言葉の森新聞 編集用
印刷設定:A4縦用紙 :ブラウザの文字のサイズ:最小 ブラウザのページ設定:ヘッダーなし フッターなし 左余白25 右余白8 上下余白8
  公立中高一貫校合格に向けた、全教科自主学習クラスをスタートします
  オンライン自宅学童、オンライン学習塾という考え方。そしてオンライン自宅小学校へ
  小学3・4年生は、作文がいちばん楽しく書ける時期
 
言葉の森新聞
2019年6月2週号 通算第1566号

https://www.mori7.com/mori

森新聞
公立中高一貫校合格に向けた、全教科自主学習クラスをスタートします
 言葉の森では、これまで行っていた個別の「自主学習コース」を、6月からクラス単位の「自主学習クラス」として運営していきます。
 これは、クラス単位の学習の方が、学習の意欲が高まり能率が上がると考えるからです。
 この変更に伴い、自主学習クラスの参加者を新たに募集します。
 新しい自主学習クラスの概要は、下記のとおりです。

■公立中高一貫校合格、公立高校トップ校合格を目標として作文および全教科の勉強をすることで、学習の焦点を絞ります。

■対象学年は、小1年~中3年です。
(ただし、小6生、中3生は、今通っている塾の勉強を基本としてください。)

■自主学習クラスの基本は家庭での自主学習で、子供の勉強と親の関わりをオンラインでバックアップします。

■人に教わる勉強から、自分で進める勉強という能率のよい学習の仕方が身につきます。

■少人数の全員対話型の学習なので、勉強友達、読書友達ができ、合宿などでリアルな交流の機会も作れます。

■受験のために必要な詰め込みの勉強は、小6・中3の最後の1年間だけとし、それまでは基礎学力をつけ、考える力をつける余裕のある勉強をします。

■私立小学校に通っていて、中学受験や高校受験を考えていない方でも、将来の大学入試に必要な基礎学力と学習習慣をつけたいという方にはおすすめです。
 また、私立中学受験を目指す小学生の方でも、小学校低学年のうちに基礎学力と自主的な学習習慣をつけたいという方にはおすすめです。

■公立中高一貫校の入試問題は、2020年の大学入試改革の問題との共通性が高いので、中学受験の勉強が将来の大学入試の準備となります。

■合否にかかわらず(公立中高一貫校は合格しない生徒の方が多いので)、将来の高校入試や大学入試にも生かせる学力を育てます。

■費用は、言葉の森の作文を習っている生徒は、月額の受講料に3,240円の自主学習クラス受講料が加わるだけです。
1週間に複数の曜日の自主学習クラスを受講される場合は、曜日数×3,240円の受講料となります。

■6月から、次の曜日・時間でスタートします。(将来は、時間の枠を増やす予定です。)
 これまで、個別の自主学習コースで受講されていた方は、このいずれかの枠のクラスに参加してください。
 
 月曜 18:00~ 19:00~
 火曜 18:00~ 19:00~
 水曜 18:00~ 19:00~
 木曜 18:00~ 19:00~
 金曜 18:00~ 19:00~ 20:00~

 45分間の授業の間ずっと勉強している必要はなく、自分の決めた勉強が終わったら、あとは自由に読書などをしていてください(特に低学年の生徒)。
 45分間の授業のあと、Zoomの会場に残って勉強を続けることができます(特に高学年の生徒)。
 また、自主学習クラスを受講している生徒は、授業がない日もZoomの会場に入り、会場を自習室として利用できます。

■講師は、当面は代表の中根が担当しますが、クラス運営が軌道に乗った時点で言葉の森の他の講師に引き継ぎます。
 ただし、それぞれのクラスの懇談会には、中根も極力参加します。

■教材は下記のものをご用意ください。
 小1~小6……該当学年の「これでわかる算数」(文英堂)「ハイクラステスト国語読解力」(受験研究社)
       (算数が得意でない人は1学年下の「これでわかる算数」も用意しておいてください。)
       (理科、社会は自由です。)
 小5~小6……上記の問題集のほかに、必要に応じて塾専用の問題集の追加があります。)
        小6生は、志望校の過去問も購入しておいてください。(1年前のもので可)
 中1~中3……該当学年の「これでわかる数学」「ハイクラステスト国語読解力」「これでわかる英語」
       (数学が得意でない人は1学年下の「これでわかる数学」も用意しておいてください。)
        その他、必要に応じて塾専用の問題集の追加があります。
        中3生は志望校の過去問も購入しておいてください。(1年前のもので可)

■学校の成績が平均以上(5段階評価で3以上)が、参加できる学力の目安です。
 成績が平均以下だと、自主学習が難しく、クラスの雰囲気になじめない面もあるためです。

■それぞれのクラスの授業の終了後、15分程度の懇談会を行うことがあります。
 懇談会には、少なくとも月1回は参加できるようにしてください。
(他の曜日のクラスの懇談会に参加する形でもかまいません。)

■休んだ場合の授業のふりかえはできますが、先生のアドバイスはなく(時間的に無理なため)、ふりかえは、自主学習の時間の確保だけとします。

■欠席の場合は、必ず連絡を入れてください。(お電話、又はウェブから。)
 連絡のない場合は、教室から確認の連絡をすることがあります。

■Zoomへの参加は、スマホでもできますが、操作のしやすさという点で、パソコン又はタブレットの利用をおすすめします。
 古いスペックのパソコンでは、Zoomに対応できないことがあるので、その場合はクロームブック(4万円程度)の購入をおすすめします。

■パソコンの操作に慣れていない方には、別途、必要なパソコン操作の講習会を行いますので、保護者がパソコンに詳しくない場合も心配ありません。

■各クラスの定員は6名とします。
 体験学習は、先着順を基本としますが、そのクラスの学年配分も考慮してクラス編成を決めさせていただきます。
 定員が限られているため、体験学習は1回だけとさせていただきます。
 
■体験学習の参加申し込みは、ウェブのフォームからお願いします。
https://www.mori7.com/jform_pre.php?f=tkg201906
(既に希望の曜日時間をご連絡いただいている方はこちらで登録しますが、変更がある場合は修正してください。)
 どうしてもウェブからの申し込みが難しい場合には、事務局までお電話ください。

■自学力をつける自主学習クラスのほかに、発表力を育てる「発表学習クラス」、作文力をつける「作文クラス」の体験も随時受け付けています。
 希望される方は、空いている曜日時間をお知らせしますので、お電話でお問い合わせください。

■5月4週に行った、自主学習クラスの説明会に参加できなかった方は、下記の動画もご参考ください(約30分)。
https://www.youtube.com/watch?v=SHNtQusVwaA

 言葉の森で作文を習っている子は、最初は作文を習いたいからというそのままの動機で来ることが多いです。
 その時点では、受験のことはあまり考えていません。
 しかし、やがて、公立中高一貫校の受験や、公立高校のトップ校の受験や、あるいは大学の推薦入試などで作文小論文が必要になると、それまでの勉強を生かして、受験モードの作文の勉強になります。

 このように、学年が上がり受験モードの作文になるならば、教科の勉強の方も、公立中高一貫校や公立高校トップ校の合格を目指した学習を最初からやっておけばよいと考え、自主学習クラスを編成することにしました。

 ただし、今の学習塾によく見られるような詰め込みの勉強はしません。
 もっと長い目で見て、勉強が好きになるような自主学習の指導を進めていきたいと思っています。

 うちの子供は2人とも、塾にも予備校にも行かずに勉強をして大学に進みました。
 大学に入ったあと、友達からは、「よく塾に行かないで勉強できたな」を言われることが多かったそうです。
 塾に行かずに勉強するコツは、志望校の過去問の研究と、自分の苦手分野の強化だけなのです。
 しかし、塾や予備校では、一人ひとりに対してそうした対応はしきれません。
 だから、すべての子がどこにでも受かるような一般的な勉強をするために、長時間の詰め込み勉強にならざるを得ないのです。

 そうした塾のペースについていくのに精一杯で、日々の勉強や生活に苦労してしまっているご家庭には、自主学習クラスの受講を強くおすすめしたいと思います。
オンライン自宅学童、オンライン学習塾という考え方。そしてオンライン自宅小学校へ
 そんな新しい自主学習クラスですが、先日、最初の体験学習がありました。
 小学6年生の生徒と中学1年生の生徒が中心でした。

 それぞれ、自分で勉強する意思がはっきりしているので、こちらの話は相談とアドバイスが主なものです。
 生徒どうしの全体の交流は、ほんのわずかです。
 それは、交流が目的ではなく、自分で勉強することが目的だからです。

 しかし、勉強は、ひとりでしたのではあまり面白くありません。
 他の人がどんな勉強をしているか、その雰囲気がわかる中で、自分の勉強もするので、ひとりでやっていても励みがあるのです。

 そこで、この自主学習クラスでは、新しいやり方を取り入れました。
 Zoom会議室のブレークアウトルーム(分教室)を複数作り、一つは「みんなで勉強する部屋」、もう一つは「先生と生徒が個別の話し合いをする部屋」というふうに分けました。
 
 すると、勉強する部屋は、みんなで静かに集中して勉強ができます。
 個別の話をする部屋は、先生と生徒が二人きりでそれぞれの生徒にあった具体的な話をすることができます。
 こういうやり方が可能なのは、全員が対話に参加できるぐらいの少人数に絞り、その人数を維持してクラス運営をする仕組みを作っているからです。

 言葉の森の自主学習クラスのようなやり方が広がれば、参加できる生徒は全国からですから、得意分野や苦手分野に応じたクラス編成もできます。
 また、中学受験や高校受験に関しても、志望校別の学習ができるようになります。

 自主学習クラスは、ちょうどオンラインの学習塾のような感じで、誰でもどこからでも自宅で参加し、自分の勉強の予定に合わせて早く切り上げることも、長時間勉強を続けることもできるという柔軟性を持っています。

 また、以前に、オンライン自宅学童の話を書きました。
 これは、自宅学習を毎日オンラインで続ければ、学校から学童や塾によらずに自宅に帰り、お母さんが帰ってくるまでオンラインで友達と一緒に勉強したり読書をしたりすることができるという話です。

 この考え方を発展させると、例えば不登校の子供でも、自宅でオンラインの勉強をし、友達との交流をすることができます。
 子供たちにとって、学校は必ずしも必要ではありませんが、友達と勉強は必要です。
 それが自宅でできるのであれば、学校に無理して行くよりも、敷居はずっと低くなります。

 これからは、この対話型のオンライン教育が子供たちの勉強の仕方の一つになってくると思います。

 インターネットの時代には、自主的な勉強も、友達との交流も、どちらも簡単に実現できる場があります。
 しかし、そこで行われる勉強が、これまでと同じような知識の詰め込みとテストによる評価だけだったら、新しいオンラインの不登校が生まれるだけでしょう。
 勉強自体が、もっと自主的で創造的なものに変わらなければならないのです。
小学3・4年生は、作文がいちばん楽しく書ける時期
 オンラインの話が続いたので、最後は原点に立ち返って、作文の話です。

 小学3・4年生は、作文が最も楽しく書ける時期です。
 このころの子供たちは、表現力がついてくるとともに、面白いことを書きたいという気持ちがわいてくるからです。

 小学5・6年生になると、逆に難しいことを書きたくなってきます。
 それは、教科書でも、読書でも、だんだん難しい文章を読む機会が増えるからです。
 だから、自分もそういう文章を書きたいと思うのですが、書く力は、読む力よりも一歩遅れてついてきます。
 そのため、自分が思うように書けないから、書くことが苦手になった、急に作文がやりづらくなったと思う子が増えます。
 そして親も、作文の勉強がはかどらないことを、子供のやる気や能力不足と思い、つい責めるような言い方をしてしまうのです。

 なぜ今こういう話を書いたかというと、こうした5・6年生に起こりがちな問題が、一番楽しく書けるはずの3・4年生にも多くなっている気がするからです。

 本来ならば、小学生のころは、誰でも作文を書くのが好きな時期なのです。
 もし、子供が作文を嫌いになりかけているとしたら、教え方を見直してみる必要があります。
 小学3、4年生で作文の楽しさに目覚めれば、課題が難しくなる小学5、6年生の受験作文になっても、同じように楽しく書いていくことができます。
 
ホーム 言葉の森新聞