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  森リンの表示が一部変わりました
  7.1週の山のたより未着の方はご連絡を
  夏休み中の授業について
  宿題の読書感想文の書き方
   いまの感想文指導には無理がある
   子供まかせでは書けない
   じょうずな感想文を書くコツはあるが
   書き方の手順「まず本選び」
   書き方の手順「次に字数配分」
   書き方の手順「1日目の400字」
   書き方の手順「2日目の400字」
   書き方の手順「3日目の400字」
   書き方の手順「4日目の清書」
   書き方の手順「できたらほめる」
   教室では宿題の感想文の個別指導はしませんのでご了承ください。
  何を書こうか迷ったときは……(あおぞら/あお先生)
  アオムシの話(クッキー/むぎこ先生)
  プラス思考(ひまわり/すぎ先生)
 
言葉の森新聞 2004年7月3週号 通算第847号
文責 中根克明(森川林)

森リンの表示が一部変わりました
 森リンの総合得点は、これまで、強力語彙得点、重量語彙得点、素材語彙得点の三つ得点を元に計算していました。(総合得点=素材語彙得点×強力語彙得点+重量語彙得点)
 7月12日から、この集計に加えて、三つの語彙の得点のバランスも参考にするようにしました。
http://www.mori7.cc/kotomori/moririn.php
7.1週の山のたより未着の方はご連絡を
 7月5日に発送した水曜日7.1週の山のたより、項目シール、住所ラベルが届いていないという連絡が数件ありました。7.1週の山のたよりが届いていない方は教室までご連絡ください。
夏休み中の授業について
 言葉の森の7−9月の予定は、課題フォルダの中の予定表に書いてあります。
 夏休みは帰省したり塾の夏期講習に行ったりするために、通常の時間に授業を受けられない場合も多いと思います。その場合は次のようにしてください。
(1)通常の電話指導を受けられない分を、他の曜日や時間に振り替えて受講できます。平日午前8時半〜午後8時、土曜午前8時半〜午後12時の間に、直接教室にお電話ください。希望の週の課題の説明をします。事前の予約などは必要ありません。授業の振替は、7〜9月の間いつでもできます。電話0120−22−3987(045−830−1177)
(2)山のたよりの送付先や電話の宛先を、自宅以外にすることができます。帰省先や滞在先などで授業を受けることを希望される場合はご連絡ください。ただし曜日や時間を変更する場合は、先生から生徒にはお電話しませんので、生徒から直接教室にお電話をして説明を聞くようにしてください。
(3)8月のみ休会されるという場合でも受講料の返金はしませんので、できるだけほかの曜日や時間に振り替えて授業を受けてくださるようお願いします。ただし、(A)海外にホームステイで出かける場合、(B)病気治療のため入院する場合など、電話連絡のとれない状況での1ヶ月以上の休会は受講料の返金をしますのでご相談ください。
宿題の読書感想文の書き方
 この記事は昨年の言葉の森新聞に掲載したものに、一部手直しを加えたものです。
いまの感想文指導には無理がある
 感想文が楽に書けるようになるのは、年齢的には小学5年生からです。小学1〜4年生は、全体の構成を考えて書くという能力がまだ育っていませんから、大人が全体の方向づけをしなければ自分で本の流れに合わせて感想文の流れを考えていくという書き方はできません。
 また、小学1〜4年生の場合、似た話がうまく見つかる場合と見つからない場合とでは、作品の出来に大きな差が出てきます。大人(親や先生)が近くにいて、「この次はこんなことを書いたらいいよ」とときどきアドバイスをしてあげなければまとまった作品を書くことはできません。
 なぜ学校のふだんの授業で感想文を指導せずに、夏休みの宿題というかたちで感想文を書かせるかというと、感想文は(特に低中学年の場合は)、一人ひとり別のアドバイスをしなければならないからで、30人から40人を相手にした一斉指導ではそういうアドバイスはできないからです。
子供まかせでは書けない
 「なんでもいいから自分で好きな本を選んで、自分で好きなように書いてごらん」ということでは、感想文は書けません。小学生の場合は、大人がなんのアドバイスもせずに感想文を書かせるぐらいなら、感想文を書くことそのものをしない方がいいのです。単に字数を埋めるだけの感想文は、何の勉強にもなりません。
じょうずな感想文を書くコツはあるが
 書くからには、じょうずな感想文を書いて、コンクールなどに入選したいとはだれもが思うことです。作品の出来具合の半分は、似た話などの題材の部分に支えられています。また、もう半分は、感想の部分の一般化の深まりに支えられています。ですから、感動のある似た話が連想できるような本を選び、感想の部分で大人の人が一般化の手助けをしてあげれば、じょうずな感想文が書けます。
 しかし、こういうかたちで親や先生がアドバイスをすることは、子供にとってはあまりうれしいことではありません。また、親や先生に支えられてじょうずな作文を書いても、教育的な意義はありません。ですから、感想文の目標はじょうずな作品を書くことにではなく、ひとまとまりの本を読み、ひとまとまりの文章を書く練習をするということに置くべきです。
書き方の手順「まず本選び」
 まず本選びですが、子供が「この本、おもしろいから書きたい」と言うような本が必ずしも書きやすい本であるとは限りません。子供が自分なりに似た話を見つけることができたり、想像をふくらませたりできるような本が書きやすい本です。この本選びは、大人がアドバイスをした方がいいようです。少なくとも、子供には「似た話や想像した話が書けるような本が、感想文の本としては書きやすいよ」と言ってあげるといいと思います。
 書きたいテーマが決まっているときは、インターネットの書店を利用して関連する図書を数冊用意すると話題が広がって書きやすくなります。
書き方の手順「次に字数配分」
 感想文の宿題は、原稿用紙3枚程度(400字詰めで1200字)の分量で指定されることが多いようです。これだけの分量を1日で書くというのは大変です。無理のない字数配分は、1日1枚(400字)です。感想文の宿題をするために、4日間の予定を立てて、1日目に400字以上、2日目も400字以上、3日目も400字以上と書いていって、4日目に全体を通して要らないところを削り、清書するという予定を立てれば無理なく書くことができます。
書き方の手順「1日目の400字」
 本のはじめの方から一ヶ所、似た話や想像した話の書けそうな場所を選び、そこを引用し、自分の似た話を書き、最後に「たぶん」「きっと」「もしかしたら」などという言葉を利用しながら、自分の感想を書きます。
 本の引用(1)→似た話(1)(もし…だったらと想像してもよい)(たとえも入れる)→感想(1)(たぶん、きっと、もしかしたらなどと考えてみる)
書き方の手順「2日目の400字」
 2日目も同じです。本の中ほどから一ヶ所、似た話の書けそうな場所を選び、そこを引用し、似た話を書き、感想を書いていきます。
 本の引用(2)→似た話(2)→感想(2)
書き方の手順「3日目の400字」
 3日目も同じように、本の終わりのほうから一ヶ所選んで書いていきますが、最後の感想のところがちょっと違います。1日目、2日目は、引用した小さな箇所の感想でしたが、3日目は本全体についての感想を書いていきます。
 小学5・6年生の生徒の場合、この感想は、「○○は(人間にとって)……である」というような一般化した大きな感想を書いてまとめます。この感想の部分は、お母さんやお父さんと話し合いをして、子供自身の考えを深めていくといいと思います。そして、「私はこれから」などという言葉を使い、この本から得たことを自分のこれからの生き方にどうつなげていくかを考えてまとめます。中学生の場合は、結びの5行に「光る表現」を入れていくとよいでしょう。
 本の引用(3)→似た話(3)→大きな感想(○○は人間にとって……。私はこれから)
書き方の手順「4日目の清書」
 4日目は清書です。お母さんやお父さんが全体を通して読んであげると、要らないところが見つかると思います(書いた人自身には、要らない部分というものはなかなかわかりません。これは大人でも同じです)。この要らない部分を削ります。次に、書き出しの部分に本の引用として情景描写の部分を入れられれば、書き出しの工夫ができます。これは無理のない範囲でやっていくといいでしょう。
書き方の手順「できたらほめる」
 書いている途中でも、書き終えたあとでも、親や先生が「これは、おもしろいね」「それは、いいね」と、子供の書いた内容のいいところやおもしろいところをどんどん認めてあげることが大切です。多少おかしいところや変なところがあっても、子供が書いた内容をできるだけ尊重してあげてください。これと反対に「これは、こうした方がいいんじゃない?」「そこは、ちょっとおかしいんじゃない?」などという否定的なアドバイスをすると、勉強でいちばん大事な子供の意欲をそぐことになります。大事なことは、いい作品を仕上げることではなく、手順にそってできるだけ自力で書く力をつけることです。
教室では宿題の感想文の個別指導はしませんのでご了承ください。
 感想文の指導には、生徒ひとりずつ異なるアドバイスが要求されます。更に作品として完成させるためには、書いている途中にも頻繁にアドバイスをする必要が出てきます。このような対応は、普段の勉強の中ではできませんので、夏休みの宿題のための感想文指導は、教室では行ないません。
 宿題として感想文を提出しなければならないという事情のある方は、教室で練習した長文の感想文で似た話のよく書けたものをベースにして、ご家庭で書き直していかれるといいと思います。
何を書こうか迷ったときは……(あおぞら/あお先生)
 みなさん、こんにちは(^o^)丿 毎週がんばって作文を書いてくれていますね。でも、毎週、新しい作文を書くのはとてもたいへんなことだと思います。今週は書きにくいなあ、書くことがないなあ(-_-)と困ってしまった経験がこれまで何度もあったのではないでしょうか。
 そこで、今週は書くことがないときに作文を書くコツをお教えします。何を書いていいか分からないときは、読み手、つまりこの浅岡に何かを伝えるつもりで書けばいいのです。先生が興味を持つような内容、ウケそうな内容を考えるのです。
 先生の好きな内容はまず食べものが出てくる話。みんな上手に書いてくれるので、すぐに同じものを買ったり作ったりします。給食の中ではあげパンが大好きと書いてくれた人がいました。すぐにあげパンを買いましたねえ。おいしかった(^。^) ブロッコリーのたらこマヨネーズあえを作ったことを作文にしてくれた人もいました。あまりにもおいしいので大人になったらどっさり作りたいんですって。その言葉に影響されてすぐに作りましたよ。これもおいしかった(~o~) それから、お母さんとコロッケを作った作文を読んではコロッケを買い(作らなかった(^^ゞ)、姉妹でカレーライスを作った作文を読んでは近いうちにカレーを作ろうと決心し、ハンバーグをこねる様子がとっても楽しそうな作文を読んではハンバーグの具をそろえ……なんてことをくり返しています。そうそう、今月の清書作文にオムライスの話もありました。卵がやわらかいうちにケチャップごはんを乗せるのがコツだと書いてありました、そのとおりにやってみようっと。
 先生が好きな内容は他にもありますよ。うちにも子どもが二人いるからか、お父さんやお母さんへの率直な気持ちが書いてある作文はかなり興味深く読みます。ケンカした話などもね。子どもなりに親の気持ちをあれこれ考えている作文もおもしろいです。お父さんとお母さんのやりとりをするどく観察している作文も楽しいです(笑えます)。
 あとは、おもしろいたとえのある作文! 作文を見ながら一人でゲラゲラ笑っちゃうこともしばしばです。ギャグやダジャレのある作文で大笑いするのも大好き。
 もちろん、書きたいことがすぐに決まるときには先生など相手にしなくてもいいです。毎月、清書して新聞社に投稿したり、プリントして他の生徒さんに見てもらうのが目標ですから、“みんな”に向かって言いたいことがあればそれがいちばんです。でも、今週のテーマでそんなに強い主張は見つかりそうにないなあと困ったら、よし、今週はいっちょう浅岡でも笑わせてやろうか、とねらいを定めるのもいいでしょう。ねらいを定めるのはお父さんやお母さんでもいいですよ。普段は遠く離れて暮らしているおじいちゃんやおばあちゃんに、最近の様子を報告する気持ちで書いてみてもいいです。でも、その場合、くだけた文章にならないよう、いつものきっちりとした読みやすい作文の形は守ってくださいね。
 さあ、もうすぐ言葉の森の新しい学期が始まります。食べものの話、親子の話、笑える話を新しい課題で試してみてください(^o^)丿
アオムシの話(クッキー/むぎこ先生)
 暑い日が多くなってきましたね(^0^)皆さんは夏が好きですか?私は大好きです! 夏になるとあちこち出かけたくなります。
 この前両親が趣味で耕している畑に行った時のことです。そこでアオムシを見つけました。私は虫といえば蝶しか触れない大人でした。蝶の前段階だと知っていてもアオムシ(幼虫)なんて絶対に触れないと思っていました。
 ところが、最初気持ち悪いと思っていた幼虫が数分間じっと見ていただけで「かわいい」と思うようになったのです。みかんの葉をもぐもぐ食べるアオムシはとっても愛嬌があって、見ているだけで幸せな気分になりました。
 そのアオムシを家に持って帰って育てることにしました。「さなぎになって蝶になる瞬間を見たい」と思い、みかんの葉を毎日新鮮なものに変えたり、さなぎになれそうな木を入れたりいろいろしました。
 ところがある日、突然動かなくなったのです。図鑑に載っていたさなぎになる前の様子とは違うようでした。毎日見ていると、たかがアオムシでも悲しくなってきます。「畑にいたら死ななかったのに・・」と涙がでてきました・・。結局アオムシは図鑑とは少し違っていたけれど、さなぎになる前の段階に入って動かなくなっていたので、立派な蝶になってくれたのですが、私はアオムシと出会って、ほんの少し成長できたような気がします。



 大人になると偏った考え方がしっかり定着してしまい、本当の姿が見えなくなっていることが多くあります。怖くもないのに怖いと思ったり、ちょっと知ってるだけですべて決め付けてしまったり・・。こういうことをしてると何もいいことがありませんよね・・。自分の視野が狭くなります。楽しいことを自分から少なくしてるようなものです。
 皆さんも偏見など持たないで楽しい日々を過ごしてくださいね・・って心配いらないかな?(^_^)ゞ

 あと、アオムシが蝶になるのを密かに応援していたように(いえ、その何倍も)皆さんが「作文大好き」「作文得意!」になるように心から応援しています。これからも一緒にがんばりましょうね。(^0^)
プラス思考(ひまわり/すぎ先生)
 みなさんは、困ったことや嫌なことがあったとき、気持ちが落ち込んでやる気がなくなってしまうことがあるでしょう。人間、生きていると楽しいことばかりではありませんね。テストで失敗した、大事にしていたものをなくした、友だちとけんかした……。数え上げれば嫌なことはキリがありません。今回は、そんなときにどうしたらいいかというお話です。
 いやなことがあると、暗い気分で部屋にとじこもったり、お父さん、お母さんやきょうだいに八つ当たりしたくなることがあるでしょう。「やっぱり自分はだめだ。」「どうして自分ばかりこんな目に……。」と、つい考えてしまいがちですね。
 しかし、どんなに悪いことのように思えても、ものごとには必ずいい面もあるはずです。ゲームのつもりで、それを見つける努力をしてみましょう。「けんかしたおかげで友だちの気持ちが分かった。おかげで本当の親友になれるかもしれない。」「テストで失敗したのはチャンスだ。自分の弱点がはっきり分かった。」
 先生(すぎ)も、こんなに辛いことはないという目にあったことがあります。しかしそのとき、周りの人々が温かい気持ちに助けられて、どうにか立ち直りました。このことがなかったら、周りの人々にこれほど助けられて生きていることに気づかなかったかもしれないと思うと、悪いことばかりではないと考えられるようになりました。
 最初はむずかしく感じるかもしれませんが、ぜひ、ものごとの良い面を見つけるゲームにちょうせんして、毎日を明るく過ごしてくださいね。

 ここからは、保護者の方向けの内容です。
 プラス思考は、簡単そうでなかなか難しいものです。特に、マイナスの思考回路がしっかり脳の中に出来上がってしまっている人は(笑)、意識的に思考を転じる必要があると思います。
 子どもに勉強を教えるときなどは、特に難しいようです。前にも教えた内容なのに、同じ間違いをすると思わず、
「この間、あんなに説明したのに。聞いてなかったの? もう!」
と、ついカッとなってしまいます。こうなると、子どもに教えるのは苦痛でしかなくなります。血圧が上がります。眉間のたてジワも深くなります。そしてもちろん、教えられる子どもはさらに苦痛です。
 ここでプラス思考に転じてみましょう。「説明の仕方を変えて、もう一度やってみよう。おかげでどんどん説明がうまくなる。」「そうか、もうこんなに難しい問題をやっているのか。お母さん(お父さん)も勉強になるなぁ。」「○○ちゃんのおかげで、学校の勉強を○十年ぶりにもう一度できる。ありがとう。(笑)」これを口に出して言うと、さらに効果がありそうですね。
 毎日意識的に、このような思考回路を脳の中に定着させようと努力しているうちに、自然と眉間のシワが消えて、美容にも良いはずです。(本当かな?)子どもと一緒に『勉強を楽しむ』ことができればいいですね。そういう私自身も、まだまだ修行中ですが。
 
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