言葉の森新聞2011年11月4週号 通算第1201号
文責 中根克明(森川林)

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■■【重要】12月1週は進級テスト。早めの提出も可
 12月1週は進級テストです。1週に用事のある人は、早めに説明を聞いて書いてください


■■11月23日(水)は休み宿題
 11月23日(水)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。


■■サーバー移転に伴う文字化けや遅れについて
 11月16日から言葉の森のサーバーを移転し、文字コードをこれまでのShift_JISからUTF-8に変更しました。そのため、メールに文字化けが生じたり、評価が遅れたりしていますが、まもなくもとに戻りますので、今しばらくお待ちください。


■■森リンの点数は、主に高学年の論説文用
 小論文の自動採点ソフト森リンは、主に高校生の1200字以上の論説文を評価するために作られています。したがって、低中学年の作文や字数の少ない文章を評価すると、誤差が大きく出ます。特に小学校1、2年生では、字数の競争にならないように、採点する範囲をそれぞれ200字、400字と制限していますので、誤差がかなり大きくなります。個々の作文の評価というよりも、大きな流れとしてどのように点数が向上していくかということを見ていってください。


■■森リン大賞ベスト10の表示について(低学年は表示せず、中学年は題名のみ)
 森リン大賞のベスト10は、小学校1、2年生では表示しません。小学校3、4年生ではベスト10の題名のみを表示しています。小学校5年生以上からは、ベスト10の題名と1位の作品を表示しています。


■■受験コースの作文でスピードアップを図るには(過去の記事の再掲)

 小学校6年生の中高一貫校などの入試作文で、30分800字などの試験課題が課せられる場合があります。高校生の大学入試小論文では90分1000字などが普通ですから、30分800字というのは異常な速さです。このような時間と字数でまともに書ける子はほとんどいません。その結果、大きな差がつくので点数をつけやすくなるということです。
 しかし、これまで言葉の森から入試に臨んだ子供たちは、ほとんどが30分で800字ぐらいの作文を書いてきました。入試では、気合いが入るので練習のときよりも速く書けるからです。
 もちろん、練習のときに速く書く方法もあります。
 しかし、速く書く練習をするのは、試験の前の1?2ヶ月にしておく方がいいと思います。それまでは、時間を計りながら書きますが、速さよりも内容を優先していきます。なぜかというと、内容がよければ、その内容を試験の材料として生かせるからです。(つづく)


■■4週は読解問題と清書。幼稚園生は作文
 幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。項目シールは、予備のものを使ってください。
 小学1年生以上の生徒は、読解問題と清書を行います。読解問題の時間がかかるため清書の時間が取れない場合は、読解問題は省略するか最初の2問だけをやる形でも結構です。


読解問題の答えの書き方、送り方
 読解問題の答えを作文用紙に書く場合は、問題の番号と答えがわかるように書いてください。書き方は自由です。(下図参照)
 読解問題の用紙は返却しませんが、選んだ番号と正解は山のたよりに表示されます。
 読解マラソンの問題のページから答えを送信すると、その場で採点結果が表示されます。(この場合、作文用紙に答えを書く必要はありません)
http://www.mori7.com/marason/ki.php


◆表はウェブでごらんください。
https://www.mori7.com/mori/mori_web.php?ki=20111104#16875

手書き清書の送り方
 手書きの清書は、翌月の1週の作文と一緒に返却します。
 パソコンで清書を入力した場合、手書きの清書は必ずしも先生に郵送などで送る必要はありません。手書きの清書のスキャン画像を作文の丘からアップロードした場合、先生に郵送などで送る必要はありません。


■■パソコン入力清書の送り方(図解)
 4週の清書は、手書きで清書をした人も、パソコンで再入力したものを「作文の丘」から送ってください。これは、作文の進歩を生徒が実感できるようにし勉強の意欲につなげていくためです。
 清書を送る場合、週は必ず「4週」を選択してください。ほかの月や週を選択すると、その月と週の作文と講評が上書きされてしまいます。感想文を清書にする人は、三文抜き書きや要約の部分は省略するか、自分の言葉に直して書くようにしてください。
 ワードなどのワープロソフトは改行の際のスペースが正しく表示されないので、いったんメモ帳などにコピーしてメモ帳の上でスペースをつけてからインターネットで送るようにしてください。
 自宅でパソコン再入力ができない場合は、先生に(有料で)パソコン入力を依頼することができます。その場合は、手書きの清書の住所シールの余白に「入力依頼」とご記入ください。
(入力依頼の料金は1文字1円で、翌月の受講料に加算して引き落としいたします)


◆表はウェブでごらんください。
https://www.mori7.com/mori/mori_web.php?ki=20111104#16881

■■豊かな日本を作るために―日本を再び教育立国に(2)

 これからの時代を、アメリカから日本に工業生産力が移動していった歴史になぞらえて、日本から中国に工業生産力が移っていくと考える人がいます。それは、事実の本質を正しく見ていません。
 確かに、中国の13億という人口は巨大ですが、その人口が生み出す需要の大きさは、13億人の1回限りの需要であり、それに対応する供給は、最新設備の1回限りの供給なのです。
 1回目の花火のような需要が一巡すれば、次の買い替え需要まで消費も生産も一段落します。
 しかも、最新設備による最新工場は、資本さえ投入すれば、世界のどこでも人件費負担の少ないところを選んで設置することができます。ということは、需要がどれだけ巨大であっても、多数の供給者の競争によって、利益率は限りなく低くなります。
 インドでは既に、20万円の自動車、3000円のパソコンが作られています。大量の消費者に対して最新の設備を使って効率よく製造された工業製品の価格は、このようになるのです。
 だから、中国やインドでこれから始まる工業化は、日本がかつて経過してきた工業化と同じではありません。工業は、もはや利益を生み出さない産業になりつつあるのです。
 では、農業、工業の次に、日本が目指す産業は何なのでしょうか。それは、架空の金融産業ではありません。また、本質は工業である情報産業でもありません。そこで、価値とは何かという問題が出てきます。
 これからの日本は、真に価値あるものを作り出さなければなりません。その一つは植物の持つ自然の力を生かす農業です。もう一つは、人間の持つ創造的な力を生かす教育です。
 この、真に価値あるものを産業の中心に据えていくことが、これからの日本の政治経済の基本方針になるのです。
 では、人間が生み出す価値とは何でしょうか。例えば、子供たちをいいい子に育てることによって、その子たちが成人して穏やかな大人になり、犯罪など犯すようなことがなければ治安がよくなり、防犯のための無駄な支出が不要になります。
 警察も、裁判所も、法律も要らないとなれば、これまでそういうところで仕事をしていた人は、治安を守るという後ろ向きの仕事ではなく、もっと前向きの新しい仕事にとりかかれます。
 これが新しい価値の創造です。
 これは、架空の話ではなく、江戸時代がまさにそうでした。
 松尾芭蕉は、追はぎや強盗の心配をすることなく、日本中を旅することができました。
 江戸は当時世界で最も巨大な都市でありながら、警察は驚くほど少なく、ほとんどすべて住民の自治的なつながりの中で平和な生活が支えられていました。
 真の豊かさとは、こういうことなのです。
 また、子供たちが、能率のよい勉強の仕方によって短時間で早く学力をつけることができれば、知識を身につける勉強以外の、考える勉強、作り出す勉強に時間を割くことができます。
 そういう子供たちが成長すれば、どういう仕事をしても、その仕事の改善点を自分で発見して提案していけるようになるでしょう。
 更に、新しい科学時技術を開発するような人も出てくるでしょう。
 これが価値の創造です。
 農業が、植物の生命力を生かした創造なら、教育は人間の向上心を生かした創造なのです。
 世界の不況の根本原因は、工業に代わる新しい産業が、先進国で見つけられていないことにあります。多くの人は、過去の延長で考えているために、金融業、情報産業、医療、介護、観光、又は、海外への工業の移転、又は、国内での人件費削減のようなところに、日本の経済の打開策があるかのように論じています。
 しかし、そうではありません。時代は、もっと根本的なことを要求しているのです。それは、真の価値を生み出す分野を産業の中核に据えるということです。
 教育は、これまで、個人の受験競争のようなところで行われてきました。しかし、受験に勝つというようなことは、教育の枝葉の部分です。教育の本質は、人間の持つ創造性を開発することにあります。
 日本がこの教育分野で新しい教育を作り、それを創造的な新しい産業に育てていくことが、世界の経済の行き詰まりを打開する道でもあるのです。
 そして、日本が切り開いた経済の新しい分野に、工業化を完成させた途上国が続いて参入してきたときにも、工業のときに起きたような競争による利益率の低下は起きません。
 なぜなら、第一に、そこで生産しているものは、需給の関係によって相対的に生まれた価値ではなく、農業が生み出すものと同じような真の価値だからです。(つづく)


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