言葉の森新聞 編集用
印刷設定:A4縦用紙 :ブラウザの文字のサイズ:最小 ブラウザのページ設定:ヘッダーなし フッターなし 左余白25 右余白8 上下余白8
  2月29日(土)は休み
  第4週は清書。幼稚園生は作文
   清書の意義と方法
   清書の投稿
   小学生新聞の投稿先
  4週目の読解問題(小1以上)
  「小学校最後の3年間で本当に教えたいこと、させておきたいこと」3月6日発売予定
  能率のよい国語の学習方法
  親子の対話は、作文の勉強の手段というよりもそれ自体が目的
 
言葉の森新聞
2020年2月4週号 通算第1600号

https://www.mori7.com/mori

森新聞
2月29日(土)は休み
 2月29日(土)は、第5週でお休みです。先生からの電話はありません。振替授業もお休みです。
第4週は清書。幼稚園生は作文
 幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
 小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
 清書をしたあと、時間に余裕のある場合は読解問題をしてください。
清書の意義と方法
 清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
 内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。

 書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
清書の投稿
 清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
 手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。

 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
 投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
 同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
4週目の読解問題(小1以上)
 小1以上の生徒には、課題フォルダに、4週目の長文をもとにした読解問題を2問載せています。
 時間のある人は取り組んでください。
 言葉の森ホームページの「読解マラソン」のページには、全8問の問題とそれに対応した長文がありますが、課題フォルダには問題数をしぼり、問7と問8の2問だけ掲載しています。
 これは、この2問をじっくり解いて満点にすることが目標だからです。
 問1~6も含めた全問を解きたい方は、読解マラソンの「問題のページ」で他の長文と問題をごらんください。
 ただしその場合も、当てずっぽうで解くのではなく、必ず全問正解になることを目標に解くようにしてください。
http://www.mori7.com/marason/ki.php
「小学校最後の3年間で本当に教えたいこと、させておきたいこと」3月6日発売予定
 新しい本が3月6日に出ます。
 「小学校最後の3年間で本当に教えたいこと、させておきたいこと」(中根克明著 すばる舎)です。

 この本の中の、おすすめする本の紹介にご協力いただいたみなさんありがとうございました。

 小学4年生になると、それまで素直にお父さんお母さんの言うことを聞いていた子供たちが、急に自分の主張も言うようになり、親の言うこと何でもそのまま素直に受け入れるということが少なくなります。
 学校の勉強も、小学5年生から急に考える要素が増え、国語も算数も難しいものになってきます。
 将来の進路の選択を考えるのもこの時期です。
 また、子供どうしの関係も、次第に複雑になり、さまざまなトラブルが生まれてくることもあります。
 これらは、すべて子供の成長過程で表れてくることなので、今の状態を見るだけでなく、先の見通しの中で考えていくことが大事です。

 小学4・5・6年生の子供たちの勉強や生活について、中根がこれまで多くの子供たちと接してきた経験の中で考えたことを、この時期の子供たちへの対応の仕方として、この本の中でわかりやすく説明しています。

 現在、この本「小学校最後の3年間で本当に教えたいこと、させておきたいこと」(すばる舎)の予約を受付中です。

 3月までに、本の予約又は注文をされた方には、「小冊子『暗唱の効果と方法』」「暗唱検定用の暗唱文集(初段)」などをお送りさせていただきます。
(海外の方には、それらに相当するものをメールで送お送りさせていただきます。)
(「読書の好きな子になる庭」のFBや掲示板などで、図書の紹介にご協力いただいた方には、併せて別途お礼をお送りさせていただきます。)

 予約又は注文された方は、ホームページのフォームからご連絡ください。
https://www.mori7.com/jform_pre.php?f=spp202003
 また、本書を読まれたあと、自由にレビューをを書いていただけるとありがたいです。
能率のよい国語の学習方法
 学力には、実力をつけるための学力と、勝負に勝つ力をつけるための学力とがあります。
 国語力に関して、実力をつけるための学力が読む力で、勝負に勝つための学力が解く力になります。

 読む力をつける方法は、難しい文章を読むことです。
 具体的には長文の音読です。

 解く力をつけるための方法は、問題を解くことです。
 そして間違えたところの理由を明確にすることです。

 しかし、問題を解く勉強を中心にすると、実力がなかなかつかないばかりか、勝負に勝つ力もあまりつきません。
 確かに、問題を解いている間は、勉強をしている気がします。
 そして、○がつくと嬉しく、×がつくとがっかりするので、それなりに勉強をし終えた感じがします。

 ところが、○がついたということはやらなくてもよかった問題をやったということなので、本当は時間の無駄なのです。
 例えば、小学1年生がカタカナをしっかり書けたので○をもらったというのであれば、できたことが分かってよかったとも言えますが、小学6年生がカタカナを全部正しく書けて○がついたと言っても、それが何か意味あることにはなりません。
 ○がついたということ自体は、できたことが分かったというだけで何の力にもなっていないのです。

 しかし、×がついた問題についても、それがなぜ×でどうしたら○になったのかという理由まで理解できなければ、その×には意味がありません。

 算数数学の場合は、×を理解することによって次回からは○にするということができますが、国語の場合は×の理由を考えて、次回から○にするという勉強の仕方をする人はほとんどいません。
 それは、国語の問題の×を○にするための方法論がどこでも教えられていないからです。
 この方法論が、「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」に書いてある方法です。

 しかし、国語の問題を解く方法は、いったん理解できれば、成績を上げることはかなり早くできるようになります。
 問題を解く方法は、受験直前でもすぐに効果が出ます。
 しかし、問題を読む力は、もっと長い時間がかかります。
 だから、ほとんどの人にとって大事なことは、問題を解く力をつけることよりも、問題を読む力をつける方なのです。
 その読む力をつける方法が長文音読です。

 文章というものは、繰り返し読むことによって理解が深まります。
 1回だけ深く読んで、内容が頭に入ったかどうかテストするという方法ではなく、軽く何度も繰り返して読むことによって自然に深く読めるようになるというのが文章を理解する方法です。

 この繰り返し読むというやり方は、高校生ぐらいになり勉強の自覚ができた生徒では黙読でも続けることができますが、普通は黙読で繰り返し文章を読むようにすると、途中で斜め読みになったり難しい文章を読んでいる場合は眠くなったりしてしまいます。
 ですから、問題集読書のような難しい文章を繰り返し読む練習は、音読にすることが条件になるのです。

 しかし、音読は、慣れないうちは退屈で張り合いのない勉強ですから、次のような読み方も許容していくことが大切です。
 それは、小声で読むこと、早口で読むこと、棒読みで読むこと、ふざけて読むことなどです。
 どのような読み方をしてもよいので、何しろ音読で文章を読むことを繰り返すことが大事なのです。
 ただし、小声や早口で読んでいいとは言っても、近くで聞いている人が内容を理解できる程度の小声や早口であることが条件です。

 日本の戦後の教育は、アメリカからの教育論の影響で、理解を偏重する教え方や学び方が広がりました。
 そのため、今でもほとんどのお父さんやお母さんは、理解を優先した教育を考えがちです。

 これに対して日本の伝統的な教育は、理解する教育ではなくただひたすら反復するという教育でした。
 それが今でも、掛け算の九九や、剣道や柔道など武道の型を繰り返す練習に表れています。

 英語教育の國弘正雄氏は、英語の学習法として只管朗読(しかんろうどく」ということを述べました。
 これは、仏教の只管打坐(しかんたざ)をもじった言葉ですが、こういうひたすら繰り返すという教育法が日本の伝統的な教育だったのです。

 理解する教育では、理解の早い子と遅い差が生まれ、その差は次第に埋められないものになってきます。
 しかし、繰り返す勉強については、時間の早い遅いの違いはあっても誰でも同じようにできるので、誰もが同じように実力をつけることができます。

 例えば、欧米での掛け算の教育のように、書いて覚えるような理屈を先行したやり方では、できる子とできない子の差が生まれます。
 しかし、日本の九九のように繰り返し音読して覚えるという方法であれば、できない子はほとんどひとりも生まれません。

 国語の実力をつける方法は、問題集読書で音読を繰り返すということが一番で、これが最も短期間で国語の実力をつける方法なのです。
 もちろん、短期間と言っても効果が出るのは半年後ぐらいですから、気長に続けていくことが大切です。

 今はまだ問題集を解くような方法でいろいろな教材が出ていますが、どんなに優れていると言われる教材でも、問題を解くようなスタイルの勉強では時間がかかる割に実力はつきません。

 一方、最近少しずつ出てきた音読を繰り返すような教材は、最初の何回かはできたとしても、それだけでは家庭で続けることはまずできません。

 言葉の森の自主学習クラスで、問題集読書の長文音読を続けていくのがいちばん能率のよい国語の学習法なのです。
親子の対話は、作文の勉強の手段というよりもそれ自体が目的
 作文力を向上させる方法で、最も大事なことは、読む力をつけることと書く準備をしてくることです。r
 その書く準備の中心になるのが、親子の対話です。

 しかし、親子の対話は、作文の勉強の単なる手段ではなく、それ自体がひとつの目的です。
 その対話によって、親も楽しみ、子供も楽しみ、対話の過程で互いの中に創造的なものが生まれてくることが大事なのです。

 理想を言えば、お母さんと子供が二人きりで対話をするよりも、家族の中で両親も兄弟も含めてみんなで対話をするほうが話は広がります。
 時には、お父さんとお母さんの二人で話が盛り上がり、子供は聞いているだけということになってもいいでしょう。
 そういう家族の対話が、子供の成長にとって最も大事な栄養素になるのです。

 今はまだ、現代の競争社会に生きることが前提になっているので、よい結果を残すことが目的になりがちですが、本当の目的は創造を楽しむことで、結果そのものは決して本質的なことではありません。

 学校で勉強している知識のほとんどは、大きくなれば忘れてしまうでしょう。
 しかし、人間との関わりで学んだことは、子供の心の中に残ります。
 それが、子供が将来成長して、自分なりの何かに挑戦するときに生きてくるのです。

 作文読解の勉強も、創造発表の勉強も、自主学習の勉強も、親子の対話を生かしながら取り組んでいってください。



                                   
 
ホーム 言葉の森新聞