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大学受験作文の解説集(経済)




 第一段落は、現状の説明。
 第二段落は、団塊の世代が経済にとってマイナスになる面。団塊の世代が労働市場を去り年金生活に入ることを考えると、社会的負担は増大する。会社人間として暮らしてきた世代が適応力に欠けると考えると、変化の激しい社会で新しい労働力となるのは難しい。また、同じく会社人間として暮らしてきた趣味の乏しい世代が、余暇を利用して新しい市場を創造するとは考えにくい。
 第三段落は、プラスになる面。しかし、条件を変えれば、マイナス面はそのまま団塊の世代の可能性ともなる。理想的なシナリオは、団塊の世代が高齢者向きの新しい文化的市場を創造し、その市場が団塊の世代の労働力を生かす形で発展していくことだ。例えば、商品なども、安くて便利なだけでなく文化性が求められるようになる。それが日本だけの市場に留まらず、世界に輸出する日本の文化になる可能性もある。
 第四段落はまとめ。問題は、団塊の世代のプラス面・マイナス面を他人事のような問題として考えることではなく、ほかならぬ私たちの社会設計の課題として考えることである。



 第一段落は、現状の説明。
 第二段落は、株主資本主義のよい面。日本の社会はともすれば、公正さのルールを軽視しやすい。それは会社内部の運営にとっては欠点にはならないが、対外的な問題になると弱点を露呈しやすい。会社が公器であるという意識を徹底させるためにも、株主こそが会社の主人公だと考える見方をもっと広げる必要がある。日本では、株主からの批判がないために、経営が馴れ合いで行われている面がある。時代の変化に対応して企業を活性化するためにも、株主の声は必要だ。
 第三段落は、株主資本主義の悪い面。しかし、日本の社会は、経営者と従業員の信頼関係をもとに機能してきた面がある。そして何よりも、今日の社会では資本の持つ役割が次第に低下している。逆に言えば、社会の新しい市場を開拓するために必要な量よりも更に余剰になったマネーがその増殖先を求めてM&Aに流れていると見ることもできる。
 第四段落はまとめ。会社がだれのものかということは、法的に決められて済むものではない。会社論の前提として、会社が社会に対してどういう役割を果たすべきかという社会論が求められている。



 第一段落は、現状。
 第二段落は、成果主義が広がった理由。(一度書いたことがあれば新しい実例で書こう)一つは、経営側の事情。人件費を抑制し優秀な人材を確保するために成果主義の導入を行った。また、従業員の側にも成果主義への志向があった。特に意欲と活力のある労働者は、日本社会にありがちな横並び評価に不満を持っていた。
 第三段落は、成果主義の広がりに限界がある理由。第一は、日本の企業が評価の客観性を保障するような仕組みになっていない(チームワークを中心とした労働など)。第二は、日本人のメンタリティに合わない面がある。
 第四段落はまとめ。成果主義の是非を過去から現在までの問題と考えるのではなく、未来の問題と考える必要がある。日本の風土や組織に合った成果主義を創造することが私たちの課題である。



 第一段落は、現状と問題提起。
 第二段落は、地域の商店街が衰退した原因。もともと個人営業中心で活力のなかった商店街を保護するための大店法が大型店の郊外出店を引き起こし、中心商店街の弱体化を加速した。
 第三段落は、対策。街の活性化はそこに住む住民にとっての希望でもある。街を魅力あるものにするためには、住民も含めたまちづくりへの合意が必要だ。
 第四段落は、反対理解と意見。確かに市場の論理は、長期的に見れば経済の合理性に合致している。衰退する商店街も、新たな発展のための一時的な淘汰期間と考えることもできる。しかし、街は住民にとっての生活の場でもある。住民が住みやすい街を作るためにも……。



 第一段落は、インターネットの普及の現状。
 第二段落は、今後予想される問題1。「第一は、法律など社会の枠組みがインターネットを想定したものになっていないために、インターネットの活用が阻まれている点である。例えば……」
 第三段落は、問題2。「第二は、インターネット標的にした犯罪の増加である。インターネットのトラブルは、与える規模の大きさと速さが特徴である。例えば……」
 第四段落は、意見。「インターネットが普及したのは、そこに経済的合理性があったからである。この流れが止められない以上、対策は早急に進める必要がある。インターネットの対策の性格は、完全性よりも速さにある。」



 第一段落は、状況実例。身近なところで外国人の労働者が増えているという話や、実際の統計データを書いていこう。経済的に考えると、労働力も商品の一つだから、国境の壁を越える圧力を常に持っている。

 第二段落は、経済的メリット。「日本の生産年齢人口の不足。個々の企業における人手不足の解消と人件費の削減」など。外国人労働者本人の利益と、雇用する企業の利益が一致する。

 第三段落は、デメリット。「日本の労働者の賃金水準の低下。行政の負担増」。つまり、社会にとっては不利益になる場合もあるということ。

 第四段落はまとめ。「グローバル化の流れは止められないが、なし崩し的に受け入れるのではなく、政策的に対応することが必要」



 第一段落は、環境税の説明。「税による経済活動のコントロールを目的としたもので、環境負荷の抑制を図るために炭素税をその主な中身とする。例えば、古紙回収によるリサイクルよりも木材の輸入の方が低コストであれば、その分だけ木材の輸入に課税し経済活動を古紙回収に向けることができる」

 第二段落は、問題1。「税収を目的とした税と混同すると、かえって環境負荷を高める可能性もある。例えば現在の揮発油税は、エネルギーの消費を抑制するための課税という面よりも、税収による財源を道路整備に充てるための課税という面が強い」



 第三段落は、問題2。「また、環境問題は一国だけで解決できる問題ではない。アメリカや中国などCO2の最大排出国が削減の義務を負わない中で日本だけが国内に環境税を課せば、生産拠点がそれらの国に移転するだけの結果になる可能性もある」

 第四段落はまとめ。「環境問題では、私企業の利益が全体の利益に結びつかないという市場の失敗が典型的に現れやすい。環境税などの税による市場のコントロールは、今後ますます重要性を増してくる」



 第一段落は、少子化の現状。
 第二段落は、その原因。「経済的理由が主なもので、そのほかに晩婚化、育児負担の女性への偏りなどがある」
 第三段落は、対策。「子育ての費用を社会で分担する仕組みが必要。また、少子化が労働力の減少に結びついている点については、生産性の向上で対応することが考えられる。少子化が消費の縮小と結びついている点については、高額商品、高付加価値商品の拡大で対応することが考えられる」
 第四段落はまとめ。「少子化は、その背後にあるトータルな経済の仕組みを反映している。対策も、若者の雇用条件の改善など抜本的なところから行われる必要がある」


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