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  4月1日(金)から新学期
  【重要】暗唱検定5~2級のページ
  日本発の未来の教育(4)のつづき
 
言葉の森新聞 2016年4月1週号 通算第1413号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
4月1日(金)から新学期
 4月1日から新学期が始まります。教材の説明は、課題フォルダの表紙の裏側に書いてあります。また、勉強の仕方の説明は、「学習の手引」に載っています。
http://www.mori7.com/mori/gate.php
【重要】暗唱検定5~2級のページ
 暗唱検定の5級から2級のページができました。
http://www.mori7.com/mine/as2.php
 5級の検定試験は、4月4週に行う予定です。詳細は、追ってお知らせします。
今週の言葉の森新聞には4級の暗唱長文を掲載しています。
日本発の未来の教育(4)のつづき
 自学自習のもとでは、親子の勉強はそれほど多くの親の時間を取るものではありません。
 親が子供に教え込む形の勉強では、子供の勉強時間と同じ時間だけ親がつきっきりでいなくてはなりません。しかし、自学自習の勉強の体制ができれば、子供は勉強時間のほとんどを自分の力でやっていきます。
 親は、勉強の結果を子供に聞き、子供にわかったこととわからなかったことを説明してもらえばいいのです。子供が、わかららないところをは手を抜いてやっているのではないかという不安がある場合は、いくつかポイントを絞って質問し、子供に答えてもらえばわかります。
 そして、親は子供が自分の力ではわからなかったところだけ一緒に考えて説明してあげればいいのです。その上で、親にも説明しにくいところがあれば、親が先生に質問し、それをまた次の日に親が子供に説明していきます。これが、家庭における自学自習のスタイルです。
 ところで、今の教育方法の多くは、こういう自学自習の形ではありません。
 低中学年の早い時期から勉強を外部の機関(塾や通信教育)に任せると、親が子供の勉強の実態が把握できなくなります。親が見ることのできるのは点数という結果だけで、勉強の中身はブラックボックスになっていきます。すると、親がアドバイスできるのは、子供の勉強の取り組み方という外見だけになり、「遊んでいる暇があったら勉強しなさい」などという外側からの強制しかできなくなってきます。
 こうなると、子供はポーズとして勉強するようになります。ポーズの勉強とは、簡単にできる問題を手を動かして長時間解くような勉強です。
 時間をかけているわりに成績が上がらないというのは、勉強をポーズとしてやっているからであることが多いのです。
 勉強を外部の機関に丸投げすれば、それがどんなによい塾や学校や通信教育であっても、同じように親の関与は外面からだけのものになります。
 子供の勉強は、いずれ親の手から離れるとしても、少なくとも小学校時代、できれば中学校時代までは、親が子供の勉強の中身にも関与できるようにしておく必要があります。それが家庭における自学自習の体制の土台になります。
 このような家庭での自学自習を実現するために、言葉の森が今行っているのが寺子屋オンエアです。(つづく)
 
暗唱長文 4級 の1  千山/偶成/春望/方丈記/田子の浦ゆ

せん山鳥ざんとりぶこと絶えた  
ばんけいじんしょうめっす 
孤舟こしゅう蓑笠さりゅうおう 
独りひと 釣るつ かんこうゆき

少年しょうねん老いお 易くやす がく成りな がたし 
一寸いっすん光陰こういんかろんずからず  
未だいま めず池塘ちとう春草しゅんそうゆめ 
かいぜんよう已にすで しゅうせい
偶成ぐうせいしゅ

くに破れやぶ 山河さんが在りあ  
しろはるにして草木そうもく深しふか  
とき感じかん てははなにもなみだそそぎ 
別れわか 恨んうら ではとりにもこころ驚かすおどろ   
烽火ほうか三月さんげつ連なりつら   
しょ万金ばんきんあたる 
白頭はくとう掻けか 更にさら 短くみじか  
べてしんえざらんとほっす 
しゅんぼう

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 ゆくかわながれはえずして、しかももとのみずにあらず。よどみにうかぶうたかたは、かつえ、かつむすびて、ひさしくとどまりたるためしなし。なかにある、ひとすみかとまたかくのごとし。 たましきのみやこのうちに、むね並べなら いらか争へあらそえる、たかき、いやしき、ひと住ひすまいは、世々よよきせぬものなれど、これをまことかとたずぬれば、むかしありしいえまれなり。あるい去年こぞけて、今年ことしつくれり。あるい大家おおいえほろびて小家こいえとなる。ひともこれにおなじ。ところかわらず、ひとおおかれど、いにしひとは、二三十人にさんじゅうにんうちに、わづかにひとりふたりなり。あしたに、ゆうべうまるるなら、ただみずあわにぞたりける。
 らず、うまぬるひと何方いずかたよりたりて、何方いずかたへかる。またらず、かり宿やどり、ためにかこころなやまし、なにによりてかよろこばしむる。そのあるじすみかと、無常むじょう争ふあらそうさま、いばあさがつゆことならず。あるいつゆちてはなのこれり。のこるといども朝日あさひれぬ。あるいはなしぼみてつゆえず。えずといどもゆうべことなし。
方丈記ほうじょうき鴨長明かものちょうめい

 天地あめつちの 別れわか ときゆ 神さびかん  て 高くたか とうとき 駿河するがなる 高嶺たかねを あまはら 振りふ 見れみ ば 渡るわた の かげかく 照るて つきの ひかり見えみ ず 白雲しらくもも い行きゆ はばかり ときじくぞ ゆき降りふ ける 語り継ぎかた つ  言ひいい継ぎつ かむ 不尽ふじ高嶺たかねは 
 田子の浦たご うらゆうちでて見れみ 真白ましろにそ不尽ふじ高嶺たかねゆき降りふ ける
山部赤人やまべのあかひと
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暗唱長文 4級 の2  天地初めて発(ひら)けし時

 天地あめつち初めてはじ  ひらけしとき高天たかまはらりませるかみは、あめ御中みなかぬしかみ次につぎ たかかみ次につぎ かむかみ。この三柱みはしらかみは、みなひとりがみ成りな まして、かくしたまき。
 次につぎ くに稚くわか 浮かべるう  あぶら如くごと して水母くらげなすただよへるときに、あしかびのごと騰るあが もの因りよ 成りな ませるかみは、宇摩うまぢのかみ次につぎ あめとこたちかみ。この二柱ふたはしらかみもまたひとりがみ成りな まして、かくしたまき。
 つぎりませるかみは、くにとこたちかみつぎとよ雲野くものかみ。この二柱ふたはしらかみもまた、ひとりがみ成りな まして、かくしたまき。つぎれるかみは、かみ次につぎ いもかみ次につぎ つのぐいかみ次につぎ いもいくぐいかみ二柱ふたはしら次につぎ 能地のぢかみ次につぎ いもおおかみつぎかみ次につぎ いもかみ次につぎ 那岐なきかみ次につぎ いもかみ
 ここにあまかみもろもろみことちて、那岐なきみことみこと二柱ふたはしらかみに「この漂へるただよえ くに修めおさ つくかたせ。」とりて、あめぼこ賜ひたまいて、ことさしたまき。かれ二柱ふたはしらかみあめ浮橋うきはし立たした  て、そのぼこ指しさ 下しおろ きたまば、しおこをろ お こをろ お して、引き上げひ あ たまときに、そのほこさきより垂りしたた 落つるしおかさなりもりてしまりき。これ、しまなり。そのしま天降りあまくだ まして、あめはしら見立てみた 八尋やひろ殿どの見立てみた たまき。
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古事記こじき
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暗唱長文 4級 の3  やまとうたは、ひとのこころをたねとして

やまとうたは、ひとのこころをたねとして、よろづのことのはとぞなれりける。なかにあるひと、こと、わざ、しげきものなれば、こころにおもことを、見るみ もの、きくものにつけて、いいだせるなり。はなになくうぐす、みずにすむかづのこをきけば、いきとしいけるもの、いづれかうたをよまざりける。ちからをもいれずして、あめつちをうごかし、めに見えみ ぬおにがみをもあれとおもせ、とこをむなおん のなかをもやらげ、たけきもののふのこころをもなぐさむるは、うたなり。 

このうた、あめつちのひらけはじまりけるときより、いできにけり。[あまのうきはしのしたにて、めがみを神おがみとなりたまことをいるうたなり。]しかあれども、世によ つたることは、ひさかたのあめにしては、したてるひめにはじまり[したてるひめとは、あめわかみこのめなり、せうしょうとのかみのかたち、かたににうつりて、かがやくをよめるえびすうたなるべし、これらはもじのかずもさだまらず、うたのやうようにもあらぬことどもなり。]あらかねのつちにては、すさののみことよりぞ、おこりける。ちはやぶるかみには、うたのもじもさだまらず、すなにして、ことこころわきがたかりけらし。ひとのとなりて、すさののみことよりぞ、みそもじあまりひともじはよみける。[すさののみことは、あまてるおほむおおんかみのこのかみなりとすみたまはむわんとて、いづものくににみやづくりしたまふもうときに、そのところにやいろのくものたつをてよみたまなり、やくもたついづもやがきつまごめにやがきつくるそのやがきを。]かくてぞ、はなをめで、とりをうらやみ、かすみをあれび、つゆをかなしぶこころ、ことばおく、さまざまになりにける。ところも、いでたつあしもとよりはじまりて、年月としつきをわたり、たかきやまも、ふもとのちりひぢよりなりて、あまぐもたなびくまでおのぼれるごとくに、このうたも、かくのごとくなるべし。
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古今集こきんしゅう序文じょぶん
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