言葉の森新聞2007年8月2週号 通算第994号
文責 中根克明(森川林)

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■■8月13日(月)〜18日(土)は休み宿題(再掲)
 予定表に書いてあるとおり、8月13日(月)〜18日(土)は休み宿題になります。
 先生からの電話はありませんが、自宅でその週の課題を書いて作文を提出してください。
 ほかの日に教室に来るか教室に電話をして、その週の説明を聞いてから書くこともできます。


■■休み宿題の日は、授業の渚・解説集を参考に(再掲)
 休み宿題のときに、電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/index.php
 「ヒントの池」 http://www.mori7.com/mine/ike.php


■■振替授業について(再掲)
 振替授業の受付時間は下記の通りです。
 (月〜金) 9時〜19時50分 
 (土)   9時〜11時50分
 振替授業の予約はできません。作文が書けるときに直接教室にお電話ください。なお、夏休み中は、混みあうことがあるため、20分くらいお待たせすることがあります。
 8月13日(月)〜18日(土)は、教室が夏休みのため、振替授業もありません。


■■夏休み中は、作文の返却が遅れることがあります(再掲)
 夏休み中は、教室が休みになる週と担当の先生が休みをとる週があるため、作文の返却が一時的に遅れる場合があります。ご了承ください。

■■言葉の森の新しいペット、3羽のウズラ
 言葉の森に、新しいペットがやってきました。3羽のウズラたちです。言葉の森のWoods(森という意味)にちなんで、というのは、あとからつけた理由です(笑)。本当は、単なる思いつきで買ってきました。
 3羽の名前は、それぞれ、ウーちゃん、ズン太朗、ランちゃんです。かなり安易な名前です。
 これまでにいたペットは、オカメインコのバノとブンチョウのサクでしたが、放し飼いにしているうちに、開けた窓から飛んでいってしまいました。外に出た経験がないので、いったん外に出ると、家に戻る方向がわからないらしいのです。
 そこで、今度はウズラを増やして、半野生状態で育てることにしました。生まれたときから外に出しておくので、どこかに遊びに行っても、たぶんすぐに戻ってくるでしょう。というふうにうまく行くかどうか。


 <<え321み>> 


■■意識と存在の接点
 量子力学の世界では、あまりに小さい世界なので、観察者の観察する行為によって、観察される対象が影響を受けてしまうということがあります。この極小の世界に、実は意識と存在の接点があるのではないかと思います。
 人間は、例えば「梅干し」という言葉を思い浮かべると、口の中に唾液が出てきます。「梅干し」という言葉(意識)と「唾液」という物質(存在)が体内のどこかで結びつく場所があるのです。それが極小の世界です。
 言葉の研究を進めるために、その極小の世界を実験で作ってみようと思いました。PHPという言語で、百万分の1秒(1マイクロ秒)の時刻を取得することができます。しかし、量子の世界は、もっと小さい単位です。そこで、1マイクロ秒で取得した波動情報を、他の1マイクロ秒で取得した波動情報と重ねあわせることにしました。二つの格子を重ね合わせると、その差が小さければ小さいほど、濃淡の差の波長は大きくなります。その濃淡の差を求めようという実験です。夏休みの自由研究になりそうです。


■■あとから伸びる子の勉強法
 小学校の低中学年のころは普通の成績なのに、学年が上がるにつれてどんどん成績の上がってくる子がいます。その秘密は、考える力にあります。
 小学校低中学年のころの成績は、勉強をすればすぐに上がります。すぐに上がるようなものは、ほかの子も勉強を始めれば、その差がなくなってきます。
 「頭の回転が50倍速くなる脳の作り方」(苫米地英人著)の中に、著者のアメリカ友人の話が出てきます。その友人は、子供に受験勉強のようなことをさせずに、その子をハーバード大学とスタンフォード大学という二つの名門大学に合格させました。その方法は、子供が小さいころから、世の中の仕組みを説明させたのだそうです。例えば、車が信号で止まると、「何で車は信号で止まらなきゃならないんですか」というような質問をして、その子に説明をさせるのです。
 つまり、こういう説明をさせることによって、子供に物事を抽象的に考える力をつけさせたということです。
 学年が上がるにつれて成績の上がる子の特徴は、低中学年のころによく本を読んでいるということです。本を読む時間が長いために、勉強をする時間はあまり長くとれません。従って、低中学年のころの成績は普通です。しかし、読書によって考える力が育っているので、学年が上がり勉強が難しくなるにつれて、どんどん成績が上がってくるのです。
 また、両親とよく対話をしている子も、学年が上がるにつれて成績が上がってきます。これも、同じ理由で、対話によって考える力が育つからです。
 では、もうその時期を過ぎてしまった子は、手遅れなのでしょうか。そうではありません。読書は、どの年齢になっても有効です。しかし、読書の質は、年齢が上がるにつれて難しいものにしていく必要があります。

 <<え2005/155jみ>>


■■「待つ」ことの大切さ……みなさんは、待てますか?(ほたる/ほた先生)
 私は、10年ほど前までは東京に2年くらいと、横浜にも3年くらい住んでいました。それから今の長野県に引っ越したわけですが、今でも時々、主人の実家がある横浜に行きます。そして東京にも遊びに行くわけですが、田舎暮らしに慣れた私は、ある時電車やバスの待ち時間がとても退屈なことに気づいたのです。

 とはいえ、都会の電車やバスの待ち時間なんて、田舎に比べたらすごく短いのです。だって、こちらの電車もバスも、1時間に1本(!)しかありませんから。たった数分で次の電車が来るのに、なぜそれを待っているのが嫌なのか。……答えは、田舎では、車を利用することにありました。家のドアを出て、数歩歩いて車に乗る。渋滞はまずないし、そのままスムーズに走り続け、目的地の駐車場に入れ、そこからまた数歩で建物に入る。待ち時間は、途中の信号の分しかありません。信号自体もあまりないし、赤に引っかかったらちょっといらついたりします(笑)。

 都会にいる時は、家と職場も遠かったし、待って、歩いて、また待って、歩いて、……そのくり返しだったのに。久々に都会に行くと、それがとてもおっくうになっているのでした。

 ところで、その都会の電車に乗ると、車内で携帯のメールをしている人をよく見かけます。子供はというと、そしてたまにはおとなも、携帯ゲーム。今では田舎でも、たとえばレストランで食べ物が出てくるのを待っている間、子供や若者たちはゲームやメールをしているのです。その間、家族で、あるいは何人かでテーブルを囲んでいても、会話はありません。知り合いの車には、後部座席にもナビの画面がついています。「長いドライブの時、DVDを見せてると、退屈しなくて助かるのよ〜」と、若いお母さんは言っていました。私はびっくりしました。目的地まで、景色も見ないで、子供達はただ運ばれていくのでしょうか。

 私はこれは、世の中の人みんなが「待てない病」にかかっているのだと思います。昔は手紙だったから、返事を何日も待ったのに、今はメールで即返事。ぼーっとした時間があると退屈だから、すぐにゲーム。ちょっとでも待たされると、いらつく。(話題の食べ物屋さんに何時間も行列している人たちは別ですが。)この「待てない病」が加速していくと、いったいどうなっていくのか、なんだかちょっと恐ろしい気がします。

 環境問題のバイブル、『沈黙の春』の著者であるレイチェル・カーソンさんは、少女時代、ヘビの脱皮を2時間くらいながめていたそうです。また、高名な評論家である吉本隆明さんは、娘である吉本ばななさんの育て方について聞かれた時、「特別なことはしていないが、何かに夢中になっている時は絶対に中断させなかった。」と言っていました。これは「ご飯よ!」「早くお風呂に入ってしまって!」「早く宿題しなさい!」と、「早く」「早く」を連発しがちな私たち親にとっても、耳の痛い話です。「どれくらい待てるか。」難しいですね。

<<え2884み>>


■■鈍感力(しまりす/きらら先生)
 「あなたは鈍感(どんかん)な人だねえ・・・。」
 だれかにこう言われたら、どう思いますか? 「なんて失礼なことを言うんだ」と怒る人もいるでしょう。「うう。その通りだけど、そんなふうに言わなくてもいいじゃないか・・・」と落ち込む場合もあるでしょうね。誰だって、いやな気分になることはまちがいありません。
 ところが、考え方を変えると、こうなります。
 AさんとBさんのうでに蚊(か)がとまりました。Aさんはすぐに気づき、パシンとはたきましたが、かゆくてかいているとだんだん赤くはれてきて、よけいにかゆみがひどくなってしまいました。一方Bさんはというと、蚊を追い払いはしましたがその後はたいしてかゆくもなさそうです。さて、この二人のうち、肌(はだ)が鈍感なのはどちらでしょう。もちろんBさんですね。つまり、Bさんは肌が鈍感だったために、かゆくてつらい思いをしないですんだのです。鈍感というのも意外と悪いことばかりではなさそうだ、ということになります。
 最近、『鈍感力』(渡辺淳一 著)という本を読みました。上の話も、そこに書いてあったことです。怒られても怒られても気にせず後に成功した人と、ちょっと怒られただけでくよくよと気にして前に進めない人。一度の失敗でもうだめだと落ち込む人と、まあ何とかなるさ自分は大丈夫と考えてあまり気にしない人。この本を読むと、鈍感なことも悪くない、いや鈍感な方がずっといいという気になってきます。
 ここまでくると書きやすいので打ち明けてしまいますが、この私、かなり鈍感だと思います。いつも家族からは「ほんとににぶいんだから・・・」と言われていました。その上にのろまなので(涙)、親は心配だったのでしょう。私自身は、そんなに気にしてもいませんでしたが(ね、鈍感でしょう? )、それが自分の短所なのかなあ・・・とは思っていました。けれど、この本を読んで、「私はこれでよかったんだ! 」とうれしくなりました。小学校のときにクラスでからかわれて(帰国子女だったので変わっていると思われたようです)、帰ってから「今日はこんなこと言われちゃったよ! 」と楽しそうに親に報告していたのも、大人になってからも複雑な人間関係の中でのほほんと過ごしてきているのも、みんな「鈍感力」のおかげだ、と気づいたのです。
 もちろん、人の気持ちがわからない「鈍感」はよくないし、芸術家などは「鈍感」ではやっていけません。自分が強くなれる「鈍感力」を、これからも大切にしていきたいと思っています。
 「そうよ、私は鈍感です! 」と胸をはって言いましょう。



                         <<え2004/23jみ>>


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 「言葉のパワー」は、中学受験のメルマガの記事からの引用の部分が多く、独自の記事として掲載するのは不適切であると思われるため削除いたしました。
http://www.mekimeki.net/mailmag1-6.html#231


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