言葉の森新聞2009年1月1週号 通算第1061号
文責 中根克明(森川林)

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■■1月5日(月)から新学期
 1月5日から新学期が始まります。1月からの教材の説明は、課題フォルダの表紙の裏側に書いてあります。
 教材の説明は、「学習の手引」にも載っています。
http://www.mori7.com/mori/gate.php


■■1月12日(月)は休み宿題
 1月12日(月)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時〜午後7時50分。電話0120-22-3987)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/index.php
 「ヒントの池」 http://www.mori7.com/mine/ike.php


■■12月の入選清書は1.2週に
 12月4週の入選清書は、1.2週に掲載します。

■■中学生以上の新項目「構成図」の書き方
【構成図という項目の入れ方】
 中学生以上のみなさんは、この1月から構成の項目として新たに「構成図」が入りました。
 これは、次のように書いてください。
・手書きで書いている人は、作文用紙の裏などを利用して構成図を書き、作文と一緒にお送りください。
・パソコンで書いている人も、作文用紙の裏などを利用して構成図を書いてください。そのあと、できるだけ「画像の泉」にスキャナなどで読み込んだ構成図をアップロードし、その画像を「作文の丘」から作文と一緒にお送りください。
(ただし、「画像の泉」の利用の仕方がわかりにくい場合は、構成図は送らなくても結構です。しかし、構成図を書いたということが担当の先生にわかるように、作文の本文の前に「構成図」と書いておいてください)
 □画像の泉
http://www.mori7.com/izumi/

【マインドマップ風構成図の意義と方法】(12.1週の言葉の森新聞の記事より抜粋)
 脳の中には、たくさんの情報があります。このたくさんの情報を、人間は短期記憶を使って考えています。
 短期記憶というのは、7つぐらいのものを覚えておく記憶です。例えば、初めて聞く電話番号は、その場でしか復唱することができません。そういう記憶が短期記憶です。記憶には、このほかにいろいろな種類がありますが、今はあまり関係ないので説明しません。
 短期記憶は短い時間しか覚えていられませんが、いくつかの記憶単位を一つのまとまりにすると覚えやすくなります。これをチャンク化と言います。例えば、√5を2.2360679と覚えるのではなく、「フジサンロクニオームナク」と覚えるようなやり方です。一つ一つの数字を覚えるのではなく、数字のグループをひとまとまりの意味をもったものとして覚える覚え方です。
 さて、人間は、7つぐらいの短期記憶という狭い筒を通して脳の中の多数の情報を見る、という形でものを考えます。だから、筒が見ているところは思考の材料になりますが、筒が通り過ぎたところやまだ見ていないところは、思考の材料になりません。短期記憶の枠からこぼれてしまうのです。
 そこで、作文を書くときに、少し文を書くと少し考える、また少し文を書くと少し考える、という書き方をするようになります。つまり、書きながら考える、又は考えながら書くという書き方をしてしまうのです。
 このために、文章を書くのは、とても時間のかかる作業になります。また、書きながら考えるので、構成がうまくまとまらない場合も出てきます。言わば、書き上げてみないと、どういう作文になるかわからないというという書き方です。
 ところが、マインドマップ風構成図は、とりあえず頭の中にある情報をすべて紙の上に並べることができます。これは、ブレーンストーミングやKJ法などの考え方と似ています。
 書き上げた材料を眺めると、それは自分の脳の中にある材料を眺めていることと同じです。全体を眺めているうちに、無駄のない構成ができてくるのです。
 したがって、マインドマップ風構成図を活用した新しい作文の書き方は、次のようになります。
 マインドマップ風構成図は思考する作業だけを分担します。作文は表現する作業だけを分担します。作文を書きながら立ち止まって考えるような書き方は、もうしません。このように思考と表現を分離することで、能率をアップすることができるのがマインドマップ風構成図の特徴です。
 更に、これは能率を上げるだけではなく、新しい「知」を創造するということにも結びついていきます。
 以上が、マインドマップ風構成図の意義です。

 次は、具体的なマインドマップ風構成図の書き方の説明です。
 まず、準備するものは、紙と鉛筆です。普通は、作文用紙の裏か表を使い、筆記用具はシャーペンなどでいいでしょう。あるいは、5ミリ方眼罫のA4ルーズリーフを使い、カラーペンで書くということでもよいと思います。カラーペンを使うと、話題が変わったところで色分けができるので、あとで読みやすいからです。
 書き方は、最初にまず、目的を明確にします。作文ですから、目的というよりも、課題と考えておくとよいと思います。
 次に、その目的に応じた方法や条件を明確にしていきます。これも作文ですから、方法というよりも、項目と考えるとよいでしょう。
 そこで、マインドマップ風構成図の最初の書き方はこうなります。
┏━━━━━━━━━━
┃1、課題
┃(1)……について
┃2、項目
┃(1)名言を入れる
┃(2)体験をもりこむ
┃……
┗━━━━━━━━━━
 このような書き方です。人に見せるためのものではないので、自分なりにポイントがわかるように書いてあればそれで十分です。
 課題と項目がはっきりしたら、その下にマインドマップ風構成図を書きます。
 書き方で大事なことは三つあります。
 第一は、思いついたことを次々と書くということです。取捨選択する必要はありません。思いついたことを書く場合、単語よりも短文の方が見やすいと思います。しかし、ひと目では読めないような長い文にはしないというのがコツです。
 第二は、考えの流れがわかるように、短文どうしを矢印や線でつなげながら書いていくということです。
 第三に、カラーペンを使っている場合は、話題の変わるところで色分けをしておくとあとで見やすくなります。
 書き方を例示すると、こういう形です。
┏━━━━━━━━━━
┃1、課題
┃(1)……について
┃2、項目
┃(1)名言を入れる
┃(2)体験をもりこむ
┃――――――――――
┃……。→……。
┃     ↓
┃……。←……。
┃ ↓   ↓
┃……。 ……。
┃……
┗━━━━━━━━━━
 このような構成図を全部書き終えたら、全体を眺めてみます。眺めているうちに、どういう順序で書くかが決まってきます。
 そして、いったん書き始めたら、もう途中で立ち止まって考えないようにします。もし、書いている途中で考えそうになったら、マインドマップ風構成図に戻ってまた書き続ける、という書き方になります。マインドマップ風構成図を書いている段階で、考えることはもうすっかり終わっているということです。

【マインドマップ風構成図の例】



【マインドマップ風構成図の効果】(12/10のホームページより抜粋)
 通学教室の中高生に書いてもらった構成図を参考に、気がついたことを五つ説明します。
 第一は、書く前に判断して関連のあることだけを書く、というやり方はしないということです。自由奔放に判断を入れずに思いついたことをどんどん書くということが大事です。
 第二は、できるだけ単語だけでは書かない、ということです。単語だけで書いたものは、考えが熟していないものですから、文章に組み込みにくくなります。これが従来のマインドマップとの違いになると思います。この違いは、日本語と英語の違いに起因しているように思います。
 第三は、逆に長すぎる文章を書かない、ということです。一目で把握しにくいものは、素材として使いにくくなります。一目で読める短い文で書いていくことが大事です。
 第四に、用紙を狭く使わないということです。A4の用紙の全画面を使うつもりで広くたくさん書いていきます。
 第五に、かっちりと形式的に書かない、ということです。線の向きも九十度でしっかり書くのではなく、斜めの線も入れて自由に書いていくことが大事です。ただし、マインドマップのようにぐねぐねと書く必要はありません。また、線の太さを変える必要もありません。更に、絵をかく必要もありません。なぜかというと、時間がかかるからです。
 しかし、これらはいずれも好みの問題ですから、ぐねぐねと線の太さを変えて絵を入れて書くのが好きな人は、そのように書いてももちろんかまいません。要するに、できるだけ制約なく自由に書くのがいいということです。

 マインドマップ風構成図の本質は、脳の中にある思考を外化(がいか)することだと思います。外化するので、材料が操作しやすくなります。
 外化する前の、脳の内側に思考の素材がある段階だと、目と手が使えません。短期記憶の狭い単眼鏡の筒を通して思考の素材を操作するような感じになります。外に出たものを目と手を使って操作することと、頭の中にあるものを記憶だけを頼りに操作することでは、能率が大きく違ってきます。
 もちろん、次の二つの場合には、マインドマップ風構成図は必要ありません。
 一つは、単純なことを書く場合です。小学生の出来事作文のような内容のものは、わざわざ構成図を書く必要はありません。書いてもマイナスではありませんが、構成図を書くことと作文の書くことの間にほとんど差がないので、ただ時間が二倍かかるだけになります。
 もう一つは、自分が熟知していることを書く場合です。なぜかというと、既に頭の中に思考の構造ができているので、構成図を書かなくても、頭の中で整理されていることをそのまま文章にすることができるからです。


■■課題フォルダの縦書き長文が左右見開きに
 1月からの課題フォルダを12月15日、16日に発送しました。
 この課題フォルダの課題の長文の中に、縦書きの長文が左から右への見開きページとなっているものがあります。
 言葉の森では、2008年10月の課題フォルダから、縦書きと横書きの文章を混在する形にしました。縦書きの長文が2ページにわたる場合は、見開きにならないように表裏のページになるようにしていました。

 しかし、1月からの課題フォルダは、読解マラソン集を自動組み込みにしたため、約4分の1の生徒に、縦書きの長文が見開きになってしまうページが出てきました。

 この形だとページを移るときに、縦書きなのに目の動きが左から右へとなります。

 通常、こういう読み方はしないので読みにくいと思いますが、これは、2枚に分かれている原稿を順に読むというように考えてください。

 つまり、2枚に分かれている原稿がたまたま左右に並んでいるという考えです。

 なぜ横書きに統一しないかというと、日本語の縦書き文化も大事にしたいからです。
 では、なぜ縦書きに統一しないかというと、現在のHTMLの水準では、ウェブ上で縦書きのページ送りができないからです。
 言葉の森では、ウェブを利用した教材によってリアルタイムな編集と共有を可能にしています。(これは紙ベースではできません)
 そのため、原則は横書きで、繰り返し読む部分は縦書きにする形で、教材を作成しています。


■■1月から自習の仕方が変わります
 2008年12月下旬に、保護者の皆様あてにお手紙をお送りしました。
 そのお手紙に記載したように、1月から自習の仕方が変わります。
 これまでは、長文音読を中心にしていましたが、1月からは長文暗唱を中心にしていきます。
 最初はわかりにくいこともあると思いますので、不明な点は、「父母の広場」又はお電話でお聞きください。
 なお、自習の仕方の変更に伴い、1月からの読解マラソン集長文は、「ルビ付き」のみを入れています。「ルビなし」をご希望の方は、ホームページよりごらんください。


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