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  新学期の教材を発送しました
  12月29日(土)、31日(月)は休み
  12月24日、1月1日~7日、14日は休み宿題
  第4週は清書。幼稚園生は作文
   清書の意義と方法
   清書の投稿
   小学生新聞の投稿先
  4週目の読解問題(小1以上)
  オンライン教育と創造教育
  アマチュアの時代
  未来の地球と言葉の森の教育
 
言葉の森新聞
2018年12月4週号 通算第1544号

https://www.mori7.com/mori

森新聞
新学期の教材を発送しました
 来年1月からの新学期の教材を、12月17日(月)~18日(火)の期間に発送しています。
 国内の生徒さんで、25日くらいになっても届かない場合はご連絡ください。
 作文、封筒用紙、住所シールも同封しています。
12月29日(土)、31日(月)は休み
 12月29日(土)、31日(月)は、第5週でお休みです。先生からの電話はありません。振替授業もお休みです。
12月24日、1月1日~7日、14日は休み宿題
 12月24日(月)と、1月1日(火)から7日(月)は、休み宿題です。
 先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時-午後7時50分。年末は28日まで。電話0120-22-3987)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
 オープン教育の掲示板「森の予習室」に学年別の予習のヒントが載っています。

 また、1月第2週の14日(月)も、成人の日の祝日となり、お休みです。
 カレンダーの関係で、月曜日はお休み宿題の日が長く続いてしまいますが、よろしくお願い致します。
第4週は清書。幼稚園生は作文
 幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
 小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
 清書をしたあと、時間に余裕のある場合は読解問題をしてください。
清書の意義と方法
 清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。
 内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。

 書き直すときは、次の点に留意してください。
(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
清書の投稿
 清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
 
 手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。

 投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
 同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
小学生新聞の投稿先
■104-8433東京都中央区築地3-5-4 朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
■100-8051(住所はいりません 毎日小学生新聞「さくひん」係(600字以内)
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
4週目の読解問題(小1以上)
 小1以上の生徒には、課題フォルダに、4週目の長文をもとにした読解問題を2問載せています。時間のある人は取り組んでください。
 読解マラソンのページには、全8問の問題とそれに対応した長文がありますが、問題数をしぼり問7と問8の2問だけにしているのは、じっくり解いて満点にすることが目標だからです。
 問1~6も含めた全問を解きたい方は、「問題のページ」で長文と問題をごらんください。
 ただし、その場合も、当てずっぽうで全部解くのではなく、必ず全問正解になることを目標に解くようにしてください。
http://www.mori7.com/marason/ki.php
オンライン教育と創造教育
 これからの教育の大きな方向は、形の上ではオンライン教育です。
 そして、内容的には創造教育です。

 オンラインの教育自体は、これからどこでも行えるようになります。
 しかし、それを少人数の教育として組み立てることは、まだ難しいところがあります。

 また、オンラインで従来の教育をやっていくだけでは、参加者がやや便利になったという程度で何も大きな変化はありません。
 オンラインという新しい革袋(かわぶくろ)に入れるものは、従来の詰め込み教育とは異なる新しい中身である必要があります。

 その中身とは、これからの社会では創造教育になります。
 創造教育の中身をわかりやすく言えば、東大の推薦入試や京大の特色入試に対応するような学力です。
 それは、東大や京大の枠を超えて、今後、世界の教育の標準になるものだと思います。

 ここ数年、世界中で、スマホなどを利用した入試のカンニングが問題になっていますが、カンニングできるような試験は、もともとやる必要がないのです。
 
 社会に出れば、必要に応じて何をカンニングしてもいいから、というよりも、学生時代にカンニングと言われたような手段やアイデアを創造的に組み合わせて、成果を上げることが重要になってきます。

 時代遅れの入試に合わせた勉強をするよりも、新しい時代に必要な実力を育てていくことが大事です。
 その新しい実力の中心が創造力で、その周辺にコミュニケーション力や、幅広い知識、新しい知識を吸収する理解力などが配置されているのです。
 言葉の森では、それをこれから寺子屋オンライン教育として行っていく予定です。

 オンライン教育はこれから広がっていきますが、それがただ利便性を目的としているだけでは、これまでの教育との大きな違いはありません。
 オンライン教育は、創造教育と結びついて初めてその真価を発揮します。
 これからの教育は、量的な尺度を超えたより質的なものになっていきます。
 そこでは、生徒どうしの個人性が重要になってくるのです。

 偏差値という数値的なツールによって、それまでの手作りと勘の教育は大きく変化しました。
 しかし、今はその量的な尺度を超えた質的なものが見直されている時期です。
 質的な教育で重視されるのは、数値に還元されない人間の個人性なのです。
アマチュアの時代
「石の上にも三年」という言葉があります。
 最初は偶然に勤めた始めたような会社で、特に興味もなくやっていた仕事が、何年も続けているうちに次第に面白くなり、やがて天職のようになる。
 そういう生き方をしてきた人が、これまでの社会ではほとんどだったと思います。
 最初から、自分の好きな仕事をするために目的を決めて就職したという幸運な人もいるかもしれませんが、そういうケースはまれだったでしょう。

 ところが、さかなクンの仕事に見られるように、自分の好きなことを続けているうちに、それがやがて仕事になる、というケースが最近増えてきました。
 さかなクンは、魚が好きで、魚のことをいろいろ調べたり、つかまえたり、飼ったりするうちに、今では魚の専門家のような仕事をすることになったのです。

 ウーバーやエアビーアンドビーも、同じようなスタイルの仕事です。専門のタクシー業者や専門の旅館業者ではなく、アマチュアが、自分のできる範囲で、それまでの専門家が行ってきたことを行うようになっています。
 ブログやSNSやyoutubeの情報発信力は、今では大手のマスコミを上回るようになっています。
 そのブログやSNSやyoutubeの作者は、ほとんどがアマチュアの立場で情報を発信している人たちです。

 教育の仕事も同様です。
 正規の教育課程で教育原理や教育心理学を学び、各教科の知識と技能を身につけている人ももちろんいますが、子供を教えることが楽しいからということで始めた教育の仕事が、何年も続けているうちに自分の天職のようになってきたという人も多いのです。

 専門家の利点は、体系的な学問の裏付けのある知識を身につけていることです。しかし、与えられたことに素直に従ってきただけで、自分なりの創意工夫に欠けたまま、半分惰性で仕事をしているような人もいます。
 アマチュアの弱点は、専門家の反対で、体系的な知識を持っていないことです。しかし、もともとその仕事をしたいということが動機ですから、仕事について意欲的でさまざまな工夫をするという長所があります。そして、その意欲の延長で、体系的な学問を身につけていくという人も多いのです。

「石の上にも三年」という言葉は、苦しいことや嫌なことでも長年続けていれば良い面が見えてくるというニュアンスで使われることの多いことわざでした。
 
 ところが、これからは逆に、好きなだけことでも長年続けていれば、専門の仕事のようになってくる、という意味の言葉になってくるでしょう。
 今はそういう時代なのです。

 言葉の森では、現在、森林プロジェクトという企画で、作文講師育成講座を行っています。
 参加している人の中には、既に自分の教室で英語を教えているとか、塾を開いているとかいう人もいます。ある意味で、教える技能を身につけている人たちです。
 しかし、その一方で、子供を教えたことなどはないという人もいます。では、なぜその仕事をやってみたいと思ったかというと、それはただ、「子供に作文を教えることが面白そうだから」という動機なのです。
 この、「面白そうだから、やってみる」という考え方が、これからの世の中では大事になってくると思います。

 これからはアマチュアの時代だなどと言うと、専門家の方から叱られそうですが、どんなことでも長年やっていれば、同じようなところに行き着きます。
しかし、そのために大事なことは、アマチュアは学問を身につけること、専門家は新しいことに挑戦することです。
 どんな専門家も、最初は素人です。生まれたときからプロという人はいません。
 伝統芸能ではそういうことがあるかもしれませんが、世の中のほとんどは、長い時間をかけた人が次第にプロになっていったのです。

 それは、子供の勉強にもあてはまります。
 主要教科をしっかり勉強することももちろん大切ですが、それとともに、あるいはそれ以上に、自分の好きなことに費やす時間を大切にすることが、これからの時代には必要になってくるのです。
未来の地球と言葉の森の教育
 言葉の森は、作文教育を出発点として、未来の教育を次のようにしたいと考えています。

 第一に、受験を目的とした勉強ではなく、人生と社会に真に必要な実力をつける教育です。このことによって、余裕のできた子供たちは自由な創造の時間を過ごすようになります。

 第二に、学校や塾に任せる教育ではなく、家庭と地域を基盤とする教育です。この教育を支えるのは家庭と地域の文化で、そこで人間性と社会性を育てる教育が行われていきます。

 第三に、点数を重視した教育ではなく、文化を重視した教育です。それは点数にならない思いやりや勇気や本当の知恵を大切にする教育です。

 第四に、競争で勝敗を分ける教育ではなく、それぞれの子供たちの創造性を生かす教育です。子供たちの描く未来の自分の姿は、自主独立の人間で、人生の目的は、幸福、向上、創造、貢献となります。

 教育の場は日常的なオンラインと年に数回の合宿で、先生は人生経験を積んだ社会人です。それらの先生が、自分の個性を生かした新しい教育を作り出します。その新しい教育はさまざまな分野で子供たちの創造力を伸ばし、その教育と文化が日本と世界の新しい産業になります。
 そして、日本文化の普遍的な本質が世界のそれぞれの文化に生かされることによって、やがて地球は愛と笑いと創造の惑星になっていくのです。

 誰でも、子供はのびのびと自由に育ってほしいと思っています。
 しかし、いったん競争の中で教育が行われるようになると、とりあえず競争に勝つことが第一の重点になります。
 すると、やがて競争に勝つための教育だけが教育と考えられるようになり、試験に出ないところは勉強しなくてもいいというような考えが自然に生まれてくるのです。
 教育の本来の目的は自分を向上させることです。それは、人間がもともと向上心を持っているからです。
 これからの教育は、この向上心に依拠して行っていく必要があります。
 
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