言葉の森新聞2011年3月4週号 臨時号 通算第1169号
文責 中根克明(森川林)

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■■言葉の森の勉強がうまく進まないとお困りの保護者の方へ
発想を変えれば楽しく勉強できる

 家庭での学習を続けていると、なかなか思ったように勉強が進まない、と困る場面が出てきます。そういうときの対処法をご紹介します。

 なお、勉強を進めていくうえで、少しでも疑問に思うことが出てきましたら、言葉の森事務局までお気軽にお電話でご相談ください。(電話0120-22-3987平日9:00-20:00)


■■親の負担が大きいので大変という場合
 問題を解くような形の勉強であれば、子供がある程度自主的に進めていけます。しかし、作文の場合は、そういう問題−解答形式の勉強ではありません。毎日、読書や暗唱などの読む自習を行い、毎週、自分で考えて作文を書くということで力がついていきます。(ほかの作文教室の中には、問題−解答形式で作文の勉強を指導しているところがありますが、そういう形では作文力はつきません)

 一般に行われている従来の勉強は、知識や解き方を学ぶという勉強です。そういう勉強は、勉強の仕方を塾に任せ、子供が与えられた課題をやっていれば力がつきます。国語と作文は、そういう形の勉強ではありません。

 国語は、毎日読む学習を続けることで、作文は、自分で考えて書くことで力がつきます。そのために、次のように勉強に対する発想を変えて取り組むことが必要です。


「対話をする勉強」と発想を変える
 作文は、親子の対話を楽しむ形で進めていく勉強です。これは、小学生には特に重要です。小学校1、2年生は自由な題名ですから、毎週授業の始まる前に、「今週はどんなこと書くの」と子供に聞き、親が子供と作文に書く内容について話をします。また、書いた作文が返却されたときも、その作文の内容について家族で対話をします。この際、決して欠点を指摘して直すようなことはしないでください。欠点は、読む力がつく中でほとんど自然に直ります。欠点を指摘すると、作文を書くことが億劫になります。対話は、いつも楽しい雰囲気で行ってください。この対話のときに大事なことは、お父さんやお母さんの子供時代の似た話などをたくさんしてあげることです。そのときに、子供には、少し難しい言葉で、少し長い文で、少し難しい内容の話をするようにします。この対話によって親子のコミュニケーションが豊かになるとともに、子供の頭がよくなります。

 小学校3、4年生の場合は課題が決まっているので、親子の対話は更にしやすくなります。次の週の課題を見て、お父さんやお母さんが似た話を子供に聞かせてあげてください。場合によっては、田舎のおじいちゃんやおばあちゃんに取材してもよいでしょう。また、作文が返却されたときも、親子でその作文を話題にして話をするようにしましょう。この場合、やはり大事なことは、欠点を指摘して直すようなことはしないということです。作文はできるだけよいところを見て励ますようにしてください。

 こういう形で小学校中学年までに親子の対話の習慣を作っておくと、その親子の関係はあとまで続きますし、その対話によって子供の頭がよくなります。理解力や思考力は、問題を解くような形の勉強では身につきません。対話と読書によって最も確実に身につくのです。ですから、対話のときは、楽しい雰囲気で、少し難しい言葉で、少し長い文で、少し難しい内容の話をするように心がけてください。

 小学校高学年や中学生になると、子供が自分の作文を親に読まれるのを嫌がる面が出てきます。その場合は、作文ではなく、課題の長文をもとにして対話をしていきましょう。課題の長文は、ホームページでも読むことができますから、事前にお父さんやお母さんもその長文に目を通しておくとよいでしょう。

「課題の岩」
http://www.mori7.com/mine/iwa.php

 課題の長文をもとにした対話は、次のような形で進めることができます。まず、子供に、次の週の課題がどういう内容か説明させます。そのためには、子供が事前に長文を読んでおかなければなりません。題名だけの課題の場合は、子供がどんなことを書くつもりか考えておかなければなりません。この子供に内容を説明させるということが、子供の思考力と表現力を育てる勉強になります。子供に説明させたあと、親がその課題についての関連する話をしてあげます。親の話を聞くと、子供が自分の経験を通して考えただけの作文よりも話題が広がり、感想も深まります。

 このように、作文の勉強は、そのほかの勉強とは違い、対話を楽しむ勉強だと発想を変えて取り組んでいってください。小学校高学年になると、普通の家庭ではどこでも親子の対話は少なくなります。特に、お父さんは子供との日常的な接点があまりないので、対話をするとしても勉強や成績のことばかりになりがちで、ますます対話が難しくなります。ところが、作文の勉強を通して話をすることによって、親子が毎週知的な対話を楽しむ習慣ができるのです。

 作文は親の負担が大きくて大変だと考えるのではなく、親子の対話を楽しむ機会になるのだと考えて取り組んでいってください。


「自立する勉強」と発想を変える
 国語力は、国語の問題集をいくら解いても身につきません。問題を解いたあと、先生の説明を聞いても、その説明を理解する力は、本人のもともと持っている国語力までです。

 では、国語力はどのようにしてつくかというと、それは塾や学校の国語の勉強の中ではなく、日本語の豊かな家庭生活の中でつくのです。これが、国語の勉強が他の勉強と違うところです。国語力は、いろいろな教科の学力の中のひとつの学力なのではなく、あらゆる勉強のもとになっている理解力、思考力のことなのです。

 国語の得意な子は、国語の問題集をしっかりやってきた子ではありません。家庭生活の中で、読書と対話の時間を多く取ってきた子です。だから、国語の勉強は、毎日の家庭での自習としてやっていくという方法がいちばんよいのです。

 そこで、言葉の森では、毎日の自習として、音読、暗唱、読書、問題集読書などをするようにすすめています。

 しかし、この自習というのが子供にとっては飽きるものなのです。問題を解くような形の勉強であれば、新しいプリントをやって、それまでのプリントのやったあとが残りますから、一見やりがいがあるように見えます。しかし、国語はそのようなプリントを解くような形の勉強では身につきません。国語力は、特別の教材がなくても毎日同じようにやれる自習を続けることによってつきます。

 言葉の森の自習の内容を、わかりやすく暗唱と読書に絞って説明します。(年齢的に無理のない自習は、小学校5年生までは暗唱と読書、小学校6年生以上は問題集読書と読書です。また、どうしても暗唱や問題集読書が続けにくいという場合は、最低限の自習として毎日10ページ以上の読書だけを続けるようにしてください)

 まず、自習に対する発想を変えていく必要があります。問題のプリントをやるような自習であれば、ノルマを決めておけば子供はある程度自動的に勉強をするようになります。しかし、暗唱や読書はそうではありません。暗唱や読書は形に残らない勉強ですから、最初の時期は親がそのつど「やりなさい」と言わなければできません。また、形に残らない勉強なので、子供はすぐに飽きてきます。そのために、暗唱などわずか10分でできることを続けられなくなる子が多いのです。

 しかし、小学校低中学年のうちに、この形に残らない勉強を続けるという習慣を育てていくと、それは、将来の勉強に最も必要な自立した持続力を育てることになります。

 子供の本当の学力は、中学生後半から高校生になり自覚して勉強するようになってから急速に向上します。自覚して勉強を始めると、それまでの親から言われてしぶしぶやってきた勉強の数年間分を数ヶ月で取り戻すようになります。

 しかし、この中学生後半からの自覚した勉強であっても、本人の意欲はあるのに勉強が空回りしてしまうということがよく出てきます。それは、決心を持続する習慣が育っていないからです。例えば、英語の教科書を暗唱するとよいらしいという勉強法を聞いて早速始めたとします。ところが、ほとんどの子は数日で飽きてしまうのです。これでは、意欲はあっても実力は伸びません。

 そのときに、小学校低中学年のうちに毎日同じことを同じようにするという勉強習慣をつけていた子は、一度決心したことを成果が出るまで長期間続けていくことができるのです。中学生後半から高校生のときに、自立しした勉強ができるようになっている子は、いったん目標が決まると自分のペースでどんどん実力をつけていきます。一方、自立した勉強の習慣のない子は、高校生になってもあいかわらず塾や予備校で先生から強制される場がないと勉強をすることができません。高校生以上になると、勉強は個人個人の個性の差が大きくなります。志望校の問題の傾向も違うし、生徒本人の得手不得手も違ってくるからです。そのときに、自分のペースで勉強できる子と、他人に強制される場がないと勉強できない子とでは、学習の能率に大きな差が出てきます。高校生になってから学力が伸びる子と伸びない子の差はここにあるのです。

 小学校低中学年の毎日の自習は、単にその勉強をするためだけの自習ではありません。毎日同じことを同じように続けるという自立心をつけるための自習です。だれでも、最初のうちは、親に言われなければ、毎日の暗唱や読書はできません。また、数日、風邪で休んだり、旅行に出かけたりすれば、それまで毎日続けてきた自習の習慣もすぐに消えて、また親から言われなければやらない状態に戻ってしまいます。しかし、そこで親がまた飽きずに自習をさせるということを繰り返します。このようにして、何度も親から言われて続ける期間が長くなればなるほど、子供の心の中に持続する勉強の力がついてくるのです。

 小学校低学年のうちに、毎日の暗唱を1年間続けた子であれば、高校生になったときに、自分が決心した勉強を1年間続けることができます。逆に、小学校低学年のうちに、毎日の自習に飽きて、プリントをこなすような勉強に戻ってしまった子は、高校生になっても、自分が決心した勉強を続けられずに塾や予備校に頼るようになります。

 夏休みは、集中して勉強に取り組むのに最もよい時期ですが、ほとんどの高校生が自分で勉強できずに、塾や予備校の夏期講習に通います。それは、自立して勉強を続ける習慣がついていない子がほとんどだからです。しかし、ごく少数ですが、塾や予備校に頼らずに自分で勉強していける子がいます。こういう子が、高校3年生のわずか1年間で飛躍的に伸び、その後大学生になっても、社会人になっても自分で実力を向上させていける子なのです。

 毎日の自習で親が言わないとやれないということをマイナスに考えるのではなく、親が言わないとやれないような単調な勉強(といっても、暗唱はわずか10分、読書も短ければわずか10分ですから、やろうと思えばすぐにできます)を続けることが、子供の自立心を育てることになるのだとプラスに考えて取り組んでいってください。

 自立心は、国語のプリントを解くような形では育ちません。プリントのように他人から与えられたノルマがないとできないということになってしまうからです。暗唱や読書は、1枚の長文、1冊の本があれば、いつでもどこでもできます。しかも、いくら毎日やっても形に残らない勉強なので、プリントのようにやった結果が目に見えるという満足感がありません。こういう勉強を続けることが、子供たちの自立心を育てることになります。


 昭和初期までの子供たちは、家で農作業を手伝ったり、家事を手伝ったりして成長しました。これらは、目に見えるノルマも報酬もない単調な仕事です。朝起きたら、当然のように、まきを割ったり、水を汲んだり、玄関を掃除したりしてから学校に行ったのです。こういう毎日の単調な仕事を続けていくことで、成人になってからも自立して持続するという根性が身についていきました。

 しかし、今の時代に、このように毎日同じような家事手伝いを子供にさせることができるでしょうか。家事が合理化された現代では、子供に手伝いをさせるという必然性がありません。昔は、子供が手伝わなければやっていけないほど家事が多忙だったのです。今は、洗濯機も掃除機も冷蔵庫もあるので、子供が何かを手伝わなければ家庭生活が円滑に運営できないような状態はありません。

 今の子供たちが、ひ弱なのは、このように毎日何かを続けるという習慣が家庭になくなったからです。毎日の暗唱や読書の自習は、この根性を育てるための機会だと考えて取り組んでいくことです。毎日の自習をするということであれば、子供も納得できる合理的な根拠があります。気分が乗らないときも、遊びたいことがあるときも、何しろ毎日自習を続けるということは守らせることができます。少なくとも、毎日玄関の掃除をするというようなことよりもずっと守らせやすいはずです。

 そして、このように毎日しなければならないことがあると、子供の生活全体がめりはりのあるものになります。日曜日などは、大人でも朝起きてから特にすることもなくぼんやり過ごしてしまうことがあります。ところが、子供の場合、朝ご飯の前に暗唱ということを決めておけば、その暗唱をしたあとにすぐきちんとした生活を送る姿勢ができます。しかし、ここで大事なのは、自習ができたら褒美をあげるというようなやり方にはしないということです。自習がちゃんとできたら褒美をもらえるということになると、子供の自立心は育ちません。褒美があってもなくても、決めたことを黙々とやるということが自立心です。

 ただし、子供の努力を認めることは大事ですから、親がときどき、「よくがんばっているね」「本をよく読んでいるね」「今日もちゃんとできてえらいね」などと言ってあげることです。このときに、父母で協力して、子供の努力を認めるということが必要です。一方の親が子供の努力を認めているのに、他方の親が子供の努力に関心がないとなると、勉強は続けにくくなります。また、一方の親が努力を認めているのに、他方の親が子供の欠点を指摘してばかりいると、やはり子供は勉強しにくくなります。子供をよりよく成長させるということは、どの親にとっても共通の目標になるはずですから、勉強のさせ方で多少の不一致点があったとしても、「いったん決めたことは続けさせる。そのためには、できていたら褒める、できていなければ叱るということを気長に続ける」ということだけは一致させておきましょう。

 国語の力は、この暗唱や読書や対話のように、日本語を豊かに吸収する生活がなければ決して身につきません。国語力をつけながら、自立心も併せて育てる学習として、親の働きかけが必要な自習をむしろ肯定的にとらえて毎日の勉強に取り組んでいってください。


■■毎日の自習が負担という場合
 自習を無理に続けて負担になり、作文の勉強自体が続けにくくなってはかえってマイナスです。無理して自習をすることよりも、作文の勉強だけは長く続けるというように考え方の重点を変えていくことが大事です。自習が負担になった場合は、できることだけに絞って勉強を続けていってください。

 また、毎日の自習は、子供が飽きてしまい親が毎日言わなければできないことが多くなりますが、この毎日同じことを続けるという習慣が子供の自立心を育てることにつながると肯定的に考えていきましょう。


最低限やることは、毎週作文を書くだけでもよい
 最低限やっていくことは、毎週作文を書いていくことです。これだけでも書く力はついていきます。

毎日の読書10ページ以上ができればなおよい
 毎週の作文のほかに、更に読書を毎日10ページ以上読むというところまではほとんどの人ができると思います。この作文と読書を勉強の基本としていきましょう。

暗唱は、やる時間を決めて
 小学校1、2年生までは、暗唱は苦もなくできます。できない場合は、暗唱の自習をする時間が決まっていないためでしょう。朝起きてから、朝ごはんを食べるまでの間を暗唱の時間などと決めて取り組んでいきましょう。また、低学年で読むことにまだ慣れていないために時間がかかるという場合は、先生に相談して、時間を10分ぐらいに制限してできるところまでやるという形で進めていきましょう。例えば、毎週300字のペースでやるのではなく、毎週100字のペースでやっていくというようなやり方です。

毎日できなければやらないと決める
 小学校中高学年になると、次第に暗唱の自習がしにくくなります。これは、習い事の時間などが増えるために、毎日の暗唱の時間を確保できなくなるからです。暗唱は毎日やるのが原則です。毎日やる時間を工夫するか、逆に毎日やれない場合は、やらなくてよいと決めてしまいましょう。そのかわり読書だけは毎日続けるというようにします。

中高生の暗唱は、一度でも900字の暗唱ができればよいとする
 中高生になると、暗唱の自習はますますしにくくなります。しかし、暗唱用紙を使った方法で毎日10分やれば900字の暗唱が楽にできるということがわかると、将来いろいろなところで役に立ちます。中高生で暗唱の時間がとれないという人は、最低一度だけでよいので、900字の全文を暗唱するというところまで達成しておくとよいでしょう。

兄弟によって自習の内容を分ける
 小学校低学年の弟妹と、小学校中高学年の兄姉がいる場合、兄姉が暗唱ができないことにひきずられて、下の弟妹まで暗唱をしなくなってしまうことがあります。小学校低学年は、暗唱の自習が無理なくできる学年ですから、弟と妹は暗唱の自習をするが、兄と姉は暗唱のかわりに別の自習をすると分けていきましょう。これなら、低学年の弟妹も納得して暗唱の自習を続けることができます。
 毎日読書10ページというのは最低限の量です。読書量には個人差があり、本をよく読む子は1週間に2冊ぐらいのペースで読んでいます。本は、10ページ読んで面白くなると、そのまま続けて読みたくなります。だから、勉強の最初や途中に読書の時間を設けるのではなく、読書のあと自由に過ごせる時間帯に読書時間をとり、10ページ読んで面白ければそのまま読み続けられるという状態を作っておきましょう。



読書は図書館を利用して
 読書は、その日に読み終えたところに付箋をつけておくと、自分が読んだあとの付箋が階段状に残り、本をたたんだあとも読んだ結果がわかるので達成感があります。また、読み終えたところに付箋をつけておくと、数冊の本を並行して読んでいくことができます。なかなかはかどらない本があるときでも、はかどらない本とはかどる本を組み合わせて読めるので全体の読書量が増えます。

 どういう本を読んだらよいかという相談をよく受けますが、読書は手当たり次第に読んでいくものです。よい本を選ぼうとするよりも、まず毎日読む時間を確保するということを考えておきましょう。小学校低中学年までの日本の読書環境は充実しています。書店に置いてある本がよい本だと考えてかまいません。本の奥付を見て、古くから発行されている本であればそのまま良書だと考えてもよいでしょう。ただし、書店にはよく売れる物語文の本が多く、あまり売れない説明文の本は置いてありません。説明文の図書は、図書館の子供向けのノンフィクションのコーナーで選ぶようにしましょう。図書館で読んで気に入ったものがあれば、インターネットの書店で中古のものを手に入れて家にも置いておくようにするとよいでしょう。


読書ノートや四行詩は省略してよい
 読書ノートや読書のあとの四行詩を書くようにすると、子供は、読書そのものよりもノートに残る記録の方を優先する傾向が出てきます。本はあまり読まないが、四行詩だけは書くということになると、読書力はかえってつきません。その場合は、読書ノートや四行詩はやめて、読書をすることだけに専念させるようにしてください。

四行詩は小学校高学年以上で、きれいなノートに
 小学校中学年までは、読書のあとの四行詩を書くとしてもあまり内容のあることは書かないのが普通です。しかし、高学年になると、四行詩に自分なりに工夫した表現を盛り込めるようになります。


 子供の書いた四行詩を見て、表現に工夫がなく形だけ書いているようであれば四行詩は書かせずに読書だけに専念させてください。子供なりに表現を工夫して書いているようであれば、その子自身の記念に残るような形で、きれいなノートに書かせるようにしてください。場合によってはイラストなどを入れて自分の宝物になるようなノートにしていくとよいと思います。今の中学生以上の子は、日記を書くという習慣があまりありませんが、この四行詩のノートが毎日つける日記のようなものになり、表現力と思考力を深めていきます。

 問題集読書の仕方はこのページに書いてあります。
「問題集読書と四行詩の手引」
http://www.mori7.com/mori/mori/mdds.html

 問題集読書が無理なくできる学年は小学校6年生以上です。小学校5年生以下では、文章が難しいために毎日続けるということがなかなかできません。問題集読書と四行詩はセットで取り組んでいくとよいのですが、四行詩を書くことが勉強の目標のようになるとかえって問題集読書の意味がなくなります。四行詩を書く時間がなければ書かなくてもかまいませんから、まず問題集読書を毎日読むということを優先させていってください。毎日4−6ページ読むのにかかる時間は10分程度です。問題集は分冊にしてあるので、手元に置いておき、空いている時間にいつでも読めるようにしておくとよいでしょう。

 問題集読書をする場合、ただ読むだけでなく、必ず線を引きながら読んでいきましょう。これは、国語の問題文を解くときの鉄則です。

 問題集読書は、4回以上繰り返し読むようにすることが大事です。じっくり線を引いて読むようにすると、2回目以降の繰り返しで読むときは、線を引いたところだけ読む形でも効果があるので、勉強の能率が上がります。


もっとたくさん暗唱したいというときは課題の長文で
 暗唱力のある子は、暗唱長文をすぐに暗唱できるようになります。その場合は、毎週の課題の長文の方を暗唱していってもかまいません。しかし、課題の長文は説明文が多いので、暗唱が質的に難しくなります。子供の様子を見ながら負担のない方法で取り組んでいきましょう。

短期間で国語力をつけたいときは問題集読書の量を増やす
 小学校高学年、中学生、高校生で、もっと勉強の時間を増やしてもいいから、短期間で国語の力をつけたいという場合は、問題集読書のページ数を増やしていきましょう。しかし、この場合も、線を引きながら読むということと、同じ文章を繰り返し4回以上は読むようにするということが大事です。

■■作文を書くのに時間がかかるという場合
 電話のあとすぐに勉強を始めるのがコツです。時間がたってから始めると、かえって書けなくなります。電話のあとすぐに書けない事情がある場合は、その日は欠席とするというようにしていきましょう。つまり、やるかやらないかをそのつどはっきりさせて取り組むということです。

 勉強は、忙しいからあとでやるという形にしないのが原則ですが、どうしてもあとでやる形にしたい場合は、その「あとで」がいつの何時ごろかということも決めて取り組みましょう。また、このようにしてもできなかった場合、それ以上の延長はしないことです。

 作文の未提出分がいくつかあるという場合、未提出のものはもう出さなくてよいと親が決めてあげてください。作文の勉強はほかの勉強と違い負担が大きいので、1日に2つ以上書くということはまずできません。毎回その週の分だけを出すという形にしてください。

 課題が難しいために子供さんが10分ほど悩んで書き出せない場合は、事務局に電話をして追加の説明を聞いてください。いったん悩んで書き出せなくなると、時間がたてばたつほど書けなくなります。子供は、書けないから電話で聞くということをなかなか自分で判断できません。子供の様子を見て、親が判断して対処してください。

 作文を書くのにかける時間は1時間半までとしておきましょう(長くても2時間までです)。1時間半で書きあがらない場合は、書けたところまでで終わりにし、残りは「つづく」としてそのまま提出してください。(つづきを後日書く必要はありません)

 小学校低中学年で楽しみながら長く書いているという場合は、家庭生活に支障のないかぎり、無理に途中で打ち切る必要はありません。

 作文の勉強は、小学校5年生ごろから中学2年生にかけての時期に、なかなか書けなくなるという状態が生まれてきます。中でも、中学生は一生の中でいちばん作文が苦手になる時期です。また、中学校で作文の勉強がないので、言葉の森で作文の勉強を続ける意義がわかりにくくなる時期です。

 将来の高校入試や大学入試、更には就職試験でも、会社に入ってからでも文章力は最も必要な学力になると話してください。

 そして、作文はパソコンで書き、毎回の自動採点ソフト森リンの点数が80点台後半になることを目標に勉強していってください。作文の得意な生徒は、ベスト10を目指してがんばり、作文の苦手な生徒は、自分の点数を毎月少しずつ上げることを目標にしていきましょう。

 パソコン入力は、小学校5年生ぐらいから行っても無理はありません。パソコンで打つときは、ローマ字入力でタッチタイピング(ブラインドタッチ)にすることを最初のうちに徹底させてください。入試で手書きの作文試験がある場合は、試験の3ヶ月ぐらい前から手書きに戻しておきましょう。

 森リンの点数は、次のようなやり方で表示できます。パソコンで書いて送信したあとの画面で、しばらく待っていると、「(^o^)/森リン採点」という顔のマークが出てきます。ここをクリックすると、今度は「(^o^)/森リン採点」というボタンが出てきます。このボタンを押すと、自動採点ソフトが計算を行い、その作文の点数を表示します。

 読解問題は、採点結果がすぐに出ると張り合いが出ます。読解マラソンのページに番号を入れて「確認」「決定」ボタンを押すと、その場で採点結果が表示されます。

「読解マラソンの問題のページ」
http://www.mori7.com/marason/ki.php

 読解問題は、清書の時間に個人差があるため、清書に時間がかかる人はやらなくてもかまいません。この読解問題の目的は、小学校高学年以上で、難しい選択式の問題を解くコツを学ぶためのものです。小学校低中学年では、問題を解くような勉強はまだそれほど意味がないので、無理をして時間をかけてまでやる必要はありません。ただし、低中学年のうちから、第四週は清書と読解問題というやり方に慣れておけば、高学年になったときにもスムーズに取り組めます。


■■継続のおすすめ

毎日の自習の習慣作りを
 幼稚園年長−小学3年生のころは、だれでも好きなことを自由に書ける時期ですから、作文の勉強を特にする必要はあまり感じないと思います。しかし、このあと、小学校高学年から、中学生、高校生へと進むと、作文の勉強は小論文の勉強へと発展していきます。

 言葉の森では、大学受験生の小論文、現代文の指導につながるかたちで小学生の作文の勉強を位置づけています。小学生のときに上手な作文を書くことが目的なのではなく、大人になってからも必要な表現力と思考力を育てていくことが指導の目的です。

 国語の勉強は、学校で習う面よりも日常の生活の中で身につける面の方がずっと大きい特殊な勉強です。英語や数学は、学校や塾で勉強すればそれに応じて成績は上がりますが、国語は、生活の中で年齢に応じた読書や対話の習慣をつけていかなければ塾や学校でいくら勉強をしても、その効果は限られています。

 小学校の低学年の時期は、この学習習慣を無理なくつけることのできる最も大事な時期です。学校の勉強だけしていれば十分なこの時期に、家庭で毎日決まった勉強をする習慣をつけ、特にその中でも年齢に応じた読書の習慣をつけていくことが、その後の勉強の進み具合に大きく影響します。

 言葉の森では、毎日の自習として、1日10分程度の暗唱の自習を生徒にすすめています。よい文章を暗唱できるということは、そのまま自分が書く作文にも自然にその文章のリズムを応用していくことができるということです。現代は、知的に理解すればそれで終了というかたちの勉強が多いので、暗唱の効果ということはなかなか理解されにくいようですが、国語の学習はほかの教科の勉強とは異なり、頭で理解するだけでなく心でまるごと感じとるという要素が必要ですので、ぜひ毎日の自習に取り組んでいってくださるようお願いします。

 また、読書は低学年のうちに毎日の習慣として身につけておくものです。習慣として定着させるためには、本を読む日があったり読まない日があったりするような読み方ではなく、毎日欠かさず読むということが必要です。自分で読むことがまだ難しいうちは、お母さんやお父さんが読んで聞かせてあげてください。



作文教室と塾との両立を
 現在の受験体制のもとでは、高学年になるにつれて、塾などに通わないと学習がしにくくなるという状況があります。しかし、学習の主体はあくまでも家庭学習にあります。家庭学習での主体性がないと、塾のスケジュールに流されたり、志望校の受験とは部分的な関係しかない偏差値に左右されたりしてしまいます。

 小学生も高学年になると、塾に通う時間が増え、一時期、言葉の森との両立が困難になることがあります。しかし、両立が困難な時期は、大体数カ月で終わり、そのあとは、時間的に忙しくはなるものの、再び同じようなペースで学習を続けていけるものです。

 作文の学習は、ちょうど高学年から「説明文」「意見文」の段階に入り、思考力を要求されるようになります。この段階の学習は学校などでもあまりなされず、本格的な国語力をつける点でとても重要なものです。

 言葉の森では、曜日や時間の変更は、随時できるようになっています。また、通信指導による学習も、他の教室の通信指導と比べて、きわめて継続しやすいものになっています。高学年になり、塾の時間が増えて忙しくなった方も、曜日や時間の変更によってできるだけ両立させる工夫をしていってくださるようお願いします。ただし、塾によっては言葉の森との両立が時間的に困難になるところもあります。そのためにやむをえず退会される場合は、中学入学後のなるべく早い時期に再開されることをおすすめします。



中学生の作文学習は小論文の前段階です
 作文力、読解力のうち、意見文を書く力と論説文を読みとる力は、中学生以降に本格的にのびる分野です。小学生の間に既に意見文を書いたり読んだりする段階にまで進んでいる生徒もいますが、全体的にみて、構成の形式を身につけたり文章を要約をしたりすることが精一杯で、内容のある意見文を書ける生徒は限られています。これは、表現力、読解力に、まだ、本人の内面的な成長がともなっていないためです。

 小学6年生までに学習する生活文中心の作文と物語文中心の読書は、作文力、読解力の半分にすぎず、もう半分は、中学生以降の意見文、論説文の練習によって完成します。

 しかし、実際には、中学、高校では、作文、読書の学習はほとんどなく、あるとしても、その多くは、小学校の延長のようなかたちでおこなわれています。また、中学生の時期は、作文の学習がいちばん続けにくい時期でもあります。その理由は、(1)中学生の時期が、無邪気に出来事を書くわけにもいかず、かといって、自由に意見文を書くほどには語彙が充分ではないという過渡的な時期にあたること、(2)宿題や定期テストなど、外から拘束される勉強の時間が比較的多くなり、自主的な勉強の時間がとりにくくなること、(3)中学校自体も、作文や読書の指導をほとんどしなくなるので、学習の意義やきっかけを見つけにくくなること、などという事情があるからです。

 現在の受験体制のなかで行なわれる勉強は、人生にとって価値のある分野というよりも、点数の差がつきやすい分野に重点が置かれがちです。基礎的な知識を身につけるという点で、点数で測られるような勉強も大切ですが、生涯にわたって役立つのは、考える力、読書する力、発表する力など、点数の差のつけにくい、したがって現在の受験体制の中では、重点の置かれにくい分野です。

 しかし、最近では、大学入試でも小論文や面接が重視されてくるなど、単なる知識の量よりも、それらの知識を活用する力を評価するようになってきました。中学生での作文、読書の学習は、小学生の学習の延長としてではなく、高校生以降の小論文学習や論説文読書の先取りであるという前向きの姿勢をもって取り組んでいくことが大切です。

 中学生が、作文、読書の学習を継続していけるように、当教室では、学習の時間に弾力性をもたせています。具体的には、(1)曜日や時間の変更や振替は、いつでもできるようにしています。(2)テスト期間中の欠席は、その前後にふりかえることができるようにしています。(3)ホームページの動画によるヒントなどを充実させ、先生の説明を受けられないときでも作文を書けるようにしています。

 3月から4月にかけては、決まった時間に授業を受けることがむずかしいことも多いと思いますので、出席できるときに出席するというかたちにして、新しい生活のペースを早く作っていってくださるようお願いします。


中学生から受講料が変わります
(現行9,100円を2011年4月より8,700円に値下げ)

 小学生までの受講料は8,200円でしたが、中学生からは受講料が8,700円になります。4月の引き落とし分から受講料が変わりますので、ご了承ください。



高校生以上の保護者の皆様へ

大学受験問題を中心に学習をしていきます

高校生からも受講料は変わりません
(現行9,100円を2011年4月より8,700円に値下げ)

高校生からの受講料は、引き続き中学生と同じ8,700円です。


■■課題項目一覧表

◆表はウェブでごらんください。
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