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  7月15日(月)は休み宿題
  【重要】受験コースの受講料改訂のお知らせ
  【重要】「山のたより」「言葉の森新聞」の郵送を希望されない方はお申し出ください
  公立学校運営の民間への委託と、これからの作文教育の可能性
  「桃太郎」を例にした感想文の書き方【再掲】
  公立中高一貫校の勉強の基本は、塾・宿題・問題・試験型の勉強から、家庭・自習・読書・対話型の勉強へ
  低学年からできる公立中高一貫校受験にも対応した「読解・記述・対話」の自習教材
 
言葉の森新聞 2013年7月2週号 通算第1280号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
7月15日(月)は休み宿題
 7月15日(月)は、休み宿題です。先生からの電話はありませんが、その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日9:00~19:50。電話0120-22-3987)
 電話の説明を聞かずに自分で作文を書く人は、ホームページの「授業の渚」か課題フォルダの「解説集」を参考にしてください。
 課題の説明の動画「授業の渚」 http://www.mori7.com/nagisa/
 授業と予習の掲示板「ジュンベリーの丘」 http://www.mori7.com/okajg/
【重要】受験コースの受講料改訂のお知らせ
 受験コースの受講料は、2013年8月より、通常の受講料プラス3,150円となります。(小学生は月額11,350円、中学生以上は月額11,850円。)
 受験コースへの切り替えは、中学受験の場合は受験日の属する月の4ヶ月前から、高校受験は3ヶ月前から、大学受験は2ヶ月前から可能です。入試に、作文、小論文試験がある方はご相談ください。受験コースは、過去問に合わせた個別の教材で志望校に合わせた指導になります。担当の先生は同じです。
【重要】「山のたより」「言葉の森新聞」の郵送を希望されない方はお申し出ください
 毎週お送りしている「山のたより」と「言葉の森新聞」は、いつでもホームページからご覧いただけます。

 山のたより  http://www.mori7.com/oka/iyama.php
 言葉の森新聞 http://www.mori7.com/mori/

 紙資源保護の観点から、郵送の停止を希望される方は、担当の先生、又は、事務局までご連絡ください。(電話 0120-22-3987)
公立学校運営の民間への委託と、これからの作文教育の可能性
 安倍内閣の成長戦略のひとつとして、国家戦略特区構想が議論されています。その中に、公立学校の運営を民間に委託する特区構想が盛り込まれています。
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公立学校運営を民間委託 国家戦略特区で議論 2013.5.29 19:13
 政府は29日、規制緩和などで企業を誘致する「国家戦略特区」に関する作業部会を開いた。公立学校や有料道路の運営を民間に委託する案や、外国人医師の国内での医療行為を解禁する案など特区の具体策を議論。
 国家戦略特区は「世界で一番ビジネスをしやすい環境をつくる」のが目的。対象は大都市圏に加え、地域で農業関連の特区なども検討する。
 具体策では他にも、羽田、成田両空港で離着陸の割り当てを柔軟化することや、先進医療の保険外併用診療の範囲拡大、都心の居住促進に向けたマンションなどの容積率見直しといった項目を重点的に検討している(産経ニュースより)
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130529/plc13052919150017-n1.htm
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 そこで、言葉の森が、こういう民間委託に関わる場合を考えてみました。(まだ頼まれていませんが)
 まず、第一は、小学校高学年から中学生、高校生における作文小論文指導です。
 現在、学校における作文指導は、小学校低学年のころはかなりよく行われていますが、学年が上がるにつれてだんだん行われなくなっていきます。それは、生徒の作文を添削することで先生にかなり負担があるからです。
 特に、中学や高校では国語の専科の先生が指導するようになるので、その先生が担当する生徒の作文を評価するというのは、時間的にほとんど不可能になってきます。
 ところが、言葉の森は、森リンという自動採点ソフトを開発しています。また、項目指導という、生徒が自分で自分の作文を評価できるシステムを作っています。
 現在、学校には1クラスの生徒が同時に使えるパソコンがあるはずですから、作文の授業のときは、パソコンルームでクラス全員が作文を書く形で進めることができます。
 まず、課題の長文を事前に読み、その長文をもとに自宅で家族で話をしてくるのが予習です。この家族との対話というのも、教育的意義があります。
 次に、授業の前に、書き方の方向を説明します。この説明は10分程度です。言葉の森の電話通信の時間と同じぐらいです。
 そのあと、生徒が一斉に作文を書きます。書き終わった生徒から、その作文を森リンで採点します。機械の自動採点ですからその日のうちにすぐに語彙力などの点数が出ます。
 そして、次の授業は、その森リン点の上位の生徒の作文をみんなに見せ、なぜその作文の点数が高かったのかを説明します。これなら、作文の勉強がゲームのような感覚で楽しくできます。
 作文の学習で最も大事なことは、まず文章を書く機会を増やすことです。
 しかし、150字や200字の短い記述問題をやっても、書く力はつきません。また、その文書の内容も、生活作文のようなものばかりではやはり力がつきません。
 しっかりした論説文を読み、その文章に対する感想を600字から1200字の範囲で書くという学習を、毎週何回か続けていく必要があります。
 こういう作文の学習を続けることによって、子供たちの思考力や創造性が、教える先生の負担を増やさない形で育っていくと思います。
「桃太郎」を例にした感想文の書き方【再掲】
 みんながよく知っている「桃太郎」を読んで感想文を書く練習です。このような形で書いていけば、読書感想文は簡単です。
 感想文のコツは、似た話を長く書くことです。1日に書く分量を400字ぐらいにしておき、3日か4日で全部仕上げるようにすれば負担がありません。
 以下は、小学校5、6年生ぐらいで書く感想文の例です。
▼1日目
 緑の山と青い川、桃太郎が生まれたのは、こんな自然の豊かな村だった。しかし、その村は、毎年来る鬼のためにとても貧しい村だった。(情景などがわかるようにして書き出しを工夫する)
 ある日、いつものように、おばあさんが川で洗濯をしていた。すると、川上から大きな桃がドンブラコッコ、ドンブラコッコと流れてきた。(物語の序盤から引用する)
 ぼくは、一年生のころ、父と母と弟でキャンプに行った。キャンプ場には、きれいな川があり、その川の近くでぼくたちはバーベキューをした。食べたあとのお皿を洗うと、川の流れがすぐに汚れを運んでくれる。ぼくは、昔の人はこんなふうに川で洗濯をしたのかなあと思った。(自分自身の体験を書く)
 さて、その川のキャンプでのいちばんの思い出は、冷やしておいたスイカがいつの間にか流されてしまったことだ。夜冷やしておいて、次の日に食べようと思っていたスイカが、朝起きてみるとなかった。一緒に冷やしておいた父のビールはそのまま残っていたので、たぶん夜のうちに川に流れていってしまったのだろう。
 ぼくは、ふと、桃太郎の生まれた桃も、上流でだれかが冷やしておいたのではないかという気がしてきた。(この感想は主題に関係なくてもOK)
▼2日目
 桃から生まれた桃太郎は、一杯食べると一杯分、二杯食べると二杯分大きくなった。しかし、桃太郎はいつまでも食べては寝るだけで何もしようとしなかった。(物語の中盤から引用する)
 ぼくの小さかったころの話を、父と母に聞いたことがある。最初三千グラムで生まれたぼくは、一年たつころには、もうその三倍の十キログラム近くになっていたそうだ。ぼくの今の体重は三十五キログラムなので、生まれたときの約十倍になっている。そんなに大きくなるまで何杯ご飯を食べたかはわからないが、たぶん最初のころの桃太郎と同じようにぐんぐん大きくなっていったのだろう。(身近な人に取材する)
 母に聞くと、ぼくは小さいころ、自分から言葉をしゃべろうとせず、まるでお地蔵さんのようにいつもにこにこ人の話を聞いているだけだったそうだ(「まるで」という比喩は文章を個性的にする)。母は、そのことを少し心配していたらしい。たぶん、そのときの母の気持ちは、いつまでも食べて寝るだけの桃太郎を見ておじいさんやおばあさんが感じた気持ちと同じではなかったかという気がする(「たぶん」という推測は自然と感想になる)。
▼3日目
 やがて成長した桃太郎は、犬と猿とキジを連れて鬼を退治に出かけた。犬は噛み付き、猿は引っかき、キジは目を突っつき、桃太郎は鬼を投げ飛ばした。(物語の終盤から引用する)
 ぼくは、この戦いぶりを見て、ふとぼくたちのサッカーチームを思い出した。サッカーには、もちろん、噛み付きや引っかきはない。まして目を突っついたりしたらすぐに退場だ。しかし、足の速い次郎君、シュート力のある和田君、ピンチのときでもみんなを笑わせるケンちゃんなど、ぼくたちのチームは、それぞれの得意なところを生かす点で桃太郎のチームと似ているのではないかと思った。
 このことを父に話すと、父は、こんなことを言った。
「桃太郎がいなかったら、鬼には勝てなかったけど、桃太郎が四人いても、やはり鬼には勝てなかっただろうなあ」(長い会話をそのまま書くと味が出る)
 ぼくは最初、桃太郎だけが主人公で犬や猿やキジは脇役だと思っていたが、次第に全員がそれぞれの役割で主人公なのだと思うようになった。どうしてかというと、みんなそれぞれの長所があり、その長所でお互いの短所を補い合っているからだ(「どうしてかというと」などの接続語を使うと感想も長くできる)。(結びは、本の主題に関する感想を書く)
▼4日目
 鬼を退治し、宝物を持って村に帰った桃太郎は、それからどうしただろうか。きっと、もう鬼の来ない平和な村で、豊かな自然に囲まれて楽しく過ごしたにちがいない。おばあさんが洗濯をしているきれいな川の横で、犬や猿とキジと水遊びをしている桃太郎の姿が思い浮かぶ。(書き出しと結びを対応させる)
 いま、ぼくたちの街に、桃太郎が戦うような鬼はいない。しかし、ぼくたちの街には、桃太郎が暮らしていた緑の山や青い川もない。もし、桃太郎がいまここにいたら、人間にとって戦う相手は鬼ではなく、きれいな自然を取り戻すことになるかもしれない。そして、その桃太郎とは、たぶんこれからのぼくたちなのだ。(「人間」という大きい立場で考え、自分のこれからの行動に結びつける)
公立中高一貫校の勉強の基本は、塾・宿題・問題・試験型の勉強から、家庭・自習・読書・対話型の勉強へ
====(facebook記事)
 スポーツの世界では、子供の発達段階に応じた指導の重点のようなものがあります。
 小学生のうちは巧緻性、つまりボールコントールのようなことを中心にして、中学生のころから筋力をつけて、高校生の新肺機能が完成するころから持久力をつけるというような段階です。
 ところが、試合に勝つことを目標にしてしまうと、ボールコントロールの上手な子よりも、身長があったり体力があったりする子の方を優先してしまいます。
 それと同じようなことが勉強にもあります。
 小学生のころは、自習の習慣と考えることを楽しむ姿勢を身につけさせて、中学生になったら記憶力を鍛え基礎学力を定着させ、高校生になったら長時間の勉強に耐える力をつけるというような段階があるのです。
 ところが、試験に勝つことを目的にしてしまうと、勉強を楽しむことは後回しにして、手っ取り早く知識をつけることを優先してしまいます。
 点数を上げる勉強と相性のいいのが、宿題という形で問題を解かせ、試験で評価するという方法です。
 そういう勉強法もたまにはいいのですが、そればかりだと最も大事な考える力が伸びません。
 考える力をつける勉強と相性のいいのが、家庭で毎日決まった自習を行い、解くことよりも読むことを学習の中心にして、試験ではなく対話で締めくくるという勉強法です。
 この、一見張り合いのないような勉強が実は、長い目で見て子供をしっかり成長させるもとになるのです。
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「公立中高一貫校受験対策/公中講座」
http://www.mori7.com/juken/
 問題は、市販の問題集を購入しないと見られません。
 しかし、解説はオープンにしています。
 公立中高一貫校の受験対策の基本は、このように家庭で実際の問題をもとに考えて、親子で対話をすることなのです。
低学年からできる公立中高一貫校受験にも対応した「読解・記述・対話」の自習教材
====(facebook記事)
 これまでの勉強は、学校や塾で、問題を解く形の宿題を出されて、覚えた知識によって、○×式で選択し、その結果を試験で採点する、という勉強でした。
 これからの勉強は、家庭で、文章や図を読む形の自習をして、自分なりに考えることによって、記述し、その結果を対話で締めくくる、という勉強になるでしょう。
 そういう勉強が、これからの創造性を必要とする時代に対応できる勉強です。
 言葉の森で今、公立中高一貫校受験用の「読解-記述-対話」型の自習教材を作っています。
 しかし、従来の「記憶-選択-試験」型の教材で勉強してきた子には、こういう勉強法は戸惑うものになるかもしれません。
 そこで、考えたのが、小学校高学年からではなく、もっと低学年のうちから、「読解-記述-対話」型の勉強に慣れておくことです。
 しかし、そういう勉強法にふさわしい教材が今はまだほとんどありません。
 そこで、こういう勉強法に関心のある人が、互いにオープンに教材や長文を作り合い、紹介し合うような場を作っていきたいと思っています。
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 これまでの勉強は、塾に通って、漢字や計算や様々な知識を先取りするという勉強でした。それは、それで悪くはありませんが、勉強をそういう知識的なものに限定して、そこで得点や順位を競うようにすると弊害が出てきます。
 知識型の勉強は、ある程度まで到達すればいいという勉強で、それ以上に順位を争うようなものではありません。むしろ、知識の勉強はほどほどにして、余った時間を思考型の勉強にふりむけていくことが大事です。
 ところが、そういう思考型の勉強に向く教材というものがあまりありません。少し近いのが、新聞を教材にした勉強です。
 しかし、新聞は、時事性が強すぎるということと、年を越えた蓄積ができないという弱点があります。例えば、お兄ちゃんが勉強した過程を、弟が参考にするというようなことができません。
 ほかにも、科学読み物、図鑑、年鑑、理科や社会の教科書や参考書、学習漫画的なものといろいろ教材の候補はありますが、どれも一長一短があります。総じて言えば、共通するいちばんの問題は、切り貼りがしにくいということです。
 そこで、こういう勉強をしたい人のために、オープンな教材作成をする場を作ることにしました。ここで、互いに長文を教材を作り合い、それらをオープンに誰でも利用できるものにしていきたいと思います。
 現在、言葉の森には、小1~小3の読解マラソン長文があります。また、今、小5~小6対象の公立中高一貫校受験対応の自習教材を作っています。
 今後、力を入れていきたいのは、
(1)小4~小6の読解マラソン長文
(2)小1~小4の自習教材 です。
 関心のある方は、ぜひご参加ください。
【教材作成ページ】
 facebookグループでは、「言葉の森オープン長文」
http://www.facebook.com/groups/okaot/
 ホームページの掲示板では、「オープン長文チョウチョウの丘」
http://www.mori7.com/okaot/
【参考ページ】
言葉の森の読解マラソン長文のページ
http://www.mori7.com/marason/marason_sample.php
自習講座の趣旨と方法の記事
http://www.mori7.com/an/16.html
公立中高一貫校のオープン教材のページ
http://www.mori7.com/juken/
 
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