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  郵便局の再引き落とし23日に
  低学年の項目指導
  項目の説明(その2)
   とちゅうの思ったこと
   たぶん
   中心を決める
 
言葉の森新聞 2003年10月3週号 通算第816号
文責 中根克明(森川林)

郵便局の再引き落とし23日に
 今月より、郵便局から受講料の引き落としをされている方に関して、3日に残高不足などで引き落としができなかった分は、23日に再引き落としができるようになりました。該当される方には、個々にご連絡しますので、よろしくお願い申し上げます。
低学年の項目指導
 小学1・2年生の項目指導で、「父母の広場」にも次のようなご質問がありました。同じような悩みを抱えている方も多そうなのでご紹介します。
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 「いつどこ」で書き始めることはできますが、「たとえ」や「会話文」は親が「書いたの?」と言わないと書き忘れることもあります。
 また構成を考えてから書くこともできず、突然思い出したように会話文を入れてみたり、音や色の表現を付け足します。作文の途中で急に内容が変わってしまい、そのまま横道にそれるこも……。
 キーワードは必ず入るよう、親が横で見ているほうがよいのか(あとで言うと直さなくてはいけないので子供が怒り出します)、キーワードが不足してもよしとして書かせるべきか、いつも悩みます。
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 ●の項目は、例えば俳句を作るときに五七五で書くというような形式上の条件です。五七五で書けたから上手な俳句だというわけではありません。しかし、五七五で書くという条件によって、自分の書こうとする内容がはっきりしてきます。
 教室では、作文を書き出す前に、「今日はこれとこれとこれができるように書いていこうね」と項目表に印をつけておきます。
 書いている最中にいろいろアドバイスをすると集中できない癖がつくので、書いている間はあまり話しかけません。しかし、ときどき「おっ、面白いこと書いているね」などと励ますことはあります。また、簡単なミスなどは、その場で、「あ、ここはこうだよ」と軽く直すこともあります。
 子供が書き終えたあとは、「最初に言ったこれとこれとこれはできているかな」と、本人が自分でチェックするようにします。そのとき、時間があれば一緒に作文シールを貼ります。もし項目で漏れているものがあった場合、消しゴムを使って途中に入れるのは負担が大きいので、余白か書き終えたうしろの方に付け加えるようにします。こういう書き直し方ならば抵抗はありません。子供が自分の力だけではなかなか書き直しができないときは、「よし、それじゃ、……と書いちゃおう」と、先生が見本の文を言ってしまいます。自分の力だけで書かせて×にするより、手助けをしてでも◎にした方がいいからです。そのように先生が見本の文を言うと、子供も「なるほど、そういうふうに書けばいいのか」とわかって、だんだん自分で考えるようになってきます。
 このような形で数回指導すると、小学校低学年の子でも、自分で勉強するようになっていきます。
 最初から全部説明するのが大変な場合は、項目を絞って、「これだけは必ずやろうね」というようにするといいと思います。
 勉強を教えるコツはすべてに共通しますが、何しろ形だけでもいいから「できた!」と言える状態を作ってしまうことです。最初は危なっかしい出来方でも、いったんできるとあとは自力で上達していきます。
項目の説明(その2)
とちゅうの思ったこと
 作文の結びだけでなく、途中にも思ったことを書く練習です。結び以外にどこか一箇所でも思ったことが書いてあればよいとします。できれば、作文の途中のところどころに思ったことを入れて変化が出るように書いていくように指導します。
 小学生の作文の場合、事実を羅列する形になる場合がよくあります。「次は……をした。その次は……をした。そのあと……をした。」
 文章が平板で変化がないと感じる場合は、このように事実を羅列した文章になっていることが多いものです。事実のところどころに自分の思ったことを入れると、文章に変化と奥行が出てきます。
 例:鎌倉駅に着いた。私は、なんだか古い駅だなあと思った。そのあと、電車に乗った。電車は混んでいた。私は、みんな今ごろどこに行くのだろうと思った。先生がみんなの名前を順番に呼んだ。私は先生も大変だなあと思った。(実際には、これほど頻繁に思ったことは書かずに、ところどころに書いていきます)  (つづきはウェブでごらんください)
たぶん
 作文の中で、相手の気持ちを推測して書く練習です。
 感想文の場合は、登場人物の気持ちを推測して書きます。
 例:盗賊の頭は、たぶん自分が信用されたことがうれしかったのだと思います。僕もだれかに信用されたときはやる気が出るからです。
 例:お母さんは、たぶん僕のことを困ったやつだと思っていただろう。
中心を決める
 作文の中心を決めて書く練習です。
 小学生のころは中心を決めるという意識が薄いことと、字数に気を取られることが多いことから、朝起きてから寝るまでの作文を書くような傾向があります。
 しかし、作文に取り上げた題名によっては自然に中心が決まる場合もあるので、一律に指導することが難しい面もあります。例えば、「僕のお母さん」という題名で書いた場合は、自然に中心が決まりますが、「動物園に行ったこと」という題名では、ほとんどの子が「次に○○を見て、そのあと□□を見て、そのあと……」という中心の決まらない書き方になります。
 中心を決める指導は、この、中心が分散しがちな題名のときにも意識的に中心を絞れるように普段から中心を決めるキーワードを入れていく練習です。
 低学年などで、「いちばん」という言葉を指導しにくいときは、「自分がいちばん書きたかったところを○で囲んでおいてね」と指導します。要するに、生徒に中心を決めて書くことが大切だという意識ができるように指導していきます。
 例:昨日、動物園に行きました。たくさんの動物を見た中でいちばん面白かったのはペンギンです。(以下ペンギンを中心に書く)
 例:夏休み、田舎のおばあちゃんのうちに行きました。三日間いた中でいちばん心に残ったのは、二日目の朝にスイカ割りをしたことです。(以下スイカ割りの話を中心に)
 例:私は……を読みました。この本でいちばん印象に残ったところは、うらしま太郎がカメを助けたところです。(感想文の場合はこのように中心を決めると、あとが続けやすい)
 「私のお母さん」のように既に題名の段階で中心が決まっているものについても、「いちばん好きなところは優しいことです。」のようにキーワードを入れさせるようにすると指導に一貫性が出てきます。 ※順位を表わすときでない「いちばん」はひらがな書きが正しいが、グーグルでは漢字の方が主流になっているので、漢字でもよいとする。
 
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