言葉の森新聞2012年3月2週号 通算第1215号
文責 中根克明(森川林)

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■■3月20日(火)は休み宿題

 3月20日(火)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。電話0120-22-3987(平日9:00-19:50)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/index.php
 「ヒントの池」 http://www.mori7.com/mine/ike.php


■■3.1週の授業の説明を動画でアップロード

 自宅で勉強する人が、勉強を始めるきっかけになるように、授業の説明を動画でアップロードしました。今後、掲示板で毎週更新していきたいと思います。
▽授業の説明の掲示板
http://www.mori7.com/okajg/

 それぞれの学年の課題については、授業の渚をごらんください。
http://www.mori7.com/nagisa/


■■「東大生が選んだ勉強法」を見て思ったこと

 書店で本を眺めているとき、「東大生の勉強法」という雑誌が目にとまりました。内容に期待したわけではありませんが、ふと手にとって眺めてみると、言葉の森がいつも述べているような勉強法がしっかり書かれていました(笑)。だから、言葉の森の生徒で自習をしっかりやっている子は、どの教科の成績もいいのだと納得しました。
 実際、言葉の森で勉強していて東大に入ったような子は(別に東大に限らなくていいのですが)どの子も、入試の直前まで力作の文章を書いていました。そういう生徒の勉強法には共通点がありました。要は、よい教材を反復して自分のものにするという方法です。この雑誌には、ほかにも言葉の森の自習法と似た話があちこちにあったので、思わず購入してしまいました。
 そして、買ったあと、「こういう正しい勉強法が広がれば、どの教科もほとんどの生徒が満点になって、もうテストをする意味がなくなるという時代が来るのだろうなあ」と思いました。今は、小中高と大多数の生徒が間違った勉強法をしているために、できる子とできない子の差が出ているのです。
 みんなが、というのは小中学生の場合は親も含めてですが、正しい勉強法を身につければ、普通の子なら誰でも今の東大に入る実力を持てるようになると思います。ただし、今の入試には不要な勉強も多いので、無理して受験勉強をする必要はないというだけです。

 そして、これから来ることが予想されるのは、大学入試の定員制の撤廃です。インターネットの時代に、入学定員を絞る必要など全くありません。放送大学のように、勉強したい人は、どの大学のどの講義も聴講していいのです。そして、修了証がほしい人は、レポートを提出すればいいのです。しかし、そういう時代には、修了証などは無価値になっていますから、わざわざレポートを書く人はいません。人に認めてもらうために勉強しているのではなく、自分の向上のために勉強しているのですから、修了証などはもともと要らないのです。
 そして、そうなったときに何が残るかと言えば、それは、与えられた条件で何かを創造する力です。これまでの社会では、与えられた条件が知識の差となっていました。だから、知識や学歴が能力の差のように思われていたのです。しかし、知識の量に差がなくなる時代に残るのは、その人らしい個性的な創造の差です。
 これまでは、いい成績を上げていい学校に入ることが目標のように考えられていました。これからは、そのようなことはだれでもできるようになるので、その先にあるものを考えなければなりません。それが、自分なりの創造性を育てることです。
 そして、創造性を育てるのにいちばん必要なものは何かというと、子供時代の心からの遊びと、青年時代からの難しい読書、そしてその間に一貫して流れている家族との楽しい知的な対話です。
 ところが、今の社会では、子供に早めにいい成績を取らせるために、子供時代は遊びよりも勉強を優先させ、夜遅くまでの塾通いで家族との対話もなく、そして、大学に入ったら勉強に飽きて、もう難しい本を読む意欲もなくなるという正反対の子育てをしている人があまりにも多いのです。
 対策は簡単です。今の世間の風潮に流されず、親が自分の判断で子育てをしていくことです。そして、勉強とは、いい成績を取るためにするものではなく、創造性を発揮する土台を作るためにするものだという原点を確認していくことです。
 まだ、こういう話に納得する人は少ないかもしれませんが、世の中は確実にこの方向に動いています。成績は、よくて当然。成績の先にあるものを考える時代に入ってきているのです。


■■話題の記事を整理。「頭をよくする作文の勉強」ほか

 これまでの言葉の森のホームページの記事の中で、話題になった記事を整理してトップページに載せました。
「未来の学校の夢」
http://www.mori7.com/saisou10.html
「言葉の森のビジョン」
http://www.mori7.com/saisou11.html
「頭をよくする作文の勉強」
http://www.mori7.com/saisou12.html
「小1から学年別勉強の仕方」
http://www.mori7.com/saisou13.html


■■これまでの話題の記事の漫画版

 言葉の森のホームページの話題の記事2010年版をまとめました。
http://www.mori7.com/saisou8.html
 しかし、文字ばかりであまりにも長いので、それぞれのタイトルごとにつけた漫画を紹介します。
 でも、これだけではものたりないので、ひとこと。
 やはり、5番目の漫画「他人と比較せずに、自分の子供だけ見て、そのいいところを認める」というところがいちばん大事だと思います。特に、子供が低学年のころは、親もどういうふうに子育てしていいか不安なので、周囲の子供たちとつい比較してしまいます。ところが、比較すること自体が、子供の苦手意識を育ててしまうことがよくあるのです。
 低学年のころの子供の能力は、それまで家庭生活の中で自然に育ってきたものですから、子供自身の努力によってどうこうなるものではありません。それよりも、とりあえずは、今のいいところだけをたっぷり認めてあげることです。改善する点があるとしたら、親がまず家庭の生活習慣を少しずつ変えていくことから考えましょう。
 そして、人間には、自然の成長力、自然の復元力があるのですから、低学年のときはあまり焦らずに、のびのびと子育てをしていくことです。


◆表はウェブでごらんください。
https://www.mori7.com/mori/mori_web.php?ki=20120302#17328

■■facebook記事より

日本的な進化論
 ある朝起きると、
 草原が海になっていた。
 そこで、元クジラは決心する。
 「そうだ。クジラになろう」と。
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 生物の進化はそのようにして始まったのではないかと思います。
 ダーウィンの自然淘汰と適者生存で、現在のような多様な生物種が現れるためには、宇宙の年齢よりも長い時間が必要なようです。ということは、まずあり得ないということです。
 確かに、ちょっと考えてみるだけでも、単細胞生物が人間になるまでに数十億年で間に合うとは到底思えません(笑)。
 今西錦司は、生物の進化は、「いっせえのせ」で始まったというようなことを書いています。ダーウィンの一応理屈の通った進化論と比べると、あまりにも日本的な進化論です。しかし、たぶん本当のところはそれに近いのでしょう。
 日本の近代化も、一種の進化でした。これまでの体制では、西欧列強に囲まれた世界の中で生きていけないから、一挙に近代化を推し進めたのです。
 こういう進化に近いことは、個人の人生の中でもときどきあるようです。そのときに大事なことは、決心です。
 理詰めの周到な準備が必要なこともありますが、いざというときには大胆に決心する気持ちを胸に秘めておくことが大事なのだと思います。


勉強のコツは、できるようにさせてから褒めること
 成功させて褒めるのがベスト。
 失敗させて叱るのがワースト。(^^ゞ
 その中間にさまざまな段階があるが、
 まず成功させるのが工夫のしどころ。
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 子供たちに勉強を教える場合、まずできたという成果を出すことが大事です。成果があれば、褒め言葉も力を発揮します。
 しかし、成果が上がらないのにいくら褒めても効果はありません。まして、成果が上がらないのを叱っては最悪です。
 だから、大事なのは、褒めるか叱るかという以前に、まず成功させることです。
 言葉の森の小6以上の作文の課題は1200字ですが、高学年になると字数と実力は相関が高いので、苦手な子はまず字数でくじけてしまいそうになります。そこで、ここ一番というときは、何が何でも目標の字数まで書かせるという工夫が必要になります。子供に任せて、やはり書けないまま、評価だけ甘くしても辛くしても、その後の意欲には結びつきません。
 先生の役割は、評価することではなく指導することです。そして、無理矢理にでもできるようにさせてしまうと、それが自信になり、実力になっていくのです。
 これは、親も同じです。褒めるにしても、叱るにしても、大事なのは、子供が褒められる状況を親が作ってあげることです。
 例えば、子供が穴に落ちそうなとき、黙って見ていて、子供が落ちたら、
「ほら、落ちたでしょ」
と言うのではなく(笑)、
「そこは危ないよ」
と、アドバイスをして、子供がうまくよけたら、
「わあ、上手によけたね」
と褒めるのがコツです。


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