言葉の森新聞 編集用
印刷設定:A4縦用紙 :ブラウザの文字のサイズ:最小 ブラウザのページ設定:ヘッダーなし フッターなし 左余白25 右余白8 上下余白8
  新学期の教材を発送します
  幼長、小1、小2、小3から参加できる新しい発表学習クラス「せいかつ文化コース」
  小学4・5・6年生の特徴――オープン教育掲示板連動記事
  好きな勉強を好きなだけできる場所
 
言葉の森新聞
2019年9月3週号 通算第1579号

https://www.mori7.com/mori

森新聞
新学期の教材を発送します
 新学期の教材を9月17日(火)から発送する予定です。
 国内の生徒で26日になっても届かない場合はご連絡ください。
幼長、小1、小2、小3から参加できる新しい発表学習クラス「せいかつ文化コース」
 言葉の森では、この秋から、幼長、小1、小2、小3の低中学年のうちから参加できる、新しい発表学習クラス「せいかつ文化コース」を始めます。

●なぜ今発表学習か
 発表学習という言葉は初めて聞く人が多いと思いますが、これからの新しい学力を育てる全員参加型のオンラインクラスの勉強です。

●これからの学力は個性の発見と創造
 これまでの学力は、知識の詰め込みで差がつく学力でした。
 これからの学力は、すべての子供が自分の個性を発見し、それを世の中に生かす創造に発展させる学力になります。

●東大の推薦入試に見る新しい学力観が世界の教育の主流に
 偏差値の輪切りによるわずかな成績の違いはほとんど意味がないと、多くの人が考え始めています。
 東大の推薦入試や京大の特色入試は、学力はセンター試験8割の水準で担保し、あとは生徒の個性と意欲で評価する仕組みです。
 こういう学力観が、世界の教育の主流になりつつあるのです。

●勉強とは本来面白いもの
 勉強は、本来誰にとっても面白いものですが、今の勉強で面白いと思う子はほとんどいません。
 勉強がつまらないと思うのは、生徒が参加できる余地がほとんどないからです。
 これからの勉強は、人に教わる受け身の勉強ではなく、自分が参加し作り出す本来の勉強になります。

●学校や塾ではできない全員対話型のオンラインクラス
 学校や塾では、少人数の参加型の授業をすることは物理的にほとんど不可能です。
 Zoomを使ったオンラインクラスによる授業だから、全員が一人の例外もなく参加できる全員対話型の授業が可能になるのです。

●親子の知的な交流が増える
 子供の発見学習をもとに、親子の知的な交流が自然に増えていきます。
 日常の会話でも、「これはどうして」「ここはこうしたら」という、発表学習を媒介にした新しい交流のスタイルができてくるのです。

●発表と質問感想のやり取りでコミュニケーション力が育つ
 毎回自分の研究を発表し、他の人との質問感想のやり取りをする中で、人の話を聞く力、わかりやすく答える力など実践的なコミュニケーション力が育ちます。

●日本文化に根ざした新しいSTEM教育
 STEM教育のSTEMとは、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、マセマティックスの頭文字ですが、この無機質なSTEMを日本文化という生きた土台に根づかせていくのが新しいSTEM教育の発表学習クラスです。

●自分で調べて自分で発表するから読解力表現力がつく
 人の話を聞いて記憶したことを再現できるかどうかテストするような勉強では、表面的な学力しか育ちません。
 自分で調べたことを自分で発表する主体的な勉強であれば、真の読解力と表現力が育ちます。

●勉強や読書を通した友達関係ができる
 受け身の授業の中では、友達はただ一緒のクラスにいるという間柄だけですが、全員が発表する学習の中での友達は、勉強や読書を通したより積極的なつながりのある関係になります。

●教材となる参考図書
 教材は市販の図書や参考書の中からどれを選んでも結構です。
 教材は、手に入れやすい市販の図書と参考書の中から自由に選べます。(※1)

(※1)発表学習の参考にしていただく教材
「できるよ!せいかつ366」(主婦の友社)
「しぜんとかがくのはっけん!366」(主婦の友社)
「理科好きな子に育つふしぎのお話365」(誠文堂新光社)

●発表する内容は自由
 こちらが指定している図書や参考書以外のものや自由な研究など何を発表しても構いません。
 ただし、教材となる図書があると発表のテーマを見つけやすいので、普段の読書も兼ねていずれかの本を読んでいくことをおすすめします。

●発表の時間
 発表の持ち時間は一人5分、その他に、読書紹介、暗唱発表、他の人の発表に対する質問感想などの時間があります。
 毎回の発表の持ち時間は1人5分です。5分以内で話をまとめられるように家庭で準備をしておいてください。
 中心となる発表のほかに、読書紹介、暗唱発表、他の人に対する質問感想などの時間があるので、1時間の授業の中で思考力を十分に働かせることができます。

●クラスの曜日と時間
 これから募集する新しい発表学習クラスの「せいかつ文化コース」は、月~金曜日の18:00~18:45、19:00~19:45の合計10クラスです。
 いずれも生徒数は6名までの限定クラスです。
 生徒数が3名未満の間は、その曜日時間のクラスの開始を待っていただくようになります。

●受講料
 受講料は、言葉の森の作文を受講されている方は、発表学習クラスの受講料は月額3300円です(10%消費税含む。以下同じ)。
 言葉の森で何も受講されていない方は、発表学習クラスだけを単独で受講される場合は、月額8800円ですが、そのほかに作文クラス、自主学習クラスを追加して受講される場合、それぞれ3300円で追加の受講ができます。

●やる気の出る寺オン作文クラス
 寺子屋オンラインでZoomを利用した作文クラスは、友達どうしでその日に書くことを発表する時間があり、互いに質問や感想を述べ合う機会があります。
 そのため、作文を書く意欲がわき、作文力が上達するだけでなく、コミュニケーション力も育ちます。

●家庭でできる密度の濃い自主学習クラス
 自主学習クラスは、生徒が家庭でZoomに接続し、オンラインの友達と一緒に勉強し、先生がその勉強をチェックするクラスです。
 勉強は、家庭でやるのが最も能率がよく、また、友達と一緒にやるのが最も意欲がわきます。
 その両方の長所を組み合わせた自主学習クラスでは、子供たちの学力が確実に向上します。

●フリーミアム教育による永年無料の見学参加も受付中
 フリーミアム教育コースとは、寺オン作文クラス、発表学習クラス、自主学習クラスのいずれにも、無料で期間の制限なく見学参加できるコースです。
 見学参加ではあっても、読書紹介、暗唱発表、友達の発表に関する質問感想などには自由に参加できるので、読書や暗唱が自然に進み、友達の勉強の様子に感化され、勉強に対する意欲が自然に湧いてきます。
 詳しくは、「フリーミアム教育案内」をごらんください。
https://www.mori7.com/teraon/free.php

●体験学習のお申し込みは言葉の森まで
 発表学習クラスの体験学習を希望される方は、言葉の森までお電話でお申し込みください。
小学4・5・6年生の特徴――オープン教育掲示板連動記事
 これから、しばらくの間、小学4・5・6年生の勉強と読書と生活に関する記事を書いていきます。
 ただ、私(森川林)が接してきたのは、自分の子供(男の子)2人と、言葉の森で作文の勉強を見てきた子供たちだけですから、ある意味で接してきた範囲が偏っていると言えないこともありません。

 そこで、小学4・5・6年生の子育てを経験されたか、あるいは今している方々の意見を参考にしながら、この「小学4・5・6年生の勉強と読書と生活」というテーマを考えていきたいと思います。

 そのために、オープン教育のページに、閲覧書き込み限定の掲示板「小学4・5・6年生の勉強と読書と生活」を作り、
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=1
 それを、facebookグループの「オープン長文」にも連携させ、
https://www.facebook.com/groups/okaot/
 クローズドな環境で、ときに脱線しながら、交流と研究を進めていきたいと思います。
 また、小学4・5・6年生の読書についても、子育ての経験のある方から、おすすめの本などの情報を聞きながら研究を進めていくために、オープン教育の掲示板「小学4・5・6年生の読書紹介」と、
https://www.mori7.com/ope/index.php?k=3
 facebookグループの「読書の好きな子になる庭」グループで、
https://www.facebook.com/groups/dokusho/
 自由に意見交換をしていきたいと思っています。

 オープン教育の掲示板の方には、これから、ほぼ毎日約4000字の記事を載せますが、言葉の森のホームページには、その一部を掲載していきます。
 このテーマに関心のある方は、上記の掲示板やfacebookグループにご参加ください。

 今日の記事は、「小学4・5・6年生の特徴」です。
 この記事について、賛成のエピソードや、反対のエピソードや、別の視点からの感想などのある方は、掲示板又はfacebookグループでご意見をお寄せください。
(ご意見は、ホームページの記事のコメント欄に書いていただいても結構です。)
====
……
 例外を作らないのが小学校の最初の3年間だとすると、小学校の最後の3年間は子供に例外を許容する力がついてくる時期です。この時期は、親の言うことよりも友達の方に関心が向きはじめる時期です。3年生まではまだ親の言うことを素直に聞きますが、4年生からは、時々、特に大きな理由もなく親の言うことに反発するようになります。それは子供が自立心を育てる練習をしている時期だからです。親の言うことが気に入らないからという理由だけではなく、自分の意見を言う力がついたことを試してみたいという気持ちから親の考えに反対を述べることがあるのです。この3年生から4年生に変わる時期が、同じギャングエイジとはいっても微妙に違う時期なのです。

 小学4年生の子供は、作文に書く題材も小学1年生の頃とは変化していきます。1年生の頃は、そのときにあった出来事を淡々と事実のままに書いていくだけです。ですから、字数も自然に長くなる傾向があります。長く書けたことがうれしいというのが小学1、2、3年生の作文の勉強の特徴です。もちろん、まだ指の力が弱い低学年の時期は、誰もがそれほど長く書けるわけではありません。しかし、小学1、2年生の子供たちは、ほとんどの子ができれば長く書きたいと思っているのです。

 ところが、小学生4年生になると、長く書くことには次第に興味がなくなります。では、どこに興味が出てくるかというと、面白いことを書くというところに出てくるのです。そして、お父さんやお母さんや先生の失敗談など、権威のある大人の弱点を取り上げることが面白いというような感覚を持つようになります。そのため、小学4年生のころの作文には、お父さんやお母さんを笑うような話が出てくることがよくあります。これも子供が自立した世界観を持つようになった一つの表れです。

 小学5、6年生になると、自分の考えがはっきりしてくると同時に抽象的なものの見方ができるようになります。例えば、「私の友達」という題名で作文を書く場合、小学4年生までは友達との出来事をただありのままに書くだけですが、5、6年生になると、そこに、「友達とは」「友情とは」というような抽象的な要素が入ってきます。これが5、6年生の特徴です。

 ですから、5、6年生の子は、時に、きわめて純粋に物事を考えることがあります。従って、親が子供に何かを指示する場合でも、単に強制的に、または、褒美などで釣って指示するようなやり方ではなく、正しい建前を中心にしていく必要があります。その建前も人間の生き方のような大きな原則をもとにしたものを述べていくと、子供はそれを素直に理解するところがあります。小学5、6年生は、親子が対等に話す準備ができてくる時期になるのです。
……
====
好きな勉強を好きなだけできる場所
 獲物のウサギを捕まえるために、日々爪を研ぐ練習をしているオオカミはいません。
 同じように、オオカミから逃がれるために、日々ランニングの練習をしているウサギもいません。
 どの生き物も、自然のままに生きて必要な能力を育てています。
 人間も本来はそういう生き物で、何も無理をしなくても十分に充実した人生を生きる能力をもともと持っているのです。
 大事なことは子供のそういう能力を育てることで、大人が先回りして将来必要となる能力をつけることではありません。
 本人が自分で力をつけていくことが大事で、他人が本人の外側から力をつけさせようとするのではないのです。
 最も大切なのは、子供時代に自分の好きなことをたっぷりやっていくことです。
 しかし、子供に好きなことをやらせようとすると、今の社会ではゲームをし続けるとかYouTubeを見続けるとか、非生産的なただ受け身で娯楽に没頭するような、工夫の必要のない創造性にかけた好きなことに熱中する面があります。
 そこで、教育という工夫があるのです。
 子供時代は好きなことをすることが最も大切ですが、その好きなことを、好きな勉強をするというふうに置き換えて方向を変えていくとよいのです。
 よくないのは、嫌いな勉強を必要だからという理由でさせることです。
 最もよいのは好きな勉強を好きなだけさせることです。
 勉強は物事の全体的な体系ですから、好きな勉強を好きなだけしていると、必ずそこから嫌いな勉強も好きな勉強の一部としてする形になってきます。
 本人が好きなことを好きなだけやらせておくことが、子供時代の教育の基本です。
 好きな勉強を好きなだけするということにいちばん近いのが、発表学習という勉強です。
 子供たちが自分の学校生活や家庭生活の中で不思議に思ったり興味を持ったりしたことを、自分なりに研究したり調査をしたり実験したりして、みんなの前で発表するというのが発表学習クラスの勉強です。
 今の子供たちは、興味も何もない勉強を、ただ必要だからという理由で、国語、算数、理科、社会、英語というように区分して学ばされています。
 本当は、自分の興味のある発表学習が勉強の最も重要な核であり、この周囲にさまざまな教科の学習があると考えることが大事です。
 これが、これからの教育観の大きな転換になります。
 教育の大きな目標が、教科に分割された学習内容を学ぶことではなく、まず自分の好きなことを好きなだけ学ぶというところに置かれるようになるという発想の転換が必要になっているのです。
 
ホーム 言葉の森新聞