言葉の森新聞2014年7月1週号 通算第1328号
文責 中根克明(森川林)

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■■7月1日(火)から新学期
 7月1日から新学期が始まります。教材の説明は、課題フォルダの表紙の裏側に書いてあります。また、勉強の仕方の説明は、「学習の手引」に載っています。
http://www.mori7.com/mori/gate.php


■■平山先生が復職します
 7月1週より、平山先生が復職します。以前の担当生徒で、平山先生に担当交代を希望される方は、事務局までご連絡ください。(平日午前9時~午後8時 0120-22-3987)

■■「山のたより」に5.4週の清書の森リン点が反映されていない場合
 5月下旬に、森リン点を集計するサーバー(mori7.info)がダウンしていたときがあったために、そのときにちょうどパソコン清書を送信された方のデータが入っていなかったようです。
 5.4週の森リン点が入っていない方は、言葉の森事務局までご連絡ください。再度、森リン点の表示された「山のたより」をお送りします。


■■7月からの課題フォルダの表示一部訂正
 7月からの課題フォルダで、7.4週、8.4週、9.4週の課題の表示が、「★清書」だけでなく、「今週は感想文の課題です。」などとなっていました。
 4週は、「清書」だけですので、「感想文」の表示は消しておいてくださるようお願いいたします。


■■7月からの課題フォルダの読解問題は別途配布予定
 7月からの課題フォルダに、読解問題が表示されていませんでした。
 別途配布する予定ですのでお待ちください。


■■夏休み中の電話を帰省先や旅行先に変更することができます

 夏休み中、帰省されたり旅行をされたりする場合、電話先を変更することができます。
 変更の連絡は、授業の直前でも可能です。ご遠慮なくご連絡ください。


■■安田夏菜さんの本の紹介
 言葉の森で2008年まで講師をしていた安田夏菜さん(やす先生)が、新しい本を出しました。
 いずれも、言葉の森の港南台教室にあります。


◆表はウェブでごらんください。
https://www.mori7.com/mori/mori_web.php?ki=20140701#21161

■■夏の自然寺子屋合宿の企画

 今年は、久しぶりに夏の合宿を行うことにしました。希望者が多く2泊3日の3コースともすぐに満員になりました。
 希望があるのに参加できなかった方もいらっしゃったので、次回は参加者の枠をもっと増やしていきたいと思います。
 今回の自然寺子屋合宿は、遊ぶだけでなく、勉強もするという形の合宿です。その勉強は、先生が何かを教えるという形ではなく、いわゆる寺子屋方式で、それぞれの生徒が自分で取り組めるようなものにしていく予定です。
 その寺子屋方式の自習のメニューのひとつが付箋読書です。これは、10冊ぐらいの本を、付箋をつけながら並行して読んでいくという方法です。
 読書は、どんなに面白い本であっても、1冊だけ読んでいると、時間がたつうちにやがて飽きてきます。ところが、付箋読書という方法で何冊かを並行して読んでいくと、何時間読んでいても飽きません。しかも、付箋読書は、読みにくい本でもすぐに読み出せるという利点があります。
 この夏の合宿では、そういう新しい読書の方法を身につけていけるようにしたいと思っています。
 自然寺子屋合宿の「自然」ということについては、海や山でワイルドな遊びをしたいと思っています。その遊びのひとつがシュノーケリングです。
 浅瀬の磯で、海の中に潜って貝をつかまえ、それを昼食でバーベキューにして食べるというようなことをしたいと思っています。
 果たして……無事に昼食が食べられるか(笑)。


■■言葉の向こうにある現実を見る
 保護者の方から、次のような相談がありました。「計算はできるが、算数の文章題ができない」
 これだけ聞くと、国語の読解力がないことが原因のように考えられがちですが、事はそう簡単ではありません。
 小学校低学年の場合は、文章題が解けないのは読解力がないことが原因の場合もあります。しかし、その読解力も、ある言葉の意味がわからないというようなことであるかもしれません。
 例えば、「2列目には3人が……」というような文章があった場合、「列」という概念がわからないためにできないということもあるのです。
 小学校高学年の場合は、文章題が解けないのは、読解力がないからではなく、問題となっているその算数の考え方自体が難しいからということもあります。
 例えば、「ある長さのリボンから20センチ切り取ったとき、残りのリボンの長さが最初の長さの70パーセントだったとすると、最初のリボンの長さは何センチあったのでしょうか」というような問題は、国語の読解力の問題というよりも、算数的な考え方を図解する練習ができているかどうかという問題になるのです。
 こういうことは、その子の解いた実際の問題を、親や先生が同じようにある程度解いてみないとわかりません。
 文章題が苦手というときは、どの文章題が苦手なのかということを見る必要があるのです。
 もうひとつ別の話です。
 中学入試の作文の試験で、「時事問題や社説のようなところから問題が出される」という情報が、学校又は塾の説明会であったようです。
 しかし、その話を聞いたお母さんが、実際にいろいろな社説を見てみると、中学入試に出るような内容の社説というのは、あまりなかったそうです。
 同じように、時事的な問題が出るからといって、時事的なニュースをまとめた参考書などを勉強しても、まずほとんど役に立ちません。
 時事的な問題がなぜ出るかというと、時事問題の知識を問うためではなく、その時事問題に出てくるような現代の社会の背後にある文化を問う問題を出すためです。
 だから、いちばんの対策は、社説を読んだり、時事問題の参考書を読んだりすることではなく、実際の入試問題集の問題文を読むことです。
 勉強で大事なのは、試験の点数ではなく、その点数の向こう側にある問題の内容です。
 だから、子供の勉強を見る際に大事なことは、その子のできなかったところを表面的に見るだけでなく、親も実際に解いてみることなのです。


■■寺子屋オンエア、午後5時から午後7時まで自由参加に

 寺子屋オンエアは、子供たちが家庭で行う学習を、先生や友達との交流の中でバックアップするという企画です。
 月曜から金曜の午後5時から午後7時まで、1ヶ月のうち20日間、いつでも自由に参加できるというゆるやかな仕組みです。
 寺子屋オンエアの時間の中で、毎日10分から20分、保護者との質問相談の時間を設けています。
 料金は、1人1ヶ月2,160円です。無料体験受講ができますので、ご希望の方は、google+アカウントのGメールアドレスをお知らせください。
 なお、パソコンやgoogle+の操作は、わかりにくいところが多いと思いますので、操作方法などは実際にやりながらそのつどお電話などでお聞きください。
http://www.mori7.com/teraon/


■■暗唱は完璧にできるところに意味がある

 暗唱は、「てにをは」も含めて1文字も間違えずに、途中でつっかえたり考えたりせずに、最初から最後まで一気に滑らかにできるのが本来の形です。
 貝原益軒は、百字の文章(四書五経など)を百回、空で読み空で書くという暗唱法を提唱しました。時間にすれば30分ぐらいの暗唱練習です。これだけやれば、誰でも1文字も間違えずに滑らかに暗唱できるようになります。これが、昔の寺子屋の勉強の基本でした。
 しかし、現代の子供が、百字を百回読むというような暗唱法で練習できるかといえば、そういうことはまずできません。そこで、言葉の森では、1日の回数をもっと少なくして、最終的にひとつの文章(900字)を百回読むような暗唱法にしたのです。このやり方を覚えていれば、将来、自分が本当に暗唱したい文章があったときも同じやり方ですぐに暗唱できるようになります。言葉の森の暗唱は、暗唱法を身につけるための暗唱でもあるのです。
 暗唱は、文章を覚えることが目的ではありません。何度も繰り返し音読することが目的で、その結果としてその文章を覚えることになるということです。だから、暗唱チェックの仕方は、文章を覚えているかどうかにしていますが、それは覚えたかどうかを見るためではなく、暗唱の練習を毎日していたかどうかを見るためなのです。
 なぜ、文章を覚えただけでは不十分で、覚えたあとも繰り返し暗唱し完璧に言えるようにするかというと、そのようにして暗唱した言葉は、日常生活のほかの場面でふと思い出すようになることがあるからです。
 覚えたものをただ再現できるというだけであれば、それは「覚えた」という衣服を着たようなものですから、時間がたてば衣服を脱ぐように忘れてしまいます。ところが、覚えた以上に更に繰り返した暗唱は、日常生活の場面でふと口をついて出ることがあります。このときに、暗唱した文章は、脱ぎ着できる衣服ではなく、その人の身体の一部のようになっています。
 これは、読書でも同じです。いろいろな本をたくさん読むのはよいことですが、それはいろいろな衣服を次々に着てみたというような読み方です。たくさん読んだわりに、自分の身についているものは少ないのです。
 それとは反対に、自分の好きな数冊の本を何度も読むような読み方をすると、その本は衣服ではなく身体の一部のようになります。だから、子供時代に、同じ本を何度も読んだという経験のある子は、読む力や書く力がつくのです。
 繰り返した言葉は、ただ理解するための言葉ではなく、表現するための言葉になります。その表現できる言葉が、その人の思考力のもとになる言葉になるのです。


■■しかし、完璧に覚えていなくても役に立つ暗唱

 暗唱は、たとえ完璧にできなかったとしても、暗唱しようとしたところにも意味があります。それは、暗唱の練習を繰り返していると、何かを覚えることが苦にならなくなってくるからです。
 今の受験勉強は、考える面や表現する面が増えてきたとはいっても、まだ基本的には記憶力の再現のテストです。文章を暗唱することになれていると、社会や理科の知識も、教科書や参考書を読んでいるとすぐに頭に入るようになってくるのです。
 この暗唱のコツは、声を出して読むことを繰り返すというところにあります。ときどき、音読のように声を出して読むことを嫌がる子供がいますが、その原因のほとんどは音読の仕方を注意されたことにあります。
 音読や暗唱の勉強をした経験がない人は、何かを読んでいるときに人から読み方を注意されるということがどんなに嫌なことかということが実感としてわからないので、つい子供の読み方を注意してしまうのです。
 音読は、どんなに下手な読み方をしていても、いつも褒めてあげることです。褒めていれば上手になり、注意していれば下手になるというのが音読の勉強です。


■■幼児期の勉強の要は、親子の対話と作文

 勉強は、小学校に入ってから始めるものではありません。子供が生まれたときから、バランスのよい成長を考えていくことが広義の勉強です。
 幼児期の勉強で最も大事なのは、豊かな日本語の力を身につけていくことです。その日本語力の勉強に次いでやっていく必要があるのが、数の感覚を身につけておくことです。
 しかし、日本語力の大切さに比べれば、計算の練習で数の感覚を身につけることはずっと重要度の低いものです。それは、あとからでもやれば身につくものだからです。
 また、幼児期からの英語は、今はブームになっていますが、渡部昇一氏の著書「英語の早期教育・社内公用語は百害あって一利なし」にあるように、やりすぎれば必ず弊害があります。そして、既に、そういう弊害が一部に出ています。

 ところが、日本語力をつけるという勉強は、漢字の書き取りをしたり、国語の問題集を解いたりするような勉強ではありません。そういう知識的な勉強を幼児期に行うことは、かえってバランスのよい成長を阻害します。
 日本語力をつけるための最良の勉強法は、親子の生きた対話です。なぜかというと、幼児や小学校低学年の勉強で最も大事なものは、勉強に対する意欲で、その意欲は、子供にとっていちばん身近な両親との交流の中で生まれるものだからです。
 この幼児期の対話を、親子で書く作文の勉強として行うのが幼児作文コースです。現在、幼児年長以上の方を対象に、体験学習を受け付けています。
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