言葉の森新聞 編集用
印刷設定:A4縦用紙 :ブラウザの文字のサイズ:最小 ブラウザのページ設定:ヘッダーなし フッターなし 左余白25 右余白8 上下余白8
  2月11日(火)は休み宿題
  休会退会の連絡は毎月10日までに(再掲)
  2月の遊びと行事の実行課題を作成中
  勉強の基本は感動
  因数分解は、論理の美しさを味わう勉強
  今の教育産業の動向に流されないようにしよう
 
言葉の森新聞 2014年2月1週号 通算第1307号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
2月11日(火)は休み宿題
 2月11日(火)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時-午後7時50分。電話0120-22-3987)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
 オープン教育の掲示板「森の予習室」に学年別の予習のヒントが載っています。
休会退会の連絡は毎月10日までに(再掲)
 休会退会は月単位です。10日までにご連絡いただいた場合、その月末までの在籍、翌月から休会退会という扱いになります。
2月の遊びと行事の実行課題を作成中
■実行課題集をオープンします

 言葉の森の作文課題は、これまで、幼児、小1、小2の生徒については、自由な題名ということにしていました。これは、低学年の生徒にとって、与えられた題名で書くことは難しいからです。
 しかし、自由な題名だと、毎回「きょうのこと」のような話になり、授業の電話があるときまでに書くことが決まっていないという生徒もいました。
 そこで、2月から、親子で楽しく実行できる遊びや季節の行事を作文の題材のひとつとして紹介することにしました。
▼実行課題集(2月1日にオープンします。)
http://www.mori7.com/jk/
 例えば、2月の行事では、節分、初午、針供養、建国記念の日、バレンタインデーなどがあります。また、寒い時期は寒いなりに楽しい遊びがいろいろあります。
 そういう季節ごとの行事や遊びを紹介していきたいと思います。

■実行課題をもとに作文を書く

 この実行課題は、楽しく遊ぶのが主で、作文の課題として書くのはその副産物です。作文は、生徒本人が書く気があるときに書くようにしてください。
 次のような感じですすめていくといいと思います。

親「今度の作文は、何書くの」
子「えーと、今日のことにしようかなあ」
親「この間の『○○○○』のことを書いたらいいんじゃない」
子「あ、そうだ。それにしようっと」

■取り組みの様子を写真やビデオで保存しておきましょう
 
 行事や遊びを家庭で取り組むときに、その様子を写真やビデオに撮っておくといいでしょう。子供が作文を書いたら、その作文と写真をセットにして保存しておきます。
 子供が成長したときのいい記念になります。(先の長い話ですが。)

■プレゼン作文発表会に参加しましょう

 3月末にプレゼン作文発表会を開催します。
 これは、2月までに清書した作文のうちから自分でひとつの作品を選び、その作文に画像や音声を組み合わせて発表するものです。(自由参加)
 通学の生徒は、通学の教室で順番にプレゼン作文発表会をします。
 通信の生徒は、家庭で発表の様子をビデオに撮っておき、それをyoutubeの限定公開でアップロードしてください。(発表用は、顔などが映り込まないように撮っておいてもいいと思います。)
 そのプレゼン作文発表をした生徒どうしが、ウェブ上で互いの発表を見られるようにしたいと思います。

■おすすめの遊びや行事があればご紹介ください

 遊びと行事の取り組みについてのご感想やご要望、おすすめの遊びや行事のご紹介などを、オープン教育やfacebookグループで受け付けています。
 高学年の生徒の保護者の方も、昔の経験などをもとに、遊びや行事の楽しい取り組みをご存知でしたらぜひご紹介ください。
オープン教育の「オープン遊び」
http://www.mori7.com/ope/index.php?b=3&k=4
facebookグループの「親子で遊ぼうワンワンワン」
https://www.facebook.com/groups/wanwanwan/
オープン教育の「日本の行事と文化」
http://www.mori7.com/ope/index.php?b=3&k=31
facebookグループの「季節と行事の家庭学習」
https://www.facebook.com/groups/gyouji/
勉強の基本は感動
 勉強の基本は感動です。その学問の面白さに目覚めた子は、自分でどんどん勉強を進めていきます。
 昔、私がプログラミングの本を読み始めたころ、forループの数行で、百ます計算のような表が一瞬で作れるのを知って感激しました。パソコンの黎明期にソフトを作り始めた人は、みんな、こういう感動を味わった人です。
 数学はできるようになれば面白くなる、読書は読ませれば好きになる、というのも、やはりそこに理解による感動があるからです。人類の学問は、テストによってではなく、この感動によって発展してきたのです。
 先生の役割は、勉強を教えることではなく、学問の感動を教えることではないかと思います。
因数分解は、論理の美しさを味わう勉強
 因数分解の練習は、なぜするかというと、それが将来仕事に役立つからではありません。因数分解は、論理の世界は美しくできているということを感動するために勉強するのだと思います。(ただの計算練習としてやっているところがほとんどですが。)
 同様に、ニュートン力学は、世界はものの見方によっていかに異なる理解ができるかということを感動するための学問だとも言えます。しかし、現実には、物理の勉強のほとんどは、哲学としてではなく計算の仕方として学ばれています。
 人間には、もともと知的好奇心があります。点数で煽らなくても、感動さえあれば、本当は自分から進んで学んでいくものなのです。
 だから、将来、先生という職業は、そういう感動を教える仕事になると思います。そのためには、最初から勉強が得意な人よりも、途中から得意になった人の方が向いているのかもしれません。
 
今の教育産業の動向に流されないようにしよう
今の教育産業の動向に流されないようにしよう
 一般の保護者の方から、勉強の仕方についていろいろ相談を受けます。そのときに、教育産業の影響で、お父さんお母さんが大きく勘違いしていると思うことがよくあります。
 そういう例をいくつか挙げますので、参考にしてください。

■1、英語教育は早くからやらせすぎると弊害がある

 小学校1~3年生の時期は、日本語脳が形成される重要な時期です。この時期に、英語の勉強をやりすぎると、あとで日本語の能力が正しくつかなくなることがあります。
 特に問題なのは、CDなどの音声で英語漬けにすることです。これは、言語能力を損なうばかりでなく、人間のコミュニケーション能力も損なうようになります。
 幼児期や低学年のころまでは、機会的な音声には長時間触れさせないことが大事です。テレビのつけっぱなしももちろん大きな害があります。ただし、学年が上がれば、機械的音声の弊害というのはなくなります。

 英語の学習は、お遊び程度にやっていれば、プラスにもならないかわりに、大きなマイナスにもなりません。本気でやってしまうところに問題があります。
 本格的に英語に取り組んでいいのは、小学4年生以降です。その場合は、できれば教科書的な知識として英語を学ぶのではなく、英語の音声を聴き、英語の本を読むというような英語に慣れるような勉強の仕方を優先させていく必要があります。

 お父さんお母さんは、自分が英語で苦労したことがあると、子供には英語を早めに習わせて楽に勉強させたいと考えがちです。しかし、その際に、注意しておくことは、英語が得意で国語が普通の子よりも、英語が普通で国語が得意の子の方が、ずっと将来伸びる可能性が高いということです。英語というのは単なる伝達手段の言語ですが、国語は伝達手段である以上に思考力のもとになっている言語だからです。

■2、大手の通信教育の教材では力がつかない

 大手の通信教育は、バランスよくいろいろな教科を総花的に提供するので、かえって肝心の力がつきません。小学生の勉強は、国語も算数も英語も理科も社会もどの教科も少しずつやるのではなく、国語を最重点に、算数は苦手にならない程度に、理科や社会はやる必要がない、などと重点を決めて取り組むことが大事です。

 国語の勉強は、読書と対話と作文を中心にすることで力がつきますが、通信教育の多くは、国語の問題のプリントをやるような形で国語の勉強を進めています。国語の問題を解くような勉強では、国語の力はつきません。国語の勉強をしているような気がするだけです。

 大手の通信教育のいちばんの弱点は、できなかった問題を繰り返して解くという面が弱いということです。小学校の低中学年では、もともと難しい問題がないので、1、2回間違いを指摘されればそれですぐにできるようになります。
 しかし、中学生以上では、できなかった問題は繰り返し解く回数を増やさないと確実に自分のものにはなりません。そういう繰り返しの勉強は、通信教育では、なかなかできないのです。


■3、学習塾は難しいことをやりすぎ。そして、塾に頼ると親が勉強の内容をコントロールできなくなる

 学習塾は、受験を目標に勉強を進める関係で、低中学年から難しいことをやりすぎる傾向があります。小学4年生までの勉強は、本質的に難しいものではないので、難しくひねっただけの問題をやらせていることが多いのです。
 算数は、難しい問題を出しやすい教科です。しかし、必要以上に難しいことをやる必要はありません。難しい問題は受験期に取り組めばいいので、低中学年では基本的なことがしっかりマスターできていればいいのです。

 プリント学習は、できなかった問題だけを繰り返すという形の学習がなかなかできません。プリントがばらばらになってしまうので管理しにくいからです。
 プリント学習は、何度も繰り返せないという弱点をカバーするために、できる問題もできない問題もすべて含めて繰り返すという学習になりがちです。このため、無駄な勉強時間が長くなります。
 本当は、できる問題は一度だけで済ませ、できない問題だけを何度も繰り返すという勉強法が必要なのです。
 
 学習塾に勉強を任せていると、親は子供の勉強の中身がわからなくなるので、点数の上でだけしか子供の勉強を見られなくなります。親は、中学3年生までは、子供の勉強の内容を把握している必要があります。

■4、一般にどのお母さんも、勉強をやらせすぎ、子供に注意しすぎ

 小学校低中学年の勉強は、勉強の習慣をつけるのが目的です。だから、できるだけ短時間で、しかし毎日同じように勉強していくことが大事です。短い時間でいいので、日曜日も祝日も同じことを同じように続けていくのがいいのです。この場合、大事なのは短い時間にとどめておくということです。

 しかし、多くのお母さんは、勉強の時間を長くさせすぎる傾向があります。勉強が予定より早く終わると、新たな勉強を追加させることもあります。そうすると、子供はだらだら勉強する習慣を身につけます。集中力がない子のいちばんの原因は、お母さんが勉強を追加させることにあります。低中学年のときに集中力のない勉強の習慣がつくと、肝心の高学年になってからも密度の薄い勉強をするようになります。

 また、親が勉強を教えることに熱心になると、叱る回数が増えるようになります。叱られながら勉強したことは頭に入りませんから、叱られる度合いに比例して頭が悪くなります。子供の頭をよくするためには、いつも笑いのある楽しい生活をすることです。
 また、低中学年のときに叱られて勉強した子は、高学年になると親に教えてもらおうとしなくなります。本当は、高学年からが親の出番なのですが、低中学年のときに注意されすぎた子は、高学年になってから親のアドバイスを受けようとしなくなります。

■5、テレビとゲームは、時間を制限して。制限できないなら捨てるぐらいの覚悟で

 テレビ、ゲーム、そして、最近はスマホ、インターネット、SNSなど、子供の感覚を引きつけるディアが豊富にあります。
 これらを頭から禁止するのはよくありません。誘惑の大きいものほど、早めに触れさせて免疫をつけておく方がいいからです。

 その免疫の付け方は、時間をコントロールするということですが、子供は自分の力では時間のコントロールはできません。親がこまめにアドバイスをしながら、時には厳しく叱りながら、時間を守って楽しく遊ぶという生活スタイルを作っていく必要があります。

 子供の生活習慣を作る際に大事なことは、一度でも例外を認めないということです。何かの都合で例外を黙認してしまうと、習慣がつかないばかりか、ほかの生活上の約束も守れないようになります。
 決めたことを守るというのは、子供の責任ではありません。それを守らせるために不断の働きかけをするという親の責任です。

 しかし、どの親も、初めから子育てが上手にできるわけがありません。みんな、試行錯誤しながらやっています。
 大事なことは、教育評論家の意見や教育産業のコマーシャルに惑わされず、自分の目で子供の様子をよく見ていくことだと思います。
 
ホーム 言葉の森新聞