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問題集読書と四行詩の手引 2012年2月23日改訂


 問題集読書は、2012年から、各自で作っていただくようになりました。
 問題集読書の仕方は、下記の動画をごらんください。
http://www.mori7.com/douga/001/mdds.php
http://www.youtube.com/embed/m7ZE8m7HZns
※分冊の表紙などは、ご家庭でご用意ください。 ※ナイフで背表紙の山を切り取るとき、刃の進行方向に、支える左手が来ないように注意しましょう。


1、問題集読書の全体の流れ

○毎年、8月ごろからその年度の問題集読書の自習をスタートします。(希望者のみ。無料)
○問題集読書ができる生徒は、小5小6(中学入試問題集)、中123(高校入試問題集)、高123社(大学入試問題集)です。
(小5からでも始められますが、かなり難しいので、小6から始めた方が無理がありません)
○問題集は、各自でご用意ください。(この「手引」の末尾に書名・出版社名などが掲載されています)
○問題集を、小学生は42ページずつ、中学生高校生は28ページずつはぎとり、表紙をつけてホチキスでとめて分冊を作ります。
○問題集分冊の1冊は、1週間分です。小学生は毎日6ページずつ、中学生高校生は毎日4ページずつ、印象的なところに傍線を引きながら読みます(読み方は黙読です)。
○できる人は、傍線を引いたところをもとに四行詩を書きます(書き方は後述)。毎週、小学5年生は5つ、小学6年生以上は6つの四行詩を書くことを目標にします。ただし、傍線を引いて読むことが勉強の中心です。四行詩は、勉強の結果を残すということですから、四行詩を書くことよりも、傍線を引いて読むことを勉強の中心にしてください。
○四行詩を書くノートは、自分で用意してください。形式は自由です。
○書いた四行詩は自分で保管しておきましょう。先生に提出する必要はありません。
○1冊の分冊を読み終えたら、表紙に読み終えた日付を書いておきます。
○全部の分冊をひととおり読み終えたら、また1冊目に戻って読み直します。そのようにして1年間で2?4回読むことを目標にします。
○問題集読書の進捗状況は、先生の方で、「今、読んでいるページ」を、ときどきチェックするようにしたいと思いますが、その方法については今後検討していきます。


 
2、問題集分冊の作り方

問題集を用意します。

表紙をはぎとります。

小学生は42ページずつ、中高生は28ページずつまとめて、はぎとっていきます。

はぎとるときは手の力が必要なので、自分でできない人はお父さんやお母さんに頼んでください。
はぎとりにくくなったら、背表紙をカッターナイフ切り取ります。

ナイフの刃の進行方向に、手や指が来ないように注意して切り取りましょう。
自分の好きな表紙をつけてホッチキスでとめてできあがり。

言葉の森から、世界地図の表紙を、小学生は32枚、中学生高校生は16枚配布します。この表紙を二つ折りにして使ってください。

 ページをまとめてはぎとるときの区切りとなるページは、下記のとおりです。
学年問題集区切りとなるページ
小学生中学入試問題集0-42-84-126-168-210-252-294-336-378-420-462-504-546-588-630-672-714-756-798-840-882-924-966-1008-1050-1092-1134-1176-1218-1260-1302-1344(1分冊のページ数42ページ)
中学生
高校生
高校入試問題集
大学入試問題集
0-28-56-84-112-140-168-196-224-252-280-308-336-364-392-420-448(1分冊のページ数28ページ)
 区切りとなるページとは、例えば、小学生の中学入試問題集では、1ページ目から42ページまでをはぎとって分冊にするという意味です。そのあとは84ページ目まで、そのあとは126ページ目まで……とはぎとって分冊にします。
 小学生の中学入試問題集は、最初の10ページあたりまでは目次になっているので、読む必要はありません。高校生の大学入試問題集は、最初の14ページあたりまでは解説になっているので、読む必要はありません。
 問題集の最後のページは、区切りどおりにはなりませんから、その問題集の最後のページまでで分冊にしてください。

■分冊の表紙のページ(http://www.mori7.net/mori/mori/sekai_tizu.html
(B4横サイズ、余白7mm、背景の色とイメージを印刷する設定で印刷。小学生32枚、中学生・高校生16枚配布)

 
3、四行詩の書き方
(「読書ノートに四行詩」2010/1/17、「問題集読書の四行詩の書き方」2010/3/10のHPの記事より)

 四行詩の基準は三つあります。
 一つは、四行に分かれていることです。
 もう一つは、できれば、内容に創造や発見があることです。
 最後の一つは、できれば、たとえや名言や笑いなどの光る表現があることです。

 本を読んで四行詩を書く最も簡単な方法は、傍線を引いたところの一文を四行に分けて書くことです。複数の文を四行に分けて書いてもかまいません。また、自分なりに四行の感想を書いてもかまいません。
 四行詩は、先生には提出しません。自分用のノートに書いておきましょう。
 書き方の例は、こういう感じです。(2つの四行詩を書いた場合。□はマス。横書きでもよい)
□□□P207        4月1日□
□ヘレン・ケラーは言った。
□「私は大学でたくさんのことを学んだが、
□そのあとたくさん学んだことを
□忘れなければならなかった」
□□□P310        4月2日□
□「小さな政府」は、
□大きな無駄があったからこそ
□魅力のある
□メッセージであった。
 これは堅い内容ですが、小中学生の場合はもっと柔らかい内容か出来事中心の四行詩になると思います。

 問題集読書のあと、四行詩で感想を書きます。
 次の文章を読んだものとして、四行詩の書き方を説明していきます。(この文章は、小学4年生の7.3週の感想文課題になっているものです)

 母屋はもうひっそり寝しずまっていた。牛小屋もしずかだった。しずかだといって、牛は眠っているかめざめているかわかったもんじゃない。牛は起きていても寝ていてもしずかなものだから。もっとも牛が眼をさましていたって、火をつけるにはいっこうさしつかえないわけだけれども。
 巳之助はマッチのかわりに、マッチがまだなかったじぶん使われていた火打ちの道具を持ってきた。家を出るとき、かまどのあたりでマッチを探したが、どうしたわけかなかなか見つからないので、手にあたったのをさいわい、火打ちの道具を持ってきたのだった。
 巳之助は火打ちで火を切りはじめた。火花は飛んだが、火口(ほくち)がしめっているのか、ちっとも燃えあがらないのであった。巳之助は、火打ちというものは、あまり便利なものではないと思った。火が出ないくせにカチカチと大きな音ばかりして、これでは寝ている人が眼をさましてしまうのである。
 「ちぇッ」と巳之助は舌打ちしていった。「マッチを持ってくりゃよかった。こげな火打ちみてえな古くせえもなア、いざというとき間にあわねえだなア。」
 そういってしまって巳之助は、ふと自分の言葉をききとがめた。
「古くせえもなア、いざというとき間にあわねえ、……古くせえもなア間にあわねえ……」
 ちょうど月が出て空が明るくなるように、巳之助の頭がこの言葉をきっかけにして明るく晴れてきた。
 巳之助は、今になって、自分のまちがっていたことがはっきりとわかった。??ランプはもはや古い道具になったのである。電灯という新しいいっそう便利な道具の世の中になったのである。それだけ世の中がひらけたのである。文明開化が進んだのである。巳之助もまた日本のお国の人間なら、日本がこれだけ進んだことを喜んでいいはずなのだ。古い自分のしょうばいがうしなわれるからとて、世の中の進むのにじゃましようとしたり、なんのうらみもない人をうらんで火をつけようとしたのは、男としてなんという見苦しいざまであったことか。世の中が進んで、古いしょうばいがいらなくなれば、男らしく、すっぱりそのしょうばいは棄(す)てて、世の中のためになる新しいしょうばいにかわろうじゃないか。
 巳之助はすぐ家へとってかえした。
(新美南吉著 「おじいさんのランプ」より)


 まず、文章を読みながら、自分で、いいと思ったところ(よくわかったところ、面白かったところ)に傍線を引きます。借りた本などの場合は、傍線を引くのではなく付箋を貼っておきます。
 読み終えたあと、傍線や付箋の箇所を参考にしながら四行詩を書きます。

【1】四行で書く
 四行詩の基準は、四行で書くことです。ひとつの行は「。」が来るまで書く必要はなく、文の途中で改行してかまいません。また、1行の長さは、長くても短くてもかまいませんが、20字以内にまとめる方が読みやすいでしょう。

【2】引用でも感想でもよい
 文章を読んでの四行詩は、その文章の引用でも、その文章に対する感想でも、引用と感想を組み合わせたものでもかまいません。

【3】リズミカルに
 口に出して読んでみたときに、心地よく言えるようなリズムで書きましょう。リズム感は人によって違います。自分の好きなリズムで書いてください。
 次の例にある四行詩の「マッチを・忘れた・巳之助は」という行は、「4・4・5」のリズムがあります。「自分の・古い・商売を・見た」という行は、「4・3・5・2」又は、「7・7」のリズムがあります。どのリズムがよいというのではなく、自分が口に出して感じがよいと思うリズムで書いてください。

【4】あらすじや要約を書く例
 マッチを忘れた巳之助は、
 火打ち石を使おうとして、
 使えない火打ち石の中に、
 自分の古い商売を見た。

【5】たとえを使う例
 「古くせえもなア間にあわねえ」
 月が出て空が明るくなるように、
 巳之助の頭は、
 明るく晴れてきた。

【6】「ではなく」を使う例(「ではなく」は高校生の自作名言の練習で使う書き方です)
 自分の商売を守るために
 世の中の進歩を妨げるのではなく、
 世の中の進歩を助けるために
 新しい商売にかわるのだ。

【7】押韻(おういん)を使う例(同じような音の言葉を組み合わせます)
 ランプは古い道具だった。
 電灯は新しい道具だった。
 世の中の進むのをじゃまする人もいるし、
 世の中の進歩を喜ぶひともいる。

 火打ち石は古い。
 ランプも古い。
 巳之助の頭も、
 古かった。

 なぜ四行詩で書くかというと、四行で作品としてのひとつのまとまりができるからです。
 四行詩は、作文を書くときにも使えます。いい着想がわいたが文章として長く書く時間がとれないというときは、四行詩で書いておくことができます。作文を書こうとすると30分や1時間はすぐたってしまいますが、四行詩であれば数分で書き上げられます。
 そして、あとから時間のあるときに、その四行詩のテーマをもとにして長い文章を書くこともできます。

 
4、問題集読書に関する記事1
(「解く勉強より読む勉強が国語力をつける」2010/3/13、「問題集読書で国語力をつける」2009/12/12のHPの記事より)

 国語力をつけるには、解く勉強ではなく読む勉強をすることが大切です。だから、国語の勉強は家庭学習に向いています。
 その家庭学習も、ドリルよりも読書が勉強の基本になります。よく、問題を解く宿題の時間が多くて読書ができないという子がいます。解く勉強ばかりしていると、頭が悪くなります。
 勉強には、実力をつけるための勉強と、勝負に勝つための勉強とがあります。問題を解く勉強は、実力が変わらないことを前提にした、勝負に勝つための勉強です。
 勝負のための勉強は、受験勉強の最後にすればよい勉強です。例えば、国語の問題の解き方は、1時間もあれば説明できます。選択式の問題の解き方は、「センター試験国語の解説に問題の解き方」を参考にしてください。( http://www.mori7.com/as/365.html )
 その子が解いた模擬試験や志望校の過去問の問題をもとに、1時間も説明すると、どの子も国語の成績が急に上がります。しかし、それは最後の仕上げにする勝負のための勉強です。普段の勉強でいちばん大事なのは、実力をつけるための勉強です。それが読む勉強です。

 さて、では、どういう本を読んだらよいのでしょうか。ひとつは、易しい面白い本で多読をすることです。これは、その子の実感の持てるところで語彙の手足を増やすことにつながります。これが国語力の裾野になります。
 例えば、「かいけつゾロリ」という子供たちに人気のある本で、「そのとき、ゾロリはひらめいたのです」「イシシとノシシは、顔を見合わせました」という表現があったとします。子供たちは、面白おかしく笑いながら読んでいるうちに、「ひらめいた」「顔を見合わせた」という語彙を実感をもって味わいます。このことによってこれらの語彙が豊かな手足を持つことになります。語彙の豊かな実感の裾野があるから、難しい本になったときも、文章を味わって読むことができるようになるのです。
 多読とは異なるもうひとつの読書は、難読(難しい本を読むという意味で使っています)です。これが、国語力の頂上を高めることになります。また、この難しい文章が、実際の入試問題に出ます。「かいけつゾロリ」は入試問題には出ません。特に、受験前の1年間は、難読を中心に頂上を引き上げることが中心になります。しかし、低中学年で難読をさせると、易しい面白い本で多読をするという裾野を広げる勉強ができなくなります。

 問題集読書に関連して、ときどき質問を受けることがあります。
 「天声人語のようなコラムを読むのはどうですか」と聞かれることがあります。天声人語は、難読というには軽すぎます。
 「要約するのはどうですか」という質問もあります。要約をしてもかまいませんが、面倒なことは長続きしません。時間をかけずに気楽に毎日続けられるものの方がいいのです。
 「なぜ問題を解かないのですか」という質問もよくあります。問題を解こうとすると、ただ読むだけのときよりも数倍の時間がかかります。そして、その結果○がついた問題は、もともとやらなくてもできた問題ですから解いただけ時間の無駄だったわけです。また、×がついた問題は解答を見てもできるようにはなりませんから、やはり解いただけ時間の無駄だったことになります。

 
5、問題集読書に関する記事2
(「国語力をつける問題集読書の意義と方法」2010/3/14のHPの記事より)

 問題集に載っている文章には、悪文のものもありますが、総じてよい文章が多いものです。そのため、問題集は、国語力をつける読書のエッセンスになります。しかし、もちろんそれが読書のかわりになるというわけではありません。

 問題集読書に限りませんが、よく、本を無理に読ませて読書嫌いになりませんかと聞く人がいます。そういうことは、ありません。本には、読み手を引きつける力がありますから、読んで実力がついてくれば必ず本を好きになります。ただし、本人の読む実力に比べてあまりに難しい本は、楽しさよりも苦痛の方を大きくしてしまうので、適度な難しさということも大事です。
 難しい本を読ませるときに生じる問題は、難しい本はどうしても読む量がはかどらないので、そのために易しく面白い本を読む時間も少なくしてしまうことです。読書は、山頂を高くすることも大事ですが、裾野を広げることもそれ以上に大事です。裾野となる読書で普通の語彙を実感をもって読めるようになるからこそ、難しい語彙のある本も味わいながら読むことができるのです。難しい本を読むためには、易しく面白い本もたっぷり読んでおく必要があります。
 子供たちの多くは、ある本を読み終えるまで、ほかの本は読めないと律儀に考えます。そういうことはありません。読書は、何冊も並行して読んでいくことができます。この並行読書に役立つのも、付箋読書です。付箋を見るとどの本をどこまで読んでいるか一目でわかるので、途中からすぐに続きを読むことができます。

 小学校低中学年から問題集読書をさせるのは、あまりよくありません。そのころは、楽しく読める本がたくさんあります。小学校高学年までは、勉強のために読むのではなく、読書の楽しさを味わうために読むのが大事な時期です。小学校低中学年で楽しく多読して読書力の裾野を広げておくからこそ、高学年で難しい文章も読むことができるようになるのです。
 小学校低中学年で国語の問題集を解かせるのは、更に意味がありません。そのころは、楽しく遊んだり楽しく本を読んだりすることによって、実感の裾野を広げていく時期だからです。
 また、小学校高学年や中学生や高校生でも、問題集読書をしているから、普通の読書はしなくてよいというのではありません。受験勉強が多忙になってくると、普通の本を読む時間がなかなかとれなくなるので、そのかわり密度の濃い問題集読書で読む力をつけておくということです。
 実力のある子は、受験勉強の最中でも時間を見つけては短時間の読書をしています。読書の原点は、子供がもっと自分を知的にも精神的にも成長させたいと思う内在的な意欲にあります。そういう読書がその子の本当の実力になっていきます。


 

6、全国入試問題集

 全国の入試問題集は、例年5月から7月にかけて発売されます。

対応する学年書名出版社定価正味のページ数発売月
小学校高学年中学入学試験問題集(国語編)○年受験用みくに出版3.465円1,400ページ程度7月ごろ
中学生○年受験用 全国高校入試問題正解 国語旺文社2.205円400ページ程度5月ごろ
高校生○年受験用 全国大学入試問題正解 国語(国公立大編) 旺文社5,355円300ページ程度6月ごろ
※大学入試問題集には、私立大編もあります。国公立大編は記述式の問題で比較的読みやすい文章が多く、私立大編は選択式で比較的難解な文章が多いようです。
※書店に品切れの場合、アマゾン書店などで新品同様の中古を購入することもできますが、その場合は定価よりも割高になる場合もあります。
※1、2年前のものであれば、勉強の意義にはほとんど差がありません。大学入試問題集などで中古の方が安い場合はそちらを利用するといいと思います。



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