言葉の森新聞2005年1月4週号 通算第872号
文責 中根克明(森川林)

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■■1.4週は清書
 毎月第4週は清書です。担当の先生の説明を参考にして、返却された作文の中から自分でいちばんよいと思うものを選び、作文用紙に清書してください。(一度清書したものは、清書しないように注意してください。また、ほかの人の作文を写して清書にすることのないようにしてください)
 なお、今月から、清書提出の際の注意事項が何点が変わっていますので、注意事項をよく読んで提出してください。

 清書は、次の月の4週の「山のたより」に掲載されます。
 清書の意義は、次のとおりです。
(1)これまでに書いた作品をよりよいものに仕上げること(小学生の場合は字数を増やす、表現を更に工夫するなど、中学生以上の場合は字数を短くまとめるなど)
(2)他の生徒の清書を読む機会を持つこと(自分の清書を他の生徒に読んでもらう機会を持つこと)
(3)新聞社に投稿する機会を作ること
 このほかに、(4)パソコンで入力する練習をする、(5)他の生徒の前月の清書に対して感想を書く、などに取り組むこともできます。
【注意事項】
●清書は、黒いペンで書いてください。
(鉛筆だと薄すぎたり、濃すぎたりして、うまく読み取れない場合があります)
●左上に、バーコードシールをはってください。
●バーコードシールは、その月のものを、ページ順に、まっすぐにはってください。
●絵や感想だけの用紙にも、バーコードシールをはってください。
●1枚の用紙の裏表を同時に使わないでください。
●独自の用紙を使う場合は、作文用紙と同じサイズにコピーを取り直してください。
(バーコードシールのないものや間違ってはられているものは、印刷日程の関係で翌々月のプリントになりますのでご了承ください)

 新しく教室に入ったばかりの人は、返却されている作文がない場合もあります。また、返却されている作文の中に清書するものがない場合もあります。そのときは、自由な題名で作文を書いて送ってください。
 清書は、2〜5人のグループ(広場のグループ)ごとにプリントして、翌月の4週に、「山のたより」と一緒にお渡しします。この清書は、インターネットの山のたよりでも見ることができます。
 用紙の空いているところには、絵などを書いて楽しい清書にしてください。色はプリントには出ません。
 感想文を清書する場合は、最初の「三文抜き書き」や「要約」はカットするか、簡単な説明に変えておく方が作品としてまとまりがよくなります。
 中学生以上の人が清書を新聞社に送る際の字数の目安は、500字程度です。長すぎる場合は、新聞社の方でカットされて掲載されることがあります。字数を縮めるときは、いろいろなところを少しずつ縮めるのではなく、段落単位でまとめて削るようにしていきましょう。第一段落の要約と第三段落の社会実例は削除し、名言や書き出しの結びなどの表現の工夫も削除し、第二段落の体験実例と第四段落の意見だけでまとめるようにするといいと思います。
 清書は、ホームページから送ることもできます。作文をホームページから送るときと同じように送ってください。

 よく書けた清書は、自分で新聞などに投稿してください。二重投稿になる可能性があるので、教室の方からの投稿はしません。(港南台の通学生徒の場合は、教室から投稿します)
 手書きで清書を書いている人は、その清書をコピーして、原本を投稿用に、コピーを提出用にしてください。
 パソコンで清書を送信している人は、その清書をワードなどにコピーして投稿用にしてください。
 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(ペンネームで書いている場合は本名に訂正しておいてください)
(2)学年
(3)自宅の住所
(4)自宅の電話番号
(5)学校名とふりがな
(6)学校所在地(町村名までで可)
●朝日小学生新聞の住所
104−8433 東京都中央区築地3−5−4 朝日小学生新聞 「ぼくとわたしの作品」係 御中
●毎日小学生新聞の住所
100−8051 東京都千代田区一ツ橋1−1 毎日小学生新聞 さくひん係 御中


■■受験作文小論文の予想問題のおさらい
 受験で作文小論文のある人は、次のような身近テーマで何を書くかもう一度考えておきましょう。
 考え方は、これまでに書いた作文の中でよく書けた実例を使います。頭の中で、「最初にあの実例Aを書いて、次にあの実例Bを書いて、結びの意見(反対理解や一般化)はこう書いておこう」と考えます。
●身近なテーマ
「私の夢」「私の趣味」「私の宝物」「私の友達」「私の長所短所」「私の家族」「小(中・高)学校時代の思い出」「志望理由」「感動したこと」

 また、次のような時事的なテーマについてその内容をインターネットなどで調べておきましょう。
●時事的なテーマ
「食の安全」「生態系の多様性」「ボランティア活動の義務化」「ワークシェアリング」「デジタルデバイド」「外来語の言い換え」「グローバリズム」「外国人労働者」「癒し系ロボット」「フェイスマーク」「ヒトゲノム計画」「遺伝子組み換え食品」「リサイクル社会」「コピー文化」「イラク戦争」「輸入昆虫」「バイオテクノロジー」「ごみ問題」「グローバリズム」「民族紛争」「IT革命」「高齢化社会」「少子化」「地球温暖化」「環境問題」「年金制度の不安」「EUの拡大」「史上最多メダルのオリンピック」「市町村合併」「火星探査と水存在の証拠」「プロ野球新規参入」「韓国ドラマブーム」「自衛隊と憲法改正」


■■受験作文小論文、最後の決め手、自作名言
 受験で作文小論文を書く人は、結びに自作名言を入れる練習をしていきましょう。
 これは、小学生の場合は子供の力ではなかなかできないので、お父さんやお母さんが手助けをしてあげてください。教室で先生が指導してしまうと、複数の生徒が同じ表現を使う可能性が出てくるので、教室では大きな方向だけを説明します。
 自作名言とは、「○○とはAでなく、Bである。」という形の文です。Aの部分は世間の常識、Bの部分は逆説の真理という位置づけになります。
 例えば、「私の家族」という題名の作文でしたら、主題となる家族という言葉について、「家族とは、子供たちを社会の荒波から守る場所ではなく、子供たちがその中で社会の荒波に備えて練習をする場である。」というような名言が作れます。
 「戦争」という題名でしたら、「戦争は、問題を解決する手段ではなく、問題の解決を遅らせる原因になっている。」というような自作名言が作れます。
 「自然」でしたら、「自然とは、保護するものではなく、人間がその中で暮らす家なのである。」というような自作名言が作れます。
 こういう自作名言を、これまでに書いた作文のそれぞれについて、結びの5行に入れられるようにしておきましょう。その名言を全部覚え、1.3週の言葉の森新聞で説明した二つの体験実例をいつでも書けるようにして、試験に臨みましょう。
 これまでの経験では、作文の結びの5行に名言が一つ入ると、印象点が2割近くアップします。ボーダーラインに並んだ場合は、名言の有無が決定的な役割を果たします。
 作った自作名言が効果的なものかどうかわかりにくいという場合は、教室までお電話でご相談ください。(0120-22-3987午前9:00〜午後8:00)


■■受験の心構え
(1)これまでの作文をファイルしておきましょう。
(2)上手に書けていると思ったところに赤ペンで線を引いておきましょう。
(3)線を引いたところを何度も繰り返し読んで、覚えましょう。
(4)これまでに書いた作文の中で、自分らしい体験実例が書かれているところを二つ選び、その実例をいつでも書けるようにしておきましょう。
(5)試験の始まる直前まで、作文のファイルを読みましょう。
(6)課題が出されたら、頭の中にあるこれまでのいい実例、いい表現であてはまりそうなものを思い出して、問題用紙の横などにメモしましょう。
(7)全体の構成は、第一段落「説明と意見」、第二段落「理由・方法・実例」、第三段落「理由2・方法2・実例2」、第四段落「第一段落と同じ意見」という形を基本にしましょう。それぞれの段落の長さは150字ぐらいが目安です。
(8)構成メモを考えたら、字数配分で8割ぐらいまでのところは、できるだけ速く書き、最後の2割はじっくり書くようにしましょう。
(9)結びの第四段落には、できるだけ「確かに……」という言葉で反対意見に対する理解を入れましょう。
(10)書き出しと結びの意見は必ず対応させましょう。
(11)課題文の中にあるキーワードは、できるだけ結びの5行の中に入れましょう。
(12)習った漢字は全部使いましょう。書こうとする漢字に自信がないときは、別の表現の仕方を考えましょう。


■■父母の広場より

いろいろなジャンルの作品に(小3父母)
 音読の伝記(アインシュタインやノーベル)、楽しく取り組んでおります。女の子のためか、ナイチンゲールには手がのびても、アインシュタインや野口秀世などは表紙の顔の絵だけで引いてしまっていましたので、今回、教材に取り上げていただき、ありがたく思います。これからもいろいろなジャンルの作品と出会えると思うと楽しみです。

読む教材の充実を(教室より)
 言葉の森のこれからの課題は、読む教材の充実です。
 読む勉強というと、まず読書が考えられますが、それはこれまでの歴史で書物というスタイルが読む媒体の主流であったからです。今後、インターネットの広がりによって、書物以外の媒体が増えてきます。
 例えば今、インターネットの普及によって、新聞の部数は年々低下しています。また、携帯電話の普及によって腕時計の需要も年々減少しています。若い人の中には、読む活字の量で言えば、本や新聞よりもインターネットやメールからの方が多いという人もいるのではないかと思います。
 こういう時代にあって、読む勉強も、形を変える必要があります。
 これまで、読書は、個人の趣味の分野に含まれていました。それが結果的に読む力をつけるという勉強的な面も担っていました。この趣味と勉強の両方を役割がはっきり区別されていないところに、今日の読書教育が混乱している原因があります。
 これからの時代は、読むことを、趣味の読書とは独立させて、勉強の中に位置づけていく必要があります。そのスタイルの一つが長文集です。
 ただし、読むことだけを目的とした読む勉強は、読み手の意欲を引き出しません。読む教材の面白さは大切ですが、教材の面白さだけに依拠した教材作りには限界があります。世の中には全然面白くない文章で、価値あるものもあるからです。(例えばヘーゲルの大論理学)
 また、国語の読解問題のように、読み取った内容を表面的に検査するようなやり方にも限界があります。読解問題は、問題と解答のつじつまを合わせるために、厳密に作れば作るほど浅い内容になるからです。また、問題のレベルを難しくしようとすれば、問題文として悪文を選ばなければなりません。読み手が選択に迷うような文章は、一言で言えば下手な文章です。国語の勉強が高度になればなるほど表現力が低下するのは、このような事情があるからです。
 趣味の読書や読解問題とは異なる第三の道は、読む勉強を作文の勉強の中に位置づけることです。
 言葉の森の作文課題の項目の中には、ことわざの引用、名言の引用、昔話実例、伝記実例など、自分の知っている他の知識から引用してくるものがあります。これらの項目を広げて、短文の引用や長文実例に発展させていくことが今後の方向です。
 読む勉強を作文の中に位置づけることは、読む勉強を人生の中に位置づけるための準備です。
 人間が何のために読むかと言えば、人生を豊かにするためです。読書が自分の人生を豊かにすると実感している人は、何歳になっても読み続けます。ところが、現在のように読書以外のさまざまな娯楽がある時代には、読書の面白さを発見する前にUターンしてしまう人が多いのです。
 長文集のような手軽な読む勉強から読むきっかけを作っていきたいと思います。


郵送物について (小6父母)
 紙などもったいないので、作文用紙などは必要最小限送ってくださればOKです。必要なときにこちらから連絡いたします。郵便も兄弟2人分まとめてくださって結構です。また、郵送でなく、ファックスが利用できればと存じます。

トータルなコストを考えたシステムで(教室より)
 貴重なご提案ありがとうございます。
 作文用紙は学期ごとに全員同じ枚数を送っています。不足しないように多めに送っているため、用紙が余る人も出てきます。
 しかし、一括発送をやめて、必要なときにそのつど送る形にすると、現状ではそのための受付や発送作業でトータルの事務コストが増えてしまうと思われます。また、兄弟まとめてという形も、人間が手作業でやると現状ではかえって事務コストが増えてしまいます。
 根本的な解決は、インターネットを利用して作文を送っていただくことで、その場合には、作文用紙そのものを送らない形にできます。(毎学期のアンケート用紙に記入欄があります)
 今後、機械化が進み作文用紙の枚数などを個人別に振り分けるシステムが可能になったときに再度検討していきたいと思います。

 ファクスについては、これまで、次のようなトラブルがありました。(1)送り先の電話番号を間違える、(2)紙が重なったり飛んだり裏になったりして送られてくる、(3)鉛筆なので文字が読めないときがある。
 トラブルの件数自体は少なくても、このことによる連絡や再送信があると、やはり事務コストの方が高くなってしまいます。
 これも、根本的な解決は、郵便やファクスのようなアナログ的な手段に頼らないインターネット通信になります。
 現在、海外で受講している生徒にはファクス送信の方法を採用していますが、国内の生徒に関しては、郵送かインターネットということでやっていきたいと思います。


■■「似た話」について(こじろう/かにも先生)
 言葉の森の作文では、
第1段落 説明(感想文では要約)
第2段落 似た話
第3段落 似た話
第4段落 わかったこと をかきます。

 「起承転結」「序論・本論・結論」という構成と同じ意味なのですが、イメージしやすいという点で、「似た話」という名前はとっても優れています。

 「似た話」とは、「具体例や体験と、その考察」のことなのですが、このように考えようとすると、「テーマとずれた例を書いたら、笑われるかな?」と、脳細胞が緊張してしまって、なかなかよい例が浮かびません。

 ところが、「似た話」ならば、ぴったりの例でなくても、思い浮かぶままに書くことが出来ます。条件は「似ていればよい」ので、テーマとぴったりあっていなくても、ちょっとずれていても、「まあ、いいかぁ」と思って書くことができるのです。また自分が思い浮かべた「似た話」については、意見も自然と浮かびます。だから、「意見・考察」なんて考えなくても、「似た話」説明の中に自然と書けてしまっているのです。つまり、「似た話」はおもいうかべやすく、かんがえやすいのです。だから、思いうかんだ話は、みんな「マル◎」なのです。

 そう考えてみると、「似た話」は、作文を簡単にする魔法の言葉ですね。わたしも、予備校などで小論文の指導の際に、「似た話を書きなさい。似た話でいいのよ。」といっています。「テーマをふまえた具体例・考察」なんていったら、「白い悪魔」とよばれる白紙の答案ばかりになってしまいます。「似た話」ならば、書いてくれるので、「この似た話は、このようになおそうね。」と指導できるのです。「似た話」を思いうかべることが考えることなのですから、たのしいですね。電話指導でも、わたしもみんなに負けないぐらい考えてきますから、楽しみながら、いっしょに思い浮かべてみましょうね。



                      <<え3620み>>


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