言葉の森新聞 編集用
印刷設定:A4縦用紙 :ブラウザの文字のサイズ:最小 ブラウザのページ設定:ヘッダーなし フッターなし 左余白25 右余白8 上下余白8
  3月29日・30日・31日は休み
  新学期の教材を発送しました
  オンエア作文の募集を開始します
  第4週は清書。幼稚園生は作文
   清書の意義と方法
   清書の投稿
   朝日小学生新聞の投稿先
   手書き清書の送り方
   【重要】低学年の実行課題自由課題作文ウェブ発表会
  4週目の読解問題(小1以上)
  日本発の未来の教育――オンエア特別講座、寺子屋オンエア、オンライン作文、森林プロジェクト(3)
  日本発の未来の教育――オンエア特別講座、寺子屋オンエア、オンライン作文、森林プロジェクト(4)
 
言葉の森新聞 2016年3月4週号 通算第1412号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
3月29日・30日・31日は休み
 3月29日(火)・30日(水)・31日(木)は、第5週でお休みです。振替授業もお休みです。
新学期の教材を発送しました
 新学期の教材を3月16日(水)・17日(木)に発送しました。
 国内の生徒で25日になっても届かない場合はご連絡ください。
オンエア作文の募集を開始します
 言葉の森では、現在寺子屋オンエアという名称で、ハングアウトのウェブ会議の機能を使った家庭学習の指導を行っています。
 この寺子屋オンエアを同じやり方で作文も書きたいという声がこれまでに何度かありましたので、担当の先生との時間が合えば、オンエア作文も始められるようにしました。
 追加料金などはかかりません。
 ただし、振替や代講の場合は、通常の電話指導になる場合もあります。
 やり方は、電話指導の10分前からハングアウトに入れるようにしますので、ウェブカメラのついたパソコンで指定されたリンクからハングアウトに入ってください。
 時間になると、先生から電話又はskype電話がありますから、その説明を聞いて作文を書いていきます(通常の電話指導と同じです)。
 作文を書いている間は、そのままハングアウトに入っていますが、途中の退出、再入室などは自由です。
 ハングアウトの1人あたりの接続時間は1時間ですので、1時間以上かかる場合は、いったん退出してそのまま自宅で続きの作文を書いてください。
 途中での質問や相談は、通常の電話指導と同じように事務局に電話をして聞いてください。
 通信での学習は孤独になりがちですが、ハングアウトで他の生徒の勉強している様子を見ながら勉強できると励みになると思います。
 詳細は、事務局までお電話でお問い合わせください。
第4週は清書。幼稚園生は作文
 幼稚園年中と年長の生徒は、第4週も普通の作文を書く練習です。自由な題名で作文を書いてください。
 小学1年生以上の生徒は、清書を行います。
 清書をしたあと、時間に余裕のある場合は読解問題をしてください。
清書の意義と方法
 清書とは、これまでに書いた作文の中で内容がよかったものを書き直すことです。内容がよいとは、個性、感動、共感などがあるということです。
 書き直すときは、次の点に留意してください。
 

(1)漢字で書けるところは漢字で書く。
(2)たとえや自作名言を工夫できるところがあれば工夫する。
(3)似た話や続きの話を書くことによって字数を増やす。
(4)作文用紙の空いているところに絵などをかいてもよい。
清書の投稿
 清書した作文は、小学生新聞や一般紙などに投稿してみましょう。
 手書きの清書の原本を、新聞社に投稿したり、コンクールに応募したりする場合は、清書のコピーの方を先生に送ってください。
 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(2)学年(3)自宅の住所(4)自宅の電話番号(5)学校名とふりがな(6)学校所在地(町村名までで可)など。
 投稿する際は、ペンネームを本名に訂正しておいてください。作文の中に友達の名前が固有名詞で入っている場合は、イニシアルなどに直しておいてください。投稿する作文の内容は、保護者がチェックしてあげてください。
 同じものを複数の新聞社やコンクールに送らないようにしてください。これは二重投稿といって、もし両方に掲載されてしまった場合、掲載先に迷惑をかけることになります。
朝日小学生新聞の投稿先
 104-8433東京都中央区築地3-5-4朝日小学生新聞「ぼくとわたしの作品」係
(毎日小学生新聞は、作文よりも俳句を中心に掲載しているようです。) 
※清書した作文を投稿しない場合でも、額などに入れて家の中に飾っておきましょう。
手書き清書の送り方
 手書きの清書も作文と同じように先生に送ってください、翌月の1週の作文と一緒に返却します。
 パソコンで清書を入力した場合、手書きの清書は必ずしも先生に郵送などで送る必要はありません。 
 手書きの清書のスキャン画像を作文の丘からアップロードした場合も、先生に郵送などで送る必要はありません。
【重要】低学年の実行課題自由課題作文ウェブ発表会
 幼長、小1、小2の課題を勉強している人は、実行課題集などを参考に自由な題名の作文を書いています。その小2までの課題の生徒の作文を毎月ウェブで発表します。発表を希望される方は、次のようにしてください。
1、その月に書いた作文の中でよく書けたと思うものに、絵や写真をつけて発表用の作文としてください。(書き直す必要はありません。)
2、名前や固有名詞などが表示されないように、付箋やシールなどで隠しておいてください。
3、その発表作文の写真を撮り(デジカメ、スマホ、スキャナなど)、画像の泉から送ってください。
http://www.mori7.com/izumi/
4、画像の泉のひとこと欄に、「実行課題作文発表会用」「発表会用」「発表用」など、「発表」という文字がどこかに入るようにしてください。
5、締め切りは、翌月の15日までとします。(例えば、1月の作文の場合は、2月15日までに画像の泉送ってください。それを2月4週に発表します。)
http://www.mori7.com/hpk/jkhpk.php
4週目の読解問題(小1以上)
 小1以上の生徒には、課題フォルダに、4週目の長文をもとにした読解問題を2問載せています。時間のある人は取り組んでください。
 問題数を少なくして、問7と問8の2問だけにしたのは、じっくり解いて満点にすることが目標だからです。
 問1~6も含めた全問を解きたい方は、「問題のページ」で長文と問題をごらんください。ただし、その場合も、必ず全問正解になることを目標に解いてください。
http://www.mori7.com/marason/ki.php
日本発の未来の教育――オンエア特別講座、寺子屋オンエア、オンライン作文、森林プロジェクト(3)
 次は、バランスのよい学力を育てることについてです。
 今、学校や塾で行われている勉強の多くは、受験を目的としています。受験が勉強の目的にならざるを得ないのは、合格者の人数に制限があるからです。なぜ合格者の人数に制限があるかというと、教える先生の数が限られていて、教室の机の数が限られているからです。だから、試験をして、その学校の定員の中に入れる人を選ぶ必要があるのです。

 しかし、このごく当然のように見える前提が大きく崩れつつあります。そのひとつはMOOCなどに見られるようなネットを利用した教育によってです。近い将来、受験はもっと緩やかなものになり、誰でも好きなところに入れるが、そこで勉強して卒業するにはそれなりの努力が必要になるという形に変わるでしょう。そうなると、勉強は受験に勝つためのものではなく、実力をつけるためのものになっていきます。
 受験の価値が薄くなるもうひとつの理由は、少子化による大学の経営難の結果、安易な推薦入試が増え学歴と実力が相関しない例が増えているからです。また、受験のテクニックが高度化した結果、実力がなくても点数は高いというケースも増えてきたからです。
 読書や思索や幅広い経験の時間を持たずに、ただ素直に勉強だけしてきた生徒の点数がいくら高くても、その点数が実力だとは言えません。そういう、まるで科挙の時代の末期のような、受験勉強の末期状態が今生まれつつあります。

 現在のような受験が目的となる勉強のもとでは、勉強の重点は、人生や社会に役立つ大事なことにではなく、受験で差がつきやすいところで点数を取るということに置かれます。
 昔は、受験勉強は、実力を伸ばすひとつのきっかけとして有用なものでした。今でも、もちろんそういう面はあります。だから、受験の1年間で学力が飛躍的に伸びるのも事実です。しかし、その受験勉強が先取りによって行き過ぎたものになると、逆に受験のための勉強に特化することによって、かえって学力が低下していくのです。点数は上がるが、本当の学力は低下するというのが、今の受験勉強が持っているマイナスの一面です。

 受験勉強の弊害は、二つの面で出ています。ひとつは、受験勉強の先取りのし過ぎです。例えば、ある作者とその作者が書いた作品を結びつけるという国語の問題があった場合、本当の実力とは、その作者の書いたその作品を読んでいて自然にわかるというものです。しかし、その作者と作品をただ知識として記憶しただけの子も、同じ点数が取れます。そして、多くの本を読んで自然に身につけている実力のある子よりも、本を読む時間を省略してただ多くの作者と作品の結びつきを覚えた生徒の方が一般に点数はよいのです。
 もちろん、こういう一夜漬けに近い勉強が必要な場面は、社会生活でもあるので、決して無駄ではありません。しかし、それはせいぜい受験の最後の半年か一年で集中してやればよいことです。何年も前からそういう条件反射的な勉強の仕方をすることは、かえってその子の学力を低下させることになるのです。

 受験勉強のもうひとつの弊害は、勉強の苦手な子を多数生み出していることです。人生に役立つ本当の学力をつけることを目的にした勉強であれば、誰もが満点を取れることが目標になります。江戸時代の寺子屋で行われていた読み書き算盤は、そういう勉強でした。寺子屋で学ぶ子供たちの中には,よくできる子も、あまりできない子もいたでしょう。しかし、誰もが自分のペースで必要なことを学んでいきました。この誰もが満点を取れるようになるというのが、教育の本来の目標なのです。

 しかし、受験が目的になっている勉強のもとでは、教える先生は、受験で差がつきやすい難しいところでいかに得点するかということに勉強の重点を置きがちです。解き方を訓練していないと時間内には解けない算数数学の問題、合っているものを選ぶのではなく、間違ったものを選ばないという国語の問題は、こういう事情で生まれてきています。そして、受験勉強の重点が点数の差のつきやすいものに置かれると、それに対抗するかのように受験問題は新たに点数の差のつきやすいものに進化(というか退化)していきます。このようにして、重箱の隅をつつき合うような受験勉強と受験問題の結果、多くの子が落ちこぼれていくのです。その落ちこぼれを救う方法は、差のつきやすい難問の解き方をていねいに教えることではありません。本当に必要な勉強を教えることなのです。そして、その本当に必要な勉強を学ぶことであれば、それは教科書レベルの教材と、自学自習の仕組みと、質問に答えられる体制さえあれば十分なのです。(今の教科書は解説があまり詳しくないので、教科書レベルの教材に詳しい解説が加わった市販の参考書や問題集の方がいいのですが。)
日本発の未来の教育――オンエア特別講座、寺子屋オンエア、オンライン作文、森林プロジェクト(4)
 今の受験中心の勉強の弊害は、よくできる子にも、普通の子にも、よくできない子にも表れています。
 よくできる子は、自分のペースで先の学習まで進んだり、より難しい問題に取り組んだりしていけばいいのです。それは、受験の勉強を先取りするということではありません。受験勉強の先取りは、かえって頭を悪くします。
 受験的な勉強は、受験の最後の1年間でやればいいと考えて、それまでは本当の学力をつけるための教科書レベルの勉強を先取りし、自分の興味に応じてより高度な勉強も追加していけばいいのです。

 自分のペースでする勉強の方法が、家庭での自学自習です。
 ただし、子供が自分の力で自然に自学自習するということはまずありませんから、大人が、自学自習しやすい体制を作り、それを運営していく必要がります。
 しかし、それは、大人(親や先生)が子供に一方的に教えこむような従来のスタイルの勉強ではありません。大人は、体制を作り、子供の自学自習がスムーズに行くようにやり方をチェックし、必要に応じて子供の質問に答えるという役割に留まります。
 大人がリーダーとなって引っ張っていくのではなく、子供が自主的にやることを、大人がサポートしていくという役割です。この大人とは、親と先生ですが、特に小学生までは親の役割が重要になります。

 例えば、子供が算数の勉強をしていてわからない問題にぶつかった場合、解説を読んでもわからないとき、子供は普通、身近な人である親にまず聞きます。そのことによって、親は子供の学習レベルがわかり、子供の理解度に応じた説明をすることができます。
 そして、親が説明をしても子供がよく理解できない場合は、今度は親が先生に説明の仕方を質問するという形に進みます。そして、その結果をやはり親が子供に伝えなおしていくのです。

 中学生の義務教育までの勉強では、子供の質問はすべて親が最初に対応するつもりで臨んでいくことです。そのことによって子供の勉強の実態がわかり、早めに的確なアドバイスができるようになるからです。(つづく)
 
ホーム 言葉の森新聞