言葉の森新聞2003年11月3週号
文責 中根克明(森川林)

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■■11.4週に電話面談を予定
 11.4週の清書の週に、電話面談を行う予定です。
 これまでのお子様の勉強の様子や今後の勉強の進め方などを説明いたします。
 このため、11.4週は、清書の説明は簡単に済ませ、面談を中心にお話ししますので、よろしくお願いいたします。
・清書の説明などで時間がかかる場合は、面談は別の日にすることがあります。
・電話の時間帯に保護者がご不在の場合は、面談は別の日にいたします。(したがって、電話面談のために時間を空けてお待ちいただく必要はありません)
・講師の方でお電話の時間がとれない場合、お手紙などで代替させていただくことがあります。
・電話の時間は10分以内ですのでご協力ください。時間が短いために充分にお話できない部分は、後日教室から補足のお電話をいたします。
 港南台教室の生徒は別途連絡します。
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■■質問から

なかなか提出できない 中3父母(父母の広場)
 娘は「書けないから。」と何も考えていない素振りで、親の方がいらいらしています。中3ですが、中高一貫校なので、大学受験のことが早くも話題となり、進路指導が行われています。もし小論文がと思うと、親としては粘り強く娘を見守るしかないなと思っております。

全部書けないときは要約だけでも 言葉の森
 中学生になると、なかなか親の言うとおりには行動しません。
 しかも、作文は書き上げるのに1時間から2時間かかるので、忙しいときなどはつい後回しにしてしまいがちです。
 そういうときは、要約だけで書いて提出するというようにしてください。余裕があれば、要約プラス感想という形で提出してください。


作文の苗って? 母(みんなの広場)
「作文の苗ってなに?」と息子が聞くのですが、考えてみたら私もよくわかっていなかったので、この場でお聞きしようと思いました。

勉強のイメージを自然界の名前で表現 言葉の森
 「苗」というのは、「項目」の別名です。
 言葉の森では、勉強の全体像を自然界にあるものの名前で表現しています。
 それぞれの進度の山ごとに、課題の岩があります。
 その課題の岩に、項目の苗を植えて、その苗を作文の木に育て、その進度の山を緑でいっぱいにして、次の進度の山に進むというイメージです。
 途中に、ことわざの木や名言の木などがあり、作文を書くときにそれらの表現の木を利用することもあります。また、数字の草や昔話の草など題材の草も実例に利用できます。
 進度の山の名前は、小学1年生の1学期(4〜6月)がア行で、以下2・3・4学期がイ・ウ・エ行となります。
 同様に、小学2年生の1学期はカ行で、以下小3・小4・小5……高1・高2・高3年がサ・タ・ナ……・ワ・ガ・ザ行となります。それぞれが植物の頭文字になるような名前にしたので、アカシア・カキ・サツキ・タラ・ナツメ……ワタスゲ・ガジュマロ・ザクロなどとなっています。
 苦労したのは、ゲとゼの植物がなかなか見つからなかったことで(笑)、ゲはゲンゲ(レンゲの別名)、ゼはゼニゴケとしました。しかし、高校3年生の最後の締めくくりがゼニゴケとは……。今考えると、ゼラニウムもあったのですが。
(印刷物の言葉の森新聞はここまでです。続きはウェブをごらんください。続きに掲載されている記事は「項目の説明その4」で、読点のつけ方などが載っています)


■■項目の説明(その4)
 前号に引き続き、項目の説明です。

そう
 物事の様子を表します。特に、自然の中にあるものを人間にたとえて表すと効果的です。
 例:葉っぱのなくなった木は、さむそうでした。一本になった鉛筆は、少しさびしそうでした。
絵をかく
 作文を書いたあとに、そのときの様子を絵で表します。低学年の生徒の場合は、絵をかくと何が印象に残ったのかが文章で表すよりもよくわかることがあります。文章が時系列的であるのに対し、絵は空間描写的です。文章で長く書こうとすると、朝起きてから夜寝るまでを時間の順番で書くことになりがちですが、絵をかくように書いていくと、中心を決めながら長く書くことができます。


200字以上
 小学1年生から小学6年生までの作文の平均的な字数は、学年の100倍から200倍です。小学4・5年生のころが最も字数を長く書くことができ、小学6年生になると逆に字数が減ってくる傾向があります。
 字数の数え方は、1行20文字の作文用紙でその行の途中まで文字が書いてあれば20文字として数えます。
 パソコンで書いた作文を作文の丘から送る場合は、文字数そのものが字数となります。ただし、文章中にタグなどがあると、それらも字数に集計されるので実際よりもやや長くなることがあります。


決めてくる、読みかえす
 低学年の作文の場合は、書くことを本人が事前に決めていることが重要です。先生が、「今日、何を書くの」と聞いたときに、「まだ決めていない」という返事があったときは、「今度は決めておいてね」と一言アドバイスをしておく必要があります。
 決める内容は、自分のしたことを中心にします。例:きょうのこと、このまえのこと、○○をしたこと。
 書きにくい内容は、
(1)見たり聞いたりしただけのことで、自分自身のしたことが少ない題材。例:映画を見にいったこと、ゲームをしたこと。(野球をしたことなどという題名のときも、試合の経過を順番に書くのではなく自分のしたことをくわしく書くようにアドバイスします)
(2)まだ起きていない未来のこと。例:明日は遠足、もうすぐ夏休み。
(3)説明文的な題材。例:僕のお母さん、私の先生。
(4)これまでのまとめ。例:この1年間をふりかえって。
 作文に誤字がある場合、その誤字を注意するよりも、一度読み返してから提出するように指導をする方が効果があります。


はのてん、がのをてんつけず
 読点の打ち方には、規則として確立しているものはありませんが、次のように指導します。
1、「は」:主語のあとに打つ(「は」や「も」のあとです。ただし、「が」のあとには打たないほうが自然です)
2、「そ」:接続語のあとに打つ(「そして」「しかし」「だが」などのあとです)
3、「か」:会話の前に打つ(新聞など、字数を節約する必要のある文章では打たないこともあります)
4、「と」:時を表す言葉のあとに打つ(「○○したとき」や「日曜日に」などのあとです)
5、「と」:「と、○○が言った」のように、「と」と「言った」の間に言葉が入るときに打つ
6、「の」:条件を表す語句のあとに打つ(「○○したので」「○○したら」「○○したから」「○○すると」などのあと)
 「はそかととの」と覚えておけます。(覚えなくてもいいですが)
 しかし、このとおりに全部打つと、読点が多すぎて読みにくくなることもあります。そのときは、「句点一つに、読点は一つか二つ」という目安にしておきます。
 ただし、以上の説明は、小学校低学年では理解が難しいので、低学年のころは、「『は』のあとには打つ、『が』『の』『を』のあとには打たない」と教えるだけに留めます。
 どういう規則にも例外がありますが、小学校低学年では「例外もある」ということを教えると子供が混乱します。低学年のうちは「こういう規則がある」というかたちで教えておく方がいいようです。


漢字を使う
 習った漢字はできるだけ使います。その理由は、
(1)漢字を使うことによって初めて誤字がわかる、
(2)漢字がしっかり書かれた文章の方が上手な印象を与える、
からです。
 ただし、作文を書いている途中にいちいち辞書で漢字を確かめながら書いていると、文章の流れが中断されてしまいます。作文を書いているときにあいまいな漢字が出てきたら、とりあえずその漢字が占めるマスの数だけカタカナで小さく読み方を書き四角で囲んでおき、作文を全部書き終えたあとに辞書で調べ書き直すようにします。


行を続ける
 小学4年生ごろから段落をつける指導をします。
 段落をつける前段階の指導として、会話以外はすべて行を続けて書く練習をします。行を続けて書くことが定着してきたら、三文を目安に段落をつけて書くという指導をします。
 学校などでは反対に、最初から一文ごとに行を変えて書く指導をしているところが多いようです。


縦書き漢数字
 縦書きの数字は、漢数字で書きます。135人→百三十五人。年号などは二〇〇三年のように書きます。
 横書きの数字は、算用数字で書きます。しかし、十人十色などは横書きでも算用数字にはせずにそのまま書きます。
 子供に説明するときは、次のように。
「縦書きのときに普通の数字で『1』『2』『3』のように書いても間違いではないけど、数字が『123』とか『1230』のように長くなると一マスに収まらなくなってしまうので、『百二十三』とか『千二百三十』のように漢字で書くといいんだよ」


それで少なく
 「それで」「そして」「それから」「そうしたら」などの接続語は、少ない方が文章が引き締まります。「それで」を続けて書く子には、「『それで』という言葉は一枚の作文用紙に一回だけは使っていいから、あとは読み返して消しておこうね」と指導します。

てんまる下に
 句読点が行頭に来るときは、行頭に打たずに前の行の行末に詰めて又はぶらさげて打ちます。次のような文字・記号も同じ扱いです。複数の記号が続いたときはすべてを行末に詰めるかぶらさげるかします。
。(句点)
、(読点)
・(中黒)
」(かぎかっこの閉じ)
)(まるかっこの閉じ)
!(感嘆符)
?(疑問符)
 小さい「ゃ・ゅ・ょ・っ」も禁則処理扱いにして行末に詰める指導をしているところもありますが、あまり一般的ではありません。
 試験などで、「句読点も一文字として数える」という指示があるときは、句読点も行頭に打ちます。


会話行がえ
 会話は行を変えて書きます。しかし、行を続けて書くことが間違いなのではありません。改行をするのは、その方が読みやすいからという理由です。
 会話の二行目を一マス空けて書く書き方をしている出版物もありますが、これはレイアウトを読みやすくするための工夫ですので、子供たちが書く作文にも同じことを要求するのは無理があります。しかし、これも間違いではありません。


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