言葉の森新聞2007年7月1週号 通算第989号
文責 中根克明(森川林)

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■■7月2日(月)から新学期
 7月2日(月)から新学期が始まります。7月からの教材の説明は、教材に同封してあります。
 教材は6月28日ごろまでに届いているはずですが、万一まだ届いていないという場合はご連絡ください。
 教材の説明は、「学習の手引」にも載っています。
http://www.mori7.com/mori/gate.php


■■通信生の項目・住所シールの使い方
 通信の生徒には、7.1週の山のたよりに項目・住所シールが同封されています。前学期より、項目シールと住所シールは1枚になっています。
 項目シールには、週ごとに●印の項目が印刷されています。作文を書いたあと、項目のできたところにを貼っておきましょう。(清書のときには、項目シールは貼りません。)
 先生の住所シールは、3枚に分かれているので、その3枚をまとめて封筒用紙に貼ってください。



■■長文集の縦書きはホームページに
 長文集の縦書きが必要な方はホームページから印刷してください。「課題の岩」の▲というところをクリックすると、縦書きの長文が表示されます。(ただし、インターネットエクスプローラ6以上でないと正しく表示されません)
http://www.mori7.com/mine/iwa.php


■■4月〜6月の賞状を同封
 6月1週の進級試験で、字数が規定以上、構成・題材・表現・主題の4項目のうち3項目が◎で1項目が○以上、の人には認定証を同封しています。字数賞・自習賞・作文賞・皆勤賞は、金賞10クラウン、銀賞5クラウン、銅賞1クラウン、賞外0クラウンです。認定証は10クラウンです。
 金賞は点数の上位10%、銀賞は10〜20%、銅賞は20〜80%。それ以外は賞外です。
 それぞれの賞で点数がなかった人や、6月1週に在籍していなかった人には、賞状は入っていません。


■■【再掲】携帯への電話料金1回250円
 携帯電話への電話指導は、これまで原則としてできないことにしていました。しかし、携帯電話が普及している現状を考えて、7月から携帯への電話指導は1回250円の有料ということにしました。これは、翌月の受講料に加算されるかたちで引き落とされます。(2007年7月から実施)

■■【再掲】講師指定の振替授業1回250円に
 講師と直接相談をして、その講師に授業の振替を依頼する場合、1回250円の有料となります。これは、翌月の受講料に加算されるかたちで引き落とされます。(2007年7月から実施)
 これまでどおり、生徒から事務局にお電話をいただき、講師を指定しないかたちで振替授業を受ける場合は無料です。
(詳細については、言葉の森新聞2007年6月4週号をご覧ください。)


■■言葉の森と同じ教材
 言葉の森の教材がある団体で、そのままその団体の副教材のようなかたちで使われていたそうです。
 同じような例で、国語の勉強法が書いてあるホームページの内容が、言葉の森のページの内容とほとんど同じだったことがあります。
 もちろん、両方のケースとも、それらの団体から言葉の森の方には何の連絡もありません。ただ黙ってこちらの作った内容をそのまま利用しているだけです。

 しかし、この件について、私(森川林)は次のように考えています。
 第一に、よいものはいくら制限をしたり隠したりしていても、自然に広がっていきます。それをとどめようとすれば、いろいろ不自然な無理をしなければなりません。そういう無理をするよりも、割り切って、よいものは多くの人が利用できればよいというふうに考えたいと思います。こちらがオリジナルに作った教材やノウハウであっても、それを利用したい人がいれば、利用してかまわないということです。その分、こちらは更にオリジナルなものを作っていけばいいだけです。
 第二に、教材やノウハウがたとえ表面的に同じであっても、本当に大事なのはそれを実際に活用するところです。活用というのは、たとえば長文を読んだり、毎週作文を書いたりすることです。教材は真似できても、そのような実践の部分は真似ができません。ですから、教材の本当の価値は、その活用の部分にあると思います。

 以上、他の団体が言葉の森の教材を無断でそのまま使うことは、無断という点で信義上の問題はあると思いますが、基本的には何も気にしていません。
 これからも、もっといい教材を作り、よりよく活用できるようにしたいと思っています。


■■10歳の夢(うるっち/かん先生)
 10歳の私がいちばん欲しかったもの……それは60色のクーピーセットです。その当時使っていたものは12色。あらゆる手を尽くしておねだりし、やっと母に買ってもらったのは24色のクーピーでした。60色の足元にも及ばないものですが、それでも嬉しくてたまらず、何度も手に取り眺めてはうっとりする日々が続きました。大人になった今でも、画材売り場で色とりどりの色鉛筆や絵の具を目にすると心が華やいできます。

 実家の古い本棚には伯母の若い頃の蔵書が収められていました。その中の一冊であるパウルクレーという画家の画集を眺めることが楽しかったのも確かこの頃。クレーだけでなく、モディリアニなど他の画家の画集もあったのですが、決まって手にとるのはクレーでした。色彩の魔術師と言われる彼の作品。当時の私の興味は、やはり色に向いていたのだと思います。とりわけお気に入りだったのが「茂みの中の小さな木」という絵で、その絵を真似て画用紙に色を重ねたことは数え切れないほどです。

 クレーの画集の持ち主であった伯母ですが、私はこの伯母が大好きでした。文章に携わる仕事をしている彼女を憧れのまなざしで見ていたのもこの頃です。
「マスコミ文章の書き方っていうのを教えてるのよ。」
そう語る彼女の言葉に、マスコミが何かも知らないくせに妙に興奮した記憶があります。

 そんな子どもだった小学生時代の私。一番好きな科目は図工、そして、二番目に好きな科目が国語でした。好きこそものの上手なれのことわざどおり、写生や版画、デザイン画など、よく美術展に入選したものです。

 しかし、そんな私に現実的で口の悪い父は悪気もなくこんな暴言を吐くわけです。
「うちは美術なんて家系じゃねえんだ。そんなのに熱をあげたって百もしねえぞ。」
そのうち私も確かにそうかもしれないと思うようになり、いつしか熱心に絵を描くこともなくなりました。

 そんな思い出話を披露したりして、いったい何が言いたいの? そう思われてしまうかもしれませんが、ちょっとした種明かしがあるのです。先日のこと、興味深い話を読みました。10歳のころに思い描く夢こそがその人が持って生まれた能力、すなわち特性、特質をいちばん輝かせるものと一致するそうなのです。なぜ10歳なのでしょう? 10歳という年齢は、生まれたままの純粋さを持ちながらも自分なりの志向が明確になってくる時期なのだそうです。これ以上成長してしまうと周囲の反応や常識を考慮したり失敗を恐れるようになります。そうなると無意識に自分の夢を否定し、素直に表現できなくなるのです。

 保護者のみなさんは10歳のときにどんな夢を抱いていらっしゃったのでしょう? 思い出すことができるでしょうか? 夢イコール将来就きたい職業というのが一般的だと思いますが、具体的な職業を思い描けなくても大丈夫。興味を持っているもの、好きなものなどが把握できれば充分です。かくいう私も具体的な夢を思い描けなかった一人です。さて、現在の自分の中に10歳の夢の片鱗は残っているでしょうか?

 いくつかの職業を経験し、現在はみなさんに作文を教えるという仕事をしている私。10歳のときに興味があった色と文、その片方を仕事にしたといえます。とても幸運なことだと感じています。もうひとつの色ですが、その後も色に対する興味は薄れず、ふと立ち寄った書店で色についての本を手にしたことも一度や二度ではありません。しかしいずれもちょっとした邪魔が入り思うように勉強するには至りませんでした。ところが、やっと時機が到来したのでしょうか、色に関する勉強をしようと思い立ち、5月のはじめにある講座の受講を申し込みました。父に打ち明けたらまた一笑に付されてしまいそうです。
「そんな金があるならてめえの子どもに使ってやれってんだ。」
という暴言も一緒に飛んで来るに違いありません。それはともかく、10歳のころの夢はやはり、何らかの形で人の生涯に影響を与えるものなのでしょう。

 私の担当している生徒さんは10歳に満たない子も多く、これからどんな夢を抱くのかが楽しみです。また、10歳を過ぎている子には、当時の夢や興味のあったものを覚えておいて欲しいと思います。今のご時世、勉強に役立つことしか認めたくないという親心も理解できます。しかし、興味のあることや好きなことを認め存分にやらせてあげることが何よりも子どものためになるような気がします。父のひとことを決して恨んではいませんが、わが子が10歳になったとき、彼らの夢を後押ししてあげられる親でありたいと思います。


   パウルクレーの絵。カラー印刷でないのが残念です。


■■作文の道具(みのり/まこ先生)
 いいものを作るには、アイデアとテクニックの両方がいるそうです。これは作文も同じです。
 アイデアとは、書く中身のこと。何を書こうかと頭の中でもやもやとしているもので、テクニックは、もやもやを文章という見える形にする方法のことです。どちらも欠かせない大事なものです。アイデアとテクニックの両方に関わってくるもので、忘れてはならないものが道具です。
 作文の道具って何だと思いますか? 鉛筆と紙? 確かにそれも必要だけど、一番大切なのは、ことばです。ことばは、材料にもなるけれど、実は作文には欠かせない道具ともいえるものです。
 ことばをたくさん知っていなければ、いい作文は書けないと思っている人、いませんか? これは、ハズレです。言葉の森のみなさんは、はじめからいい作文を書くだけのことばを十分持っています。むしろ、今持っていることばをとことん使いこなしてほしいと思います。どんどん新しい道具を手に入れることも楽しいし、大切だけれど、せっかく知っていることばを使い捨てにするのはもったいない。
 ことばの使いこなし術を紹介してみましょう。
 一つ目は、気に入ったことばをとことん使うこと。マイブームのことば、ありませんか? 気がつけば口癖のように連発していることば、ないですか? 流行の話しことばは、作文では使いにくいけれど、うまくアレンジすればおもしろいものもたくさんありそうです。作文の結びをいつも同じ決まり文句にしている人がいました。もちろん「楽しかったです」というだれでも書きそうなことばだと印象に残らない。自分だけのことばのパターンができるとすてき。気に入るということは、使いやすい、便利、自分にぴったりくる、おもしろいというような、何かいいところがあるものです。あきあきして嫌になるぐらい、いろいろな場面で使ってみるといいね。
 二つ目は、まったく反対の方法です。作文の中で同じことばを二回以上使わないようにする。「楽しい」ことがいっぱいあっても、「楽しかった」は一度しか使わない。ほかの楽しかったことは、別の知っていることばで書いてみる。「うれしい」「わくわくした」「にこにこした」「ジャンプした」「鼻歌をうたっていた」「スキップした」というように、違うことばであらわしてみましょう。連想ゲームといっしょです。読む人に「楽しかったんだなあ」とか、「楽しそう」と思わせるようなことばを考えるのね。ほら、いろいろありそうでしょう? これは、かなり良いことばのトレーニングになります。ぜひ、試してみてください。それでも知っていることばを全部使い切ってしまうことはないと思います。
 みなさんには、想像以上にことばの貯金がたくさんあります。もっとどんどん引き出して使ってください。ムダ遣いすればするほど、作文はおもしろくなってきます。
                              <<え722み>>


■■ほたるの時期になりました(あこ/やよい先生)
 ほたるが見られる時期が今年もやってきました。みなさんはほたるを見たことがありますか? ほたるは清流にしかいません。絹糸をつくる蚕(かいこ)という虫がいますが、このかいこは桑の葉しか食べないそうです。それと同じように、ほたるは幼虫時代に「かわにな」という虫しか食べないのです。この「かわにな」が清流にしかいないため、ほたるも清流に生息しているのです。
 日本人は、ずっと昔からほたるの美しい輝きに心をよせてきました。平安時代には、人の魂が抜け出て美しく飛び交っているのだと考えていたようです。ほたるが成虫になって飛び回ることのできる期間はたったの十日間です。この短い期間に「虫が光る」というこの単純な行いを人間は魂に結び付けて考えていたのです。水の音に涼しさを感じたり、料理を目で楽しむといった、直接的な感覚以外のものに思いを馳せることができるのは、人間のすばらしい点の一つだと思いませんか? 
<<え2004/655jみ>>

 みなさんの作文を読んでいて感じることがあります。それは、作文を毎週書いているうちに、そういったつかみどころのない感情が多く表現されるようになっているということです。はじめは、「おいしかった」「楽しかった」というわかりやすい気持ちが書かれていた作文に、「おいしく感じられることの幸せ」や「楽しみを自分で見つける喜び」など、複雑な感情が表されるようになってきました。
 この思いを言葉にすること自体、かなりたいへんな作業なのですが、言葉を選んで気持ちにぴったりの表現を工夫することで、みなさんの言葉は確実に豊かになっています。それと同時に、心も豊かになっていると先生は感じています。この変化は、どの生徒にも必ずあらわれています。国語が苦手な人、得意な人、それぞれに抱えている思いはあると思いますが、みなさんの作文はみるみる豊かになっています。「作文が上手になった」と実感するのは難しいことです。けれど、時間のあるときに昔書いた自分の作文を読み返してみてください。変わっていく自分を感じることができるかもしれませんよ☆
<<え2006/254み>>


■■今週の一笑「授業の渚」
 授業の渚を放映するようになってから、通学教室の授業風景もかなり変わってきました。
 先生が説明をする前に、みんなそれぞれパソコンに向かって授業の渚を開き、その週の授業を見ています。
 音声があちこちから流れると騒がしいので、パソコンにつけた電話機でそれぞれに授業を聞くようにしています。
 中には、まちがえて隣の席のパソコンについている電話機を耳にあてて、「先生、聞こえないよ」と言う子も。
 また、先生がドジったNGの部分だけを何度も繰り返し見て笑っている子も。
 更に、授業の渚を見ないで、youtubeを見ている子も。(これは高校生)
 そんなふうに楽しく勉強をしてくつろぐせいか、教室から帰るときのあいさつが、
「行ってきまーす」


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