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  新学期の教材を発送します
  12月23日(土)は休み宿題
  年末年始の電話先変更
  清書のバーコードシールはいりません。
  中学生以上の清書は長くしてもかまいません
  12.4週は清書
  作文小論文入試のコツ(その3)
  日本史未履修問題――能率より意欲を
  幸運がやってくる方法(こみこみ/こみこ先生)
  作文のまとめ方のコツ−「体験実例」と「まとめ」はどちらも大切!(ほたる/ほた先生)
 
言葉の森新聞 2006年12月4週号 通算第964号

https://www.mori7.com/mori/

森新聞
新学期の教材を発送します
 新学期の教材を12月21日(木)に発送する予定です。
 国内の生徒で27日になっても届かない場合はご連絡ください。
★項目・住所シールは
1月1週の山のたよりと
一緒に送ります。
年内に発送予定です。★
12月23日(土)は休み宿題
 12月23日(土)は、休み宿題です。先生からの電話はありません。その週の課題を自宅で書いて提出してください。先生からの説明を聞いてから書きたいという場合は、別の日に教室までお電話をして説明をお聞きください。(平日午前9時〜午後7時50分。電話0120-22-3987)
年末年始の電話先変更
 年末年始のお休みは、課題フォルダのカレンダーに書いてあるとおり12月29日(金)から1月3日(水)までです。新年度の勉強は1月4日(木)から始まります。
 通信生で冬休みに帰省される場合は、帰省先に電話を変更することもできます。ご希望があればご連絡ください。
清書のバーコードシールはいりません。
 10月から、清書のバーコードシールは貼らなくてよいことになりました。貼り忘れる人が多い、貼りにくいため正しく貼れておらず、貼ってあってもスキャナーで読み取れないものが多い、などの理由から全面見直しをすることにしました。
 バーコードは担当の先生が貼りますので、お手元のバーコードシールは貼らずに先生にお送りください。
中学生以上の清書は長くしてもかまいません
 中学生以上の清書は、これまで新聞社に投稿する原稿になるようにということで、500字を目安に縮める指導をしてきました。この縮める練習は、それなりに意義あるものでした。
 しかし、実際に新聞社に投稿する生徒が少ないということと、9月から学年別清書コンクールが行われるようになったことから、敢えて短くする必要は少なくなってきました。
 清書コンクールは、字数の制約はありませんので、内容がよければ長いままの文章でもかまいません。いい内容の文章にするということだけを目標にして清書していってください。ただし、
自分で新聞社に投稿する人は、これまでどおりその新聞社の投稿条件に合った字数で書いていってください。
12.4週は清書
 毎月第4週は清書です。担当の先生の説明を参考にして、返却された作文の中から自分でいちばんよいと思うものを選び、作文用紙に清書してください。(一度清書したものは、清書しないように注意してください。また、ほかの人の作文を写して清書にすることのないようにしてください)
 清書の意義は、次のとおりです。
(1)これまでに書いた作品をよりよいものに仕上げること(字数を増やす、表現を更に工夫するなど)
(2)他の生徒の清書を読む機会を持つこと(自分の清書を他の生徒に読んでもらう機会を持つこと)
(3)新聞社に投稿する機会を作ること
 清書はできるだけペンで書いてください。しかし、低学年でペン書きが難しい場合は、濃い鉛筆で書いてもかまいません。
 低学年で、文章を書き写す形の清書が難しい場合は、直接新しい作文を清書として書いてもかまいません。
 絵を作文用紙の裏に描く場合は、表に作文を書かないでください。(つまり用紙は1枚の裏表を同時に使わないようにしてください)
 新しく教室に入ったばかりの人は、返却されている作文がない場合もあります。また、返却されている作文の中に清書するものがない場合もあります。そのときは、自由な題名で作文を書いて送ってください。
 清書の作文は返却しません。ホームページの「生徒の里」で見ることができます。小2までの全員の作品及び小3以上の入選作品は、プリントされます。
 用紙の空いているところには、絵などを書いて楽しい清書にしてください。 感想文を清書する場合は、最初の「三文抜き書き」や「要約」はカットするか、簡単な説明に変えておく方が作品としてまとまりがよくなります。
 中学生以上の人が清書を新聞社に送る際の字数の目安は、500字程度です。長すぎる場合は、新聞社の方でカットされて掲載されることがあります。字数を縮めるときは、いろいろなところを少しずつ縮めるのではなく、段落単位でまとめて削るようにしていきましょう。第一段落の要約と第三段落の社会実例は削除し、名言や書き出しの結びなどの表現の工夫も削除し、第二段落の体験実例と第四段落の意見だけでまとめるようにするといいと思います。(ただし、新聞社に投稿しない場合は、長いままでも構いません。)
 清書は、ホームページから送ることもできます。作文をホームページから送るときと同じように送ってください。
 よく書けた清書は、自分で新聞などに投稿してください。二重投稿になる可能性があるので、教室の方からの投稿はしません。
 手書きで清書を書いている人は、その清書をコピーして、原本を投稿用に、コピーを提出用にしてください。
 パソコンで清書を送信している人は、その清書をワードなどにコピーして投稿用にしてください。
 新聞社に投稿する際は、作文用紙の欄外又は別紙に次の事項を記載してください。
(1)本名とふりがな(ペンネームで書いている場合は本名に訂正しておいてください)
(2)学年
(3)自宅の住所
(4)自宅の電話番号
(5)学校名とふりがな
(6)学校所在地(町村名までで可)
●朝日小学生新聞の住所
 104−8433
東京都中央区築地3−5−4
朝日小学生新聞
「ぼくとわたしの作品」係 御中
●毎日小学生新聞の住所
 100−8051
東京都千代田区一ツ橋1−1
毎日小学生新聞
さくひん係 御中
作文小論文入試のコツ(その3)
 作文のコツの第六は、知性を感じさせる社会実例を書くことです。
 作文の中に書いてある実例が体験だけだと、知的な印象が少なくなります。社会実例の元になるものは、読書です。本をよく読んでいる生徒は、自然にその本の中から実例を見つけてきます。読んだ本からの実例が書いてあると、知識の厚みを感じさせる文章になります。ニュースなどもいい実例になることがありますが、テレビでセンセーショナルに取り上げられた話題だけで書いていると、かえって普段テレビしか見ていないような印象になることがあります。
 受験勉強で社会を勉強していれば、その勉強から社会的な実例が書けそうなものですが、そうではありません。受験で勉強している内容はどちらかと言えば断片的な知識なので、文章の中に生きた形で生かすことが難しいのです。それに対して読書によって得た知識は、生きたまとまりの中にある知識ですから、文章の中に生かすことができます。
 読書をする時間がなかなか取れない人は、問題集の問題文を繰り返し読む練習をしていきましょう。国語の問題集を読書がわりに読むと、読解力もつきますし、表現力も豊かになります。

 第七は、構成がわかるように書くことです。
 実は、この構成重視の作文は、言葉の森の勉強でいちばんプラスになるところです。言葉の森の指導の仕方は、全体の構成をまず考えて、それから中身を埋めていくというスタイルです。このため、勉強を続けていると、自然に構成を意識して書けるようになります。
 多くの受験生は、課題を見たとたんにまずとりあえず書き始め、書きながら先を考えるというスタイルで書きます。この書き方でももちろんうまくまとまることがありますが、読み手にとってはあまり読みやすい文章にはなりません。構成を最初に考えて書くと、「問題点は三つある。第一に……。第二に……」などという書き方ができるようになります。こういう書き方の文章は、頭の中が整理されていないと書けません。採点する人は、こういう読みやすい文章に好感を持ちます。
 見た目の印象を読みやすく感じさせるために、段落の長さも大事です。考えが整理されていると、どの段落もバランスのよい長さでまとめられます。逆に、考えが整理されていないときは、極端に長い段落や短い段落が混じる形の文章になりがちです。

 文章を書く力は、これからますます重要になってきます。そして、文章を書く力は、読む力に支えられています。受験のための勉強が終わったあとも、毎日の生活の中で読書をする習慣をぜひつけていってください。
日本史未履修問題――能率より意欲を
 10月に、父の実家に行くついでに、自分の先祖のことを調べてみた。すると、日本人はだれもどこかで歴史上の人物や事件とつながっていることがわかってきた。そして、そのルーツは次第にさかのぼり、やがて神話の神様とつながっている。事実と虚構が混じっているにせよ、神話の歴史と自分の現在がつながっていることを国民の大多数が実感できる民族というのはやはり幸せなのではないだろうかと思った。
 私(森川林)が学生だったころ、社会の雰囲気はインターナショナルに傾いていた。元号と西暦があれば、文句なしに西暦の方が合理的で進歩的だと思っている人が多かった(はずだ)。世界史と日本史があれば、もちろん世界史が主で日本史は従という感覚だった。しかし、今になって考えてみると、日本史は、世界史とは別の大きな役割があることがわかる。日本史は、自分たちと直接つながる先祖の歴史なのだから、勉強というよりも教養として学ぶべきなのではないかと思うようになった。
 私が高校生のころ、受験勉強は、大学全体の定員が受験者総数よりも少ないという意味で今よりも過酷だった。もちろん、今は成績が数値で隅から隅まで管理されているという意味では、昔ののどかな受験勉強よりも過酷な面はあるが。私が高校生のときに得る受験の情報は、予備校や塾などはなかったから、もっぱら「蛍雪時代」という雑誌だった。雑誌メディアという性格上、書かれている記事は理念的なものが多かった。例えば、「高校の勉強の意義は、大学受験のためにあるのではなく、自分自身を向上させるためにある」とか「大学に進学する目的は、自分の本当にしたい勉強をするためにある」というようなことが載っていたように思う。今のように、受験のテクニックとして、「時間がなかったらわからなくても何かを選択しておけ」とか「受験に関係のない科目は手を抜け」などという記事はなかったような気がする。だから、高校の勉強は、どの科目も同じように熱心に取り組んでいた。そして、それが今いろいろな意味で役立っている。高校生のころというのは、知的向上心が育つ時期だから、今でもほとんどの高校生は、受験のためというよりも自分の知的好奇心を動機として勉強をしているのだろう。
 高校での履修不足が問題となっているが、目先の成果に追われるあまり、肝心なことを忘れているような気がしてならない。勉強で大事なものは、能率よりも意欲である。小骨を抜いてやわらかくなった魚を食べさせるよりも、小骨でも大骨でもバリバリと噛み砕いて食べる力をつけることが教育の目的ではないだろうか。ふと、「課題が難しいので、もっと易しくしてくれたらやる気が出ると思う」という保護者からの声を思い出した。私の経験では、「難しいけど、絶対にできるから一緒にがんばろう」という対応の方がずっと子供のためになっている。
幸運がやってくる方法(こみこみ/こみこ先生)
 十月に「幸運」について書かれた長文を読んだときに、こみこ先生が知っている「幸運がやってくる方法」について、おてなさんとおにへくんには電話でお話ししました。
 これは、下の1番に書いている方法です。こみこ先生は、車を運転しているときも、お買い物をしているときも、がんばって実行しています。効果は、あるような気がします(笑)。これを実行してから、いいお友達と何人も知り合えました。お友達は、こみこ先生の財産のようなものですからね。 さて、「他にも幸運がやってくる方法があるかしら?」と思い、調べてみました。すると、今日からでもできそうなことが見つかりましたので、皆さんに紹介しますね。
1.口角(こうかく:口の両端)を上げていると、幸運がやってくる。口角が下がっていると、幸運が逃げていくそうです。
2.一回でも多く「ありがとう」「ありがとうございます」と言うと、幸運がやってくるそうです。
3.「〜したい!」と言うと、幸運がやってくる。「〜しなければならない」と言っていると、幸運が逃げていくそうです。
4.自分の「夢」をできるだけ多くの人に話してみると、幸運がやってくるそうです。
5.「面白いことないかな?」と探していると、幸運がやってくるそうです。
 どうですか?一つでも二つでも実行してみると、みんなのところにも幸運がやってくる!と思いますよ。
 最後に、こみこ先生の好きな詩を紹介しますね。

   「まわりを明るく」(狩野 誠さん)

 明るい顔が まわりを明るくし
 暗い顔が まわりを暗くする
 いつもほほえみを失わない
 そんな明るい顔をもちつづけたい
 自分の顔は 自分がみるためではなく
 みんなに みていただくためにある
 そう気がついたとき 明るい顔づくりに 真剣にとりくむようになる
 心の安らぎ 静かなよろこび
 それが顔の表情筋をやわらげて 美しいほほえみをつくりだす
 明るい顔づくりは 一生の修行である
作文のまとめ方のコツ−「体験実例」と「まとめ」はどちらも大切!(ほたる/ほた先生)
 3年生くらいから、「前の話聞いた話」や「自分だけが思ったこと」の項目が出てきます。これがさらに高学年になると、「体験実例」「前の話聞いた話」、そして「わかったこと」「一般化の主題」の項目が出てきますね。これらを入れて書くのはなるほどそうなんですが、そのとき、ちょっと考えてほしいことがあります。

 これは、特に感想文で考えるとよくわかるのですが、感想文では、「にた話」として、「体験実例」「前の話聞いた話」を書きますね。ここまでは、みなさんがんばって、よく「にた話」を探してきてくれます。読みながら、「なるほどね、こんなことがあったんだ」と、私はいつも感心しています。

 さて、問題はその次です。ここまで上手に書いても、そのあとの「思ったこと」や「わかったこと」、「一般化の主題」はすごーく簡単に、さらっと1行くらいで終わってしまう人が多いです。もちろん、その項目が書けていれば評価は◎になりますが、これが書けている人は、ぜひ、もう1ランクアップをめざしてみてください。

 つまり、「思ったこと」や「わかったこと」、「一般化の主題」は、自分の「体験実例」「前の話聞いた話」も考えた上で、わかったことを書いてほしいんです。長文だけからわかったことよりも、自分のしたこと(「にた話」)を通じて、どんなことがわかりましたか。それはなぜでしょうか。もしもそれがなかったら、どうなったでしょうか。それに気づいたから、これからはどうしていこうと思っていますか。そんなことも、最後に考えてみると、もっともっといい作文になりますよ。
 
 また、「思ったこと」や「わかったこと」、「一般化の主題」は、できるだけ自分の言葉で書きましょう。必ずしも「かっこいいこと」、「りっぱなこと」を書く必要はないんです。素直に、気づいたことをそのままの言葉で書いた方が、より読む人の心にとどきます。

 そして、逆も言えますね。どんなにりっぱな「思ったこと」や「わかったこと」、「一般化の主題」を書いても、「体験実例」「前の話聞いた話」がしっかり書けていないと、「うんうん、よくあるよね、こういう意見」みたいな感じになりやすいのです。 

 しっかりした「体験実例」「前の話聞いた話」(「にた話」)と、それをもとにしてよく考えた「思ったこと」や「わかったこと」、「一般化の主題」。その両方があってこそ、作文はとても力強く、みんなを納得させられるものになるのです。


 これは、何度も何度も練習してみて、そして上手になっていくものです。運動も同じですよね。一生懸命練習して、タイムがよくなる、強くなる。作文も、同じなんです。

 だからといって、いつもいつもテストみたいにうんうんうなっていても、苦しいだけですね。いっそのこと、これはゲーム、あるいは勝負だと思ってみましょう。「いかにぴったりな『にた話』を思いつくか」「そこから、いかにいい『一般化の主題』(『わかったこと』『自分だけが思ったこと』)を考えられるか」。

 もしも私が作文を見て、「うーんいいことを書いてあるなあ」とうなったら、みなさんの勝ち。「もう少し、こんなことも書いてみるといいね」というコメントが入ったら、私の勝ち。どうですか、こんな勝負をしていると思うと、少しやる気がわいてきませんか(笑)。がんばってみてくださいね。

 ちなみに、私はいっぱい負かされたいと思っています。いっぱい「やられたな〜」と思うことができたら、ちょっとくやしいけど、すごーくうれしいです。
 
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