウトとskypeを使って、自宅で取り組める形の検定試験になります。
 プレゼン作文発表会に参加された方は、googleハングアウトやskypeの使い方がわかると思いますから、この作文検定試験にもぜひ参加してください。


■■googleハングアウトとskypeの接続練習を随時受付中
 なお、skypeは日常的に使う方も増えてきましたが、googleハングアウトを使っている方は、今はまだ周囲にはほとんどいないと思います。
 言葉の森では、生徒の保護者向けのgoogleハングアウトの使い方の接続練習を随時行っています。希望される方は、言葉の森事務局までお電話でご連絡ください。


■■寺子屋オンエアの受講案内改訂
 寺子屋オンエア(以下、寺オンとも表記)の受講案内を作りなおしました。
http://www.mori7.com/teraon/
 大きな変更点は、ハングアウトの入り方です。これまで、ハングアウトは、招待通知を探して入るという形になっていましたが、今度からは、生徒ページのリンクですぐに入れるようになります。
 また、生徒掲示板、父母掲示板は、投稿した本人だけが見られる個別対応の掲示板にしました。先生や事務局との連絡・質問・相談などにお使いください。
 今後の改善点として、ウェブカメラを真上から写せるようにし、机上の勉強の様子がもっとよく見えるようにしたいと思っています。
 カメラをつけたミニクリップをパソコンの手前に設置できるように、寺オンの受講者で希望される方には400×300×5mmの板をお送りします。
 これで、勉強のアドバイスも更にしやすくなると思います。
 寺子屋オンエアは、1ヶ月の無料体験学習ができます。
 言葉の森の生徒には、必要な機材と教材は、無償で貸与します。
 運営が軌道に乗ってきましたので、近いうちに言葉の森の生徒以外も参加できるようにしたいと思っています。


■■今後もネット企画を拡大予定
読解満点講座、公中講座、遊び講座など盛りだくさんに

 言葉の森には、通信で参加している生徒が多いので、今後もネットを利用した企画を増やしていきたいと思っています。
 現在行っているものは、寺子屋オンエア、プレゼン作文発表会、作文検定試験などですが、今後は、読解力スト満点講座、公立中高一貫校講座、遊びと交流の講座なども企画していく予定です。
 そして、これらのネット企画と並行して、夏合宿などのリアルな企画も行っていきたいと思います。


■■合宿で、車に酔わない方法、おねしょをしない方法
 夏合宿は、本日定員の20名を超えたので締め切りになりました。
 今年は、野島青少年研修センターで厨房設備が整っているところなので、本格的に自炊をする予定です。
 宿泊は、昨年のように教室内でテントを張ってシュラフで寝るのではなく(笑)、ちゃんとした二段ベッドで4人部屋です。ゆっくり寝られると思います。
 1日目は、午前中勉強の予定です。
 午後は、海辺で遊びます。イカダ作りなどをしたいと思っていますが、どうなるか未定です。
 夜は、ナイトハイクで近所を探検したいと思っています。
 2日目は、バスで近くの海に行く予定です。
 海で、貝やウニを採って夕食のおかずにする作戦ですが、どうなるかわかりません。
 遊ぶ時間はたっぷりあるので、自由時間を増やして遊べるようにしたいと思います。
 バスで移動する時間は、長くても40分程度です。車酔いをする人は、次のようなことをしておくといいです。
 第一は、毎日でんぐり返しをして三半規管を鍛えておくことです。船酔いしない方法として教えてくれた人がいました。
 中根先生がおすすめする第二の方法は、バスに乗る練習をすることです。
 これから毎日ルートを決めてバスに乗り、気持ち悪くなるまで乗り続けて、酔いそうになったらそこで降りて、休んで帰るのです。
 このように、自分から進んで車酔いに挑戦していると、必ず酔いを克服して長い距離乗り続けていられるようになります。そして、車酔いなど全然しないようになります。
 車酔いの心配がある人は、早速明日からでも試してみてください。
 たまにおねしょをしてしまうかもしれないという心配のある人は、次のような練習をしておくといいです。
 まず、トイレに行っておしっこをするときに、大きく目を開けるようにするのです。
 いつもそのようにしていてそれが習慣になると、夢の中でおしっこをしそうなときも、目を開けるので、目の前に天井が見えて、それが夢だったのだということがわかります。
 これも、心配な人は、早速今日からでも練習してみてください。

※バスに乗る方法と、目を開ける方法は、いずれも、中根先生が子供のころ自分で考えてやってみてうまくいった方法です。ほかにもいろいろなやり方が考えられると思いますから、薬や器具のような外側のものばかりに頼らず、自分の工夫でやってみるとよいと思います。


■■教室と保護者・生徒との連絡用に、
父母掲示板・生徒掲示板

 これまで、教室と保護者・生徒との連絡には、メールや電話が主な手段でしたが、今後、父母掲示板と生徒掲示板も利用していただけます。
 父母掲示板と生徒掲示板は、投稿した本人と指定した人だけが見られる掲示板で、ここに投稿された記事は、メールでも指定した人に送信されます。
▽父母掲示板
http://www.mori7.com/teraon/hkei.php
▽生徒掲示板
http://www.mori7.com/teraon/skei.php
 なお、掲示板に投稿する際のパスワードやペンネームは、検索の坂の「変更」というところで変更できます。▽検索の坂
http://www.mori7.com/kennsaku/


■■勉強の一休みは校舎の屋上で

 寺子屋オンエアは、かなり密度の濃い勉強になりがちです。
 というのも、最初の5分と最後の5分に先生との話があり、その間の30分から1時間は、先生や友達のいる中で自然に集中して勉強せざるを得ないからです。
 また、その勉強の内容も、国語の場合は、比較的難しい文章を読み、それに対する感想を書き、あとで先生の質問に答えるというものですから、考えてみると結構ハードです。たぶん、ひとりでそこまでの勉強のできる子はいないと思います。
 また、算数数学の勉強も、ただプリントの量をこなすような作業的なものではなく(そういう勉強ももちろん大切ですが)、中心になるのは、できなかった問題を理解してできるようにするという努力を要する勉強です。これも、実は、ひとりではなかなかできません。
 ほとんどの生徒は、中高生も含めて、勉強というものを考える勉強ではなく作業の勉強にしてしまいがちです。例えば、難しい問題を考えるでのは、易しい問題を何ページも解くというような勉強です。ノートを広げて計算をして答えを書くようなことをしていると、本人も周囲も、それを勉強している姿と思ってしまうのです。
 ところが、45分から1時間、そういう集中力の必要な勉強をするのは、受験前などで自覚のある生徒には無理ではありませんが、ほとんどの小中学生にとっては、やはり負担の多いものです。
 昔、言葉の森の通学教室で、小学校高学年以上はパソコンで作文を書くということをしていたころ、ほとんどの生徒は、机の前に座ると、まずはパソコンの中にあるマリオのゲームを数分してから、それからおもむろに勉強に取り組んでいました。ちょっと遊んで、そのあとしっかり勉強というスタイルが定着していたのです。みんな、優秀な子供たちです。
 大人は、つい勉強だけに集中することを望みがちですが、人間というものは、そういうブロイラーを育てるような教育には向きません。勉強だけに集中しないからこそ、創造性や意欲や人間的な感情が育つとも言えるのです。
 寺子屋オンエアは、今までは勉強の時間しかありませんでしたが、オンエアの教室に早めに入れるときや、勉強の途中で疲れたとき、又は、勉強のあとで少し遊びたいとき、又は、いろいろな質問や相談事があるときは、通常の勉強の教室以外のところにも入れるようにしたいと思います。
 その名前の案が、「校舎の屋上」です。「今日は、早く入れる時間があるから、ちょっと『校舎の屋上』で遊んでこよう」というような感じです。ほかにも、「職員室」「保健室」「校長室」「給食室」「校舎の中庭」「校舎の裏」などいろいろなスペースが考えられます。もちろん、そこには、そのスペースを管理する先生がいて、入ってきた人がそのスペースで自由に息抜きをしたりお喋りをしたりできるという案です。
 さて、寺子屋オンエアは、ネットで勉強するシステムですから、どんな僻地でも、又は、海外でも、自宅にいながらにして自由に勉強ができます。今は、1時間程度の勉強ですが、将来は、何時間でも、いろいろな教科の専門の先生がアドバイスする形で勉強ができます。ちょうど自宅に学校ができたという感じです。
 ところが、自宅で勉強するだけでは、保護者がいないときは管理に不安があるとか、又は、友達との実際の交流がないとつまらないだろうとかいう声もあると思います。
 そこで考えているのが、地域の時間のある人で子供たちに信頼されるような人が、自宅の一部を開放して子供たちの勉強スペースを提供してくれることです。例えば、退職した学校の校長先生などは、子供たちの性質もよくつかんでいるので適任だと思います。
 その自宅を開放してくれる人は、子供たちに勉強を教える必要はありません。勉強的なことは、ネットで担当の先生が教えるからです。仕事は、もっぱら子供たちの行儀作法や生活の心構えや相談事などへのアドバイスです。その仕事を近所で手伝ってくれる人が数人いれば、子供たちの教育が地域のつながりの中で行われることになります。
 「校舎の屋上」の話からだいぶ広がりましたが、将来はこのようなオンエア学校が各地にできると思います。そして、そのオンエア教育の仕組みは、日本に留まらず、海外にも輸出できるようになっていくと思います。


■■義務教育の自由化の流れ
 教育の問題を考えるとき、多くの人が共通して挙げる対策は、教育の自由化です。
 朝日新聞(2015年5月20日)に、「義務教育を学校に限らず認めるという法案が、超党派の議員でまとめられた」という記事が載っていました。
 この流れは、これから加速すると思います。
 しかし、今の学校で行き詰まっている問題を、民間の創意に任せれば解決するかというと、事はそれほど単純ではありません。
 今の学校外の教育のほとんどは、学習塾によって担われています。その学習塾は、成績を上げるプロですから、これまでの学校よりも能率のよい教育ができるかもしれません。
 しかし、本当の問題は、成績を上げるというときの成績そのものの前提が問われているというところにあるのです。
 教育の本来の目的は、人間が自立して社会に創造し貢献することができるようになる力を育てることです。
 ところが、受験競争の影響によって、教育の目的は、差をつけるための試験で上位の成績を取ることに置かれるようになっています。
 簡単に言えば、仕事や人生のための教育ではなく、成績のための教育になっているところに、今の教育の根本の問題があります。
 その教育を支えているのは、先生です。多くの先生は、成績を上げるためのプロであるかもしれませんが、仕事や人生のプロではありません。
 教育の自由化を考えるときに大事なことは、まず、教育によって何を目指すかというところから自由に考える必要があるということです。
 もちろん、それは成績を否定することではありません。成績も含めたより大きな目的を教育の目的として考えていく必要があるのです。


■■これから起きるかもしれない経済破綻と、
新しい未来の社会

 これから、人間の社会に大きな変化と波乱が起き、その後、新しい明るい社会が来るという話です。
 今後、社会に起きる大きな変動としてほぼ確実なものは、経済の破局です。アメリカも、日本も、EUも、先進国の多くは財政的に破綻していますが、それが一私企業の破綻ではなく国家の破綻なので、あらゆる方策でその破綻が先延ばしされています。
 その破綻が隠し切れなくなったとき、それに続く人心の不安や世情の混乱によって引き起こされる可能性の高いものが、戦争、パンデミック、自然災害などです。
 この経済の破局とそれに続く社会や自然の混乱に対して、現在いくつかの対策が考えられています。


地球開発や新興国の発展だけでは問題の先送りに
 第一は、地球規模の世界的なインフラ開発によって、経済の破局を乗り切ろうという考えです。確かに、砂漠の緑化や海洋の開発は、人類に新しい経済のフロンティアをもたらすでしょう。しかし、それは、既に原理的に行き詰まっている工業型資本主義の延命策にすぎないのです。というのは、新しい開発は、古い開発にしばらくは取って代わることはできるでしょうが、やがてその新しい開発が行き詰まる時代が来るからです。
 第二に、同じことは、BRICsの未来についても言えます。新興国の発展は、先進国の衰退に取って代わるように見えるかもしれませんが、それは先進国で既に行き詰まった社会を、あとからなぞっているのにすぎません。そして、先進国の行き詰まりは、さまざまな試行錯誤によって長期間かかりましたが、今度の新興国の行き詰まりは、急速に進みます。新興国は、追いつくのが早いのと同じように、行き詰まるのもまた早いのです。


農業は人間の生存の基盤だがそれだけでは未来はない

 第三に、これらの世界的な視野の対策とは異なり、個人の世界で、これからの破局の時代に備えるために、食料の生産や備蓄、信頼できる仲間作りなどに力を入れている人たちもいます。
 確かに、今後食料危機のようなものも来るでしょう。預金封鎖になり、あると思っていた資産が吹き飛び、リストラの嵐が吹き荒れ、物価が高騰するような時代に、最も頼りになるものは、衣食住、特に食の確保だと多くの人が思うでしょう。
 しかし、ここで考えておかなければならないことは、人類の生産力は、人類全体の需要を補って余りあるほどに豊かになっているはずだということです。今、飢餓に悩む地域の人々がいるのは、生産力の問題ではなく、政治力の問題です。
 だから、もし日本で経済破局が起こったとしても、強力なリーダーシップを発揮できる政治が、「とりあえずこれまで動いていた経済の流れは、国家が1年間又は数年間無条件で保証する」と言えばいいのです。(つづく)


----------------------------------------------------

■MagMagからのメールマガジンの登録と削除は下記のページで
(▼ダイジェスト版 マガジンID:0000000226)
https://tinyurl.com/ybkrlw5b
(▼完全版 マガジンID:0000132951)
https://tinyurl.com/yakxr3w3
■これまでの言葉の森新聞は下記のページで
https://www.mori7.com/mori/
■ホームページ
https://www.mori7.com/
■メール
mori@mori7.com
【事務局用】 ユーザー: パス: