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高校受験作文の解説集(海外)




 二つの異なる意見があるときの論じ方は、意見A、意見B、総合化したCという形が書きやすい。

 第一段落は、説明。「アメリカ人の友達と話すときにファーストネームで呼び合うのはいいが、その場にいる日本人の友達に話すときにどう呼ぶかということについて、二つの考えができる。」など。
 第二段落は、意見A。「ひとつは、アメリカ人に合わせて、日本人どうしもファーストネームで呼び合うことである。これは、アメリカ人の友達の習慣に合わせることで、その友達が過ごしやすいようにする配慮の一つとも言える。『郷に入っては郷に従え』という言葉があるが、周囲の環境に柔軟に合わせることがスムーズなコミュニケーションの基礎になる。例えば、私たちは目上の人と話すときは敬語を使い、同年代の友達と話すときはざっくばらんな言い方をする。……」など。実際の具体例を入れて長く書く。
 第三段落は、意見B。「しかし、日本人は日本人の習慣を守るべきだという考えもある。日本人どうしは姓を呼び合うという習慣があるということを知ることは、アメリカ人の友達にとってもいい経験になるはずだ。また、自分流のやり方を貫くことは、信頼感の基礎ともなる。例えば、……」など。
 第四段落は、まとめの意見C。「このように考えると、日本人どうしがファーストネームで呼び合うか、姓のさん付けで呼び合うかということは、表面的な問題であることがわかる。大事なことは、どういう呼び方で呼ぶかということではなく、相互の信頼関係を築けるようなコミュニケーションをどうとるかということだ。それは、呼び方よりも話の内容に深く関わっている。話の内容を充実させることを第一に考えれば、呼び方もそのときの状況によって自然に決まってくると言えるのではないだろうか。」など。



 第一段落は、説明。「国際化ということで大事なことは二つある。一つは相手の文化を理解すること、もう一つは自分の文化を正しく相手に伝えることだ。」
 第二段落は、意見1。「相手の文化を理解する点で、語学力のあることは大きな条件となる。例えば、私はこの夏に英語の本を読んだが……」など。
 第三段落は、意見2。「また、自分の文化を外国の人に知らせる点でも、語学力のあることは大きな条件となる。私は海外の友達と文通をしているが……」など。
 第四段落は、まとめ。「以上のように考えると、外国語に堪能であることは、国際化の最初の大きな条件である。しかし、その外国語を通して、何を学び何を伝えるかという中身が本当の目的である。つまり……」など。



 設問が具体的なときは、設問の流れやキーワードに沿って書く。

 第一段落は、心がける点。「ホームステイに外国の生徒を招くときに大事なことは、相手の文化と日本の文化の違いが、相手にとって負担にならないように配慮してあげることだ。例えば、食卓に箸しか置かれていなければ、外国の生徒は食事に不自由するだろう。また、日本人は、靴をぬいで生活するということなどをあらかじめ伝えておけば、不要なトラブルを少なくすることができる。私もホームステイに行ったとき……」など。
 第二段落は、日本の何を伝えるか。「日本の何を伝えるかということについては、やはり外国との違いを中心にするが、その中でも生活を通しての違いを理解してもらう必要がある。つまり、日本の観光名所を見せるようなことももちろんあってよいが、それ以上に日常生活で日本文化を伝えることが大切だ。そのためには、日本人にとっては当然になっている動作や習慣についても、相手のために説明することが必要になる。例えば……」など。
 第三段落は、どんな準備が必要か。「以上のことを考えると、物の準備ももちろん必要だが、それとともに自分自身や家族が日本文化の特徴を学んでおく必要がある。そのために……」など。



 第一段落は、説明。「これまでの日本は、欧米からいろいろなものを吸収することが国際化であるかのように考えてきた。しかし、これからの社会では、日本のよい面を世界にアピールすることが国際化の中心になる。世界に誇れる日本文化を私は二つ考えている。」など。
 第二段落は、展開1。「第一は、自然の豊かさと、その自然と調和した生活や文化だ。欧米の文化では、自然は征服の対象と考えられていることが多い。それに対して日本では、自然は人間の生活の中に溶け込むものとして考えられている。例えば、私の家では夏によく打ち水をする。それは……」など。
 第三段落は、展開2。「第二は、他の人と共感する文化だ。欧米では個人主義の原理が根付いているが、日本では個人主義に徹する人は少ない。だから、意見の食い違いがあるときも相手に合わせようと努力することが多い。それが、日本の社会の治安のよさを支えているとも考えられる。」など。 
 第四段落は、まとめ。「文化には、それぞれ個性がある。どの文化が優れているということはできない。しかし、だからこそ、これから日本は日本文化のよさを世界に広げていくことが……」など。


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